• HOME
  • 記事
  • 硬式野球
  • 【硬式野球】東京六大学野球春季新人戦1回戦 対明大 6回の大量失点響き、追い上げ届かず 1回戦で姿を消す

【硬式野球】東京六大学野球春季新人戦1回戦 対明大 6回の大量失点響き、追い上げ届かず 1回戦で姿を消す

硬式野球

【硬式野球】東京六大学野球春季新人戦1回戦 対明大 6回の大量失点響き、追い上げ届かず 1回戦で姿を消す

東京六大学野球春季新人戦 対明大
2015年6月1日(月)
神宮球場

1、2年生で構成されるチームで優勝を目指す新人戦。法大は熊谷拓也(キャ2)を先発に起用し必勝を期するも6回、明大の集中打の前に大きく突き放されてしまう。打線もこの点差を埋めることはできず、初戦敗退を喫した。

harada
意地の本塁打を放った原田

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法 大 0 0 0 0 0 0 2 0 2 4 8 1
明 大 0 0 0 0 0 5 1 0 x 6 11 1

(法大)●熊谷、宮本幸、藤森、金子雄、菅野―中村、鎌倉
(明大)○齊藤、高橋裕、金子、庭田、水野―氷見、小野
[本塁打]
(法)原田1号2ラン(9回=庭田)

 

打撃成績

打順 位置 選手 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1  (8)  清水二   3   0   0  三ゴロ    投犠打    遊ゴロ    四球    遊ゴロ 
2  (5)4  川口   3   1   0  四球    ニゴロ      中前安  一直    三ゴロ 
3  (3)  原田   4   2   2  右前安    空三振      投犠打  一邪飛    右越え本② 
4  (7)  山下勇   4   0   0  二飛      三ゴロ    空三振    空三振   
  7 大西将  1   0   0                  一ゴロ
5  (9)  水海   3   1   0  遊ゴロ      一ゴロ    四球    右前安   
6  (4)  町田   2   0   0    空三振    投ゴロ           
  H 吉岡  1   0   0            投ゴロ      
  6 水谷  1   1   0                左前安  
7  (1)  熊谷   2   0   0    三ゴロ      中飛         
  1 宮本幸  0   0   0                   
  1 藤森  0   0   0                   
  H 向山  1   1   0              中越え二    
  2 鎌倉  1   0   0                中飛  
8  (2)  中村   2   0   0    見三振      三ゴロ失         
  H 大西千  1   1   1              右中間三①    
  1 金子雄  0   0   0                   
  H 竹之内  1   0   0                投ゴロ  
  1 菅野  0   0   0                   
9  (6)5  大崎   1   1   1      四球    投犠打    中前安①    四球 
     31   8   4                   

 

投手成績

  球数 打者
熊谷  5 2/3  62  22 
宮本幸 0 0/3  12 
藤森 0 1/3 
金子雄 18 
菅野 13 
9 109  37  11 

 

ベンチ入りメンバー

12 河野(文1=法政二)  34 鎌倉(法1=日本文理)  26 町田(社2=桐蔭学園) 
 13  長谷川(経2=聖望学園)   2  川口(人1=横浜)   29  向山(営1=法政二) 
 14  宮本幸(営2=富山一)   3  山下勇(文2=作新学院)   1  清水二(法2=中京大中京) 
 15  藤森(法2=西武台千葉)   5  俵積田(人2=阪南大)   4  水海(文2=桐光学園) 
 16  菅野(キャ1=小高工)   6  大崎(法2=智辯学園)   9  大西千(営1=阪南大) 
 17  熊谷(キャ2=平塚学園)   7  水谷(営2=大阪桐蔭)   28  大西将(経1=桐蔭学園) 
 18  金子雄(文1=常総学院)   8  原田(法1=春日部共栄)   33  竹之内(営1=法政) 
 22  駒場(文2=鹿沼)   23  吉岡(営1=智辯学園)     
 32  中村(営1=多良木)   24  小林(法1=中京大中京)     

  

戦評

 およそ2か月に及んだリーグ戦を終え、新人戦に臨んだ法大。明日の準決勝に駒を進めたいところだったが、ライバル明大に敗れた。

 先発に起用されたのは熊谷。春季リーグ戦でも先発を担ってきた右腕に初戦のマウンドを託した。リーグ戦同様の緩急をつけた投球で明大打線に的を絞らせず、5回までを無失点に封じる。先制点を奪いたい打線だったが、明大先発はこちらもリーグ戦で先発経験のある齊藤大将。左腕から繰り出されるキレ味抜群のスライダーを織り交ぜる投球の前に沈黙し、5回までに放った安打はわずか1本。両先発の好投で、1時間足らずで5回を終了するテンポの良い試合が展開されていく。

 しかし6回、試合は大きな動きを見せる。熊谷が1死から連打を浴びると、2番生山太智の打球は三塁の大崎拓也(法2)へ転がる。併殺を狙った大崎だったが、2塁への送球がショートバウンドし川口凌(人1)が捕球しきれず(記録は川口の失策)、守備の乱れからピンチを広げてしまう。3番竹村春樹の左前へポトリと落ちる適時打で先制を許すと、火が付いた明大打線が一気に襲い掛かる。熊谷の後を受けた宮本幸治(営2)も流れを断ち切ることができず、打者一巡、6安打を集められ一挙5失点。苦しい状況に追い込まれてしまう。

