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【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 第5週 対明大1回戦 勝敗分けたわずかなほころび 宿敵相手に痛い敗戦

硬式野球

【硬式野球】東京六大学野球春季リーグ戦 第5週 対明大1回戦 勝敗分けたわずかなほころび 宿敵相手に痛い敗戦

東京六大学野球春季リーグ戦 対明大1回戦
2016年5月7日(土)
神宮球場

同点で迎えた9回、先頭打者に二塁打を許し、2番手で登板した熊谷拓也(キャ3)がピンチを迎える。1死後、2つの四球で満塁とすると、8番・柳裕也の打席で痛恨の暴投。これが決勝点となった。打線も毎回のように先頭打者を出すも、柳に要所を締められ惜敗。”血の法明戦”第1戦は明大に軍配が上がった。

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最後の打者となった清水二。これまで同様、第2戦からの巻き返しに期待だ

試合結果

トータル試合結果

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
明 大 0 0 0 0 0 0 1 0 2 3 8 0
法 大 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 7 0

(明大)○柳ー牛島
(法大)玉熊、●熊谷 (0勝2敗)、上條ー森川
 

 

打撃成績

打順 位置 選手 打率 1 2 3 4 5 6 7 8 9
1 (8)  大西千 4 1  0  .351 空三振    投ゴロ   中飛     左中間三   
2 (5) 小林 4 2  1  .323 空三振   二ゴロ     右前安    中前安①  
3 (4) 川口 4 0 0 .237 二ゴロ   空三振     遊併殺   空三振  
4 (3) 金子凌 4 1 0 .346   右前安    一邪飛    空三振   中飛  
5 (2) 森川 4 1 0 .355   左邪飛   三ゴロ     右中間二    見三振 
6 (7) 米田 3 0 0 .000   空三振   左飛     見三振    
  7 舩曳 1 0 0 .000                 右飛 
7 (9)  清水二 1 0 0 .263   四球     四球    四球   見三振
8 (6) 水谷 2 1 0 .194   空三振     投犠打   遊内安    
9 (1) 玉熊 2 1 0 .385     中前安    空三振        
  H 原田 1 0 0 .000             三邪飛    
  1 熊谷 0 0 0 .000                  
  1 上條 0 0 0                  
    30 7 1 .267                  

 

投手成績

  球数 打者 防御率
玉熊 94  27  6  7  1   1  3.38
熊谷 1 1/3 36 8 2 2 2 2 5.29
上條 0 2/3 9 2 0 2  0  0 4.15
9 139 37 8 11  3  3 4.37

 

ベンチ入りメンバー

10  森川 (営4=桐蔭学園) 27 中村浩 (営3=多良木) 29 向山 (営2=法政二)
11 森脇 (経2=掛川西) 2 川口 (人2=横浜) 34 相馬優 (営1=健大高崎)
12 三浦 (法4=三重) 3 森 (キャ3=日大三) 1 大西千 (営2=阪南大)
13 菅野 (キャ2=小高工) 5 水谷 (営3=大阪桐蔭) 7 米田 (営4=智弁学園)
14 内沢 (キャ1=八戸工大一) 6 大崎 (法3=智弁学園) 8 清水二 (法3=中京大中京)
16 玉熊 (法4=北海) 9 金子凌 (キャ4=日大三) 28 中川 (経4=法政二)
17 熊谷 ()キャ3=平塚学園 23 原田 (法2=春日部共栄) 38 舩曳 (キャ1=天理)
18 上條 (キャ3=市立川越) 24 小林 (法2=中京大中京)    
22 駒場 (文3=鹿沼) 25 福田光 (人1=大阪桐蔭)    

 

リーグ戦結果(05/07現在)

  明大 慶大 法大 立大 早大 東大 試合 勝点 勝率
―― △○●○   ○      ○●○  8   5  2  2   .714 
△●○● ―― ○○      ○○ 8  5  2 2 .714
 ●●  ――  ●○○  ●○○    9 4 5 2 .444 
    ○●● ―― ○○   ●  6 3 3 1 .500
     ○●●   ●●  ――  ○○  7 3 4 1 .429
 ●○●   ●●     ○   ●●  ―― 8 2 6 0 .250
 

