【硬式野球】東京六大学野球秋季リーグ戦 第3週 慶大1回戦 菅野今季初完封で慶大に先勝! 打線も13安打の猛攻で8点を奪取
東京六大学野球秋季リーグ戦 第3週 慶大1回戦
2017年9月23日(土)
神宮球場
宿敵明大に2連敗した先週から一転、投打ともに奮起し慶大から8点を奪い勝利した。打線は中山の本塁打など長打7本を含む怒涛の13安打。投手は菅野が9回を1人で投げぬき東大以外で初めてとなる完封勝利をおさめた。チームは明日の2回戦で勝ち点を狙う。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法 大 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 8 | 13 | 0 |
慶 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 |
(法大)○菅野(1勝1敗)-鎌倉
(慶大)●高橋亮(1勝1敗)、高橋佑、菊地、川端、石井雄、関根-郡司
[本塁打]中山1号3ラン(1回=高橋亮)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 打率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (8) | 舩曳 | 3 | 0 | 0 | .455 | 四球 | 投ゴロ | 死球 | 三振 | 中飛 | 四球 | |||
2 | (6) | 相馬 | 6 | 1 | 0 | .214 | 遊安 | 中飛 | 三飛 | 遊ゴロ | 中飛 | 三振 | |||
3 | (7) | 毛利 | 3 | 0 | 0 | .250 | 三振 | 三振 | 四球 | 四球 | 三振 | ||||
4 | (3) | 中山 | 4 | 3 | 3 | .385 | 左越え本③ | 三振 | 左翼線二 | 中飛 | 左前安 | ||||
5 | (5) | 福田 | 4 | 4 | 2 | .455 | 中前安 | 右前安 | 右翼線二 | 中前安 | 死球 | ||||
6 | (9) | 向山 | 4 | 1 | 2 | .231 | 三振 | 三振 | 二犠 | 左翼線二 | 三振 | ||||
9 | 清水二 | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||
7 | (4) | 小林 | 4 | 1 | 1 | .400 | 右飛 | 四球 | 左前安 | 中飛 | 三振 | ||||
8 | (2) | 鎌倉 | 4 | 1 | 0 | .167 | 中飛 | 三振 | 左翼線二 | 三振 | |||||
H | 森 | 1 | 1 | 0 | 1.000 | 右中間二 | |||||||||
R | 大崎 | 0 | 0 | 0 | -.– | ||||||||||
2 | 中村浩 | 0 | 0 | 0 | .333 | ||||||||||
9 | (1) | 菅野 | 5 | 1 | 0 | .286 | 右翼線二 | 遊ゴロ | 二直 | 三振 | 遊ゴロ | ||||
計 | 39 | 13 | 8 | .333 |
投手成績
回 | 球数 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | 防御率 | |
菅野 | 9 | 115 | 35 | 7 | 8 | 2 | 0 | 4.20 |
計 | 9 | 115 | 35 | 7 | 8 | 2 | 0 | 5.88 |
ベンチ入りメンバー
10 | 森(キャ4=日大三) | 27 | 中村浩(営3=多良木) | 25 | 福田(人2=大阪桐蔭) |
11 | 柏野(営1=広陵) | 32 | 宮崎(法2=宇部商) | 35 | 吉岡(営3=智辯学園) |
13 | 菅野(キャ3=小高工) | 2 | 川口(人3=横浜) | 37 | 中山(人3=履正社) |
15 | 落合(法1=常葉菊川) | 3 | 相馬(営2=健大高崎) | 8 | 清水二(法4=中京大中京) |
17 | 熊谷(キャ4=平塚学園) | 4 | 俵積田(人4=阪南大) | 29 | 舩曳(キャ2=天理) |
18 | 内沢(キャ2=八戸工大一) | 6 | 大崎(法4=智辯学園) | 31 | 毛利(法2=愛工大名電) |
