【硬式野球】第40回日米大学野球選手権第5戦 延長10回タイブレークの末にサヨナラ勝ち!大会連覇を達成!
第40回日米大学野球選手権 第5戦
2016年7月17日(日)
草薙球場
2勝2敗のタイで迎えた第5戦。勝てば優勝が決まる一大決戦は、緊迫した試合展開が続く。日本は5回までに4得点でリードするも、7回に満塁本塁打を浴び同点とされ試合は延長戦へ。タイブレークで迎えた10回裏。1死二・三塁の好機を作ると、2番・島田海吏の犠飛でサヨナラ勝ち。劇的な幕切れで、2大会連続の優勝を決めた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
米 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 4 | 8 | 0 |
日 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1X | 5X | 4 | 1 |
(米)ホウク、ピーターソン、ブカウスカスースコウグ
(日)柳、佐々木、田村、齊藤ー牛島、森川
[本塁打]
(日) 辰己 (2回ソロ=ホウク)
(米) スコウグ (7回満塁=田村)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手 | 打 | 安 | 点 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (9) | 佐藤 | 3 | 1 | 2 | 四球 | 遊ゴロ | 左前安② | 左飛 | 四球 | |||||
2 | (7) | 島田 | 3 | 0 | 1 | 投犠打 | 遊ゴロ | 空三振 | 二ゴロ | 左犠飛① | |||||
3 | (D) | 楠本 | 4 | 1 | 0 | 一ゴロ | 中飛 | 一ゴロ | 右前安 | ||||||
4 | (5) | 大山 | 3 | 0 | 0 | 三ゴロ | 右飛 | 中飛 | 投犠打 | ||||||
5 | (4) | 吉川尚 | 3 | 1 | 0 | 二ゴロ | 一直 | 中前安 | 四球 | ||||||
6 | (2) | 牛島 | 2 | 0 | 0 | 遊ゴロ | 空三振 | ||||||||
2 | 森川 | 2 | 0 | 0 | 空三振 | 三併殺 | |||||||||
7 | (8) | 辰己 | 1 | 1 | 1 | 中越え本① | 四球 | ||||||||
8 | 大西 | 1 | 0 | 0 | 捕ゴロ | ||||||||||
8 | (3) | 北村 | 2 | 0 | 0 | 空三振 | 捕犠打 | 空三振 | |||||||
9 | (6) | 京田 | 2 | 0 | 0 | 空三振 | 四球 | 空三振 | 三犠打 | ||||||
計 | 26 | 4 | 4 |
投手成績
回 | 打者 | 安 | 振 | 球 | 責 | |
柳 | 4 2/3 | 19 | 2 | 7 | 3 | 0 |
佐々木 | 1 2/3 | 9 | 3 | 1 | 2 | 3 |
田村 | 3 | 13 | 3 | 4 | 2 | 1 |
齊藤 | 2/3 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 |
計 | 10 | 14 | 7 | 4 |
ベンチ入りメンバー
10 | 柳 (4年=明治大) | 2 | 牛島 (4年=明治大) | 6 | 山崎 (3年=国学院大) |
11 | 佐々木 (4年=桜美林大) | 27 | 森川 (4年=法政大) | 1 | 佐藤 (4年=立教大) |
17 | 濱口 (4年=神奈川大) | 22 | 吉田 (2年=上武大) | 23 | 濱本 (4年=神奈川大) |
18 | 田村 (4年=立教大) | 4 | 京田 (4年=日本大) | 24 | 島田 (3年=上武大) |
19 | 吉川峻 (4年=関西大) | 7 | 吉川尚 (4年=中京学院大) | 9 | 辰己 (2年=立命館大) |
21 | 水野 (4年=東海大北海道) | 8 | 大山 (4年=白鷗大) | 29 | 大西 (2年=法政大) |
14 | 齊藤 (3年=明治大) | 28 | 森下 (4年=東海大) | ||
16 | 宮台 (3年=東京大) | 3 | 楠本 (3年=東北福祉大) | ||
15 | 伊藤 (2年=国際武道大) | 5 | 北村 (3年=亜細亜大) |
戦評
優勝するのは日本かアメリカか。両チームともに2勝2敗のなか、選手権はいよいよ最終戦を迎えた。先発のマウンドには、第2戦以来の登板となるキャプテン柳裕也(明治大)が。初回に1死満塁の場面を迎えるものの併殺に打ち取ると、得意のカーブを駆使しながら4回を無失点で切り抜けた。日本チームは初回に暴投で1点を先制すると、2回裏には辰巳涼介(立命館大)の中堅への見事なソロ本塁打が飛び出す。5回裏にも2点を追加し、4-0と日本ペースで試合は後半を迎える。
森川大樹と大西千洋が途中出場した7回表、大きく試合が動く。連続ヒットに四球が重なり、アメリカチームに一発同点のチャンスを与えてしまう。ここで、佐々木千隼(桜美林大)から田村伊知郎(立教大)にスイッチするも、3番スコウグに右越え満塁本塁打を許してしまう。一振りで同点、まさかの展開で試合は振り出しに戻る。
9回裏に1死一二塁のチャンスを迎えるものの打者森川が併殺に倒れ、タイブレーク制の延長戦へと突入する。10回表のアメリカの攻撃を無失点に抑えると、その裏、日本はセカンドランナーに大西を置き、9番京田陽太(日本大)から攻撃を仕掛ける。京田がバントを決めると、続く1番佐藤拓也(立教大)は敬遠気味の四球。1死満塁で勝負は2番島田海吏(上武大)に託される。3球目。高く打ち上げた打球は左犠飛に。大西が持ち前の俊足を生かし頭からホームイン。この瞬間、日本チームの優勝が決まった。
