【硬式野球】新幹部インタビュー

硬式野球
 
 

2014年12月20日
法政大学野球部寮

来年度の新幹部として、主将に畔上翔、副将に佐藤竜一郎・若林晃弘、投手責任者に川名健太郎の就任が発表された。新たなチームの顔としてどのようにチームをけん引していくのか。今季の悔しさを糧に猛練習に励む彼らに現在の心境を伺った。

 

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主将 畔上翔

畔上翔 主将

―来年度の主将に就任されましたが、現在の心境は
3季連続で5位という結果や、先日青木助監督の新監督就任が発表されましたが、それまでの監督不在の状況であったり、来年は創部100周年ということもあったりといろんなことがある中での主将就任だったので最初は緊張もあったんですけど、練習していくうちにあまり考えずにできるようになりました。

 

―監督不在の間はどなたが練習を指揮されていたのですか
青木新監督が助監督の立場で、毎日グラウンドで見てくれていました。

―主将就任の経緯は
僕もよく知らないんです。台湾に行っているとき台湾にて行われた第1回IBAF21Uワールドカップ日本代表に選出にマネージャーから伝えられたので。今年主将を務めた安慶名さんが推薦してくださったそうですが、細かい経緯は耳にしていないです。

―ご自身が主将になるという意識はありましたか
主将になるかな、という覚悟はしていました。それほど身構えていたというわけではないですし、どんな立場であろうとやることをやるだけだと思います。

―日大三高時代にも主将経験がありますが、大学との違いは感じますか
野球自体は変わらないですし、どうすれば勝てるかと考えることは高校時代から同じなので、違いはそれほど感じないです。

―日大三高時代のチームメートである横尾俊建選手慶大、鈴木貴弘選手立大もそれぞれ主将に就任されましたが、言葉を交わされたりはしましたか
少しだけですけど、話はしました。「キャプテンになったな。お互い頑張っていこうな」というようなことです。

―今年主将を務めた安慶名選手から伝えられたことは
「頑張ってくれ」という言葉を掛けていただきました。

―理想の主将像は
やっぱり同級生には良いプレーも悪いプレーもしっかり言っていきたいです。1年生にばかりいろいろ言っていてもチームに良くないと思いますし、同期に言っていかなければいけない立場だと思うので。

―今季を改めて振り返って
厳しい1年でしたが、なかなか勝てない中でも必死にやる4年生の姿というのは本当に勉強になりました。

―この1年を経験されて、ご自身の新たな引き出しのようなものは見つかりましたか
引き出しというよりは、やっぱり勝てない理由を探してそれを突き止めていく作業の連続なので、今思えば練習量がちょっと少なかったかなというのは感じます。

―個人としては春・秋ともに3割を超える打率を残されましたが
もっと序盤の良いところで1本出せればという思いがあったので、悔しさはあります。

―この1年間、青木新監督とマンツーマンで打撃を磨いてきたと伺いましたが
青木監督がいなければ、僕は多分それほど試合に出られなかったと思います。バッティングはまだまだ成長過程ではありますけど、青木監督の指導なしにはここまで振れるようにはならなかったです。本当に感謝の思いは強いですし、期待に応えたいですね。

―来年は一選手としてもチームの中核を担う存在になると思いますが
最近は練習をしていても自分どうこうではなく、キャプテンとしてチームを勝たせてなんぼだと思っています。チームを勝たせようと思って必死にやっていく中で自分がどのように成長していけるかだと思うので、しっかりやっていくしかないと思います。

―秋季リーグ戦終了後には第1回IBAF21Uワールドカップに出場されました
プロの選手たちと一緒にやらせていただいたり、国際舞台でのプレーというのはとても良い経験になりました。本当に良いものを見れたと思います。

―同世代の世界の選手と戦うということは貴重な経験でしたか
そうですね。刺激にもなりましたね。

―プロの選手との違いなどは感じましたか
彼らはプロという舞台でやっているだけあって、やっぱり場慣れしているとは感じました。

―プロではなく、大学だからこそ成長できた部分は
人の話の聴き方であったり、喋り方であったりは大学に来て身についたかなと思います。

―国際舞台で得た経験で、チームに還元できるようなことは
あるかないかと言われるとそんなに思い当たらないですけど、今の法政にどれだけやれる選手がそろっているかということは考えさせられました。

