【準硬式野球】全日本大学東西対抗日本一決定戦 甲子園大会代表インタビュー
2022年9月28日(水)、10月1日(土)、10月2日(日)
共同通信社、駒沢硬式野球場、早大東伏見グラウンド
全日本大学東西対抗日本一決定戦 甲子園大会が今週末11月13日(日)に開催される。今大会は、全日本大学準硬式野球連盟が連盟初となる阪神甲子園球場で行う大会として企画。
法大からは1年を通してチームを支え、春季リーグでは優勝の立役者となった藤中壮太投手(社2)・澤野智哉捕手(社3)のバッテリーが東日本代表に選出。さらにボールスタッフとして主務の藤平心選手(社4)が参加する。
藤中投手は9月28日に行われた記者会見に出席し、大会への意気込みを語った。記者会見でのコメントと会見後のインタビューに加え、秋季リーグ戦の試合後にお話を伺った澤野捕手、藤平選手のインタビューをお届けする。
選手コメント
藤中壮太
記者会見
―高校3年生の時に新型コロナウイルスによる甲子園中止を受け、大学生になって再び甲子園でプレーできることに対して率直な思いは
僕たちの世代はコロナ禍ということもありまして甲子園大会が中止となって、もう甲子園ですることは今後の野球人生の中でないかなと思っていました。そんな中でこの準硬式野球の東西対抗日本一決定戦が甲子園で開かれることを率直にうれしく思いました。
―甲子園でどのようなプレーを見せたいですか
甲子園で試合をするということは全国の人々から注目されると思いますので、そこでまず第一としては野球をしていてよかったとそういう素直にうれしさが出るようなはつらつとしたプレーをしたいと思っています。そして東日本選抜の一員となりましたので、東日本選抜を日本一に導けるようにしっかり頑張りたいと思います。
―準硬式野球の道を選んだ理由と良いところは
高校時代強いチームでやってきて自分が準硬式を選んだ理由は、体が小さいこともありまして、大学で硬式野球をする際もしかしたら体の面でもプレーの面でも周りに埋もれてしまう可能性があると思いました。そんな時に高校の監督から準硬式野球をすすめられて、準硬式野球なら体が小さくても活躍できる。そしていろいろな経験ができるという風に言われましたので、そこで準硬式野球を選びました。そして野球漬けではない日々を送る中で、私は人間性が非常に磨かれているなと実感しております。部活動にしても勉強にしても、その他のアルバイトにしてもやっぱり高校時代とは違った生活を送るので、そこで人間性が非常に磨かれているなと感じております。
―準硬式野球というスポーツへのこだわりは
僕のこだわりは、準硬式野球だからといって硬式野球の選手に負けるつもりはありませんし、やっぱり野球をする上で誰にも負けたくないという思いでやっているので、こういう強い気持ちを持って野球をこれからも続けていこうとは思っています。
―甲子園の舞台で高校生へ伝えたいことは
高校生に伝えたいことは、高校野球が終わった後に大学に進む際に硬式野球を続けるか野球を諦めるかという風な考えが一般的に多いかと思うんですけど、そこで準硬式でも甲子園で(野球を)することができるということをまずこの甲子園大会でプレーとともに伝えたいです。そこで準硬式野球をすることで自分で練習を考えてすることだったり、準硬式野球には硬式野球とは違った様々な魅力があると思うので、そういうところを高校生にもっと今以上に伝えていきたいなと思っています。
―当時高校生3年生だった2020年5月20日、甲子園の中止が決まった時を振り返って
僕は2年前の2020年5月20日、甲子園大会の中止が決まった時は、学校も休校中だったので自宅の方で全国に流れているニュースを見て知りました。やっぱり自分たちが高校野球をする上で、甲子園で勝つことだけを目標にやってきたので、そのニュースを見たときは本当に野球を辞めるまではいかないですけど、高校野球を引退するまであと3か月ほどありましたけど、する意味があるのかという風な考えは頭の片隅に浮かんでいました。そこで諦めずに、チーム1人1人が「もしかしたら県大会が開かれるかもしれない」という思いを持ちました。高校野球を終えて、そして今こういった風に準硬式野球で野球をしていて甲子園大会中止は決まりましたけど本当にあの時諦めずに真剣に野球に取り組んでよかったなと思っています。
以下は会見後インタビュー
―東日本代表選手に選ばれた時の心境は
これは開催地が甲子園だったので、書類選考から何としても選ばれたいなと思っていました。率直に、選んでもらえて光栄です。
―選出の経緯は
他大学はどうかわからないですけど、法政は監督の本間(隆洋)さんが(チームから)5、6人に絞って書類を出しました。そこで今大会の(ディレクターの)杉山(智広)さんだったり、(東日本選抜チームGMの)山田(善則)理事長だったりが選んでくれたのでよかったと思います。
―チームの皆さんからかけられた言葉は
