東京六大学野球2026春季リーグ戦 対慶大
2026年5月16日(土)、5月17日(日)
神宮球場
東大に2連敗を喫しあとがない法大にとって、勝ち点奪取は優勝への絶対条件だ。優勝可能性を残し“血の法明戦”へ臨むためにも2連勝を狙いたいところだが、相手は昨秋4回戦までもつれ込む熱戦を繰り広げた慶大。現在首位を走り、本カードで優勝決定の可能性ももつ慶大は、立大戦の2試合と明大3回戦で2桁得点をあげチームの打率は.297、打点44と高い得点力を誇り、チーム防御率は脅威の1.60を記録するなど強力な投手陣もそろい投打で隙を見せない。今回は明日から始まる慶大戦の展望および注目選手を紹介する。
近年死闘を繰り広げる慶大戦を制し、優勝への望みをつなげることができるか順位表(第5週終了時点)

盤石の投手陣を打ち破れるか
第1先発は渡辺和大(慶大4年=高松商)が有力だ。強い直球にキレのあるスライダーを武器とするプロ注目の本格派左腕は、高校時代2年夏に甲子園に救援で2戦出場、3年夏にも3戦先発・救援で出場し、3回戦には完投勝利を収めた。大学入学後は1年春からベンチ入りし2年秋に先発ローテーションに定着すると、9試合を登板し防御率1.17で最優秀防御率のタイトルを獲得した。昨季の対法大1回戦では4回を投げ7失点で降板も、今春はここまで圧倒的な安定感を見せており、今季から取り入れたツーシームに加え、磨き上げた制球力で開幕から全戦で白星を重ねリーグトップの4勝、防御率は0.93。明大を相手に完投勝利をあげるなど、圧巻の投球を続けている。

今季ここまで4勝0敗、防御率0.93と圧巻の投球を見せる渡辺和
第2先発には頭脳派右腕・広池浩成(慶大4年=慶応)の登板が見込まれる。1年春に初出場を果たすと2年次からとしリリーフとして躍動し、昨年春には10回2/3を投げ防御率0.00を記録した。けがを乗り越え副将を担う今春は、先発へ再転向。威力ある速球を軸に強気に攻めるスタイルで、立大2回戦で先発し自己最速タイ153キロを計測も、2回1/3を4失点で降板。しかし3日の東大2回戦では6回を8奪三振、被安打1無失点の快投で勝利し、復調の兆しを見せた。被打率はリーグ通算で対右打者は.179、対左打者は.276とする右腕に、左の強打者を多く抱える法大打線がどこまで攻め込めるか注目したい。
リリーフ陣には、大学で投手に転向し才能を開花させ昨季防御率1.50をおさめた水野敬太(慶大3年=札幌南)、昨秋リーグ戦デビューを果たしたフレッシュな左腕・鈴木佳門(慶大2年=慶応)がかまえる。4試合を投げた2人に加えて栗林兼吾(慶大4年=小山台)、熊ノ郷翔斗(慶大2年=桐蔭学園)の4人がここまで防御率0.00と、慶大リリーフ陣は鉄壁の救援を演じている。難攻不落の投手陣を相手に、法大打線がいかにその破壊力を発揮できるかが勝負のカギを握るだろう。
勢いに乗る主砲に警戒
慶大打線においては4番を担う左打者・中塚遥翔(慶大3年=智弁和歌山)に警戒したい。昨年春には全試合出場で打率.280、秋には不調も法大に対してはソロ本塁打を放ち存在感をみせた。打線の核となりその豪快なバッティングで躍動する中塚は、今季ここまで打率.360に2本塁打8打点と絶好調。これまでの7試合でわずか2三振と三振数が大幅に減少すると、その三振の少なさから打撃の確実性があがりこの高打率を記録している。立大2回戦では決勝2ラン本塁打含む猛打賞で、明大3回戦でも2打数2安打2得点で勝利に貢献。東大戦でも本塁打を放つなど、勢いは止まらない。法大はこの強打者有する強固な慶大打線を封じ、最小失点で切り抜けたい。

7試合でわずか2三振と確実性が光る中塚
復調の兆しを見せた副将・片山悠真に注目
法大のキーマンの1人目は片山悠真(文4=八王子学園八王子)だ。副将としてチームを引っ張る片山悠は、4番として打線の中心を担う存在。早大戦終了時点では打率.227と苦しむ場面も見られたが、東大2回戦では二塁打を含む3安打3打点を記録し、復調の兆しを見せた。苦しい展開の中でもチームに流れを呼び込む活躍を見せた片山悠の存在は今カードでも大きな鍵を握るだろう。現在好調を維持している1番打者・境亮陽(営2=大阪桐蔭)ら上位打線が演出した好機を得点へ繋げる、4番としての勝負強い打撃に期待がかかる。

東大2回戦で3安打3打点をマークし復調の兆しを見せた片山悠
“渡辺キラー”としての一発に期待がかかる中村騎士
2人目は中村騎士(営3=東邦)だ。戦列を離れた今泉秀悟(キャ3=石見智翠館)に代わり、一塁に入る可能性もある中村騎。今泉秀の状態次第では、初の一塁スタメン起用も予想される。東大戦ではチーム全体として守備の乱れも見られただけに、一塁手として送球を確実に捕球し、安定した守備でアウトを積み重ねたい。さらに、中村騎は慶大・渡辺和大(4年=高松商)との相性も良く、リーグ通算3本塁打のうち2本を渡辺和から記録している。自ら塁に出て好機を演出する動きに加え、“渡辺キラー”として流れを変える一発にも期待がかかる。攻守両面で存在感を発揮し、チームに勢いをもたらせるかに注目だ。

一塁起用にも柔軟に対応した中村騎
優勝へ向け、もう一戦も落とせない状況となった法大。東大戦で見えた課題を乗り越え、慶大から勝ち点を奪取できるか。チーム一丸となって正念場の一戦に挑む。
(記事:印南空音、黒岩なつ子)


