【準硬式野球】第67回全日本大学準硬式野球選手権大会2回戦 雨中の乱打戦を制し2回戦突破!強豪・東海大を破りベスト8進出!
第67回全日本大学準硬式野球選手権大会 2回戦 対東海大学
2015年8月21日(金)
県立石川球場
1回戦は北海道1位を圧倒した法大。勢いづく法大に立ちはだかるは東都の強豪・東海大学。拮抗した実力の試合は3本塁打を放った法大が10-5で逃げ切り、昨年の戦績であるベスト8まで漕ぎ着けた。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 1 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 10 | 16 | 1 |
東海大 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 5 | 9 | 1 |
(法大)○末次、室木-佐藤
(東海大)●家倉、小菅、金子、渡辺-田中
本塁打:小野(7回)、中村(7回)、萩原(8回)
三塁打:中村(3回)、甲本(9回)
二塁打:橘(3回)
盗塁:甲本(4回)、橘(4回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | (5) | 萩原幹斗(社2) | 4 | 1 | 2 | 1 |
2 | (4) | 藤口帝(社2) | 5 | 2 | 1 | 0 |
3 | (6) | 橘廉(社4) | 4 | 3 | 0 | 1 |
4 | (9) | 小野慶典(経3) | 3 | 2 | 2 | 2 |
9 | 内川慶一(経3) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
5 | (7) | 中村聖弥(経3) | 5 | 3 | 4 | 0 |
7 | 窪田剛士(経2) | 0 | 0 | 0 | 0 | |
6 | (2) | 佐藤裕太(経4) | 4 | 1 | 0 | 1 |
7 | (3) | 永田直(経3) | 5 | 2 | 0 | 0 |
8 | (1) | 末次慶一郎(社3) | 1 | 0 | 0 | 0 |
1 | 室木大(経2) | 1 | 0 | 0 | 0 | |
9 | (8) | 甲本裕次郎(社2) | 5 | 2 | 0 | 0 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | |
---|---|---|---|---|---|
末次 | 7 | 9 | 9 | 0 | 3 |
室木 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 |
戦評
天候に恵まれないなかで臨んだ対東海大戦。試合は法大先発の末次慶一郎(社3)と東海大先発の家倉によるサイドスロー対決による幕開けとなった。
初回、法大の攻撃から早々に試合が動き始める。制球の定まらない家倉から2死一、三塁の好機を作り出すと5番中村聖弥(経3)が甘く入った直球を捉え中前適時打で先制、主導権を握る。その裏、末次の立ち上がり。130キロに迫るストレートと切れ味鋭いスライダーを巧みに用い、相手打者を手玉に取るように三者三振に切って落とす。一方的な展開になるかと予想されたが、2回からは試合が激しく動き始める。2回裏、無死から東海大4番田中に左線際二塁打を打たれピンチを招くと、続く5番近持にも直球を弾き返され同点に追いつかれてしまう。勝ち越したい法大は3回、1死一、三塁から5番中村の2打席連続となる適時打、さらには捕逸も絡み3点のリードを奪う。しかし、東海大も引き下がらない。雨の影響で本調子の出ない末次から2本の長打で直ぐさま点差を2点に詰める。点差を広げたい法大の4回、この回からマウンドに上がった東海大投手小菅に対し、先頭の9番甲本裕次郎(社2)が内野安打で出塁。積極的な盗塁で二塁を陥れると2番藤口帝(社2)が相手守備の間を抜く一、二塁間への適時打で再び点差を3点とした。だが、東海大も粘りを見せる。4番田中に末次の直球を捉えられピンチを迎えると、6番内海には左越え適時二塁打を打たれ、またも点差を縮められる。雨が止み始めた中盤、末次のピッチングも安定感が戻る。5、6回と両投手の投げ合いで試合は硬直状態に。
