東京六大学野球2025秋季リーグ戦 対東大
2024年10月25日(土)、10月26日(日)
神宮球場
明大との大一番を落とし、優勝の夢が潰えてしまった法大の最終戦は10月25日(土)第2試合の東大戦だ。この記事では東大の戦力分析と、何としても2連勝を決め、2位を狙いたい法大の注目選手を紹介する。
4年生にとっては最後のカード。何としても2連勝で有終の美を飾りたい!順位表(第6週終了時点)

東大戦展望
優勝の夢はついえたが、3つ目の勝ち点を奪い、少しでも順位を上げたい法大。最後に立ちはだかるのは、今季慶大から1勝を挙げた東大だ。本稿では、第5カード・東大戦の展望を紹介する。
下級生左腕の台頭で厚みを増した今季の東大投手陣
今季の東大は、投打ともに戦力が充実している。昨秋法大を苦しめたサブマリン右腕・渡辺向輝(4年=海上)は、大学日本代表候補合宿に召集され、プロ志望届も提出した実力者。今季は第2先発を務め、6試合で24回1/3、防御率7.40と数字こそ振るわないが、本来の制球力を取り戻せば厄介な存在だ。昨秋の法東2回戦では完投勝利を許しており、法大にとっては要警戒の投手である。

渡辺はのらりくらりとフライを打たせる投球が持ち味
一方、今季第1先発を任されているのは松本慎之介(2年=國學院久我山)。ここまで6試合で19回2/3を投げ、防御率3.66。慶大1回戦で自身初勝利を挙げた。直球は130キロ台後半ながら、低めへの制球と打たせて取る投球が持ち味だ。
打線も厚みを増す“ベストナイントリオ”と新戦力の躍動
打線は、2季連続ベストナインの中山太陽(4年=宇都宮)、3年春受賞の大原海輝(4年=県立浦和)、2年秋受賞の酒井捷(4年=仙台二)と、経験豊富な“ベストナイントリオ”が中心。さらに、今春2本塁打を放った長距離砲・秋元諒(2年=市川)や、主将・杉浦海大(4年=湘南)の離脱を埋める形で台頭した捕手・明石健(3年=渋谷幕張)も好調だ。明石は慶大1回戦で2本の適時打を放ち、現在チームトップの打率.286を記録している。今季の東大は、実績ある上級生に加え、伸び盛りの下級生が結果を残しており、投打ともに侮れないチームへと進化している。
法大の注目選手は安打記録更新を射程圏内にとらえたヒットメーカーとリーグ戦2本目の安打が2ラン本塁打の苦労人
法大の注目選手は、安打記録更新に期待がかかるヒットメーカー・藤森康淳と、今季2本目の安打を2ラン本塁打で飾った守備の要・品川侑生だ。
まず、藤森康淳(営3=天理)はここまで23安打を放ち、長崎慶一氏が昭和47年春に打ち立てた法大シーズン最多安打記録・24本まであと1本に迫っている。開幕から全12試合で安打を記録し、打率は.511。2位の石郷岡大成(早大4年=早稲田実)の.467を大きく引き離す首位打者候補だ。ここまでに喫した三振はわずか5つ。追い込まれてから摺り足に切り替え、粘ってファウルでしのぐ打撃技術を身につけ、さらなるレベルアップを見せている。六大学リーグ歴代最多安打記録は慶大・山村泰弘氏の30本(昭和24年秋)。藤森康が東大戦で偉大な記録を塗り替えるか、注目が集まる。

藤森康の安打記録更新に注目が集まる
2人目は、今季2本目の安打を2ラン本塁打で飾った品川侑生(文4=三重)。ラストシーズンとなる今季、ついに念願の開幕スタメンを掴み取った苦労人だ。これまでは守備固めや代打での出場が中心だったが、マチュアカップ(リーグ戦での出番が少ない4年生や有望な下級生が出場する試合)で安打を量産。小技と堅実な守備も評価され、一気にレギュラー争いへ名乗りを上げた。開幕2戦目でリーグ戦初安打を放って以降、打撃では苦しい時期が続いたものの、明大1回戦で放った値千金の同点2ランがチームを勢いづけた。“持っている男”のラストカードでの活躍に期待したい。

明大1回戦では2ラン本塁打を放った品川にも注目!
まとめ
このカードを2連勝で飾れば、法大は7勝6敗の勝ち点3という成績になり、他の試合の結果によっては2位もあり得る位置につけることになる。4年生にとっても、来季の法大にとっても1つでも上の順位で今季を終え、有終の美を飾りたい。
(中山達喜)


