2022年11月30日(水)、12月3日(土)
@オンライン
12月8日から行われているグランプリファイナル、ジュニアグランプリファイナルにそれぞれ出場する渡辺倫果と吉岡希。ショートプログラムは渡辺が72.58点で4位、吉岡が66.83点で5位発進。今大会開幕直前に2選手が意気込みを語ったインタビューをお届けする。
インタビュー
渡辺倫果
ー今シーズンの始めは、グランプリシリーズ(GPS)が一戦もアサインされていませんでした。最初にNHK杯が決まりましたが、その時のお気持ちはいかがでしたか
NHK杯は国内大会というのもあって、日本スケート連盟の方が推薦をしてくれればという状態でした。スケートカナダよりアサインは早いかなと思っていたんですけど、結果的に樋口(新葉、明大)選手の怪我によって入ることになって。正直複雑な気持ちではあって、ロンバルディアで一緒に大会に出場させてもらっているので、その一緒にいた選手が怪我してしまってというのはとても複雑な気持ちでした。でもその分頑張りたいなっていう気持ちと自分でいいのかなって思う気持ちの半々でした。シードカード自体もNHK杯の記者会見の後に知ったので、1週間後に出発みたいな感じで。結構あわただしかったんですけど、結果としてスケートカードは優勝できたので、よかったかなって思っています。
ーカナダ大会出場が決まったことにより、GPSに2戦出場することが決まりました。決まった時に、ファイナルは少し意識されましたか
そうですね。というのも、ジュニアの終わりと同時にシニアのグランプリシリーズがスタートっていう感じになるんですけど、 一緒に練習している中井亜美(MFアカデミー)ちゃんっていう子が、ジュニアで出場予定で、その子も一戦だけだったんですけど、行く予定だった子がコロナで、急遽(中井選手が)出場になっていて。明日とか明後日出発って感じでしたが、そのままグランプリファイナル(出場権)を持って帰ってきたので。だから、スケートカナダの方も確率は高いっていう風には言われていたので、 一戦しか決まってない状態だったんですけど、自分もファイナル行きたいなって思うようにはなっていました。とは言ってもアサインの無い状態から、二戦決まったので、あとは自分ができることをやって、その先にファイナルがあればいいなっていう感じでいました。それで試合が終わってファイナルの確率がまだ高いということで、フィンランドの最終戦の結果を受けて、ファイナル確定になったんですけど。正直、スケートカナダの時はグランプリシリーズに出られただけで嬉しいっていう気持ちもあったんですけど、やっぱりファイナルっていうものを意識 しましたし、2戦確定した時点で、自分がやるべきことをやって、トップに行けばファイナルに行けるっていうのはあったので。今でもスケートカナダの優勝は信じられないし、ロンバルディアの優勝も信じられないし、ファイナル行けることも信じられない状態なんですけれども、その無茶な「行きたい」っていう要望が叶ったのは良かったんじゃないかなと思っています。
ー元々カナダで練習されて生活されていたと思います。懐かしい場所とか訪れることができましたか
自分はバンクーバーの方で練習していて、試合自体はトロントだったので、懐かしいというか、雰囲気は懐かしいなと思ったり。あとは試合の何日か前に現地入りしているので、練習自体も昼過ぎとかにはもう終わるので、そこからバンクーバーで一緒に練習していた子が今トロントの大学いるっていうので、少しだけ会ったりとかもして。友達に会えたことは一番良かったんじゃないかなって思います。
ー演技構成点を上げることを昨年からずっと目標にしていたと思います。昨年から比べて、演技構成点が上がったなと思ったのですが、ご自身はどう考えていますか
海外の大会だと(点数が)出やすいっていうのもあるんですけど、そこで国内が少しずつ引っ張られていくっていうのも確かだと思うので。国内でも今回の国際大会ぐらい点数が出ればいいんじゃないかなっていう風には思っています。スケートカナダのあとNHK杯までの2週間で、クロスの基礎の方から改めて練習しているので、そこがこのファイナルだったり全日本だったりで、少しでも違いを見せることができたらいいんじゃないかなって思っています。
ーGPファイナルが決まった時の周りの反応は
ちょうど確か、最終滑走の子が滑る前に確定になったらしく、その時点で結構もういろいろな人からおめでとうって言ってもらいました。でもまだ自分的に信じられてなくて、1人でなかったことにしていました(笑)。
ーGPファイナルの目標はありますか