19 | 長谷川(経4=聖望学園) | 7 | 小林(法3=中京大中京) | 33 | 斎藤卓(社3=大宮西) |
42 | 髙氏(文2=立命館慶祥) | 9 | 向山(営3=法政二) | ||
20 | 鎌倉(法3=日本文理) | 23 | 町田(社4=桐蔭学園) |
戦評
涙を吞んだ連敗から1週間。優勝のためにはもう敗戦は許されない状況で迎えた慶大戦。慶大も前カードの東大戦で投手陣に不安をかかえている中での対戦となった。
初回に法大は相手先発高橋亮吾からいきなりチャンスをつくる。1番舩曳海(キャ2)が四球で出塁すると盗塁と2番相馬優人(営2)の安打で、1死二、三塁の場面で打席には4番の中山翔太(人3)。先制点が欲しいこの場面で主砲が結果を残した。3球目の直球を叩くと打球はあっという間に左翼スタンドへ。吠えながらダイヤモンドを一周した中山。見事に先制点を手にした。
一方の法大の先発は菅野秀哉(キャ3)。前回登板では6回5失点と開幕投手の役目を果たせなかった。今日も初回からピンチを招く。連打で1死一、二塁とすると打席にはプロ注目のスラッガー・4番の岩見雅紀がバッターボックスに。「対策してきた通りに投げ切ることができた」とファールで粘られるも10球目で右飛に打ち取った。後続もなんとか抑え、無失点で抑えた。
その後は両投手が粘りの投球を見せる。再び試合が動いたのは5回。先頭の毛利元哉(法2)が四球を選ぶと中山が左翼線二塁打を放ち、チャンスを拡大する。打席には今日ここまで2安打と好調の福田光輝(人2)を迎える。チャンス法政が流れる中、3球目を思い切り引っ張る。打球は一塁線を抜ける2点適時二塁打に。さらに今季初先発を果たした7番小林満平(法3)が復活をアピールする左前適時打を放ち、この回3点を追加した。
しかし菅野もこの日一番の正念場を迎える。2死を簡単に奪ったものの安打と死球で満塁のピンチとなる。打席には再び岩見。初球を捉えられると、大飛球がライトを襲う。しかし右翼手・向山基生(営3)がフェンス手前で落下点に入り捕球し、ピンチを脱した。 続く6回には福田が今日4本目の安打で出塁すると、今日打順を6番に下げた向山が三塁線を破る適時二塁打を放ちさらに追加点を挙げた。 勢いに乗った菅野は相手を寄せ付けない投球を見せる。6回から8回までを安打1本に抑える好投。途中打球が当たり、治療するも気迫でマウンドに立ち続ける姿を見せた。
9 回にはファン待望のあの男が打席に。ケガで戦列を離れていた主将の森龍馬(キャ4)だ。注目の打席で主将は右中間に二塁打を放った。しっかりとバットで結果を残し、ベンチへと下がった森。明日からもその打棒が要所で頼りになるに違いないだろう。 完封勝利に向けて菅野が最終回のマウンドへ。先頭打者を一ゴロ、次の打者を左邪飛に抑えると、最後の打者を見三振に打ち取りゲームセット。若きエースが最高の投球でチームを勝利に導いた。
開幕投手と4番の活躍で今季初勝利を手にした法大。まさに理想的とも言えるこの試合を機に連勝街道を駆け上がるのか。そして王者復活へ、栄冠を目指すためにまずは明日連勝で勝ち点を奪うことが大切だ。一筋縄ではいかない相手ではあるが法政のプライドを胸に、勝利を目指して欲しい。(石川大悟)
クローズアップ
福田光輝(適時打を含む4安打の活躍 不調を救った指揮官に最高の恩返しを)
開幕カードでは、わずか1安打に終わった福田。一転、今日は4安打5出塁と大暴れ、今季初勝利に貢献した。なぜ調子を取り戻せたのか。この活躍の陰には指揮官の熱い指導があった。
昨季のリーグ戦途中からレギュラーを奪取し、今季は1年春以来の開幕スタメンを果たす。しかし自分が決めてやるという気持ちが空回りし、2試合で1安打と完全に打線のブレーキとなっていた。連敗後の1週間、結果が出ずに悩んでいた福田に手を差し伸べたのが青木久典監督。自らが打撃投手となってマンツーマンでの1時間にわたる特打を敢行してくれた。「力を抜いていけ」言葉は少なめだったが福田の胸には大きく突き刺さった。昨季の途中まではベンチを温めることが多かった福田。そんな状況でもチームに貢献しようと誰よりも声を出し続けた。全てはチームのため。個人の結果を追い求めるのではなくチームの勝利を最優先にした考えからだ。しかし、今季はチームの主力となったことで気持ちが前面に出し過ぎてしまい力みが生まれていた。そんな中での指揮官からの一言。我を取り戻した福田は、見事に指揮官から受けた恩を4安打という結果で返して見せた。
