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【硬式野球】「優勝という2文字を目指して」髙村祐助監督の投手改革に迫る/春季リーグ特集⑯

2024年3月13日(水)

4月13日に開幕した東京六大学野球春季リーグ戦。下級生から神宮で活躍してきた4年生を中心に、リーグ単独最多47度目の優勝に期待が高まる。春季リーグ特集16回目の今回は、髙村祐助監督のインタビューをお届けする。

髙村祐 助監督

髙村祐助監督インタビュー

ーー鹿児島、鴨川キャンプでの収穫は
鴨川は鴨川で、いろんな選手、これからの選手などを見れました。鹿児島は鹿児島で、今度は主力のメンバーに朝から付き合って、食事とかの面もいろんなところが見れたかなと思います。

ーーつい最近までコーチを務めていたソフトバンクとの試合はどうだったか
知ってるメンバーもいました。でもだいぶ変わってたので全員は知らないですけど、ピッチャーの中では何人か知ってるメンバーがいました。変わったピッチングを見せてくれるかなと思ったら変わんないんだなって(笑)。それで発破かけたりした面もありました。

ーー試合中はどのような役割を
今はピッチャーについて監督と話しながら進めている感じです。

ーーピッチャーの起用、継投のタイミングはご自身が決めているか
それも監督と話しながら今はやってます。

ーー選手に対していつも伝えていることはあるか
その場面や状況、選手によって伝えることは違います。言う時と言わない時と、選手同士で話していることもあるので、そういうところもちょっと見ながら、こっちも話すタイミングを選んでいます。

ーープロ野球でのコーチの経験が活きてくる場面は
ずっとそれが職業でやってきてたんで、まだそれほど変わりはないです。コーチとコーチングっていうところを、しっかりと自分の中で区別しながらやっていた部分もあるし、今もそれは変わりなくやっています。

ーープロ野球選手と大学生との違いはあまり感じずということか
そこはあまり感じてないですね。教えるっていうのは、そんなに変わりはないです。その人に対しての接し方というか、年齢とか成績とかは変わってくるけど、みんなが思っているほど、変わりはないです。

ーーデータを重視するようになったきっかけは
データがどの部分のデータかっていうところで、年々いろんなデータの部分が出ています。配球とかそういう部分もそうだけど、今度は投球のいろいろな計測器(ラプソードやトラックマン)とかっていうのも出てきているので、それに応じてある程度ずっとプロの世界のところでもやってきました。なのである程度頭の中では入ってるので、そういうところと照らし合わせてるところもありますね。選手が聞いてくるか聞いてこないか次第だけど、聞いてきたら言えるような体制は取ってます。

ーーオープン戦でピッチャー陣に与えている課題は
全体的に言っているのは、初球ストライク、(初球)がボールになっても1-1の平行カウントに持っていきなさいよ、3球以内に1-2のカウントにしなさいよっていうところは言っています。

ーーそれは昨季フォアボールが多かったことが関係しているか
それは去年多いと言っても、また人が変わる訳なので、そのなかでどういう風になっていくかということだけです。これは自分がコーチをやっているなかで、ずっと変わらずやっていることです。

ーー篠木選手、吉鶴選手の2人のエースに関しては
その2人がどれだけこのチームを引っ張っていくか、試合でどれだけ良いパフォーマンスを出して結果を出していくかっていうことが、チームにとっても大きいと思います。そこのところは2人とも自覚を持ってやっていることがあるので、もっともっとしっかりと自分で考えながら、やっていってもらいたいなと思います。

ーー2人がもう1段階レベルアップするために必要なことは
自分の持っている球種をもっともっと良くしてもらうことです。自分の持っている球種に加えて、球威もそうだし、スピードも、もっともっと良くしていく必要があります。

ーー2人の取り組む姿勢はどうか
しっかりと自分のこともやっているし、周りもしっかりとそこのところで引っ張っていってもらっています。

ーーリーグ戦での投手の起用に関して
そのゲームを0点に抑えればどうにかなるので、(点を)取られても、取られ方。最初の1点取られたらその次の1点を与えないっていう、最小失点でどれだけ9回いけるかです。