5試合中4試合が一点差と、接戦が多かったこの大会。その最後を飾るにふさわしい大熱戦となった。二大会連続の日本チームの優勝で、第40回日米大学野球選手権大会は幕を閉じた。(下河辺果歩)
監督・選手コメント
青木久典日本代表コーチ
—劇的な幕切れで優勝が決まりました
どんなに点差が離れようがアメリカは一発で追いついてくるし、一息もつけるような試合展開ではなかったです。勝ててほっとしています。
—5試合を通してのアメリカの印象は
打者に関してはパワーがあるなと感じましたし、全力疾走だったり、特に守備のほうでは球際が強いなと思いました。この点では日本の選手も学ばなければいけないと思いました。 ピッチャーは球が速いしボールも動く。いろんなタイプの選手がいて、私も勉強になりました。
—代表選手としての森川選手、大西選手の戦いぶりをみていかがですか
森川は1戦目のいいところで2点タイムリーを打ってくれましたし、大西自身もスタメンで出たり出なかったりとありましたけど、秋に向けていい経験をしたと思います。
—法大の監督ながら日本代表のコーチとして、法大の選手に接する難しさもあったのでは
それはなかったです。私はコーチに徹していましたし、あえて(代表に)行く前に森川にはほかの選手と同じように扱うと話しました。チームが一丸になるために、いろんな選手とコミュニケーションをとるのがチームがいい方向に向かうことだと思ったので、それを心がけていました。
—日米野球を通して両選手が成長したと思う部分は
チームでやっていることをしっかり代表のチームでもやっていたので、そこはよかったなと安心しました。ジャパンのユニフォームを着ているからかっこつけようとか、いいところを見せようというおごりもなかったです。法政と同じようなスタイルで2人とも戦っていたと思います。ジャパンの強者たちと一緒にやって、森川はタイムリーを打ちましたし、大西もまだまだ上のレベルがいることを感じているのかなと見てました。
—代表を経験してチームに戻る両選手に期待することは
代表で経験したことをチームに伝えてもらいたいし、代表は1試合ごとに順応して、変化についていかなければいけません。要求も高くなります。監督の要求に対応して、自分の殻に閉じこもっていてもしょうがないという部分を法政に帰ってもいかしてほしいです。代表の面々は瞬時に対応していますからね。法政もそれなりの人物が来ているわけだから、もう一つレベルを上げていかなければいけないなと思いました。
森川大樹
—サヨナラの瞬間のお気持ちは
僕は優勝の経験があまり無いので、すごく嬉しかったです。
—10回表を無失点で終え、10回裏の二塁走者は俊足の大西選手でした
もしボテボテだったら大西を走らせるのではないかなとは思っていました。
—7回に追いつかれる厳しい展開でした
僕が出て打たれてしまって申し訳なかったんですけど、チームのみんなが諦めていませんでした。ここからまたやってやろうという雰囲気がありました。そういうところはとても勉強になりました。
—9回裏、一死満塁の場面での打席で、ベンチから「決めるんじゃない。繋ぐんだ」という声をかけられていました
繋ぎたかったですけど、うまくできませんでした。これからに繋げていかなければいけないなと思います。
—齊藤投手の投球練習後にマウンドで声をかけていましたが
「捨て身で投げろ」と。(塁にいるのは)自分のランナーじゃないし、後攻だから。思い切って攻めろとは言いました。
—二死、スコウグ選手の打席でも声をかけに行きました
「肩口の変化球はだめだぞ」と。ひっかけても振るから、来いと言いました。
—日本代表としてアメリカと戦った5日間を振り返って
大変な試合ばかりでしたがたくさん勉強できましたし、優勝したときは本当に幸せな時間でした。これをチームに持ち帰って、チームを強くしたいという気持ちが強くなりました。
—ともに戦った日本代表のチームメイトへ
みんな良いやつばかりで。勝ちたいという気持ちが強いやつらばかりです。本当に感謝したいですね。ありがとうと言いたいです。
—このあとハーレムでの戦いに加わります。抱負をお願いします
途中から入ることになりますがお客様ではなくて、最初からいたくらいのつもりで入っていってチームに貢献したいと思います。
大西千洋
—今日の試合を振り返って
すごく緊張感があって、優勝もできたので良い経験ができました。
—優勝について
率直に嬉しいです。
—10回裏はサヨナラのランナーでしたが
足は得意分野なので。3塁にいった時に青木さんと、行ける時はタッチアップ行けと話していました。あまり緊張していませんでした。
—チームの雰囲気はいかがでしたか
もう最高でした。5試合やっていて仲もよく、団結できたので勝てたのかなと思います。
—アメリカの投手の印象は
自分が思っていたよりも動く球を投げていたという印象です。
—六大学の投手について
すごいなと思いました。
—日本代表になった気持ちは
2年生で代表というのは良い経験なので、いろいろな人からいろいろな技術をチームに持ち帰って、さらに成長していきたいです。
フォトギャラリー
- サヨナラ勝ちで優勝が決まり、歓喜の輪が広がった
- 緊迫した場面でマスクをかぶった森川
- 3塁まで進塁した大西と、打ち合わせする青木代表コーチ
- 本塁へ頭から滑り込んだ大西。日本の優勝が決まった
- 記念撮影・青木代表コーチ(中央)
- 記念撮影・森川(二列目中央)
- 記念撮影・大西(後列中央)
- 試合後、2人は笑顔でガッツポーズ