―進路として、プロは意識されていますか
小さい頃からプロ野球を目指して野球をやってきましたし、プロになりたいがために法大に入学して練習してきたので、目標のひとつにあります。

―プロへつながる大事な1年になりますが、ご自身の成績についての目標は
個人の戦いではないので、なんとしてもチームが勝つことだけです。チームが優勝すれば僕やみんなの進路も良くなると思いますし、すべてがプラスになると思うので、優勝だけです。個人としては本当に何も考えていないので。

―主将としてファンの方にメッセージを
優勝から遠ざかるシーズンが続いてしまったんですが、そんな中でも神宮のスタンドで応援してくださる皆さんのことを選手は本当にありがたく思っています。来年は100周年という記念すべき年なので、より一層の応援をお願いしたいです。そして良い結果を出してみんなで喜びを分かち合いたいと思っています。

(取材:遠藤礼也)

 

佐藤竜一郎 副将

―大学3年間を通して得たもの、反省などはありますか
大学野球のレベルの高さを感じました。特に二年生のときは自分に力がないと痛感し、冬に努力を重ねました。三年生ではある程度の結果が出て、自分のやってきたことが間違いではなかったと思えるような自信を得ることができました。

 

―この経験を踏まえて後輩に伝えたいことがあれば教えてください
今後失敗してしまうことがあると思いますが、四年生になってから失敗するのでは遅いので、今のうちに挑戦や失敗を経験し、そこから何かを得ることができれば良いと思います。

―最上級生としてチームにどのように関わっていきたいと考えていますか
畔上が主将としてチームをまとめていくことはすごく良いことだと思います。しかし、畔上一人に負担をかけがちなので、若林や自分がサポートして畔上の負担を減らしてあげられるような存在になっていければと思います。

 

―副将としてはどのようなことを期待されていると思いますか
畔上のサポートと、二遊間でチームを引っ張っていくことが青木監督からも求められていると考えています。

 

―個人面では、今季は足が動いていなかったという内容の反省をしていましたが
秋季の途中から足が動かなくて後半のエラーの原因にもなっていたので、今は体力面の強化を取り組んでいます。

 

―ご自身でも3番が一番打ちやすいということでしたが、来季も中軸として活躍していく上での心持ちや気概などを教えてください
3番を打ちたいということには一番こだわりがあります。常に3番を任せてもらえるような安定した成績を残し、3番にふさわしい野球の取り組み方や姿勢を心掛けていきたいです。

 

―結果を出せた秘訣などはありますか
秋季は調子があまり良くなかったですが、良くなかったなりに自分で打席ごとに修正することができたので、工夫することが大事なのかなと思います。

 

―この冬に取り組みたいことはなんですか
自分としては体の線が細く、体力負けをしがちなので、線を太くして動きもより速く強いものにしたいです。守備面ではエラーをしない確実な守備をしていきたいです。チームとしては木製バットということもあり5点6点と簡単に取れるものではないと思うので、1点を大切にする守りの堅いチーム作りが課題だと思います。

 

―守備の堅いチーム作りのために実践していきたいことは
今の時期は個々の力を伸ばすことが重点だと思いますが、連携プレーなどのチーム力の向上もやっていかなければならないと考えています。

 

―新入部員に伝えたいことはありますか
自分は高校3年が終わってから少々練習を怠ってしまい、大学1年時にベンチ入りすることができませんでした。2年の春からベンチ入りする形となり、スタートが遅れてしまったので「1年の春から試合に出てやるぞ」という気持ちでこの冬は練習してもらえればと思います。

 

―法政というチームのセールスポイントは
個々の能力は他の大学に負けてないと思います。後は、それが線でつながるかどうかだと思っています。

 

―100周年を迎えるにあたりファンの方へ一言お願いします
応援していただいたにも関わらず、3季連続5位という結果になってしまい良い結果を残すことができませんでした。ここまで伝統があり愛される大学はなかなかないと思いますし、その中で100周年という節目を自分が最上級生として迎えることができるので、この期待を裏切らないように優勝して、恩返しができればと思います。

 

(取材:原口大輝)

 