「明日勝たないと意味がない」。今日の大勝にも満足せず試合直後から福田は明日を見据えた。全ては勝利のため。そして優勝のためだろう。常に陰で支えてくれる監督に次は優勝という形で、福田が恩を返しにいく。(具志 保志人)
監督・選手コメント
青木久典 監督
ー今日の試合を振り返って
まずは1勝できたということは良かったと思います。
ー先週の連敗からどのように立て直しましたか
まずはピッチャー陣をしっかり立て直しました。それと同時に特に4番の中山の状態が悪くはないですけど、気持ちが入りすぎていい結果が出ていなかったので、そこの修正をしました。
ー試合前にチームに話したことは
まずはゲームへの入りを100%でいけるように気持ちも体も持っていけという話をしました。
ー今日は舩曳選手を1番に起用しました
今日に関しては打ってないと思うんですけど、非常にいい形で結果を残していましたし、バッティングの状態が僕から見ても非常に良かったので、出塁率も上げたいですし足が使えますから1番で打たせてみようと思いました。
ー菅野選手が完封勝利を収めました
立ち上がりがあまり良くなかったんですけど、尻上がりに彼本来のボールが投げられるようになってきました。途中打球が当たるアクシデントがあったんですけど点も取られてませんでしたから行けということで。彼も「行きます」ということだったのでそういう気持ちも入って完封ができたというのはいい自信になるのではないかと思います。
ー先週は不調だった中山選手が3ランを放つなど3安打を記録しました
今日に関しては何も言うことはないなと。しっかりと4番の働きをしてくれたと思います。やっと打席で余裕が出てきたのかなと思います。
ー福田選手も4安打の活躍を見せました
彼は本当に気持ちの強い選手なのでね。彼も中山同様明治戦はちょっと力んでいましたから、やっとこれから彼本来のバッティングをしてエンジン全開になってくれるんじゃないかなと。よく打ってくれたと思います。
ー最終回にはけがで離脱していた森主将が二塁打を放ちました
すごいですね、あの状況下でよく打ったと思います。点差も離れていたので「打席に立ちたいか」と聞いたら立ちたいということだったので、立たせました。ツーストライクに追い込まれてからよく打てたなあと、頭が下がるというかさすがだなと。早く万全な状態で戻ってきてもらいたいですね。
ー明日へ向けての意気込みを
まずは1勝したのでそれはそれでいい意味で忘れて、明日取らなきゃ意味ないので明日絶対取ってやるぞと選手には檄を入れました。私自身もそのつもりでいますので、また応援よろしくお願いします。
森龍馬 主将 (代打で登場 復帰戦で二塁打を放つ)
ー今日の試合を振り返って
うちのペースで、良い攻め方ができたのかなと思います。
ー前カードの明大戦を振り返って
一言で言うと本当に悔しかったです。
ー敗因は何だと思いますか
失点が多かったことと、投打がかみ合わなかったことですね。
ーご自身は出場できませんでしたが
主将としての責任はあるので、チームが常に前を向けるように声がけをしていました。
ー今節への気持ちの切り替えはどのようにされましたか
簡単に切り替えるのではなくて、しっかり反省をして慶大戦に向けての練習をできたからこそ今日の試合があると思います。
ーチーム全体に声をかけたことは
一戦も負けられないので、一試合一試合死ぬ気になって戦っていこうと。本当に簡単なことしか言ってないですけど、勝ててよかったです。
ー今日復帰されましたが
点差も点差だったのですが、自分にプレッシャーをかけて、2死二、三塁くらいの気持ちで打席に立ちました。
ー安打となりましたが
まだまだ始まったばかりなので、これから頑張らなくてはという感じです。
ー状態はどうですか
まあ順調にきています。
ー明日への意気込みを
とにかく2日間で終わらせられるように頑張ります。
菅野秀哉 投手 (9回7奪三振の完封勝利)
ー今日の試合を振り返って一言お願いします
法政らしい試合がやっとできたと思います。
ー法政らしい野球とは具体的になんですか
しっかりピッチャーが抑えて、バッター陣がしっかり打ってくれるので、しっかり点を取って勝てたのはよかったかなと思います。
ー東大以外では初の完封勝利となりました
他の大学でも完封はしたいと思っていたので、できたのは本当にうれしかったです。
ー今日は岩見選手から併殺打をとったあたりから持ち直した印象です
あの場面で抑えられたのは自分的にすごく楽になったので、本当に野手に助けられたかなと思います。
ー明大戦では開幕投手でした
開幕投手で少しふがいない結果になってしまったので、この慶応戦はしっかり自分が抑えて勝てればいいなと思っていました。
