2022年3月27日(月)
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明大戦での連敗から迎えた早大戦。1回戦を落とすも、底力を発揮して勝ち点を獲得した法大。優勝戦線になんとか生き残った。しかし、開幕から好調の明大は勢い衰えず。早大にも2連勝で勝ち点を獲得したため、勝率で上回ることはなくなり法大の優勝の可能性はなくなった。それでも、東京六大学野球は対抗戦である。各校から勝ち点を挙げることに全力で挑む。弊会は、法大の最終週の相手である東大を率いる大久保裕助監督、主将を務める梅林浩大内野手にお話を伺った。
監督・選手インタビュー
大久保裕 助監督
―昨年を振り返って
去年はエースの井澤(駿介、現NTT西日本)くんとキャプテンの松岡(泰希、現明治安田生命)くんのバッテリー中心に期待しまして、勝ち点を取って最下位を脱出することを目標に立てて、スローガンも『躍進』という言葉で活動を始めたんですけど、春はなかなか調子が上がらずに開幕から2カード大敗を喫しました。内野のエラーが多くて大量失点をしてしたやったと、打つ方は全く打てないと、そういうスタートだったんですけど、調子が上がって早稲田に引き分けたんですけど、勝ち点を取るまでには至らず、春は1勝もできずに終わりました。
やっぱりピッチャーのコントロールが悪いのと、守りが内野手のエラーが多いと大量失点しちゃうので、内野の守りを固めようと夏の合宿が北海道の遠軽町というところでできたので、特に守備の強化に取り組んで、バッティングは沢山振るというので時間を作ってやりました。そして走塁も(取り組む)と。夏の合宿は結構充実してやれまして。それでピッチャーもコントロールが定まるようになりまして、そのまま秋に突入して開幕の明治戦で引き分けができたり、第2週の慶應戦で先勝できたりして夏の合宿の効果が出たのかなというところです。もう1つ、2つ勝ちたいなと思ったんですけど、結局その1勝止まりで最下位に終わってしまったということですけど、春から秋にかけてそこまで躍進したわけじゃないですけど、成長が実感できた年だったかなと。
秋は勝ちゲームは1つだったんですけれども、前半は接戦に持ち込んで後半勝負のような試合が何試合かできたんで結構できて力がついてきたなと実感できた年だったと思います。
―もう1勝、2勝する、勝ち点を取るために必要なことは
それは決まっていて、ピッチャーがストライクを入れると。早めに勝負というかピッチャー有利に進められる展開を目指すのと、打ち取った打球はしっかりアウトにすると。東大のピッチャーですから、いいヒットとかホームランとか打たれることはあるんですけど、打たれるのはしょうがないんで、打ち取ったときにしっかりアウトにして接戦に持ち込んでいくのがうちのスタイルなんですね。攻撃の方はチャンスは3回か4回スコアリングポジション、ランナーが二塁か三塁に行けると思うので、そこでタイムリーが出るようにして点を取ると。
失点は2点、3点でしのいで、4-3、4-2くらいで勝つのが我々の野球じゃないかなと思って一生懸命練習してます。
―指揮を執る点での難しさなどは
3年間助監督という立場で、井手(峻)監督と同じような生活をさせていただいたのですが、井手監督のやり方を見よう見まねで踏襲しても選手起用だとかサインだったりの試合の采配は大変だと思うんですね。私は3年間それを全くやってないものですから、本当にやれるのかなという不安があります。それが正直なところです。
―新体制発足からここまで数カ月を振り返っては
私も監督として采配する経験は少ないですし、選手自体もスタメンで試合に出た4年生が多く卒業してしまって、リーグ戦の経験の少ない選手で戦うので、経験の浅さが出ちゃうんじゃないかなという思いはあるんですけど、心配しててもしょうがないんで、思い切って相手の胸を借りるつもりでやろうかなと。これまでのオープン戦もそういうスタンスで「経験として次につなげていこう」というつもりで取り組んできています。
―今年の投手陣は
ピッチャーは去年から投げてます新4年生左の鈴木健くんと右の松岡由機くんですね。この2人が左右のエースというかその2人を中心に試合ができればなと思っています。
―野手の方は
やはり去年から出てますし、キャプテンの梅林(浩大)くん、センターの別府(洸太朗)くんですね。この辺がリーグ戦経験があるんで、引っ張っていってもらいたいです。それともう1人、キャッチャーの和田(泰晟)くんに扇の要になってほしいなと思っています。
―法大の印象は
法政さんはみなさん実力のある選手ばっかりなので、ちょっとこっちが隙を見せると畳みかけられちゃうので、できるだけフォアボール、エラーやチャンスで三振といったミスをしないようにしないといけないなと。油断すると大敗するような強い相手だなと思ってます。
―警戒している投手は
やはりピッチャーがいいですかね。尾﨑(完太、キャ4=滋賀学園)くんと篠木(健太郎、営3=木更津総合)くんですね。大学ジャパンに出るような選手がいますから、その2人を打たないと点を取れない、苦しめていくような展開にしないと厳しいかなと思います。
