【フェンシング】関東学生リーグ戦5・6日目 女子サーブルがリーグ優勝で王座へ!男子エペは3位で王座届かず・・・
関東学生フェンシングリーグ戦
2015年5月13日(水)、14(木)
駒沢オリンピック公園体育館
春のリーグ戦も最後の2種目を迎えた。関カレ、インカレを制した女子サーブル、今年は春から強さを見せつけるべくスタートを切った。4年生2人が引っ張る男子エペ。昨年無冠に終わった雪辱を果たしたいリーグ戦だ。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子エペ | 藤倉陸(社4)、村越優希(文4)、中村豪(人2) | ●42-45早大○45-41慶大○45-37明大○45-33専大●35-45日大 | 3位 |
女子サーブル | 栗本ひかる(社4)、福島史帆実(法2)、奥田彩野(文1) | ○45-41早大●42-45日大○45-30慶大○45-43専大○45-39東女体大 | 優勝 |
男子エペ戦評
昨年無冠に終わった男子エペ。リベンジのシーズンへ好スタートを切れるか。
初戦の早大戦は中盤からリードして試合を展開していく。点差を守って確実につなぎ第7セットを終わって35-30。しかし第8セット中村が捕まる。時間に追われる相手の果敢な攻めに苦しみ、38-40と逆転されてしまう。続く最終セットは藤倉。キャプテンに逆転への期待が持たれたが、2点差をまくることができず45-42で敗れる。初戦は黒星スタート、難敵との試合が控えるなか優勝へ向けて痛い一敗となった。第2戦の相手は慶大。この試合でも優位に試合を進める。第7セットの中村もリードを広げ35-25と10点差をつける。しかしまたも第8セットで苦戦。村越が2度の4連取を許すなど35-39の4点差まで迫られてしまう。セット終了後には村越は頭を抱え、悔しそうな表情を浮かべた。それでも最終セット、藤倉が武田(慶大)の追い上げを振り切り45-41で勝利。主将が締めて初白星を挙げた。3戦目の明大戦も接戦となるが、村越が第8セットでリードを広げ、逃げ切り45-37で勝利。2勝1敗で二日目を迎えた。
二日目、王座決定戦へ進むためにはもう負けられない大事な第4戦。相手の専大に対し法大は序盤からリズムを奪う。5-6の1点ビハインドで迎えた第3セットで村越が4点連取し同点まで詰めると、第6セットで藤倉の剣が冴えわたり28-19で一気に突き放す。その後も一度もリードを許さないまま45-33で勝負あり。3勝目をあげた。最終戦の相手は昨年度学生タイトル4冠の強敵日大。法大は序盤から苦戦を強いられる。第2ピストに上がった村越が4連続失点で7-10と引き離されると、続く中村も良い流れを引き寄せられない。第5セットで藤倉が怒涛のアタックで7点連取し23-25の2点差まで詰めるが、最後まで逆転への光は見えず35-45で惜敗。この結果により法大の3位が決まり王座決定戦を逃した。
昨年はリーグ戦2位で王座決定戦にこそ進んだものの日大に敗れ涙をのみ、今回もリベンジとはいかなかった男子エペ団体。王座進出にも届かなかった結果に村越は「屈辱的で悔しい」と苦い表情を浮かべた。今後も王者日大の牙城を崩さない限り、表彰台の頂上には届かないだろう。次の関東学生選手権ではさらなる飛躍を目指す。(高津勇佑)
早大に敗れ悔しがる藤倉
女子サーブル戦評
昨年は王座進出を逃した女子サーブル。悲願の王座優勝へ向けての戦いが始まる
初戦の相手は早大。キャプテンの栗本、2年生の福島、1年生の奥田が出場し、中盤まで試合を優位に進めていく。第6セットを終えて30-23、ここから逃げ切りを図りたいところであったが早大の粘りに苦しむ。第7セット、第8セットで徐々に点を詰められ、40-37で最終セットへ。最後回りを任される福島は42-39と先手を取るが、ここからまさかの3連続失点で42-41の1点差に迫られる。優勝へ向けて落としたくない一戦でピンチを背負うが、2年生エースは冷静なプレーを見せる。3点を取り切り、45-42で辛くも初戦を勝利。白星スタートを切る。2戦目の日大戦も接戦となった。