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【硬式野球】東京六大学野球2023春季リーグ戦 早大3回戦 篠木が10回無失点の好投 引き締まった投手戦は引き分けに。

東京六大学野球2023春季リーグ戦 早大3回戦
2023年5月9日(火)
神宮球場

1回戦のリベンジなるか。勝ち点のかかる3回戦は法大・篠木健太郎(営3=木更津総合)、早大・加藤孝太郎で両校ともに1回戦と同じ先発投手を送り、いわば『エース対決第2ラウンド』となった。篠木はピンチを招く場面こそあれど、早大打線を封じ込める。打線は加藤から安打こそ放つも、均衡を破れない。試合は9回を終えても決着がつかず、延長戦に突入したが、12回を終えても0-0。連盟規定によって引き分けとなった。


10回141球無失点の力投を見せた篠木

試合結果

トータル試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 H E
早 大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 0
法 大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0

(早大)加藤、田和、齋藤正—印出
(法大)篠木、尾﨑ー𠮷安
[本塁打]
早:
法:

打撃成績

打順 位置 選手 打率 出塁率 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
1 (5) 武川 5 2 0 .409 .482 三振 遊安 死球 中安 遊ゴ
2 (4) 藤森康 4 2 0 .333 .429 右安 一直 遊安 投ギ 三振
3 (7) 内海壮 4 0 0 .276 .300 遊併 投ゴ 三併 中飛 四球
7 伊藤勝 0 0 0 .000 .000
4 (3) 内海貴 5 3 0 .244 .354 ニゴ 遊ゴ 遊ゴ 左飛 四球
5 (6) 今泉 2 0 1 .238 .333 三振 中飛 左2 遊ゴ 右飛
6 (8) 中津 2 0 0 .263 .349 投ゴ 遊飛 左飛 遊飛 遊飛
7 (9) 西村 3 0 0 .125 .222 左飛 三振 四球
H 品川 1 0 0 .000 .000 三振
9 鈴木照 1 1 0 .182 .182 遊安
8 (2) 𠮷安 4 1 0 .237 .293 左安 三振 左飛 一ゴ 三ギ
9 (1) 篠木 3 0 0 .250 .333 三振 一ゴ 右飛
H 松下 1 0 0 .000 .000 一飛
1 尾﨑 0 0 0 .000 .111
H 1 0 0 .211 .286 中飛
39 7 0 .243 .316

 

投手成績

球数 打者 防御率
篠木 10 141 38 5 7 5 0 0.77
尾﨑 2 29 8 1 3 1 0 1.72
12 170 46 6 10 6 0 1.99

 

ベンチ入りメンバー

10 今泉颯太(法4=中京大中京) 27 吉安遼哉(法3=大阪桐蔭) 28 石黒和弥(法2=高岡商)
1 尾﨑完太(キャ4=滋賀学園) 2 鈴木大照(文3=明徳義塾) 29 松下歩叶(営2=桐蔭学園)
11 丸山陽太(スポ2=成東) 3 内海貴斗(人4=横浜) 37 内海壮太(法3=御殿場西)
13 塙雄裕(法4=常総学院) 5 真鍋駿(文4=広島商) 7 伊藤勝仁(文4=常葉大菊川)
17 武冨陸(営4=日大藤沢) 6 高原侑希(法4=福井工大福井) 8 福岡大真(法4=筑陽学園)
18 篠木健太郎(営3=木更津総合) 9 浦和博(キャ4=鳴門) 33 西村友哉(法3=中京大中京)
21 吉鶴翔瑛(営3=木更津総合) 23 品川侑生(文2=三重) 36 中津大和(営3=小松大谷)
12 久保田碧月(営4=高川学園) 24 武川廉(人3=滋賀学園)
22 田所宗大(キャ3=いなべ総合) 26 藤森康淳(営1=天理)

戦評

1回戦の敗戦から中1日おいて行われた2回戦では白星を挙げ、息を吹き返した法大。一夜明けて勝ち点がかかった3回戦が行われた。

法大は篠木健太郎(営3=木更津総合)、早大は加藤孝太郎を先発のマウンドに送り込んだこの1戦。篠木は初回から得点圏に走者を背負うも、最後は野村健太を三振に切って取って無失点で切り抜ける。
援護したい打線は3回、2死ながら武川廉(人3=滋賀学園)が内野安打を放って得点圏へ走者を進める。先制がかかる場面、打席には藤森康淳(営1=天理)。このカードからベンチ入りを果たし、2回戦からはスタメンに選ばれた。第1打席では神宮初安打を放った藤森康。1ストライク1ボールからの3球目を捉え、飛距離は十分ながらも、惜しくもポールの右に切れた。仕切り直しの4球目は相手のミットに収まり一直。この好機を生かせない。

2回戦からスタメン出場の藤森康。この日は神宮初安打など躍動した!

