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【サッカー】第28回東京都サッカートーナメント 準決勝 対クリアソン新宿 2度のビハインドを追いつく気迫を見せたが、終了間際の痛い失点で準決勝敗退となった

2023年4月23日(日)
第28回東京都サッカートーナメント
準決勝 法大-クリアソン新宿
味の素フィールド西が丘

早大、国士舘大に勝利し、東京都サッカートーナメントへの挑戦権を掴んだ法大。天皇杯出場権を懸け、クリアソン新宿との準決勝に臨んだ。島田春人、吉尾虹樹のゴールで2度、同点に追いつくも、終盤に失点を喫し敗退。天皇杯で『オレンジ旋風』を見せつける機会は、来年に持ち越しとなった。


今季初ゴールの主将・吉尾

試合結果

トータル試合結果

2
法政大学
1 前半 2 3
クリアソン新宿
1 後半 1

試合スタッツ

時間 経過 チーム 選手名 得点経過
12分 得点 新宿 岡本達也 0-1
35分 得点 法大 島田春人 1-1
45分 得点 新宿 赤井裕貴 1-2
後半開始 交代 法大 石井稜真→松村晃助
49分 得点 法大 吉尾虹樹 2-2
63分 交代 法大 島田春人→溝口駿
78分 交代 法大 中川敦瑛→久保征一郎
90分 得点 新宿 池谷友喜 2-3
90+1分 交代 法大 渡邉綾平→林航輝
90+1分 交代 法大 髙橋馨希→中村翼

スターティングメンバー

背番号 ポジション  選手名 学部・出身校
1 GK 中川真 スポ4・徳島市立
2 DF 竹内豊 現福3・新潟明訓
4 DF 細谷航平 社会4・サンフレッチェ広島ユース
7 DF 今野息吹 経済4・三菱養和SCユース
17 DF モヨマルコム強志 現福4・東福岡
10 MF 渡邉綾平 経済4・前橋育英
11 MF 髙橋馨希 社会4・常葉大橘
14 MF 吉尾虹樹 現福4・横浜F・マリノスユース
24 MF 中川敦瑛 経済3・横浜FCユース
33 MF 島田春人 社会1・横浜F・マリノスユース
19 FW 石井稜真 経済3・アビスパ福岡ユース
サブメンバー
12 GK 鈴木涼太郎 経済4・法政二
3 DF 木村恵風 社会3・横浜F・マリノスユース
13 DF 林航輝 現福4・清水エスパルスユース
18 MF 溝口駿 経済3・法政二
23 MF 松村晃助 経済1・横浜F・マリノスユース
25 MF 中村翼 経済3・横浜F・マリノスユース
9 FW 久保征一郎 経済4・FC東京U-18

【戦評】

 負けたら終わり、天皇杯本戦の東京都代表をかけて行われた今大会。U-22日本代表候補トレーニングキャンプにも選ばれた今野息吹(経4=三菱養和ユース)、細谷航平(社4=サンフレッチェ広島ユース)、中川敦瑛(経3=横浜FCユース)もスターティングメンバーに入った。東海大戦後に井上平監督は「大学生らしい試合を見せられたら」と気持ちを全面にしたサッカーに期待がかかる。

試合は攻守がすぐに入れ替わる激しい展開になった。法大ファーストシュートは3分。髙橋馨希(社4=常葉大橘)のシュートはキーパー正面に飛ぶ。クリアソン新宿最初のチャンスは8分、左サイドのゴールを狙える位置でFK。これは枠を逸れ、お互いにゴールの雰囲気が漂う。すると先手を取ったのはクリアソン新宿、12分。ペナルティエリア内で倒され、得たPKを左に沈める。反撃したい法大は17分、竹内豊(現3=新潟明訓)のロングフィードに石井稜真(経3=アビスパ福岡U-18)が上手く抜け出しシュート。これは惜しくも枠の左に逸れる。33分にはFKのチャンス。渡邉綾平(経4=前橋育英)のシュートも左に逸れ、ネットを揺らすことができない。勢いに乗る法大は37分、モヨマルコム強志(現4=東福岡)のクロスに合わせたのは島田春人(社1=横浜F・マリノスユース)。サイドを広く使った法大が同点に追いつく。41分にも吉尾虹樹(現4=横浜F・マリノスユース)のロングボールに抜け出した、モヨがシュートを放つも、これは悔しくもミートせず。このまま1-1で前半が終わるかと思った45分。中途半端なバックパスを奪われ失点。1点ビハインドで前半を終える。

勝負の後半、ワントップ石井を下げ、松村晃助(経1=横浜F・マリノスユース)を投入する。機動力を生かした攻撃を見せると後半4分、吉尾のミドルシュートがゴールに吸い込まれ、同点とする。「結果を残す」と強く意気込んでいた主将の一撃でゲームを振り出しに戻すと、溝口駿(経3=法政二)と久保征一郎(経4=FC東京U-18)を投入し、さらに攻撃の強度を上げる。71、81分にあった髙橋のFKは惜しくもゴールの枠に嫌われ得点とはならないが、長い時間法大ペースで試合が進む。しかし両者得点を奪えず、延長へ突入するかと思われた90分、クリアソン新宿にゴールを決められタイムアップ。

準決勝敗退と惜しくも天皇杯への切符を掴むことはできなかった。2試合連続、終了間際の失点というショッキングな形で試合を終えている法大。しかし、公式戦6試合連続複数得点という得点力や、中村翼(経3=横浜F・マリノスユース)の怪我から復帰、複数選手が代表メンバーに選出など、ポジティブなニュースもある。課題である守備を修正して、”粘り強い法大サッカー部を”、この悔しさはリーグで晴らす。
(取材:大草拓馬、中田沙羅 撮影:大隈慶吾)