第5セットで福島がリードを奪い25-22で第6セットへつなぐ。しかしここで栗本が「どこか気持ちが入り切っていなかったのかもしれない」と自分のプレーを出し切れない。悪い流れを止めることができず8連続ポイントを許し25-30と逆転される。それでも第7セット、1年生奥田がチームを活気づける。5連続ポイントを含む活躍で33-35と差を縮める。それにこたえるように第8セットは栗本が奮起、40-39とまくり福島にバトンをつなぐ。その最終セットも点の取り合いが続き42-43のスコアとなる。緊張感の漂う場面でスコアしたのは日大だった。昨年、幾度も勝負強さを見せた福島だったが、ここでは惜しくも42-45敗れ、初黒星となった。それでも慶大戦では第4セットで奥田がつないだリードから、栗本、福島のポイントで突き放し45-30と快勝。2勝1敗で初日を終えた。
二日目初戦の相手は強敵専大。第1セットで福島が5-2と先制し上々の立ち上がりを見せるが、続く奥田が相手の勢いにのまれ8-10で逆転を許す。しかし第6セットで栗本がキャプテンの意地を見せ30-29で再び逆転する。その後も一進一退の攻防が続くが、最後はエース福島が45-43の僅差で相手を下し貴重な3勝目をあげた。そして迎えた最終戦対東女体大。序盤は法大が主導権を奪い30-21のリードで第7セット福島がピストへ。しかしここで福島のアタックが思うように決まらずまさかの10失点で35-31。嫌な空気が法大ベンチに漂うが、この流れを栗本の剣が断ち切る。気迫の連続得点で40-35と再びリードを広げると、最終セットを任された福島が息を噴き返し45-39で接戦を制した。4勝1敗の結果、悲願の優勝を決め王座決定戦進出への切符を掴んだ。
今大会を通して全試合接戦と決して楽な戦いとはいかなかった女子サーブル団体。しかし「優勝しか考えてなかった」と試合後福島が語るように、得点を決めた時の雄叫びから勝ちにこだわる姿勢が十分に伝わってきた。次の王座決定戦でも歓喜の雄叫びを聞かせてほしい。(竹内大将)
最終戦を制し笑顔の福島
選手のコメント
藤倉陸
―3位という結果について
自分にとっては最後のリーグ戦だったので本当に悔しいです。
―王座進出を決められなかった敗因は
初戦の早大戦を落としたことがとても大きいですね。一敗しても日大に勝てばよかったのですが、地力で負けてしまいました。
―早大に敗戦したことは想定外でしたか
そうですね、全く予想していなかったです。でもその反動で慶応には絶対勝ってやるという気持ちで臨めたので勝つことができたと思います。
―エペキャプテンとして初の公式戦でしたが
今までずっと吉沢先輩に任せっきりで自分はつなぎ役としてプレーしてきたのですが、キャプテンになって最後回りを任されるようになり、自分の得点力の無さを痛感しましたね。
―村越選手、中村選手の活躍はどうでしたか
自分よりも初戦から(得点を)取ってくれていて、二人に支えられてきたリーグ戦でした。
―日大の連覇を阻止するために対策はありますか
日大には山田選手というトップ選手がいるのですが、三人目が不在なのでそこでいかに法大が得点を獲れるかがこれからの課題だと思います。
―次の関カレに向けて
優勝目指します。まだタイトルを持っていないので個人でも絶対優勝したいです。
村越優希
ー3位という結果について
去年から目標だった王座を獲るということが3位ということで叶わず、屈辱的ですし悔しいですね。
ー二日間を振り返って
勝った試合は良い感じで仕上がっていたと思います。でも負けた試合、初戦は立ち上がりが悪かったですし、不調だったということもありました。日大戦についてはもっとできたのではないかと思っています。この負けた二つの試合、特に日大に関してはもっと課題を見直さなければいけないと思います。
ー新チームの雰囲気などはいかがですか
去年は4年生は吉沢先輩1人で、そこに自分と藤倉と中村がいて4人でやっていたという感じで、今年は3人でという感じなので雰囲気的には変わらないと思います。でも吉沢先輩の存在はやっぱり大きかったなというのは感じています。