若林晃弘 副将

―副将に就任された今のお気持ちは
100周年という大事な代で幹部に任命していただいたという責任感もありますし、これまでのチームから変えていかなければいけないという気持ちでいます。

 

―これまでに主将や副将の経験はありますか
小・中学校はキャプテン、高校では副キャプテンをやっていました。

 

―副将となったことで意識の変化などはありましたか
自分は見られている側になるので、自分が手を抜いていたらチームに影響があると思うので、そのあたりは変わってきていると思います。

 

―主将となった畔上選手に期待することは
期待しなくてもすでにチームをまとめてくれています。今までのチームのまとまり感とは違った雰囲気があると自分は感じますし、それをうまくサポートしていければと思います。

 

―今までと違った雰囲気というのは具体的にどのような雰囲気ですか
個人個人の意識を畔上が変えていっているというか、チームの和を大事にして、チーム全体で気の抜けている者が無いようにという雰囲気ができていると感じます。

 

―畔上主将や同じく副将となった佐藤竜選手、そして投手責任者となった川名投手の新幹部の皆さんで話し合ったことなどはありますか
幹部みんなで集まって練習の雰囲気だとか、今までと同じことをやっていては勝てないと話し合いました。基本的な返事だったり、挨拶だったりというところから始まって、今はだんだん時間が流れてきて技術的なことを突き詰められているので、これまでの流れ的にはかなりいい感じに来ているのではないかと思います。

 

―監督に青木助監督が決定されましたが
ものすごく熱い方なので、ついていきたいと思いますし、いろいろ指導していただいている中で感謝の気持ちというのがあるので、胴上げしたいなという気持ちがあります。

―1年間一緒に戦ってきて、どのような方だと思いますか
本当に熱いというか、すごくストイックな方で、今まではハードだとかは感じなかったですけど、今はすごくハードで久々に野球をしっかりやれているなと感じていますし、そういった指導をしてくださる方です。

―春秋ともに5位という結果に終わりましたが、改めて振り返って
力の無さというものは野球をやりながらも感じていました。この言い方は良くないですけど、そういうチームだったのかなというのは改めて今思います。

 

―そのような結果から得られた収穫などがあれば教えてください
悔しさ、歯がゆさしか残らなかったですけど、それが今の練習の中でモチベーションを生んでくれているので、それは収穫になっていますね。

 

―ご自身としては秋季リーグで全試合フル出場を果たしましたが、そこから得たものは
初めてリーグ戦全試合に出て結果を出すことの難しさを感じましたし、中心としてやっていけるほどの活躍ができずにいました。経験できたことは良かったですけど、結果としてまだまだ全然駄目なので、そこは来年ラストイヤーで結果を出していけるように、この冬の間しっかりやっていきたいと思います。

―今お話にあったように、来年はご自身にとってラストイヤーとなりますが、どのような心境ですか
とにかく2季連続で優勝したいなという気持ちです。最後の冬にやるだけのことをやって、その成果が試される機会になると思うので、必ず2季連続優勝して日本一になりたいなと思います。

―具体的な個人の目標があれば教えてください
首位打者、ベストナインをとりたいです。

―現在取り組んでいることは
今はとにかく量をやっているんですけど、その中でも1球に対する執着心というか、そういう気持ちで常に試合を想定して、試合で通用するのかということを意識しながら練習するようにしています。

―若林選手から見て期待する後輩はいますか
まだリーグ戦では全然投げてないですけど、今度新3年生になる知久には期待しています。

 

―どのようなところを期待していますか
練習に対する姿勢、生活がしっかりしているので、意識的にも上にいけるような選手だなと思っています。今はけがで苦しんでいると思うんですけど、この冬でなんとか頑張ってもらって、リーグ戦でエース格として投げてもらえればと思います。

 

―来年は創部100周年という節目の年になりますが、どのような法大野球部を築いていきたいですか
これを機に常勝軍団となって、どんどん強くなっていければという気持ちで、まず目の前の練習を春に向けて目標を持ってやっていくことで、何か今後の法政大学が変わっていくのではないかなと思います。

(取材:菅野響子)

 

川名健太郎 投手責任者

―3年間を振り返って

まだ何もやれていないということが一つと、この3年の秋に少しだけ投げさせてもらって、そこでやっと神宮の舞台がどういうものなのかということをつかめてきたかなと思います。1、2年生の時はけがもあって投げられなかったので、ここからが本当の勝負かなと思います。