戦評

  今季今だに初戦で勝利を挙げていない法大。優勝に向けて負けられない”血の法明戦”を有利に進めるためにも、絶対に勝ちたい一戦だ。

  法大の先発を任されたのは玉熊将一(法4)。早大3回戦で完封勝利を挙げるなど好調だ。対する明大マウンドには防御率0.66を誇る柳裕也が上がる。玉熊は初回二塁打を浴びるも、その後は安定した投球。2回には三者三振に切って取るなど、変化球を織り交ぜ三振を量産した。一方の柳もさすがの投球。切れ味鋭いスライダーやカーブで5回まで2安打6奪三振に封じ込められた。互いに無得点と投手戦が続き前半を折り返す。

  玉熊の好投に応えたい法大打線であったが、6回も無得点に終わると迎えた7回表、ついに均衡が破られた。先頭の5番牛島将太に中前安打で出塁を許すと、すかさず犠打を決められる。続く7番吉田大成もセカンドとライトの間に落ちる安打を放ち1死一、三塁のピンチが訪れる。8番柳がきっちりと中犠飛を決め、三塁走者が生還。待望の先制点は明大によるものとなってしまった。

  一刻も早く同点に追い付きたい法大はその裏、主将の5番森川大樹(営4)からの打順。好調の打撃をここでも見せ右中間を破る二塁打で出塁。このチャンスをものにしたい法大だったが、バントの構えをした米田の打席で飛び出してしまった森川が捕手からの送球で牽制死。米田も倒れ二死走者なしとなってしまう。7番清水雄二(法3)が粘りこの日3度目の四球による出塁。続く水谷友生也(営3)も内野安打でつなぐ。出場となった代打原田寛樹(法2)に期待が懸かるも、邪飛に倒れ、得点とはならなかった。

  一度はしぼんだ好機。試合の流れは相手に傾きかける。しかし、それを自らの手で引き戻せるのが今の法大打線の強みだ、先頭は打率.351を誇る1番大西千洋(営2)。左中間への当たりは二塁打かと思われたが、捕球が乱れる間にすかさず三塁へ激走。六大学屈指の脚力が無死三塁のチャンスをもたらした。続く小林満平(法2)も思い切りバットを振り中前適時打。ついに同点に追い付いた。

  最終回、明大の攻撃を凌ぎいいリズムで裏につなげたい法大。しかし、4番佐野恵太に中超え二塁打を許すと、犠打をはさみ打者2人を四球で出し、1死満塁に。この日最大のピンチの中投じた熊谷の球は捕手の足元を抜ける暴投に。これにより1点を勝ち越されると、8番柳の自らを助ける中前適時打でさらに追加点を許してしまった。ここでやむなく熊谷は降板。上條将希(キャ2)をマウンドへ。二者連続三振を奪い、9回裏の攻撃に思いを託した。

  しかし最後まで柳の球威は衰えることなく3人に打ち取られゲームセット。今季初の初戦白星とはならなかった。 優勝に向け負けられなかった今日の試合。投手戦が続く互角な戦いであっただけに、悔しい敗戦となった。しかしここからが法大の底力を見せる時だ。全員の心を1つに、勝利を目指す。 (鈴木理子)

 

クローズアップ

上條 将希 (法大のリリーフ陣支える貴重な左腕)

  「三振を狙いに行くと考えていた」。  迎えた9回表、2点を勝ち越されなおも一、三塁と続くピンチの中、球は上條の手に託された。  後続の打者を三振に抑え、申し分のない投球を見せつけた。

  上條といえば大胆に反り返るような投球フォーム。その印象的なシルエットは観る者を魅了し、観客の脳裏に刻み込まれる。

  昨年、春秋共にベンチ入りするもあまり出場機会に恵まれなかった上條。今春に向けての練習では「真っ直ぐの制球力をしっかりつけていこうと、足腰を走り込みで鍛えた」と、自身の投球にさらなる磨きをかけようと日々のトレーニングに精を出した。