 法大は直後に反撃を開始する。向山基生(営1)、大西千洋(営1)の代打攻勢でまず1点を返すと、大崎も続き3連打で2点をもぎ取る。チャンスを拡大し、さらに詰め寄りたい場面。無死1、2塁で打席に立った川口のライナーは強烈に1塁線を襲うも、これを明大一塁手の中澤信哉が好捕。1塁走者の清水雄二(法2)も戻り切れずに併殺となり、好機がついえてしまう。さらに追加点を加えられた法大は9回に原田寛樹(法1)の2ランで2点差まで迫るも、反撃はここまで。1回戦で姿を消すこととなった。

 森田駿哉(営1)を筆頭に、多くのルーキーが台頭した今春。新人戦は1戦で終わる悔しい結果となってしまったが、逆襲へ向けさらなる新戦力の出現は不可欠だ。敗戦をバネにこの秋、神宮の大観衆の前で躍動する若武者の出現に期待したいところだ。(遠藤礼也)

 

クローズアップ

原田寛樹(開幕スタメン勝ち取ったルーキー 自信と課題を胸に充実の秋へ)

 4点差、最終回。抜いた変化球を捉えた当たりは、右翼スタンドで大きく弾んだ。「バットの先だったのでいかないかなと思った」と謙遜するものの、開幕スタメンを勝ち取ったルーキーの、成長の証を見せる一発だった。

 甲子園出場を果たした春日部共栄高時代は4番を打つなど、長打力に定評のある原田。だが、自身は「右中間や左中間を抜く中距離打者」と分析する。本塁打を打てるパワーもあるが、求めるのは確実性だ。そんな姿勢が功を奏したのか、高校時代の金属バットから「芯を少し外れたらまったく飛ばない」と言う木製バットへと持ち替えても、自らのスイングを見失うことはなかった。「1番三塁」で起用された開幕戦で初安打を放つなど、確かな自信を付けたシーズンになっただろう。

 秋に向け、課題は守備の向上だ。取れるアウトを確実に取ることを掲げ「守備からリズムを作れる選手になりたい」と力を込めて話した原田。その視線は、すでに秋へと向かっている。(井手一樹)

 

harada2

 

試合後の監督・選手のコメント

福居涼 学生コーチ

―指揮を執られた試合を振り返って
力不足でした。チャンスをものにできず、投手が走者を出してから打たれるという負けの典型的な展開にしてしまいました。これでは勝てないと思います。

―試合前にチームで話したことは
1,2年生で若いチームなので元気を出してやろう、ということくらいですね。

―リーグ戦の経験も豊富な熊谷投手を先発に起用した決め手は
相手が明大だったので、勝ちにいくためには熊谷しかいないかなと思って指名しました。

―リーグ戦経験のある選手を中心に配置しましたが
とにかく勝ちにいくためですね。青木(久典)監督とも相談などはしましたが、最終的な決定は僕がさせてもらいました。

―投手陣は集中打を浴びる場面もありましたが
四球からストライクを取りにいった甘い球を打たれているので、秋に向けてそういうところから詰めていかないといけないと思います。

―7回は代打に起用された向山選手、大西千選手が活躍されました
いつも練習を頑張っている2人なので、その姿勢が試合で結果となって出てくれたのかなと思います。

―9回には原田選手の本塁打がありました
原田は高校時代も4番を打っていましたし、もともとパワーはあります。打つしかないという場面で思い切って振り抜いてくれたと思います。

―指揮を執る難しさは
投手交代のタイミングであったり采配の部分ですね。青木監督のすごさを改めて思い知らされました。

―今日の課題も含め、秋に向けての意気込みを
投打共に細かいところを修整しないといけないです。特に投手が中心になってくると思うので、そこの力をもっと付けていきたいと思います。

大崎拓也 内野手

―試合を振り返って
自分の送球ミスから点につながってしまったので、悔しいという思いしかないです。

―新人戦を迎えるにあたり、チームで取り組んできたことは
ベンチから盛り立てることや、全力疾走だったり基本的なことを一番大切にしてきました。

―リーグ戦が終わってこれまでに個人的に修正したこと
打撃の調子が良くなかったので、しっかり調子を上げていこうと思って振り込みを多くしました。

―3打席目は適時打となりましたがその打席を振り返って
初球から甘い球があったらいこうと思っていました。甘い変化球が来たので打てて良かったです。

―遊撃から途中で三塁へと守備位置を変えましたが
三塁のときにミスしてしまったので、次の秋に向けて守備の部分で意識高く練習していきたいと思いました。

―夏に取り組みたいこと
一つのアウトがしっかり取れるように、守備に重点を置いてやっていきたいです。

―今後の目標を
秋は全試合スタメンで出たいです。

 