野手はキャプテンの今泉(颯太、法4=中京大中京)くんですかね。彼なんてセンス抜群ですからね。彼の前にあまりランナーを出さないように気を付けないとといった感じですかね。
―シーズンに向けて意気込み
リーグ戦経験が浅いメンバーが多く、私も采配の経験が浅いんで、なかなか思うようにはいかないと思うんですけど、1試合1試合経験を積んで、何とか神宮で結果を出していきたいなと思っています。
(取材:皆川真輝)
大久保 裕(おおくぼ・ひろし)
1958年4月10日生まれ
湘南→東大→三菱自動車川崎
『現役時代は内野手として活躍し、赤門旋風を巻き起こしたチームの主将を務めた。卒業後は三菱自動車川崎でプレーを続けた。2019年に助監督に就任。今季は病気療養中の井手峻監督に代わって采配を揮う。』
梅林浩大 主将
―昨年を振り返ってみて
昨年は4番として出場させていただくことが多かったんですけど、バッティングの方はなかなか結果を出せず、チャンスをたくさんいただいた中でランナーを返すことが出来なかったのが1番悔しかったです。バッティングとかを振り返ってみるととにかく悔しい1年だったな、と思います。
―昨年を踏まえて、オフシーズンに力を入れたことは
体の強化を重点的に取り組みました。思い切り振りすぎることによってスイングがブレて、ミートできなかったところがあったので、思い切り振らなくても強いスイングができるようになれば、打球の強さと打率が両立出来るかなと思ったので、そこを頑張りました。
―主将として意識していることは
全員をちゃんと見ることが大事かなと思っています。他の大学同様に部員が多いので、チーム全体でモチベーションを保つには周りにいるAチームやレギュラーとかだけではなく、全員がチームの勝利のために頑張ることが、レギュラー陣も力を出すためにも重要だと思います。なので、そこに目を配って、皆が同じ方向を向けることが大事だと思っています。また、必ず自分で責任を持って、チームに対して意思表示することも心がけていて、トップがはっきりしないとチームもまとまらないので、そこは自分から発信していこうと意識しています。
―現在のチーム状況は
3月初旬からオープン戦を組んでいただくことが多く、最初の方はうまくいかないことも多かったんですけど、その中でも打線が繋がって点が入ったりとか、昨年度から投げている松岡、鈴木(健)といったピッチャーが抑えてくれたり、チームとしての形は出来てきているなと思います。そこはチームとしての収穫なのですが、強い相手と試合する時、序盤はいい試合が出来ても終盤で崩れてしまうことが多かったので、そこは昨年度から東大の課題として残っているな、と感じています。なのでリーグ戦までにそこを修正して、1試合いい形で戦えるように今取り組んでいるところです。
―個人的な課題は
今現在、中軸で出させていただくことが多くて、リーグ戦でもそういう立場になると思うんですけど、ここ1番のチャンスで1本出せるかが個人的にすごく大事だと思っています。1本出せる時もあるんですけどまだまだだなと思っているので、得点圏打率を上げていくことが課題です。
―同じ六大学野球で意識する選手は
皆凄い選手なのですが、特に上田希由翔(明大)くんかなと思っています。というのも、置かれてる立場とかポジションとかが共通している部分があって、同じキャプテンだし、下級生から出ていたり、内野手だし、左打ちだし、など自分としても意識している所が多くあります。彼が打てば明大全体も盛り上がると思うので、東大でも同じような野球がしたいと思っています。自分が中軸として、主将として活躍することによってチームに勢いを与えられる存在になりたいです。
―法大の印象は
元気な選手が多く、チームとして元気づかせてしまうと本当に手が付けられなくなってしまうので、東大としては法政さんの調子を少しでも崩して、元気よくやらせないように色々と工夫してプレー出来ればなと思います。
―法大で意識する選手は
篠木(健太郎、営3=木更津総合)くんは意識していて、下級生の時から投げているし、法政の中でも信頼されている凄い選手だと思うので、そこで自分たちが踏ん張って、法政さんが元気づく前に篠木を打つことが出来れば法政さんの勢いも止められるかなと思うし、勝ちに向かっていけるのではと思うので、個人としてもチームとしてもそこは意識していきたいです。
―最後に、今年度の意気込みは
昨年度から言ってきていますが、最下位脱出です。昨年度は実力のある4年生が多くて、いい試合をすることは多かったのですが、そこで勝ち切ることが出来ず悔しかったので、今季はいい試合で終わるのではなく、最後に勝ち切るということを強く意識して、1カード1勝ではなく2勝して勝ち点を取って最下位脱出するんだ、という強い意識で臨んでいきたいと思います。
(取材:八色悟史)
梅林 浩大 (うめばやし・こうだい)
教育学部4年 2000年11月26日生まれ
静岡
180㎝90kg・左投左打
昨季成績:12試合 42打席 37打数 6安打 0本塁打 1打点 5四死球 4三振 打率.162
『昨季からリーグ戦に出場を続ける東大屈指のスラッガー。守備では足を大きく開いて低い送球をすくい上げる。主将としてチームを最下位脱出へ導く。』