ー11安打とふるわなかったですが、改善したことはありますか
フォームが良くなかったのでフォームを見つめなおして自分のボールがいくようになったので、そこは良かったと思います。
ー慶応打線の印象はどうですか
慶応はよく打ってくるので注意して投げました。
ー岩見選手は強打者ですが、どのような対策をしましたか
色々研究してその研究通りに投げられたのでよかったかなと思います。
ー明日チームに期待することは何ですか
今日のようなゲームができれば多分勝てると思うので、ピッチャー陣で抑えて勝ってくれればいいなと思います。
ー次戦に向けて一言お願いします
次も完封して勝てるように頑張りたいと思います。
小林満平 内野手 (今季初先発で適時打を放つ活躍)
ー今日の試合を振り返って
投打の噛み合ったすごくいいゲームだったと思います。
ー5回に適時打を打ちました
調子もよくなくてあまり期待されていないと思うので気楽に打席に立ちました。
ー今季初先発でしたがどういう意識で試合に臨みましたか
ずっと準備はしていましたし、今週1週間自分が出るという強い気持ちで準備してきたので、少し緊張はしましたけどうまく試合に入れました。
ー昨季は先発から外れるなど悔しい思いをされたと思います
ずっとうまくいくこともなかなか無いと思うので、自分なりにうまく切り替えてこの夏はチャンスが来たら絶対に掴むという気持ちで練習してきました。
ー二塁手争いが激しくなってくると思いますがどのようにアピールしていきたいですか
自分は打撃と走塁を求められていると思うので、そこでしっかりアピールしていけたらいいなと思いますし、打てなくても何か1日1ついいプレーをするだったり、1ついい犠打をするだったり、欲張らずにコツコツとやっていきたいなと思います。
ー明日の試合に向けて意気込みをお願いします
明日勝たないと意味が無いのでチーム一丸となって全員で準備して臨みたいと思います。
中山翔太 内野手 (3ランを含む猛打賞の活躍)
ー今日の試合を振り返って
初回からチャンスが回ってきて、先制点を取ったら流れが来るかなと思ったので、絶対返すぞという気持ちで打ちました。
ー手ごたえはどうでしたか
完璧でした。
ーホームランは昨季の慶大3回戦以来です
ホームランを求められていると思うので、毎試合打てるようにしたいです。
ー今季の調子はどうですか
春季リーグ戦以降もずっと調子はいいですね。
ー3人の投手と対決しましたが
対策はビデオ見て、イメージしながらバッティング練習をしていました。
ー明日に向けて
明日もしっかり気を引き締めて勝ちたいと思います。
福田光輝 内野手 (適時打を放つなどリーグ戦初の4安打の活躍)
ー今日の試合を振り返って
明治戦であんまり打てていなかったので、とりあえず打てて良かったです。
ー連敗後、個人として調整したことはなんですか
明治戦に負けてから監督さんに打撃投手をやってもらって、色んなアドバイスを頂きました。結果で返していこうと思っていたので良かったです。
ー具体的にアドバイスというのは
明治戦は力が入っていたので、とりあえず抜いていけということを言われて思い切っていけました。
ーどれくらいの時間ですか
1時間くらいやってもらって、それが繋がったのか分からないですけど今日打てて良かったです。
ー打席の中で変えたことはなんですか
今日もヒットは出たんですけど、まだ自分的にしっくりくる打席がなかったので、その中でしっかり見つめ直しながら明日に繋げていたらいいかなと思います。
ー4安打ですが、反省点の方が多いということですか
打てたことに対しては良かったですし、得点にも絡めたので良かったんですけど、まだまだライナー性の良い当たりだったりが打てると思うので少し修正して明日に臨んで行きたいと思います。
ー寮取材の時から守備への意識が高いようです
2年生も多く出ているので、その中で自分が引っ張っていこうと思ってます。
ー明日に向けて
とりあえずチームが勝つことが優先なので、そこに絡んでいけたら勝ちにつながってくると思いますし、今日は勝ったんですけど明日勝たないと意味がないので頑張りたいと思います。
フォトギャラリー
- 東大以外で初の完封勝利をおさめた
- 1回に盗塁を決めた舩曳
- チームを勢いづける3ランを打った中山
- 今日出塁率10割の福田
- 菅野を好リードした鎌倉
- 6回に2打点を挙げた向山
- 春以来のスタメン復帰で適時打を放ち笑顔を見せる小林
- けがから復帰し意地の二塁打を打った森