  そんな練習に練習を積み重ねた結果が功を成し、開幕前のオープン戦では先発も任される程の信頼感を獲得した。  今春リーグではリリーフとして今日で6登板を任され、2年生ながらも法大のリリーフ陣を支えている。 立大戦1回戦目で登板した最終回では2失点を許し守りきれなかったものの、そこからはしっかりと修正し今日まで無失点を守り続けている。

  今日の上條の投球について主将森川は、  「最終回まだいけるという雰囲気を持たせてくれた」と9回裏の攻撃に繋がる投球であったと振り返る。上條の存在感は主将の口からも伺えた。

  若いながらも彼の存在感は試合を重ねる毎に確実に大きくなっていっている。これからの法大野球部を担う一投手として、この男から目が離せない。(山口有沙)

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監督・選手コメント

 青木久典 監督

—大熱戦の末に、わずかに及びませんでした
サインミスなど見えないミスが多かったです。競った試合でミスが出たというのは、うちの弱さかなと思います。

—緊迫した試合の中、戦っている選手たちの印象は
非常に良かったと思いますよ。「勝つぞ」という気持ちを強く持ってやっていました。

—先発し好投した玉熊投手について
この前の試合(早大3回戦)で完封したんですけど、それでもう一回り大きくなって、投手として余裕をもってマウンドに立っているような感じがしました。

—8回に登板した熊谷投手は悔しい結果となりました
ボール自体はいいんですけどね。ただあの状況下になってしまうと、ボールがいいのにコースを決めなきゃいけないと自滅してしまっています。もっと自分を信じて、キャッチャーのミットの真ん中を狙って投げれば打ち取れるとんじゃないかなと思いますね。

—代打を送った原田選手をはじめ、声を懸ける場面が多くみられました
打席での絞り球や意識付けをしていました。準備だけはしっかりやっておきたいと思っていました。

—明日に向けて
他大学もそうですけど、明治だけには負けられません。また明日勝ってイーブンに戻したいなと思います。

 森川大樹 主将

—今日の試合のポイントは  
バントミスであったりの、簡単なミスです。

—7回、塁に戻れずにキャッチャーけん制でアウトとなりました  
アウトのならないようにというのはランナーコーチからも言われていたので、そういう意識は持っていたんですけど、足を滑らせて自分が思っていたよりも塁が離れていて。すごく申し訳ないことをしてしまったなと思います。

—下級生が同点に戻した場面では
五分に戻ったので何とか粘ろうという気持ちでした。

—柳投手のピッチングは
前半はすごく良かったですけど、後半はいけるかなというか。玉熊が頑張っているときにもう少し点を取っていればと思います。

—各投手のピッチングは
(玉熊は)低めに丁寧に投げられていて良かったと思います。(熊谷は)すこし力みがありました。もっとできるピッチャーだと思います。(上條は)最後抑えてくれて大量失点につながらなくて。最終回まだいけるという雰囲気持たせてくれたので、いい内容だったと思います。

—早大3回戦で途中退場し今日出場できなかった柴田選手から、どのような言葉をかけられましたか  
みんなの前で「頑張ってくれ」と。「勝ってくれ」とも言われました。

—次戦に向けて
意地を見せたいと思います。

 玉熊将一 投手

—今日の先発を終えて
今日は本当に優勝争いと、この先を戦う上で重要な一戦でした。伝統の一戦ということで気持ちも入ってました。

—投球内容はいかがでしたか
粘り強く投げていましたけど、先に先制点を許してしまったので、もう少し粘れればという感じでした。ただ、森川と話し合いながら投げれたのは良かったですね。持ち味がコントロールなので、あまり力まずこれからも大事にしていこうと思います。

—緩急や変化球は効果的でしたね
そうですね。明治の打者陣はいいバッターがそろっているので、厳しいところを常に意識しています。

—同じ4年生のライバルである柳投手(明大)と投げ合ってみて
柳もいいボールを投げてましたが、自分も絶対負けない気持ちでした。柳より先に折れてしまったのが悔しいです。