 

―3季連続5位で終わってしまった今シーズンを振り返って
開幕2戦目対早大2回戦でピッチャーが崩れてしまって、そこでリズムが作れなかったことがずるずるといってしまったのかなと思います。

―今季初めて神宮球場のマウンドに登りましたが、その時の心境は
早大戦(今季開幕戦)の時は初めてベンチに入ったので、リーグ戦独特の雰囲気などを感じてベンチにいるときはすごく緊張していましたけど、行くぞって言われた時には全く緊張せずにやれました。ピンチの場面1死1、2塁で早大3番小野田を迎えた場面だったので自分のピッチングで点を与えないという気持ちで投げることができたと思います。

 

―秋季リーグ開幕前には「打たせて取るピッチング」を掲げていましたが、達成できましたか
厳しい所に投げたり、ツーシーム系の変化球でボールを動かしたりなどでできた部分とできなかった部分とがあります。

 

―今シーズンを通して得た収穫・課題は
まず一つは神宮のマウンドを経験できたことですね。課題もしっかり見つかりましたし、収穫もありました。具体的には、自分のボールでもバッターを打ち取れたり、通用するボールは必ずあるなと思いました。課題の部分は、通用しないボールであったり、心の持ちようであったりですね。欲が出てしまうと打たれるので。

―どのように改善していこうとお考えですか
一球一球のボールに対する執着心など、一つの練習に全力で取り組むことです。それが絶対に結果となって帰ってくると信じたいです。

―投手責任者として投手陣をまとめる立場となりましたが、気持ちの変化はありましたか
責任者になっている自分がやらないと周りもついてこないので、自分を戒めるなど限界までしっかり練習することで引っ張っていけるのかなと。僕はうまく言葉でまとめたりするというのが苦手なので、練習に取り組む姿勢を自分が示していけば同級生や後輩もついてくると信じてやっています。

 

―現在の投手陣にどのような印象をお持ちですか
大黒柱や勝ちを計算できる投手が一人もいなくて全員が横一線で競えている状態なので、良い意味で刺激になっていると思います。

―投手陣の改善点は
試合というのはピッチャーが点を与えなければ負けることはないので、ピンチを作っても粘り強く投げて、点を与えないようにすることが求められると思います。

 

―来季の新入生で期待している選手は
森田君富山商は良いピッチャーだと聞いているので、期待はしています。でも1年生に期待してはいけないと思うので、今いるピッチャー陣が引っ張っていかなければいけないなと思います。

 

―青木助監督が新監督に決まりました
一対一でもすごく親身になって話してくれますし、練習でも少しでも活気がなかったら「お前がリーダーだから」という喝も入れてもらえます。良い指導者に僕は巡り合えたのかなと思っています。

 

―野球部は来年で100周年を迎え、普段とは違ったシーズンになると思いますが
100周年は意識しなければいけないことだと思いますけど、そればかり意識してしまうと固くなってしまうので、まずは一戦ずつしっかり投手陣が抑えて勝つことが優勝につながっていくと思います。

(取材:井手一樹)

 

プロフィール

畔上翔(あぜがみ しょう)
1993年5月20日生まれ
東京出身・日大三
178cm、85kg・左投げ左打ち

 

佐藤竜一郎(さとう りゅういちろう)
1993年4月6日生まれ
栃木出身・作新学院
181cm、72kg・右投げ左打ち

若林晃弘(わかばやし あきひろ)
1993年8月26日生まれ
東京出身・桐蔭学園
180cm、79kg・右投げ両打ち

川名健太郎かわな けんたろう
1993年12月11日生まれ
千葉出身・安房
191kg、94kg・右投げ右打ち

フォトギャラリー

  • 201412269主将 畔上翔
  • 201412266畔上は国際大会を経験し、貴重な経験を積んだ
  • 201412267副将 佐藤竜一郎
  • 201412264「畔上をサポートしたい」と語る佐藤竜
  • 2014122610副将 若林晃弘
  • 201412268今秋からセカンドにコンバート。全試合に出場した若林
  • 201412265投手責任者 川名健太郎
  • 201412263リーダーとして投手陣を引っ張る川名
 

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