【硬式野球】東京六大学野球2023春季リーグ戦 早大4回戦 内海貴が起死回生の逆転2ラン！逆転勝ちで3つ目の勝ち点を獲得！

東京六大学野球2023春季リーグ戦 早大4回戦
2023年5月10日（水）
神宮球場

昨日の3回戦は延長12回引き分けで勝負は4回戦へ。法大は初回、内海壮太（法3＝御殿場西）の適時打で1点を先制する。この日が今季初先発の吉鶴翔瑛（営3＝木更津総合）は早大打線を封じ込めるも、4回に同点に追いつかれる。6回、吉鶴は突如制球を乱してこの回途中降板。代わった塙雄裕（法4＝常総学院）が印出太一に犠飛を打たれて勝ち越しを許すも、9回表に内海貴斗（人4＝横浜）が一発で試合をひっくり返した。さらに西村友哉（法3＝中京大中京）にも適時打が飛び出して2点をリードすると、最後は堅い守備で早大の反撃を阻んで白星を挙げた法大。今季3つ目の勝ち点を獲得した。

逆転の2ランを放った内海貴

戦評

4戦目まで連れ込んだ早大戦。勝ち点を取るべく、両校総力戦で挑んだ。

法大は初回、1番の武川廉(人3=滋賀学園)がいきなり安打を放つと、2番・藤森康淳(営1=天理)の犠打で二塁へ進めて、3番内海壮太(法3=御殿場西)。見事中適時打を放ち、先制した。昨日はなかなか得点に結び付かなかったために、今日は良い流れ出しとなる。

2回戦に続いて武川が先制の本塁を踏んだ

後攻の早大に対するは、今季初先発の吉鶴翔瑛(営3=木更津総合)だ。「これまで尾﨑(完太、キャ4=滋賀学園)さんと健太郎(篠木、営3=木更津総合)が先発として最高のピッチングをしてくれていたのでそれに続いて抑えてやろうという気持ちでマウンドに立ちました」と吉鶴。安定感のある投球で、早大打線を抑える。初回の先制により、「余分な力が抜けました」と語り、自身では調子が乗らない中で3人で抑える場面もあった。
しかし4回、3番・熊田任洋に四球を与え、その後の犠打で2死二塁のピンチを迎えると、5番の吉納翼に投じた4球目をはじき返される。吉鶴がこの日初めて許した安打は同点の適時打に。しかし、その後は捕手の𠮷安遼哉(法3＝大阪桐蔭)が吉納の盗塁を刺して最少失点で切り抜ける。すると、続く5回は3人で抑えて追加点を待った。

今季初先発の吉鶴

一方の法大打線は早大の継投策にはまった。2番手で登板した伊藤樹にうまく抑えられ、勝ち越し点を上げられない。試合が動いたのは6回裏。ここまで好投を続けてきた吉鶴が2つの四球を出し、ここで塙雄裕(法4=常総学院)に交代となる。ところが3番・熊田に左中間を破られ、1死二、三塁のピンチを迎えて打順は4番の印出太一に回る。打ち取った当たりではあったものの、これが犠飛となり、待望の勝ち越し点は早大に入った。
7回表、この回から登板した3番手の中森光輝の前に打線は3人で抑えられる。法大も7回途中から武冨陸(営4=日大藤沢)、8回には3戦連続のマウンドとなる尾﨑を投入し、必死の采配で追加点を許さない。8回には中津大和(営2＝小松大谷)の好返球で得点を阻むなど、必死のプレーでピンチを切り抜ける。

堅い守備で本塁を守り抜いた

1点を追いかける9回表、3番・浦和博(キャ4=鳴門)がうまく合わせて中前に安打を放って出塁すると、ここで法大の4番・内海貴斗(人4=横浜)が本人も完璧と語る右翼スタンドへの逆転2ランを放った。この一発で勢いづいた法大打線は、今泉颯太(法4=中京大中京)が四球を選ぶと、暴投で二塁へ進み、7番の西村友哉(法3=中京大中京)が三遊間を破って追加点を挙げることに成功した。

内海貴の2ランで再び試合をひっくり返す！

何が何でもこの2点を守り切りたい法大は尾﨑が続投。先頭の吉納の当たりに内海貴がバウンドを合わせられず出塁を許すも、その後遊撃手の今泉が華麗に打球を捌き併殺に。2死から小澤周平に安打を打たれると、続く山縣秀も遊撃手の頭上を越える安打を放った。この当たりで小澤は三塁を狙うも、左翼手の西村が三塁へ好返球。随所で守備が盛り立てた法大、4回戦までもつれ込んだカードを勝ち取った。

法大が5日間の死闘を制した！
（記事：高橋芽唯、写真：大草拓馬）

クローズアップ：内海貴斗『4番としての矜持！最高の場面で最高の一撃！』

1点差、9回表。同点の走者は一塁に。まずは同点、願わくは逆転。その場面で4番として出場を続ける内海貴斗(人4＝横浜)に打順が回ってきた。

「自分のスイングをするという思いで向かいました」。6日の1回戦、8日の2回戦では抑えられた早大の左の柱である齋藤正貴の直球をついに捉えた。本人も「完璧でした」と振り返るように、バットを放り投げ、本塁打を確信。ゆっくりとダイヤモンドを1周して逆転の本塁を踏んだ。ここ数日当たりが遠のいていた内海貴だったが、これ以上ない最高の場面で飛び出した。

この一発で優勝へなんとか望みをつないだ法大。さらに内海貴はこの試合を終えて本塁打は3本とリーグ1位タイ、打点も1位にあと1つと迫る8とタイトルも見えてきた。チームのために、そして自身のためにも、フルスイングで道を切り拓く。

（皆川真輝）