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【準硬式野球】東京六大学準硬式野球春季リーグ戦 対慶大1回戦 エース・藤中、今季初黒星…決戦は第二戦へ!

2023年 東京六大学準硬式春季リーグ戦 慶大1回戦
2023年5月20日(土)
早大東伏見グラウンド

優勝王手で迎えた法大は、昨春第4戦までもつれ込んだ慶大との対決を迎えた。しかし昨年同様、慶大のエース・日比谷投手を前に法大打線は沈黙。エース・藤中の力投も及ばず、8回に逆転打を浴び、今季初の黒星をマークした。ロースコアゲームを制しきれなかった法大は、明日の勝敗が要となる。勝利して首位を守り抜き優勝か…または敗戦して3位に転落か…。全日本予選の出場も関わる順位変動に、目が離せない。

貴重な1安打を放った高橋

試合結果

1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
法 大 0 0 0 0 0 1 1 0 0 2 4 2
慶 大 0 0 0 0 0 1 0 3 × 4 8 1

(法大)藤中壮、古川端-澤野

(慶大)日比谷、田中、長谷川-佐藤

打撃成績

打順 守備 選手、学部、学年 出身校 打席数 安打 打点 四死球
1 (9) 鈴木歩夢(社4) 明星 5 2 0 0
2 (6) 唐橋悠太(経4) 桐光学園 2 0 1 1
3 (7) 関宮楓馬(社3) 静岡 2 0 0 2
4 (4) 塩唐松宏将(社4) 鳴門 3 0 0 0
5 (8) 小原捷平(社2) 仙台育英 3 0 0 1
6 (4) 高橋凌(社4) 花巻東 3 1 0 1
7 (2) 澤野智哉(社4) 国士館 3 0 0 1
8 (5) 須賀椋也(現3) 新田 3 0 0 1
9 (1) 藤中壮太(社3) 鳴門 2 1 0 0
1 古川端晴輝(社3) 花巻東 0 0 0 0
PH 和泉直人(文4) 札幌第一 1 0 0 0

投手成績

被安打 奪三振 四死球 自責点
藤中壮 71/3 7 5 5 3
古川端 02/3 1 0 0 0

ボーク: 藤中壮太(7回)
失策: 須賀 諒也(8回) 藤中壮太(8回)
暴投: 藤中壮太(6回)
盗塁: 鈴木 歩夢(7回) 唐橋 悠太(7回)
走塁死: 小原 捷平(6回)

戦評

春季リーグ3連覇に向け、いよいよ最終カードを迎えた法大。
ともに優勝の可能性を残した両チームが小雨降るグラウンドに出そろい、直接対決の火蓋が落とされた。

初戦に燃える攻撃陣は、初回の攻撃から先頭打者の鈴木歩夢(社4)が左方向への痛烈な当たりで出塁。送りバントで走者を得点圏に置くも後続が連続三振に打ち取られ、先制に至らず。その後は相手先発の安定した投球に攻めあぐね、スコアに0が並んでいく。

一方、先発の藤中壮太(社3)はストレートの四球から始まり力みが見られるも、女房役・澤野智哉(社4)が相手の芽を摘む盗塁阻止などで藤中をサポート。この回を無失点で抑えると、2回以降は走者を出しながらも要所で三振を奪う気持ちのこもった投球で流れを渡さない。

試合が動いたのは6回。相手投手の乱調に対して冷静にコースを見極め関宮楓馬(社3)の四球、塩唐松宏将(社4)の犠打で好機を生み出す。続く小原捷平(社2)が四球でつなぎ、1死一、二塁で暴投の間に二塁走者の関宮が生還。しかしここで三塁を狙った一塁走者・小原がアウトに。きわどいタイミングの判断に対する法大ナインの抗議も、判定は覆らず。2死から試合が再開したこの回はさらなる追加点を挙げることはできなかったが、貴重な先制点をもぎ取った。

しかしその裏、連打で無死一、三塁のピンチを迎える。右翼への大きな当たりを浴びるも鈴木による矢のような返球で三塁上の相手走者は1歩も動けず。本塁生還を阻むビッグプレーに鼓舞されたマウンドの藤中は、暴投により同点に追いつかれるも粘って最少失点にとどめた。