みんな高校時代に甲子園に出たり出ていなかったりがあると思うんですけど、やっぱりみんな甲子園で(プレー)したいと思うので、「甲子園出られていいな」という風な声をかけられました。
―一緒に出場する澤野選手とは何かお話されましたか
澤野さんも高校時代に甲子園に出ていて、僕も出たことはあるんですけどもう1回できるとなって、(出場が)決まったと聞いた時はLINEでよかったという風には2人で話し合いました。
―高校時代、三塁手として甲子園に出場された
そうなんですよね。高校2年の時に出たんですけど、野手だったので。ピッチャーを高校3年生の県の独自大会から始めたので、初めてピッチャーとして甲子園に出るので楽しみです。
―初めて甲子園マウンドに立つことについては
めちゃくちゃ楽しみですね。いいピッチングをしたいと思っています。
―役割などはもう決まっておられる
いや、まだ決められていないんです。予想なんですけど、東日本(選抜)は9人ピッチャーがいるので1人1イニングぐらいの割合になるんじゃないかなと思っています。打者3人で切って、しっかり準硬を広めてきたいと思っています。
―応援している人たちに向けて一言
準硬にきて、このようなチームに選出されたので、選出されたからにはしっかり抑えて見てくれている方々にしっかり恩返しじゃないですけど、僕は頑張ってますよという風なアピールをプレーで示したいと思っています。
藤中壮太(ふじなか・そうた)
社会学部2年
鳴門高校出身。投手。
鳴門高時代、2年次に三塁手として甲子園出場を経験。さらに投手に転向した3年次に、新型コロナウイルス感染拡大による夏の甲子園中止を受け行われた徳島県の代替大会で優勝に貢献した。最速142㌔の速球を武器とする本格派右腕。大学では1年次の春からリーグ戦に出場し、中継ぎとして頭角を現した。開幕投手を担った昨季は、2年生ながら最優秀防御率とベストナインの2冠を獲得。力強い投球で三振を奪いながらも凡打の山を築き、打者を翻弄(ほんろう)する。チームを優勝に導いた頼もしい投球を、久しぶりとなる甲子園の舞台で見せてくれることに期待したい。
澤野智哉
―代表に選出された時の気持ちは
もう(甲子園で試合を)することはないなと思っていたので、率直にうれしいです。
―国士舘高時代に出場経験がありますが、その時を振り返って
高校の時は初戦負けで個人的にもあまりいい結果ではなかったので、甲子園でもう1回結果を出したいというのは思っていたので楽しみです。
―自身のプレーで見てほしいところは
キャッチャーなので、球場のど真ん中にいるので見てもらえると。走攻守全てを(見てほしいです)。
―応援している方々に向けて一言
遊びじゃなく東日本代表なので、勝てるように頑張りたいと思います。
澤野智哉(さわの・ともや)
社会学部3年
国士館高校出身。捕手。
国士館高時代に甲子園出場を経験。大学では2年次から正捕手を担う。完全優勝を果たした昨季、先日終えた今季の全試合でスタメンマスクを被り、日頃から懸命なプレーでチームを支えている。持ち味である正確なスローイングと冷静なリードはチームにとっても頼もしい武器となり、春季リーグ連覇に大きく貢献。投手陣だけでなく監督からも絶大な信頼を寄せられており、チームになくてはならない存在に。意外性のある打撃も魅力で、攻守にわたって甲子園のグラウンドで躍動する姿に注目だ。
藤平心
―参加が決まった率直なお気持ちは
今まで主務として4年間やってきて裏方さんの気持ちが非常にわかるので、こうやって企画してくださった連盟の理事の方々や学生委員会の方に感謝するとともに、素直に甲子園に行ったことがなかったのでうれしいです。
―試合当日の具体的な役割は
例えばどこのポジションの周りにつくとかはまだちょっと決まってないんですけど。おそらくボールボーイなので、ファールボールを取ったり審判に渡したりするのかなというのは思っています。
―試合に出場される藤中選手と澤野選手に向けて
リーグ戦とか全日(全日本大学選手権)でもいつも助けてもらっているピッチャーを、また甲子園の舞台で引退前に見られるとは思っていなかったので、2人にはすごく期待したいと思っています。
―大会に向けて意気込みを
高校時代3年間甲子園を目指して、自分の場合は行けなくて、それが巡り巡ってこうやって甲子園に行けることになったので、これまで自分の野球生活に携わってくれたいろんな人に感謝して甲子園のグラウンドの土を踏みたいと思います。
藤平心(ふじひら・しん)
社会学部4年
藤代高校出身。外野手。
長きにわたって主務としての仕事を全うし、選手・スタッフとしての両面から重要な役割を担う。監督からも信頼を置かれ、幹部として今年のカラーを作り上げてきた。チームメイトのサポートを欠かさず、下級生・同級生問わず慕われる縁の下の力持ち。大会の運営に尽力する彼らの存在は本大会でも欠かせない。チームを支えながら静かに闘志を燃やし、日々周囲への感謝を忘れない姿は甲子園の舞台でも輝くことだろう。
(取材:山中麻祐子)