ーーこれまで多くのプロの選手を見てきたなかで、篠木選手と吉鶴選手と重なる選手は
まだそこまではいないです。いろいろボールの球質とか、個人個人によって違うので、まだそこまで重なるような選手っていうのはいないです。

ー篠木選手、吉鶴選手以外の投手陣の中で期待する選手は
その2人だけにおんぶするのではなく、山城にしても安達にしても、もっと下の選手がもっともっとその2人を見ながらレベルを上げていかないといけないです。個人個人がそれをしっかりと頭の中に叩き込んで、胸の中に叩き込みながら練習とか試合とか、実戦とかそういうところでどんどんレベルを上げていって欲しいなと思います。

ーー選手とのコミュニケーションはどうか
それは選手が感じることなので、自分がどうとかは分からないです(笑)。話すとこと話さないところの区別っていうのをちゃんと付けながらやっています。

ーー登板後の選手にはどのような声掛けを
そのときの内容もそうだけど、細かく言ってあげるのか、簡単に言ってあげるのかっていう部分の何を伝えるかっていうところだけを、しっかり話しています。

ーーピッチャーを育てるなかで大切にされていることは
マウンドでしっかりとバッターに向かって投げられるピッチャーを育てることです。

ーー大島監督とタッグを組むことに関しては
大学もプロもいろいろ一緒にやってきたところはあるんですけど、そのときと変わることなく出来ています。

ーー今年から入った萩原康コーチに関しては
ずっと高校の頃から知っている仲なので、大学も一緒にやって、今までも何回か関わりは持っているので、来てくれてありがたいし、一緒にできてありがたいし、心強いです。

ーー学生コーチとはどのようなことを話したり、伝えたりするか
選手や学生コーチが主となって動いてもらうことがあるので、それをしっかりと学生コーチ自身もレベルを上げていって欲しいし、いろんなことを分かっていって欲しいし、やるからには日本一の学生コーチという気持ちでやっていって欲しいなと思います。

ーー具体的にはどのようなことを伝えるか
具体的にはいろいろっていうことです(笑)。本当に状況によって何を伝えるか、毎日毎日練習や試合があります。そのなかで、何をやるのか、何をやりたいのかをちゃんと向こうから言ってもらわないといけないし、聞かなくちゃいけないです。

ーー現役時代、対戦が嫌だったバッターや凄いなと思ったバッターは
入ったときの西武は強いチームだったので、西武相手に投げていきながら、野球をどんどん覚えていったっていうのはあります。そのなかでも、落合さんとかはすごかったです。

ーー新人王を獲られたが大学からプロに入って感じたことは
新人王は勝手についてきたものだったから、13勝したっていうのもあったけど、そういう賞っていうのは勝手についてくるものなので、新人王を獲ったということより、そこの1年間投げれたっていうことの方が自分にとっては大きかったです。ローテーションに入れて、1年間故障もなく投げれたっていう方が、自分のなかで良いものでした。

ーー自信を持って投げれたっていうことか
自信というよりは、プロ1年目は何にも分からないからね。しっかり投げていきながら自分のレベルも上がっていったのかなと思います。

ーーリーグ戦に向けての意気込みは
優勝という2文字を目指して、全員で頑張っていけたらなと思います。

ーーファンの方々へ
ぜひ神宮球場に足を運んでいただいて、選手に向かって応援をして欲しいなと思います。

(取材・矢吹大輔)


髙村 祐(たかむら・ひろし)
1969年9月2日生まれ
栃木県出身・宇都宮南(甲)→法政大学→近鉄(92年~04年)→東北楽天(05年)
コーチ歴:東北楽天(2007年~2015年)→ソフトバンク(2016年~2023年)

硬式野球部の写真はスポーツ法政新聞会の公式インスタグラムにも掲載しております。ぜひご覧ください。

 

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