追撃に出たのは7回。この回先頭の4番小野慶典(経3)が右越え本塁打で目の覚めるような一発を放つと、5番中村も負けじと中堅への二者連続となる本塁打を放ち4点差。試合を確実なものにしたと思われたが、その裏、走者一、二塁ながらも2死まで漕ぎ着けたところで遊撃手橘廉(社4)が痛恨の送球ミス。三度、点差を縮められる。雲行きが怪しくなってきた法大だったが8回、1番萩原幹斗(社2)が左翼スタンドへ不安を拭い去る一発。東海大の反撃を振り切り、続く9回にも駄目押しの1点を追加した法大。最後は8回から末次の後を引き継いだ室木大(経2)がしっかり三者で抑え勝負あり。ベスト8に駒を進めた。
明日は同じ関東勢の関東学院大と激突。投手戦が予期されるが、法大らしい野球で必ず勝ちをつかんでほしい。全国制覇まではあと3勝。今こそチームとしての真価が問われるときだ。(原口大輝)
監督、選手コメント
本間隆洋監督
―今日の試合を振り返って
序盤残塁が多かったり、ランナーを出す割には攻めあぐねて正直焦りはありましたね。
ー雨の中での試合となりましたが、その影響はありましたか
特に外野の守備でありましたね。甲本のスローイングなどもそうですし。ある程度それは織り込み済みでしたので、その中でいかにゲームを作っていくかというところで選手たちは良く頑張ってくれました。
―この試合は打ち合いの展開となりました
クリーンナップだけではなく1番から9番が本当に打線になっていたので、良い形で勝利を飾れたのではないかと思います。
―その中で本塁打も3本出ましたね
打つべき人間がホームランまで打ってくれました。勢いのつく良いホームランでしたね。特に後半に出ましたので。
―打ってもなかなか点差が離せない展開となりましたが
向こうもジワジワ来ますし、7回には橘のスローイングのミスがありまして一気に迫られました。あまり一発狙いの大振りというのは薦めはしないんですけど後半の得点につながったという意味で良かったですね。
―今日先発した末次投手についてはいかがですか
危なげなくと言いますか本当に安心して見ていられましたね。点差をもっと早くつけて末次をベンチで休ませたいという思惑がありましたので、野手陣はもう少し早くエンジンがかかってほしかったというのは正直ありました。
―対戦相手の東海大はどうでしたか
クリーンナップに注意をしなければならず、気が抜けなかったですね。やはり普段のリーグ戦から揉まれているチームですので、最後ゲームセットになるまで気の抜けない、良いチームでした。
―ラスト2イニング、室木投手を登板させたことについては
事前にベンチ内でもそういう予定で進めていました。少しでも室木に経験を積ませたいという思いと末次を休ませたいという2つの思いがあります。この2つを今日は実現できましたので明日につながりますね。
―勝ち進めば明日以降も試合は続きますが、その中でカギとなってくるポイントは何ですか
相手ピッチャーをいかに打ち崩すかですね。勝ち進むにつれてピッチャーの質はどんどん上がってくると思いますが、ここで本当にうちの打線が真価、力を発揮してくれるかどうか、それが1番大きなポイントだと思います。
―次の対戦相手は投手力のある関東学院ですが
序盤は手堅く、ある程度リードしたらいろいろ仕掛けていく、この野球は変わらないです。
小野慶典(7回に流れを掴む一発を叩き込む)
―2回戦突破おめでとうございます。今の気持ちは
とりあえず1戦1勝でやってきたので、今日も勝てて良かったです。
―今日は本塁打や適時打など活躍していましたが、ご自身の打撃はいかがでしたか
昨日の試合も打っていたので、今日はあまり勝負してくれないだろうなと思いながら打席に立ちました。それでも後ろに良いバッターがいるので自分が背負うことなく、ミート絞って打てたのが大きかったです。
―1打席と2打席目は勝負を避けられているように見えましたが
やはり今日は勝負してくれないなと思いましたけど、その中でも甘い球をいかに捉えるかということに重点を置いてやっていました。
―チームとしては2試合続けて2桁安打と打線が活発ですが、チーム状態はいかがですか