怪我から復帰した中村

井上監督

ー試合を振り返って
予想していた通り、やっぱり社会人さんとやる難しさを90分通して感じた試合でした。

ー具体的に社会人相手の難しさとは
アップのところで結構「中大魂」みたいな向こうから、中大出身の選手が多かったみたいで、「八王子ダービーだ!」みたいな、なんかこう今まで社会人とやると、どうもこっちの熱をすかされるような、ずらされるような、やっぱり社会経験とかJリーグでの経験とかも豊富なので、そこをいなされるというイメージがあって、それが1番嫌だったんですけど、結構大学生っぽくアップも盛り上げながらやってたから、これは意外とバチバチ出来るなと思ってたんですけど、いざ入ってみると相手というより自分たちが難しくしてしまったなという印象はあります。

ー前半のPKと失点は自ら
その前からボールの動かし方とか狙いがちょっと合わなくて、ボランチ間でも合わなくて、そしたら全体も合わなくなって、なんか上手くいかない雰囲気が流れて、そこから最近どうも後手を踏むようなゲームが多くて、そこからなんとか追いついてっていうゲームが多いので、これをちょっと改善しないといけないなと…まあミスは全然ね、1年生の子(島田)がバックパスミスしてしまいましたけど彼が1点取ったし、そこは別に気にしないです。

ーハーフタイムの交代の狙い
奪った後ウイングバックが基本的には出ている、そして3枚あいている中での、奪った後の機動力が欲しくて、石井のところが運動量的にも気になったので、ノブ(中川敦瑛)を前に置いて、奪った後の運動量増やして、起点だったりとかの狙いがあってちょっと変えました。

ー追いついた後のことは
そうですね、チャンスはありながらそこを決めきれなかったところと、もっと具体的にどうやってビッグチャンスを作るかというところの、背後の狙いは良かったので消したくなかったですけど、それプラスボールを動かしながらもうちょっとチャンスを作りたかったですけど、そこが上手く合わせられなかったなという印象です。

ー大学生らしい戦い方とは
攻守で止まらずにアグレッシブにボールも奪いに行くし、奪ったら出て行くし、その元気さというか、社会人にはない内から出る熱量というか、そういうのをピッチの中で発信して見てる方にそれを感じ取ってもらえるようなゲームにしたかったんですけど、全然感じなかったなみたいな、なんかちょっと疲れてるなみたいな、それが1番残念でした。それを出して負けるならもうナイスって思うんだけど、そこが週を通してのコンディションの作り方なのか、そこは1回もうちょっと反省しないとな…

ー関東リーグに比べて思ったよりもプレスが来ない中で、吉尾や渡邉を1列おろして、モヨがハーフレーンに入るなど、ポジションが流動的だったのは監督の指示か?
中で工夫しながら(後ろの枚数を)3にしたり4にしたりという話はしてたんだけど、中々俺の声が届かなくて。やっぱり基本的には4枚で動かしてという狙いをトレーニングではやってきたんだけど、なかなか難しいんだよね、そこね…モヨくんはアグレッシブに行くのが特徴だし、こっちがポジショニングのところでたくさん言うと彼らしくなくなっちゃうので、そこのところで違和感がだいぶ出て、(吉尾)虹樹のところが落ちたりとか。でもハーフタイムで修正して4-3-3で狙いを固めて工夫していこうねという話で、やっぱり虹樹が上がって虹樹が足を振って点を取ったのでそこはプラスかなと思います。

ー石井を下げて松村を入れたのは機動力重視?
うん、そうだね。

ー2番目に交代した溝口もサイドのスピードや機動力をイメージして?
そうだね、(島田)春人が疲れたら普通にスッとみぞしゅん(溝口駿)を入れて、彼仕掛けるのは得意だし、外からの仕掛け、縦からのクロス、もしくはカットインしてクロスっていうのを何本か狙ったんですけど、まあそこの精度が…まあ中の入り方もあるかもしれないですけど…。まあそういった狙いで。

ー終盤の失点だったが、交代を最後まで残したのは延長やPKを意識した戦い方か
そう…そこを引っ張ったがためになのか、まあタラレバかもしれないですけど、そこも意識しながら。ただボランチ2枚と髙橋が攣りそうだと。3枚攣りそうだってなって、交代枠2枚しか使えない、後1回しか使えない、そこで後手を踏んでしまったこっちの反省点も正直…。

ー今年天然芝で出来てないことの影響も考えられるか
いや〜、この暑さで天然芝で、可能性はありますけどね。いやフィジカルコンディションだと思っちゃうんだけどな、若いから。

ー普段のリーグ戦と違うトーナメントをやっている中で、天皇杯で社会人と真剣勝負をすることに感じる意義
全国大会で違う地方と戦うと、なんかちょっと違う雰囲気があってやりづらかったりとか、こうやって社会人とやるとちょっと雰囲気が違うし、また見てる方々も違うし、そういった環境の中でそれぞれの実力をしっかりと発揮することって、これから彼らがJリーグを目指してて、Jでやる、どの環境でも対応しながら自分の実力を発揮するっていうところが多分大事になってきて、今回で多分彼らはこういう環境で技術を発揮出来なかったっていう悔しさと、技術を発揮しないとやっぱり上で出来ないんだっていうところで考えるとそういった面ではポジティブに捉えています。

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