—連投が続きますが疲れは大丈夫ですか
全く問題ないです。

—このカードで優勝の明暗が分かれます
そうですね。何が何でも勝って第3戦に繋げたいと思います。

—次の登板に向けて
今日は1点取られてしまいましたが、自分が投げるイニングは全部0で抑えていきたいです。

 大西千洋 外野手

—今日の試合を振り返って
先週から言っていたように、絶対勝ちたかったです。序盤何度かうちもチャンスがあったんですけど、そこで打てなかったり、ミスも出てしまったりしたのが負けにつながったと思います。

—実際に対戦してみていかがでしたか
やっぱり球が良かったですね。甘い球も絶対にあったと思うので、明日はそういった球を見逃さずしっかり振っていきたいです。

—8回には得点につながる三塁打が出ました。どんな意識で打席に立ちましたか
あの回は、先頭だったので絶対に塁に出たいと思っていました。初球セーフティーがファウルになって、追い込まれてからはとにかく転がして塁に出ようと思いました。高めにきた球を叩いたら上がってしまったんですけど、いいところに落ちてくれました。

—明日に向けての意気込みをお願いします
明日勝って、月曜に絶対勝ち点を取れるように頑張りたいと思います。

 上條将希 投手

—今日の試合を振り返って
投手戦だったんですけど、最後は向こうのリズムになってしまって負けてしまいました。

—最終回、失点が続く中での交代だったが心境は
「次点取られたら行くぞ」とは言われていて、気持ち的には準備は出来ていたので特に緊張したりとかはなかったです。

—ご自身の登板後は全て三振でおさえました
絶対に点はやれないので追い込んだ時点では三振を狙いに行くと考えていました。結果的に振ってくれたのでよかったです。

—法大野球部の中でどういった存在になりたいか
上條が投げたら大丈夫だと、安心してもらえるような投手になりたいです。

—明日の試合に向けて  
もう負けられないので、明日明後日連勝して勝ち点をとりたいです。

 小林満平

—今日の試合を振り返って
柳投手はすごくいいピッチャーなので、なかなか点は取れずに、接戦の勝負になると思っていました。こちらのミスが結構多かったので、相手に流れを持っていかれてしまったかなと思います。

—慶大戦以来の内野手としての出場となりました
柴田さんがけがをした時点で、「あるかな」と思っていました。これでセカンド、ライト、レフト、サードと4ポジション目なので、開き直って必死にやるしかないなという感じでした。自信というよりは開き直りですね。

—8回には適時打を放ちました  
(大西)千洋が3塁まで打って走ってくれたので、自分は何とかバットに当てようという思いで打ちました。

—チーム防御率トップの明大に対してどのような打撃を心がけましたか
柳投手はカーブとスライダーがすごくいいので、ストライクゾーンを全体的に上げるというのをチームで統一したつもりでした。自分たちが想像していたよりももう一段階キレが良くて、いいピッチャーだなと思いました。

—今季は初戦で勝てていないということで、チームで話し合ったことは
優勝が懸かった大一番なので最初の入りを意識したんですけど、なかなか先制点を取れませんでした。玉熊さんが粘っていたので、もう少し早く点を取ってあげていれば、流れも変わったのかなと思います。

—明日への意気込み
立教戦も早大戦もここから2つとっているので、絶対とるという気持ちでチーム一丸となって頑張ります。

 

フォトギャラリー

  • shimizuji最後の打者となった清水二。これまで同様、第2戦からの巻き返しに期待だ
  • tamakuma先発し7回1失点と好投した玉熊
  • komeda6回、佐野恵(明大)の大飛球を捕球し、ガッツポーズの米田
  • kawaguti詰まった当たりに川口が懸命に追うも、風に流されわずかに届かず
  • oonishi難しい球をはじき返し、三塁打とした大西千
  • kobayashi同点の適時打を放った小林
  • kobayashi2ランナーコーチをしていた中川と笑顔で言葉を交わす
  • kamijohピンチの場面で登板し2者連続三振に切って取った上條
 

 

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