熊谷拓也 投手

―試合を振り返って
0対0という僅差だったんですけど、負けてしまったというのはまだまだ力が足りないなという感じですね。

―リーグ戦に続いて今日の新人戦でも登板となりました
自分が一番リーグ戦の経験が多いので引っ張っていかなきゃいけないという気持ちもありましたし、リーグ戦で全然いい投球ができなかったので、ここでも気合いを入れて投げようと思いました。

―先発を告げられたのは
昨日です。

―明大先発は同じ神奈川県の高校出身の齊藤投手(桐蔭学園)でしたが、意識する存在ですか
そうですね。一番意識する存在です。

―齊藤投手の投球をご覧になって
真っすぐも良くて、変化球も切れててすごく良かったんじゃないかなと思います。自分も打てなかったのでそこは何とも言えないです。

―自身の投球に点数をつけるなら
50点ぐらいですかね。東大戦よりは落ち着いて投げられました。6回の失策が絡んだピンチを抑えてこそ本当の良い投手だと思うので、技術も精神面も詰めていきたいです。

―課題に挙げていた精神面ですが、失策などが絡んだりした際の心境は
揺らいだりすることはありませんでした。連打も失策も想定内だったので、そこでどう0点に抑えるかが今後の課題だと思います。

―5回までは緩急をつけた投球がさえていましたが、振り返ってみて
そうですね。カーブでもカウントが取れて、的を絞らせなかったと思います。

―ご自身の調子は
真っすぐも走っていましたし、調子は良かったです。

―秋に向けて取り組みたいこと
この夏あと3か月あるので、体を大きくして精神面も技術面もまた一段階レベルアップして秋に向かいたいです。

 

大西千洋 外野手

―試合を振り返って
序盤は法政に良い流れが来ていたんですけど、一つの送球ミスから一気に流れが相手にいってしまいました。勝てる試合だったのに負けてしまい、悔しかったです。

―試合の前にチームで話し合ったことは
勝つことだけを考えていました。

―神宮の打席の感触はいかがでしたか
意外と足元が硬くて、ちょっと打ちづらかったです。

―代打出場で適時三塁打を放ちました
ランナーが2塁にいたので、最低でも3塁に送れるように引っ張ろうと思っていました。たまたま良い当たりになって良かったです。

―この適時打がチーム初得点となりましたが
うれしかったです。

―新人戦に向けて取り組んだことは
1、2年生でたくさん練習しました。

―今後の目標を教えてください
スタメンで活躍することです。

―最後に、秋へ向けての意気込みをお願いします
今年は2回しかベンチに入れなかったですけど、ずっとベンチに入ってチームに貢献できたらいいなと思います。

 

原田寛樹 内野手

―試合を振り返って
打撃は良かったですが、先頭打者を四球で出してしまったりとチームとして取れるアウトを取れずに、適時打を打たれたり失点してしまいました。リーグ戦でも同じ展開で負けているので、これが課題なのかなと思います。自分も、守備の場面で一つ捕りきれなかった場面があったので悔しいです。

―9回の本塁打について
打ったのは、抜いたチェンジアップのような球だと思います。バットの先だったのでいかないかなと思いました。手応えはあまりなかったです。

―本塁打を狙う気持ちは
次の打者につなごうという気持ちで打席に入りました。結果的に本塁打が打てたので良かったですが、安打を狙っていました。

―本塁打に対する意識はありますか
特にないです。しっかり捉えることができれば本塁打を打てますが、自分はそのようなタイプではなくて、右中間や左中間を抜く中距離打者だと思っています。

―7回には春日部共栄高時代のチームメートである金子大地投手との対戦がありました
絶対打つぞと思って少し力んでいました。捉えきれなかったので悔しかったです。

―1年生ながら開幕スタメンと、充実したリーグ戦を過ごしていたように思いますが
1年の春から貴重な体験をさせてもらえて、自信が付いた部分もありますし、課題も見つかりました。秋のリーグ戦に向けて成長するために課題をつぶしていって、もっと良い選手になれるようにしていきたいです。

―自信がついたところとは
打撃です。リーグ戦で安打を打てて結構自信がつきました。木のバットに変わっても、自分のスイングができたかなと思いました。

―金属バットと木製バットはやはり違うものなのでしょうか
全然違います。芯を少し外れたら全く飛ばないので、確実に芯で捉えないといけないです。

―打席で意識していることは
センター前に打つことです。「センター返し」を3回心の中で唱えています。

―秋に向けて取り組みたいことは
まずは守備です。守備からリズムを作れる選手になりたいです。守備を練習して、打撃も付いてくれば良いかなと思います。

 

 

フォトギャラリー

  • harada意地の本塁打を放った原田
  • kumagaiリーグ戦に続き新人戦でも先発を任された熊谷
  • kawaguchi鋭い当たりを連発した川口
  • mukaiyama代打で登場し長打を放った向山
  • ohnishi大西千は同じく代打で適時打を放つ
  • ohsaki大崎は適時打を含む3出塁の活躍
  • kanekoほろ苦いデビューとなった金子雄
  • kanno流れを断ち切る力投の菅野
 

 

関連記事一覧