この日の先発の篠木は早大打線を封じ続けた。しかし、7回、先頭の吉納翼に四球を与えると、犠打で送られて1死二塁。さらに安打を放たれて一、三塁、続けざまに偽装スクイズを決められて二、三塁とピンチは広がる。それでも篠木はここからギアを入れなおした。8番・山縣秀を直球で空振り三振に切って取った。続く9番・投手で打席に入った加藤は三塁ゴロ。1点を与えると重くなる終盤、先制点を与えなかった。

加藤を三塁ゴロに打ち取り、三塁手・武川を見つめる篠木

何としても1点を取りたい打線は、徐々に加藤を攻略し始める。ピンチを抑えた直後の7回、「積極的に振る事だけを意識していた」と今泉颯太(法4=中京大中京)が加藤の変化球を捉えて左翼線に落ちる二塁打に。しかし、後続が続かず無得点。続く8回にも武川の2本目の安打と犠打で得点圏に進め、内海壮太(法3=御殿場西)が大きな当たりを放つも、中堅手・尾瀬雄大の好プレーがあって得点には結びつけられない。

二塁打を放つ今泉

均衡を破るのはどちらか。1球1球を観客が固唾を飲んで見守る中、篠木は9回のピンチも抑える。しかし、打線も代わった早大2番手・田和廉の前に3者凡退。試合は延長戦へと突入する。「どんな事があっても我慢して、耐えてマウンドを守ろうと思いました」。篠木は延長10回も抑えた。しかし、10回の攻撃も無得点。11回からは尾﨑完太(キャ4=滋賀学園)が登板し、12回表も0点で抑えて法大の負けがなくなった。

2番手・尾﨑も無失点に封じ込めた!

その直後の12回裏、2死ながらも二塁へと走者を進めた法大。二塁走者は俊足の鈴木大照(文3=明徳義塾)、打席には尾﨑の代打で浦和博(キャ4=鳴門)。サヨナラの舞台は整ったかに見えた。しかし、最後は中飛に抑えられ、あと一本が足りなかった法大。延長12回を終えて0-0の引き分けに終わった。

(記事:皆川真輝、写真:田中さや)

クローズアップ:篠木健太郎『10回までの大熱投! 背番号「18」が神宮に輝く!』

今季、幾度となくチームを救ってきた篠木健太郎(営3=木更津総合)。勝ち点のかかる試合で勝ち点をもたらしてきた右腕はこの日も早大から勝ち点を取るべく、先発のマウンドに上がった。

初回いきなり四球や安打が絡み、2死満塁のピンチを招くも早大の6番・野村健太を空振り三振で抑え、先制を許さない。その後、4回まで三振の山を築き、3人で抑える好投を見せた。

ところが5回。7、8番打者に連打を許し、下位打線からピンチを招く。しかしさすがの篠木、落ち着いた投球で併殺打とし、危なげなく抑えた。一方の法大打線も早大のエース・加藤孝太郎を打ち崩せずなかなか試合が動かない。その中でも力強い投球と気迫ある声で得点を許さなかった。

試合後半も150キロを超える直球は「余裕を持ちながら投げれるようになったからだと思います」と気持ちの面でも昨年とは違っていた。

決着がつかず延長10回のマウンドに上がった篠木は必死に耐えて守ろうと意気込み、好フィーリングもあり、見事抑え抜いた。

結果は引き分けに終わったが、防御率が今日の好投でリーグトップに躍り出た。自身初のタイトルも見えてきたが、「やるべきことをやるだけです」と落ち着いて語った。六大学ナンバーワン右腕との呼び声高い篠木。天真爛漫の笑顔でチームを勝利へ導く。

(高橋芽唯)

選手インタビュー

今泉颯太 主将

―今日の試合を振り返って
ピッチャーの頑張りに野手が貢献できず勝ちきれなかったので悔しいです。

―今日も1安打を放たれました。貴重な長打でした
積極的に振る事だけを意識していたので捉えることができて良かったです。

―明日に向けて取り組みたいことは
打線となって一点でも多く得点を取る事です。

―明日の4回戦への意気込み
勝ち点取ります。

篠木健太郎 選手

―今日の試合を振り返って
負けなかったことは良かったかなと思います。

―10回を投げられました。10回のマウンドに行く際に考えたことなど
どんな事があっても我慢して、耐えてマウンドを守ろうと思いました。

―試合後半でも150キロ以上の直球を投げられていました。その調子の良さの秘訣は
余裕を持ちながら投げれるようになったからだと思います。

―好フィールディングで犠打を併殺に仕留める場面もありました。バント処理で意識していることは
先の塁をアウトにすることです。

―防御率が今日の結果でトップとなりました。タイトルも見えてきました
やるべきことをしっかりやることです。

―次戦に向けて意気込み
勝ち点を取る事に貢献します。

藤森康淳 選手

―今日の試合を振り返って
先発の篠木さんをはじめメンバーの方々に常に気にかけていただき、思い切って自分のスタイルのプレーができました。でもチームとしては同点と、勝ち切ることができなかったので、課題のある試合になったと思います。

―この日は神宮初安打が出ました
(U-18)ジャパンで同じだった内海(優太、明大)もリーグ戦でホームランを打っていて、負けてられなかったので、本当に嬉しかったです。

―さらにもう1安打を放ちました
送りバント失敗での内野安打なので結果オーライです。まだまだ練習不足です。

―この2安打の要因は
自分が全力で思い切ってプレーさせてもらえる環境をいただけてるからです。

―ここまでで神宮のグランドに立って感じたことは
法政大学を背負って戦うのでプレッシャーはありますが、緊張感のある中で試合ができて楽しいです。

―ご自身の調子の方は
自分ができることを全力でやるだけなので、調子の良し悪しはあんまりないです!

―次戦に向けて意気込み
絶対勝ち点とります。

試合の写真は、スポーツ法政新聞会の公式インスタグラムに掲載いたします。

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