そうですね、正直グランプリファイナルに出られただけでも本当にすごいことだなって思っています。自分自身今シーズン最初の感じでいったら、来シーズンからグランプリシリーズに呼んでもらって、2、3年後にファイナル行けるような選手になれればいいなっていう感じだったので。それがノーアサインからいきなりファイナルっていうちょっとすごいことにはなってはいるんですけど、だからこそ気楽にあまり考えすぎずに、ただただ自分らしい演技、そして自分の納得のいく演技がファイナルでできれば本当にいいなと思っています。それがまた今後の経験だったり、結果だったりについてくるかなと思うので、本当に自分らしく、最後までやり切ることが目標です。
ー今回のGPファイナルは日本の選手が多く出場します。そこに対する安心感とか、逆に緊張とかはあったりしますか
特にシニアの女子の方は、花織ちゃん(坂本花織、シスメックス)と舞依ちゃん(三原舞依、シスメックス)なので、もうそこに託してるようなもんなので、私は気楽にのびのびとやるだけかなって思っています。ファイナルには、ジュニア、シニア、ペアとか全部含めて15名になると思うんですけど、本当に1種の団体旅行みたいな(笑)。ファイナルに出場できるような選手を近くみられるっていうのは、本当にいい経験になるんじゃないかなって思っていて、練習が一緒だったりすると思うので、そこからまた見て学ぶこともあるかなって思います。練習の時から自分のいいものであったり、他の人のいいものを見て、学ぶことができればいいんじゃないかなって思っています。
ーGPファイナルのジュニア男子に、同じ法大の吉岡くんが出場しますが、印象とか関わりとかはありますか
結構週末NTC(ナショナルトレーニングセンター)とか行ったりすると、ちょくちょく会ったりしていて。この前全日本ジュニアで優勝してたんですけど、LINEでおめでとうみたいな感じで言いました。ちょっと面白いのが法政大学のグランプリファイナル出場した2人とも1位と5位なんですよ(笑)。
本当に希はなんか変わっていて面白い、なんかふわふわしているっていうかほんわかしているのに変わっていて。いつも私ばかり話して希が「せやなー。」って感じで「変わっているなー。」と思いながら、いつも面白いから話し続けちゃいますね。
ーNTCの話が出てきたと思うんですけど、NTCには結構頻繁に行かれるんですか
私は結構頻繁に行っていて。というのも、こっちのリンクは土曜日がオフだったり、あと 日曜日の朝練が早朝で、片道2時間とか2時間半かけてリンクに行ってるので3時起きとか3時半起きなんですよ。それが絶対に嫌なので、NTCに行ったりしています。
ー金曜日からまた行かれるっていうことなんですけど、それはやはりGPファイナルに向けた追い込みをするということでしょうか
それももちろんあります。あとは、すぐ全日本があるので、やっぱり追い込んでいかないと。曲かけ自体もNTCの方が自由にできたりしますし、あとは周りの選手が本当にうまい選手ばっかりなので、そこからま刺激を受けたりとか。周りが早いと必然的に自分も早くなってくるので、それも含めて行ったりしています。
ー『シンデレラストーリー』と言われてるのは知ってますか
知っています(笑)。
ーそれについてはどう思いますか
シンデレラって言うほど綺麗なものじゃないって言うのが本音です。
でも前代未聞ですよね、ノーアサインからファイナル出場は。まあいいんじゃないでしょうか(笑)。
ー昨年と比べて国際大会も多くなりました。そういう環境の変化とか遠征が多くなったことで、ちょっと大変だなとか、変わったなと思う部分はありますか
そうですね、今まではそれこそ試合と試合の間が1ヶ月空いていたりとか、国体予選とか東インカレを除いて、ブロック、東日本、全日本っていうのは基本1か月ずつなっていたので。なので、ボディーコントロールとか全部含めてスローペースでつじつまを合わせていたんですけど、今年になって、ノーアサインから急遽決まってっていうのが本当に多かったので、本当に1週間後に出発とか、1週間で体を絞ってっていうのをやらないといけないのが大変でした。あとは、本当に試合数が多すぎるっていう感じで。小さい大会も一応出てはいるので。多分今年4月ぐらいかな、関東有志から数えて多分15試合近く自分出ていて、1週間に2回試合やったこともあって。なので、早いペースで辻つまを合わせるのがちょっとしんどいなと思う反面、一応調子自体はずっと上がりっぱなしだったのでずっとキープしないといけないっていうのも、いい点だったり悪い点だったりしたっていう感じです。