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【硬式野球】不定期連載記者コラム『暁の勇者』~ついに叶えた初安打!二高戦士・肥後幸太の軌跡~

2022年5月13日(金)

不定期連載の記者コラムとなる『暁の勇者』。紙面やウェブサイトに書ききれなかった出来事などを担当記者がお届けします。今回は7日の明大1回戦でリーグ戦初安打を放った肥後幸太(法4=法政二)選手ついての記事を掲載します。

二年秋のフレッシュトーナメントで初出場を果たした

『ついに叶えた初安打!二校戦士・肥後幸太の軌跡』

2点リードで迎えた8回の表、代打で肥後幸太(法4=法政二)の名前が告げられた。今季4度目となるその打席で、肥後は明大3番手・下江秀弥の3球目を左前に運んだ。リーグ戦通算7打席目で初めて灯った『Hランプ』。法政一筋7年目、今季唯一附属校出身者でベンチ入りを果たした男が、念願の初安打を放った。

憧れは向山基生(平30年度卒、現NTT東日本)。法政二高で過ごした3年間、肥後は神宮で躍動する向山の姿に羨望の眼差しを向けていた。「神宮で活躍している姿を見ると、僕もやっぱりそこに立ちたいなとは思っていました」。法政二高出身者としては片瀬優冶(=令2年度卒)以来となる安打で、憧れの向山に続いた。

ここまで来るのは平らな道のりではなかった。法政二高では1年次からベンチ入り、2年次からはチームの主軸を担うも、法大入学後は大学の高い壁に直撃。「レベルの違いを感じたりだとか、みんなすごいなと思っていました」。既にリーグ戦で安打を放っていた野尻幸輝(営4=木更津総合)、齊藤大輝(人4=横浜)ら同期とは対照的に、秋の新人戦でベンチ入りするのがやっとだった。

それでも肥後は諦めなかった。「大学でやるからには中途半端にはできない」。覚悟は誰よりも強かった。地道に練習に取り組み、2年秋のフレッシュトーナメント東大戦では代打で初出場。結果は死球、打席はその1打席のみだった。しかし、「神宮で試合ができた、(打席に)立てたというのは非常に良かったと思います」。自信をつかむ打席となった。

神宮で得た大きな経験を糧に、そのオフは下半身主導の打撃フォームへの改良に着手。この取り組みが功を奏した。3年春にはオープン戦からAチーム入り。社会人対抗戦でも代打で安打を放つなど少ないチャンスをものにし、開幕ベンチ入りを果たした。そして明大1回戦では代打でリーグ戦初出場。初球を叩き二ゴロに終わるも、一歩目を踏み出すことができた。結局、昨年はその1試合と秋季の2試合の合計3試合に出場。無安打に終わったが、肥後個人としては飛躍の1年となった。

迎えた今季は「逆方向にもヒットが出ている」とオープン戦から好調を維持。山口竜輝学生コーチ(人4=法政)とともに取り組んだ下半身トレーニングで打撃力が向上し、今回の初安打につながった。

試合後には「次も頑張ります!」と力強く答えた肥後。頼りがいのある二校戦士が、法大にいる。

(五嶋健)

 

 

 

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