布田航主将を中心に、新体制として再出発した法大ハンドボール部。昨年11月の新体制発足から、チームは『法政に関わる全ての人をワクワクさせる』というビジョンを掲げ、組織改革を進めてきた。スポーツ法政新聞会では、ハンドボール部が取り組んでいる組織改革について全3回にわたり特集する。第1回の本記事では、2月5日に行われた定期ミーティングの様子や、主将と学生コーチへのインタビューの模様を掲載する。
ミーティング中、チーム運営についての方針を伝える布田主将
2月5日に行われたハンドボール部の定期ミーティング。この中で水野学生コーチから「戦術の共有」と「個々の体づくりの重要性」などが選手に伝えられた。次に選手同士で話し合ったのは、メンバー選考の条件だ。水野コーチは「今年のチームは透明性をもって運営したい」と新体制発足当初からメンバー選考の基準を選手自らに考えさせ、出場するに相応しい選手像をチーム内で共通認識を持たせるようにしている。
選考基準について選手からは、「技術」や「フィジカル」、「試合中での自己修正力」などの他に「チームを鼓舞できること」などといった要素も挙げられた。さらに、トレーナーから体組成に関する説明も行われ、選手たちは練習面から生活面まで幅広い内容を確認した。
最後に、布田主将から選手への話があった。主将からは、春季リーグ戦を前にメンバー争いが激化し試合に出られる者、出られない者が出てくることを前置きした上で「不平不満はいくらでも言ってもいい。ただし、チームにとってプラスになる方向の意見をぶつけてほしい」また、春季リーグに向けては「今はたくさんミスを積み上げる時期。自分自身やチームを信じて進むことが重要」というメッセージが伝えられた。改革を進める上で、選手一人一人の意見やチーム全体としての前向きな姿勢は必要不可欠だ。こうしたメッセージからも、『組織改革』を進めようという思いが伝わってきた。
法大ハンドボール部の『組織改革』は、様々な試行錯誤を重ねながら現在も進められている。まもなく、新体制となってから最初の重要な試合となる春季リーグが開幕する。個々の能力の向上と、チームとしての改革がどのように結果として表れるか。法大ハンドボール部の活躍に期待がかかる。
布田主将インタビュー
―まず、今のチーム状況はいかがでしょうか
順調ではあると思います。ただ、今の時期にどれだけ選手同士でぶつかれるかというのが、今後戦っていく上で重要になってくるとは思うので、決してうまく回ってるわけではないですが、それを含めて順調かなと思います。
―練習の中でチーム全体として意識して変えていることや、キャプテンとして選手に伝えていることはどういったところでしょうか
まずはマンネリ化した練習をしないということは意識しています。毎回同じ練習だと、練習の中での学びは少なくなってくると思うので、そこはコーチとも話しながら、今のチームの課題と照らし合わせて、練習メニューは毎回変えるようにはしています。また日頃から部員に伝えているのは、常に新鮮味を持ってやってほしいということです。ただ漠然と1週間の練習をするというよりは、1日1日の練習が大事というのは、選手に伝えるようにはしてます。
―インカレが終わってから、この冬で新しく取り入れた練習は具体的に何かありますか
新チームになって、まず取り掛かったのがフィジカル強化の部分です。特に練習の冒頭30分はトレーニングに充てたり、ウェイトの頻度を増やしたり、負荷を増やしたりしました。まずはフィジカル面で負けない、戦えるチームをしたいと思っています。
―個人として、意識して変えているところはありますか
うまい選手は練習の時にいろんなプレーに挑戦して失敗している分、選択肢がたくさんある中で1つを選ぶから決定率が高いというのは、肌で感じてきました。個人としては、今の時期はいろんなプレーに挑戦し、失敗して、また反省して、というサイクルを回していくことは心がけています。キャプテンとしては、正直「選手としての自分」と「キャプテンとしての自分」という使い分けができていないんですけど、等身大の自分でやりたいなとは思ってます。
―練習以外の生活面などで変えたところはありますか
出欠確認とか、新しく部則を作ったりして、チームとしての価値というものを高めていこうとは心がけてます。
―秋リーグの時点ではご自身の課題としてシュートを挙げていましたが、そこは変化されましたか
変化はないです。自分のポジションはやっぱりシュートを決めなければいけないポジションではあるので、まずはシュートが大事ですし、去年の秋リーグも今もシュートという部分は課題ではあります。ただ、秋リーグと比べて、失敗の質は少しずつ上がってきているかなと思います。前と同じミスをしないようにとか、新しいミスというのを心がけてはいるので、そういう部分ではレベルアップはしてるのかなと感じています。
