【ハンド・特集】第3回 一般入試組が語る『大学でも続けるワケ』

ハンドボール

関東学生ハンドボールリーグでは1部に所属し、強豪とも言える法大ハンドボール部。そんなハンド部にはスポーツ推薦だけではなく一般入試で法大に合格し入部した部員も所属している。2月中旬頃まで勉強に集中していた彼らは、合格したことで様々な選択肢を選ぶことができた。なぜ彼らはそんな中でも大学でハンドボールを、『部活動』を続ける選択をしたのか。第3回の本記事では、彼らが大学でも部活動を続ける理由に焦点を当てて、一般入試で入った彼ら自身の声と共にお届けする。

後悔のない4年間を
長尾尚英 (経4)

今年がラストイヤーとなる長尾は小学2年生のときにハンドボールを始め、高校時代には福島県ベスト4を経験、3年次は部長を務めた。そして長尾は一般入試で法大へと入学し、法大ハンドボール部の門を叩いた。

入部の理由について長尾は「部活のない生活のイメージができなくて、続けなかったら卒業の時に後悔すると思った」と自らの生活が常にハンドボールと共にあったこと、そして生活の一部分であったことを口にした。

大学ではサイドとしてプレーしているが、高校時代はセンターであり、チームの中心選手として活躍していた。「高校は人が少なかったからセンターをやっていた」と語る長尾だが、練習中に時折見せる判断能力の高さや冷静なプレーは高校時代の経験からくる賜物であろう。

長尾は法大ハンド部入部当時について「部員数や体格が高校と比べ物にならないなと思った」と、自身がこれまで見てきたものとの差を実感。そして戦いの場をサイドへと移し、差を埋めるために、そしてチャンスをつかむために努力を積み重ねた。

4年目はあっという間にやってくる。長尾は今では法大ハンド部サイドプレイヤーの一戦力を担っており、「自分の強みを伸ばしてチームに貢献する」とラストイヤーの展望を語ってくれた。あの頃感じた差はもはやないに等しい。彼の活躍は他の一般入試組に勇気を、そして活力を与えてくれるだろう。

4年間、着々と力をつけてきた長尾

本気になれる環境を求めて
間和志 (文2)

間は高校時代に小学2年生から続けてきたサッカーを辞め、ハンドボールへと転向。3年次には新潟県代表としてインターハイ出場を果たした。惜しくもチームは一回戦敗退となったが「全国のレベルを知ることができて大学でも続ける大きなきっかけとなった」と当時を振り返る。

その大会を最後に間は部活を引退し、受験勉強に励む。長い冬を乗り越えて法大への入学をつかんだ。「厳しさの中で本気になれて自分を成長させてくれる環境に身を置きたかった」と大学でもハンドボールを続けることを決心し、ハンドボール部に入部。

入部当時は「何もかも次元が違う。自分が高校でやってきたのは違う競技なのかと思うほどにハイレベルだった」と強豪の雰囲気と経験の差に圧倒されたというが、一方で「先輩、同期が本当に優しい。技術面で劣っている自分を置いていくことなく常に指導してくれる」と感謝も口にする。

間は続けて「ハンドボールに向かう姿勢だったりチームというものの重さが(高校とは)違うので一つ一つのプレーにすごく重みを感じる」と話す。

間は日中を市ヶ谷キャンパスで授業を受けて過ごし、夜の練習になると活動場所である多摩キャンパスへと通っていた。一見ハードスケジュールをこなしているようにも見えるが、「1年生は他キャンパスを理由に甘えてしまい、たくさんの物を吸収できるチャンスがあったのにその多くを自分から棒を振るような1年にしてしまった」と1年次を振り返る。そして、「今年からは自分の続ける理由だったり自分のオリジン的な部分を忘れずにもう一度自分の生活や日々の練習と本気で向き合い、細かい部分までこだわっていきたい」と意気込む。

高校よりも厳しい環境に飛び込み、周りの部員に揉まれながらも直向きに取り組む彼らは必ずハンドボール部に良い影響を与えているだろう。

試練の1年目を乗り越え、2年目に挑む間

(取材・記事:布田航、間和志)

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