東京六大学野球2025春季リーグ戦 対早大
2024年4月26日(土)、4月27日(日)
神宮球場
連日白熱した戦いが続いている東京六大学春季リーグ。10季ぶり47度目の賜杯奪還を目指す法大は開幕2連敗開幕カードを落としてしまう展開に。この記事では早大の戦力分析と、巻き返しを誓う法大の注目選手と展望を紹介する。

今季リーグ戦日程、順位表(第2週終了時点)

早大戦展望
前カードで立大相手に2連敗を喫し、勝ち点を落とした法大。早くも10季ぶり47度目の優勝に向け崖っぷちに立たされている。今週末対戦する昨春、秋の王者早大には2023年春を最後に勝ち点を奪えていない。さらに、引き分けを挟んで6連敗中と厳しい戦いが予想される。早大は絶対的エース伊藤樹(4年=仙台育英)を始め投手陣が充実。そのため、法大は野崎慎裕(営4=県岐阜商)を中心とした投手陣が踏ん張り、ロースコアの展開に持ち込むことが不可欠だ。
勝ち点奪取に向け早大投手陣を打ち崩せるか
早大の1回戦の先発には昨秋6勝、防御率1.80の伊藤樹が予想される。開幕カードとなった東大戦でも持ち味の安定感と制球力を発揮し、7回1失点の好投。昨秋、法大は伊藤相手に1回戦は7回で3得点を奪うも、3回戦は7回で1得点に抑えられ勝ち点を逃した。通算でも伊藤相手には防御率1.85に抑えられるなど、苦手としていることが分かる。低めの変化球が特長なため、法大打線がいかに低めの変化球を見極められるかが鍵になる。

早大エース・伊藤樹を打ち崩したい
2回戦には東大2回戦で先発し、5回3失点のピッチングを披露した田和廉(4年=早稲田実)が先発してくると考えられる。昨季は主に中継ぎとして登板し、防御率0.96の活躍。150㎞/h前後の直球で相手打者を押し込める速球派に振り負けないスイングが求められる。
2回戦は早大も救援陣を動員してくることが考えられる。その候補としては東大戦で登板し、共に無失点だった香西一希(4年=九州国際大)、越井颯一郎(3年=木更津総合)、さらには昨秋まで先発として登板し、早大の左腕エース番号「18」を背負う宮城誇南(3年=浦和学院)も控え盤石。2回戦は法大打線がいかにして、早大の左右の好投手を打ち崩すかに注目していきたい。

非常に安定した投球が印象に残る香西
早大打線はリードオフマン尾瀬と法大キラー前田に警戒
早大打線の中心人物を2人紹介する。1人目は、リードオフマンの尾瀬雄大(4年=帝京)である。昨春、打率.479で首位打者を獲得している実力者だ。今春もすでに4本の安打を放ち打率.400と好調。広角に打ち分ける打撃が持ち味である。尾瀬が出塁すると早大の打線は一気に活気づくため、最大限の注意が必要である。

24春の首位打者・尾瀬は何としても封じ込めたい
もう1人は、5番を務める法大キラー前田健伸(4年=大阪桐蔭)である。昨年は法大戦の打率.333、6打点、1本塁打と苦しめられた。さらに、昨春1回戦は逆転適時二塁打。昨秋も1回戦で一時勝ち越しとなる適時二塁打、同3回戦でも先制本塁打を含む3打点と要所で勝負強い打撃を発揮されてきた。今春も打率.444、3打点と中軸の役割をしっかりと果たしている。
早大打線はリードオフマンの尾瀬が出塁し、前田を含めた中軸で返すのが一番の得点パターンのため、法大投手陣はこのパターンを封じることが必要だ。

要所での一発が怖い前田健
対する法大の開幕カード注目選手
対する法大のキーマンは境亮陽(営1=大阪桐蔭)だ。立大戦では1年生ながら2番・右翼手として出場すると、初戦でいきなり4安打を放ち大器の片鱗を見せる。さらに、2回戦でも安打を放ち打率.625、出塁率.700と立大戦で湿っていた打線の中で孤軍奮闘の活躍を見せた。4年間の目標である”リーグ通算100安打”に向け視界良好だ。

2戦で5安打を放ち、通算100安打に好発進の境
投手は救援陣の奮起が鍵になる。立大戦では2戦合計4人が救援として登板したが全員が失点。勝ち点を落とす要因となった。その中でも、髙村祐助監督がリリーフエース候補の1人として期待していた永野司(営4=倉敷商)に注目だ。立大1回戦では1回2/3を投げて被安打4、四死球3、失点1と不安定な投球に終わり、負け投手になった。持ち味であるキレのある変化球を取り戻し、早大打線の流れを止める活躍を期待したい。

勝ち点獲得には永野の奮闘が欠かせない
まとめと展望
法大は今カードで勝ち点を奪えなければ、10季ぶりの優勝は完全消滅する。早大は投手陣が充実しているため、大量得点は望めない。そのため、投手陣の踏ん張りが必要不可欠だ。エース野崎慎裕、第2先発小森勇凛(キャ2=土浦日大)の好投はもちろんのこと、立大戦で振るわなかった救援陣の復調が鍵になる。
2カード目にして大きな山場となった早大戦。王者早大相手に勝ち点を奪い、優勝への望みをつなぎたい。
(松野要)