試合が振り出しに戻り、迎えた7回表。好守で魅せた鈴木が安打で出塁し、さらに相手失策を誘う盗塁で三塁を陥れる。続く唐橋悠太(経4)は、前進守備をしいていた相手守備陣に対してフルカウントからゴロを転がす。処理した相手遊撃手からの返球との勝負になるも、本塁へと突っ込んだ鈴木がわずかに早く到達。好判断での走塁で勝ち越しに成功する。

勝負が終盤を迎えた8回裏。内野ゴロに悪送球が絡んで得点圏に走者を置くと、1死を取ってからさらに死球で出した走者の盗塁で二、三塁とピンチが拡大。粘って適時二塁打を浴び、逆転を許すまさかの展開に。代わった2番手・古川端晴輝(社3)は2死とするも、続く打者に初球を運ばれてしまう。その差が広がり2点差で最終回を迎えるも、最後の攻撃は3者凡退と食らいつけず。

互いの意地がぶつかったロースコアゲームは、慶大に軍配が上がる結果に。何としてでも初戦を取りたかっただけに、痛い黒星発進となった。

扇の要・澤野は攻守で活躍

(記事:山中麻祐子、写真:田中さや)

選手インタビュー

澤野智哉選手

―試合を振り返って
「悔しい」の一言です。7回(裏)にミスが続いて自分も何とか流れを止めたかったんですけど、藤中(壮太、社3)が頑張って投げていて自分が助けてあげられなくて申し訳ない気持ちです。

―今日の試合におけるバッテリー間の方針は
ある程度は相手のことも頭に入れて、ローゲームになるというのはもともとわかっていたので、ランナーをためないように、相手より先に(点を)取られないというのは意識して試合に入りました。

―ピンチを三振で切り抜ける場面が多かったように見えましたが、その辺りに狙いは
本間(隆洋監督)さんからも、ランナーが出てもホームを踏ませなければいいと言われて試合に入っているので、気持ちを変えずに焦ることなくいけたのがたまたまですけど結果につながったのかなという感じです。

―良い投手をそろえる慶大に対して、攻撃陣は四球を選ぶ場面が多かったように思われますが、チームとしての意識は
(慶大は)良いピッチャーが多いので、ボール球を振ったりすると相手を助けてしまうのでそういうことはしないようにということをチーム全体としては意識して試合に入りました。

―明日に向けて一言
明日は崖っぷちというか一発勝負になるので、自分も含めて最上級生、4年生の力で下級生ばかりに頼っていないで個人的にも活躍してチームの勝ちにつながればいいかなと思っています。

鈴木歩夢選手

―走攻守において活躍がみられました。まずは攻撃面において2安打という結果を振り返って
1番を打たせてもらっているので、法政の打線の象徴となるようなバッティングをしようというのはずっと意識しています。

―相手投手がテンポ良く投げてくる中で、チームとして意識したことは
慶應は良いピッチャーがそろっているとわかっていたので、とりあえず低めのボール球とかそういったものに手を出さないで、ストライクや打てるボールを積極的に打っていこうという意識はあったんですけど、やっぱり向こうのピッチャーの方が上手だったなと思います。

―7回表、相手が前進守備をしいていた場面での本塁生還を振り返って
唐橋(悠太、経4)は簡単に三振するバッターじゃなくて、どちらかというと転がすようなバッターだったのでその時の流れ的にも(本塁に)突っ込んだ方がセーフになるのかなという感覚的なものでした。それを信じて突っ込めたのがよかったのかなと思います。

―盗塁成功もありましたが、1点を争う試合の走塁面については
やっぱり緊張している中では消極的になってしまう選手が多いと思います。4年生ですし経験もあるので、自分がそういうところで積極性を見せられたらチームも良い流れにいくのかなというのは思います。

―6回に本塁への返球でベンチ、球場を沸かせた守備については
ランナーが(本塁に)行ってほしかったなというのは思うんですけど、気持ちよかったです。(球場全体の盛り上がりは)準硬で珍しいような光景でちょっとうれしかったですね。

―明日への意気込みを
明日勝たなかったら今までやってきたことが無になってしまうので、命を懸けて明日は勝ちにいきます。

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