東京六大学野球2024秋季リーグ戦 対東大
2024年10月12日(土)、10月13日(日)
神宮球場
早大に1分2敗で勝ち点を落とし迎える次の相手は東大。昨秋の2回戦では2対4で敗戦、さらに第4週では慶大から白星を挙げるなど、侮れない相手である。
今季リーグ戦日程、順位表(第4週終了時点)
東大戦展望
10日で7試合を戦ったチームは空き週を挟み、後半戦へリスタート。現在2勝3敗2分の勝ち点1の法大は、優勝に向けて首位・早大が勝ち点3、2カードを残し1敗しか喫していないと考えると6連勝での勝ち点4が求められる。まずは慶大に勝利し、連敗を『18』で止め、勢いに乗る東大を圧倒し弾みをつけたいところだ。
東大投手陣に関しては、試合を重ねるごとに調子は上向き。早大との開幕カードでは2戦合計32失点と崩壊したものの、第4週の慶大戦では、慶大のチーム打率が1割台であるもののロースコアの接戦に持ち込んでいる。第1戦の先発が予想される渡辺向輝(3年=海城)はアンダースローの独特な軌道が持ち味。9月21日・明大1回戦では強力打線を相手に8回4安打無失点の快投をみせた。また右腕・鈴木太陽(4年=国立)は18連敗を止めた立役者。コントロールもよく、慶大戦のように、打たせて取るテンポの良い投球に要注意だ。
打線に関しても、上位打線は一発もあり要注意。今春はけがの影響で出場の無かったリードオフマン・酒井捷(3年=仙台二)は昨秋ベストナイン、大学代表候補合宿にも選出された好打者。今季は打率.200も出塁を許せば相手打線を勢いづけてしまう。また2番に入る山口真之介(4年=小山台)は慶大との3試合で全てで安打を放っている。長打の期待できるクリーンナップの前に走者を出さない投球を心がけたい。
一方の法大は、サヨナラ勝ちの勢いのまま春の王者・早大に挑むも1分2敗で勢いは完全にストップ。特に2回戦で早大主砲・吉納翼(4年=東邦)に浴びた逆転3ラン以降は、意気消沈。翌日の3回戦ではリーグ戦前に監督が懸念していた敗戦後のメンタルの弱さが露呈し完敗。さらに投手陣に関しても春はリーグ2位の1点台と盤石だったが、現在(第4週終了時点)ではリーグ5位の3.14と不安定。篠木が7試合中4試合に先発し31イニング、10日間で481球を投じるも、防御率3.48と状態は上がりきっていない。さらに吉鶴翔瑛(営4=木更津総合)も2試合の登板に留まり、5回1/3を投げ5失点と精彩を欠き、防御率はまさかの8.44と苦しいスタートとなっている。
そんな中でも、安達壮汰(営4=桐光学園)、山城航太郎(キャ4=福大大濠)を軸としたリリーフ陣の好調は希望の光。ここまで2試合に先発している野崎慎裕(営3=県岐阜商)が早い回で降りても、2人がロングリリーフでカバーできるタフさも持ち合わせている。さらに倉重聡(営1=広陵)も1年生ながら、6イニングを投げ無失点と後ろは盤石なだけに、継投のタイミングが重要。前半戦は篠木に助けられた分、後半戦は他の投手がカバーし優勝への望みをつなぎたい。
打線に関しても、畳み掛ける攻撃に課題が残る。早大2回戦での無死満塁無得点は流れを一気に明け渡す要因になった。好機でのポップフライや三振も目立つ。1点に泣いた春から取り組んできた、チーム打撃をもう一度思い出し、相手のミスにつけ込み、好機を逃さない勝負強い野球が浮上へ向け絶対条件になるだろう。
個人をみると主に3番を担う・中津大和(営4=小松大谷)が全7試合で安打を放ち、打率.333、2本塁打と今春同様に打線をけん引。10月9日には国民スポーツ大会「SAGA2024」で母校である小松大谷が準優勝の快挙。「びっくりしました。元気をもらえたので、自分は優勝します!」と笑顔をみせる。さらに苦手と語っていた逆方向へ強い打球も見受けられ、調子も上向き。6連勝が求められる厳しい状況も、「負けることは考えずに、6戦全て勝つことだけを考えてやります」と力強く語る。
5番に座る姫木陸斗(人4=日大藤沢)は、本塁打こそないものの、3カードを残し10安打と今春記録した11安打のキャリアハイ更新もほぼ確実。投手の指導にあたる髙村祐助監督に投手目線から自身をどのように攻めるかを聞き、相手投手の対策を練っていることが好調の要因と話す。持ち味のフルスイングで、後半戦は勝負どころでの一発に期待したい。
チームとして早大に2連敗は非常に厳しい結果だったが、まだ2カードを終えたばかり。勝ち点4での優勝に向けてもう一度前を向きたい。(矢吹 大輔)