繋ぐ意識で、フライを少なくして転がせば、今日は雨だったので、外野の芝が濡れて送球が暴投とかもあると思うので、しっかりと転がす野球をして、後ろに繋いでいけたと思います。
―明日の試合に向けて
自分たちの野球をしっかりやることを一番にやっていきたいと思います。
末次慶一郎(雨天の中粘りのピッチング)
ー今日のピッチングを振り返っていかがですか
2、3、4回に1点ずつ取られて迷惑かけたんですけど、なんとか打撃の方が頑張ってくれて自分も持ち直すことができたので良かったです。
ーやはり雨の影響というのはありましたか
そうですね、少し甘いところに行き始めてそれをしっかり捉えられてしまいましたね。雨が止んだら自分も気持ちを切り替えてコースにしっかりと投げることができたので良かったです。
ー今回の全日初先発となりましたが
昨日もチームとしては試合をしていますし、良い流れを作ってくれていたので割とスムーズに入ることができました。
ーこの試合で見つかった課題は
やっぱり中だるみですかね。1回を三者三振に決めたのに、その後連続で点を取られてしまい、中盤チームが流れを持って来れなかった原因となったと思うので。
ー苦しい展開の中、打線が奮起しましたね
いやー助かりました(笑)。みんなテンション上がっていて最高でしたね。
ー実際戦ってみて、対戦相手の東海大の印象はいかがでしたか
ストレートに強いというのは聞いていたんですけど、全くその通りでした。変化球を多めにはしようと言っていたのですが、カウントが悪くなった後のストレートや初球のストレートなどを打たれてしまったので悔しいですね。
ー次の登板に向けて意気込みを
今日野手が頑張ってくれた分、自分が頑張れたらいいなと思います。次は投手戦になると思うので自分が頑張りたいです。
中村聖弥(本塁打を含む4打点の活躍)
―2回戦突破おめでとうございます。今の気持ちは
去年と同じベスト8までたどり着いたので、これからが勝負だなと思います。
―今日の試合全体を通していかがでしたか
1年間打ち勝つ野球を目指してやってきたので、それを体現できたのがチームとしては良かったです。
―中村選手個人としては3安打4打点、本塁打もありました
調子が上がってきたので、この調子を維持して、2年連続ベスト8で負けているので、ここで勝ちたいなと思います。
―前の小野選手も本塁打を打っていましたが、意識はしましたか
小野も同級生なので負けてられないなと思って、フルスイングしました。
―東海大の印象は
やはりバッティングが良いチームで、お互い打つチームなので、打ち勝つことを目指しているチームとして負けられないなと思っていました。
―守備走塁面ではいかがでしたか
守備は迷惑をかけることが多いのですが、自分の守備で負けないようにしっかりとやっていきたいです。
―明日の試合へ向けて意気込みを
自分自身ベスト8以上にいったことがないので、明日の試合しっかり勝ってベスト4に進出したいと思います。
永田直(シャープな打撃で全日初安打)
―今日の試合を振り返って
乱打戦になることはある程度予想してたんですけど、色々な方からバッティングのチームだと聞いていたので、どれだけ打てるかって皆で言っていたなかで、結果的に打ち勝つことが出来て良かったと思います。
―全日での初安打が今日の試合で飛び出しましたが
昨日バッティングのなかで課題が見つかって上手く修正が出来たんですけど、また今日改めて課題が見つかったので、修正してまた明日に臨もうかなと思います。
―今日の試合ではマルチ安打を放ちましたが打撃の調子はいかがですか
バットは振れているんですけど、本調子じゃないですね。(調子を)上げていけるように頑張りたいです。
―直前取材での色紙にも書いていただきましたが、繋ぐバッティングが出来ていますね
打線は繋がっているように感じますし、長距離を打てるバッターが多い中で個人的にはバンバン打てるタイプではないので、今日は後ろにピッチャーが打席に控えている中でチャンスで打てなかったので、最後僕が決められるように繋いで頑張りたいです。あと2つ残塁を残してしまったのでしっかり返せるように頑張りたいと思います。
―自分の持ち味、セールスポイントは