―チームとしての課題としてはディフェンスやオフェンスで軸が作れていないということでしたが、そこも変化はないですか
まだ新チームなので、軸というのはまだなかなかできない部分ではあります。ただ、今の時期は個々を伸ばすという部分と、チームとしての方向性が決まった時に全員に浸透するような土台を作っておくことが大事だと思っています。
―この冬を通して、1番変化した選手や成長したと思う選手は、どなたかいらっしゃいますか
みんな頑張っていると思います。1人挙げるというよりかは、底上げの部分は新チームが始まってから意識をしていたので、チームの目標が何なのかというのは、全員がしっかり認識して進んでいる選手が多いかなと思います。
―今のチームの強みはどういったところでしょうか
強みは強くないところです。自分たちは強くないので、むしろ弱さこそが強みになっていくのかなと思います。弱さを自覚しているので、地に足を着けてやれる分、ある意味弱さこそが強みになっていくのではないかなと思っています。
―今後に向けてのチームの課題はどういったところですか
ここから春リーグに向けて、しっかりと統一されたチームにするというのは一つの課題です。オフェンスもディフェンスもチームとして統一されたプレーをするというのは、すごく大事だなと思っています。しかし、1番重要なのは最後のインカレでどう結果を残すかだと思うので、春リーグだけで終わらないチーム、春から秋にかけてしっかり伸びていくチームを作りたいなとは考えてます。
―春リーグでの目標と、今年1年を通しての目標をお願いします
春リーグは、まずチームでしっかりと春リーグ6位以上を絶対達成するということは1番の目標だと思います。1年通しての目標としては、インカレでベスト8以上には必ず残るというのはチームとして目標を立ています。今まで散々目標を立てても、結局あやふやになって達成できなかった部分があるんですけど、今年は必ず達成する目標を2つ、『リーグ6位』と『インカレベスト8』を立てました。まずはそれを達成したいというのと、あとは今年、「法政に関わる全ての人をワクワクさせる」というビジョンを立てたので、チームとしての価値というものも上げて、何年後も続いていくチームの土台を作っていきたいです。
水野コーチ インタビュー
―まず、今のチーム状況はいかがですか
いいスタートが切れているかなと思っています。11月後半ぐらいから始まったんですけど、そこからチームのやる気もキープしつつ、今も練習をできているかなと思っています。
―昨年のインカレを終えた時点でのチームの課題はどういったところでしたか
インカレを終えた時点では、ディフェンス力を最後までつけきることができませんでした。チームでのディフェンスのルールの認識であったりというところが足りなかったかな、という課題がありました。
―今回の冬の練習を通して、チームとして変化した点や、選手に意識するように伝えていることはどういったところでしょうか
この冬期間はやっぱり大会がない分、自分たちだけの練習、法政のチームでの練習が増えてきているので、やっぱり1番はフィジカル面を強化するというところです。体力であったり、ウェイトトレーニングを頑張って体を作るといったところを主に意識しています。
―この冬を通して1番変化した選手はどなただと思いますか
まだ冬の練習をしてから、他大学と戦うことがないので、まだ見えていないかなと思います。
―チームとして変化したことが練習の中で見えるのは、具体的にどういった場面でしょうか
まずはできることが増えてくることが、練習に取り組む態度にも繋がってくると思います。そこがチームの明るさにも現れてくるのかなと思います。
―今のチームの強みはどういったところですか
去年から試合に出ている、経験が豊富な選手が今年も結構残っているので、その選手の経験を基に練習を組んだり、他の試合に出ていなかった選手にフィードバックできています。チーム全体として経験豊富なことを活かして戦っていけるところが強みなのかなと思っています。
―今後のチームの課題はどういったところでしょうか
去年と同様、ディフェンス力の強化ですかね。
―それでは最後に、これからに向けての意気込みをお願いします
まずは春リーグで設定した目標をしっかり達成すること、その課題を基に秋リーグ、インカレというように近くの目標から最終的な目標まで、しっかり達成できるように頑張りたいです。
(今後の特集掲載予定)
4/7 第2回 『身体から組織を変える』―学生トレーナー特集―
4月中旬頃 第3回 一般入試組が語る『大学でも続けるワケ』