ー最上級生の年となりますが、どのようなシーズンにしたいですか
王座には出ることができないので悔しいのですが、関カレ、インカレは絶対に団体優勝できるようなチームを藤倉と一緒に作っていきたいと思います。
ー今後の試合に向けて
秋に優勝できるように頑張りたいと思います。
栗本ひかる
ー優勝を決めたお気持ちは
優勝はしたのですが、日大に負けてしまったということと、どの試合でも調子が良くなかったというのが自分でも分かっているので、王座で優勝するために、これからまた頑張っていこうと思います。
ー二日間を振り返って
1日目の3試合は、どこかで気持ちが入り切れていなかったところがあったのかなと思います。いざ試合になったらそれが仇となってしまったのかなと。点を取られて自分を見失ってしまって。こういう感覚は初めてでしたね。
3試合終わって、2日目は昨日のことは忘れて今日に集中しようと思っていました。
ー接戦が多く危ない試合もあったと思いますが
日大戦では自分が慌ててしまったということがありました。普段男子と一緒に練習しているのですが、やっぱり女子よりスピード速くて。その速さでプレーしたら、周りから「速いよ」って言われるくらいだったので、そのスピードについては修正しなければいけないなと思っていました。なので、一本目は慎重に入るということを心がけました。少し遅くいっても相手もそんなに早くないので、そこから仕掛けようと思っていました。
ー速く仕掛けすぎるということも良くないのですか
そうですね。速すぎるのは良くないですね。
ーキャプテンとして初めての試合でしたが
チームをまとめるということはすごく難しいということを感じました。下の二人はそんなに感じていないかもしれないですが、どこかで自分がキャプテンだから「自分が何とかしないと」と周りのことばかり考えてしまいました。そういうメンタルのところで、もう少しバランスを取らなければと思いました。
ー1年生の奥田選手のプレーはいかがでしたか
練習試合をやった時に捲られてしまったのですが、本番は「とにかく前に前にいきます」と本人も言っていたように、すごく元気をもらえるプレーをしてくれました。私が1年生の頃に比べてもたくさん点を取ってくれたので、只々すごいなと思いました(笑)
ー昨年逃した王座への出場を決めました
王座に出場するというのはずっと目標だったことなので、すごく嬉しいです。でも王座にいくだけではなく優勝するというのが目標なので、頑張りたいと思います。
福島史帆実
―優勝おめでとうございます
ありがとうございます。優勝することしか考えていなかったので本当にうれしいです。
―一番印象に残っている試合は
日大戦ですね。試合内容がよくなかったのと、リードして自分に回ってきた時に自分が得意としているリポスト(相手の攻撃をかわした後すぐ反撃する技)が決まったので続けてリポストしたんですけどそれが失敗してしまって。意地になって同じ技を狙ってしまって、いつも通りできず逆に点を取られてしまいました。
―それが今回の敗因ですか
落ち着いて試合をできなかったのが自分の敗因です。
―学年が上がって心境に変化はありますか
1年生の時は結構気楽に試合に出ていたんですけど、先輩になって点を取らなければいけないという気持ちにはなりました。
―後輩の奥田選手の活躍はどうでしたか
凄く良かったと思います。高校の時はフルーレを専門にしていて、サーブルを本格的に始めたのは大学からなので頑張ってくれたと思います。
―王座決定戦に向けて
個人のレベルを上げていったら優勝できると思います。
フォトギャラリー
- 藤倉とともにチームを引っ張る村越
- 2年生ながら不動のレギュラー中村
- 王座には届かなかった男子エペ陣
- 女子サーブルキャプテンとして初めて試合を戦った栗本
- 1年生奥田も優勝に貢献
- 声で盛り上げるベンチ
リーグ総合成績
種目 | 成績 |
---|---|
男子フルーレ | 2位 |
女子フルーレ | 2位 |
男子サーブル | 優勝 |
女子サーブル | 優勝 |
男子エペ | 3位 |
女子エペ | 優勝(2部) |
※太字は王座進出