チームの中でどういう役割があるのかって最近よく言われるんですけど、守備で言ったら合宿中とかでも4年生がいない中で(レギュラーで出ている)3年生の内野手が僕だけなので、内野の中でピッチャーにいっぱい声を掛けて(チームを)引っ張っていくような存在で、ベンチでも積極的に声を出してチームを鼓舞するようなキャラクターでありたいと思ってます。
―今日先発が同級生の末次投手でしたが、度々声を掛けている場面が印象的でした
ピッチャーを一人にさせてはいけないし慶一郎(末次)の性格も分かっているので、うまく声の掛け方とかもピッチャーによって変えながらやっています。
―内野のリーダーシップをとる存在ということですか
最近役割をしっかり考えろって言われる中で自分はそういう役割だと思っているので、自覚をもってやっています。
―全体的なご自身の調子はいかがですか
合宿前よりは動けていると思いますし集中力っていうのもかなり長い練習をやってきたので、試合中の集中力は大分高まっているので、試合に対しての調子は良いと思います。
―明日の試合に向けて一言
それなりに(相手ピッチャーの)対策を立てて、しっかり打って勝ちたいと思います。
萩原幹斗(8回に勝負を決定づける)
―強豪である東海大学からの勝利ですね
本当にうれしいです。
―今日は本塁打も出ました
打った瞬間でしたし、もう最高でした。前の回にはエラー絡みで失点もしていて悪い流れの中で、先輩にも狙っていけと言われていたので、初球で決められて良かったです。
―やはりムードを作る役目で活躍されていますね
そうですね。やっぱり、自分はムードメーカーです(笑)。
―イレギュラーの打球も軽快に捌いていましたね
調子の良いバッティングが守備にも良い影響したんだと思います。
―全日での自身の目標は
チームとして目指すアクティブベースボールです。
―明日は関東学院戦ですが
投手が良いので、今日みたいに打てる訳ではないと思います。相手投手の調子が悪いことを願ってます(笑)。
甲本裕次郎(走攻守でチームを支える)
―今日の試合を振り返って
打ち合いの中で接戦をものに出来たっていうのは大きいなと思います。
―直前取材での色紙にも書かれていたように、「守備で貢献」する場面が多かったですね
チャンスで打てなくて、でもその分意識の切り替えが出来て守備で貢献が出来て良かったです。
―特に9回3アウト目の後方の打球へのダイビングキャッチが凄かったですね
相手のバッターは長打も出てましたし(バットが)振れていたので、少し(守備位置を)後ろ目で守っていたんですけど、それでも上を越されたのであとはダイビング、ギリギリのプレーでした。
―あそこの場面での背走も難しかったと思いますが
一回(打球から)目を切ってぱっと見たらボールが来ていたので、自分でもあのプレーは良かったかなと思います。
―自分の持ち味は何ですか
配球に合わせたりポジショニングが守ってて一番大切だと思うので、今日もいいところに守っていたっていうのがありましたし、そういうのがピッチャーにとって一番助かると思うので、そういった部分が僕の長所かなと思います。
―試合を見てても大胆に守備位置を変更していますね
キャッチャーの構えた所に合わせて変更したり頭を使って動いています。
―打撃での調子はいかがですか
今日もいっぱいチャンス作ってもらったんですけどチャンスに弱いので、ランナーなしの方が気が楽っていうのはありますね。でも、チャンスで打てるようにはしたいです。まあチャンスメイクの方が気が楽ですね。
―走塁の方はいかがですか
積極的に走っていこうというベンチからの声もあって、(盗塁の場面では)いいスタートが切れたかなと思います。
―明日の試合に向けて一言
いいピッチャーが来るので中々打てないんですけど、打てないときは守備で、チャンスで回ってきたら打ちます!
フォトギャラリー
- 中村は4打点でチーム得点を荒稼ぎ
- チーム1号となる本塁打を放つ小野
- 本塁打を叩き込みガッツポーズの萩原
- 橘は3安打で守備のミスを帳消しにする活躍
- シャープなスイングで広角に打ち返す永田
- 今日もつなぐ役割を果たした藤口
- 守備だけでなく、打撃も2安打の甲本
- 佐藤は全日初安打を放つ