【バドミントン】関東大学秋季リーグ戦 第3戦 男子は主将の活躍もあり勝利するも、女子は勝ち切ることができず
関東大学バドミントン秋季リーグ戦
2016年9月2日(金)
町田市総合体育館
後半戦に入ったリーグ戦。男子は第1シングルスの日光主将の勝利で勢いづき、明大から勝利を収めた。一方、女子は序盤からあと一歩というところで一本をとることができず、日体大に惜しくも2‐3で敗れた。
試合結果
総合試合結果(男子)
法政大学 3 |
– |
明治大学 2 |
詳細結果(男子)
試合 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|
第1シングルス | ○日光凌2-1小笠裕貴(21-17,19-21,21-19) |
第2シングルス | ○西川裕次郎2-1澁谷勇希(17-21,21-12,21-8) |
第1ダブルス | ●小森園隆平・桐田和樹0-2宮嶋航太郎・高野将斗(16-21,16-21) |
第2ダブルス | ○河崎駿輔・野村拓海2-1武石優斗・西谷春樹(21-14,17-21,21-16) |
第3シングルス | ●春日井一生0-2高野将斗(11-21,7-21) |
総合試合結果(女子)
法政大学 2 |
– |
日本体育大学 3 |
詳細結果(女子)
試合 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|
第1シングルス | ●勝俣莉里香1-2中村恭子(14-21,21-14,19-21) |
第2シングルス | ●上野亜実1-2池内萌絵(21-15,11-21,19-21) |
第1ダブルス | ●宮浦玲奈・勝俣1-2中村・関町理紗子(18-21,21-19,21-23) |
第2ダブルス | ○上野亜実・長谷川由季2-0池内・鈴木咲貴(23-21,21-15) |
第3シングルス | ○伊東佑美2-0山森真凛(21-14,21-19) |
戦評
男子
1勝1敗の法大。優勝戦線に残るためには、絶対に落とせない3戦目を迎えた。相手は、1年ぶりに1部復帰を果たした明大だ。
トップシングルスの日光凌(現4)は第1ゲーム、序盤こそリードされたが、相手のミスショットを見極めて逆転に成功する。第2ゲームは4-2でリードしたところから、相手選手の小笠裕貴に8連続ポイントを許しリズムを崩される。「攻めることをやめるな」という須賀隆弘監督の言葉もあり、一時は同点に追いつくが、一歩及ばず。第3ゲームも苦しい展開に持ち込まれ、負けを覚悟したという。しかし14-19から「無心」で怒涛の7連取。自身シングル初勝利を大逆転勝利で飾った。 実は日光、数日前に体調を崩していた。須賀監督へ電話で報告すると、こう言葉が返ってきたという。「どんな結果でも良いからお前を使う」。「こんな状態でも使ってくれるなら、勝つしかない」、そう心に決めた日光は、きっと誰よりも強い気持ちで戦っていた。体調は万全ではないというが、その不調は勝利の歓喜で吹き飛んだことだろう。
流れに乗りたい西川裕次郎(社3)は、攻めきれないまま第1ゲームを落とす。それでも第2、第3ゲームは「攻め」のバドミントンで、鋭いスマッシュを連発。終始相手を圧倒し、チームの勝利に王手をかける。
第1ダブルスの桐田和樹(経2)・小森園隆平(社2)ペアは高野将人・宮嶋航太郎ペアと対戦。一昨年の全日本インカレ王者の実力は伊達ではなく、強烈なスマッシュを返すことができず、あれよという間にリードを広げられてしまう。両ゲームともに16-21と善戦したが、圧倒された。
逆王手を避けたい法大。第2ダブルスを託されたのは河崎駿輔(経4)・野村拓海(社1)ペア。第1ゲームは21-14で勝利。このままストレート勝ちかと思われたが、法大ペアに、どちらともなくヘアピンやプッシュにミスが出始める。「どちらかがミスすると、もう片方もミスしてしまう」という両選手の言葉どおり、修正が効かなかった。相手の、打点の高いスマッシュにも苦戦し、第2ゲームを落とす。第3ゲームは序盤からスマッシュを連発し、相手の攻撃のチャンスを奪うことに成功。法大の勝利が確定した。
第3シングルスには、メンバーチェンジで春日井一生(経1)が登場。力強いスマッシュで応戦するが、高野将人の多彩な技を前に、ストレート負け。ほろ苦デビューとなった。
明大に勝利し、首位タイの法大。次戦は、古賀穂擁する早大と対戦する。今春のような接戦が予想されるが、優勝の座を譲るわけにはいかない。(伊藤華子)
女子
第3戦の相手は法大と同じくここまで負けなしの日体大。両校とも優勝に向けて負けられない大事な一戦は、やはり白熱した試合展開となった。
第1シングルスに出場したのは勝俣莉里香(営2)。序盤は互いにきっ抗するも、インターバル後に連続6得点を挙げらるとそのまま主導権を握られ、14-21で第1ゲームを落とす。しかし続く第2ゲームでは終始強気のプレーで相手に反撃の隙を与えず21-14で奪う。試合を振り出しに戻すと、第3ゲームは点取り合戦に。お互いに連続得点が繰り返され、どちらに転ぶかわからない接戦のなか、最後は勝俣のミスから生まれた2点のリードを守った日体大に軍配が上がり、勝俣は19-21で惜しくも敗れた。
続く第2シングルスに登場した上野亜実(人4)は開始から上野らしいパワフルでしなやかなプレーで21-15と第1ゲームを先取するも、第2ゲームは相手の粘り強いプレーに苦戦しミスが増え、11-21と流れを奪えず。意地でも取りたい第3ゲーム、上野はスマッシュや相手のミスから序盤はリードを奪うも、「気持ちの弱さ」と振り返るように、またもやミスから7連続失点で逆転を許す。終盤に同点まで追いつくも、19-21とあと一歩のところで勝利を逃した。
マッチカウント0-2とあとがなくなった法大。ここで負けるとチームの敗戦が決まる重要な第1ダブルスに登場したのは、1・2日目ともストレートで勝利している宮浦玲奈(国3)・勝俣ペア。しかし日体大のたたみかけるような攻撃に守りを強いられ、思うように攻められない。それでも粘り強い守備で試合を進め一進一退の攻防とするも、終盤、相手に痛恨の4連続得点を奪われてしまう。この失点が響き、最終的に18-21で第1ゲームを落とした。法大勝利のために落とせない第2ゲーム。宮浦・勝俣ペアは得意とする攻撃的なプレーで優位に試合を進め、11-3と大差をつけてインターバルに。しかしその後立て直しを図ってきた相手に一挙に点差を詰められ、日体大の逆転ムードが漂うも、落ち着いて得点しそのムードを払拭。21-19でセット奪いかえす。そして運命の第3ゲーム。またもや日体大は序盤から攻撃の主導権を奪う。法大は守りを強いられるも、長いラリーから生まれた浮いた球を見逃さず、攻撃に移り応戦。試合は逆転し逆転されを繰り返し、2回のデュースにまで持ち込まれるも、最後は相手の速く低いショットにミスを誘われ万事休す。21-23と競り負け、悔しさからか宮浦の手からはラケットがこぼれ落ちた。
法大の敗戦が決まったなかでも気を吐いたのは、第2ダブルスに出場した4年生の上野・長谷部由季(法4)ペア。第1ゲームはチームが負けたことから、やはり簡単には気持ちを切り替えられず苦戦するも、やはりここは4年生。安定したコンビネーションで粘る相手を下し23-21で勝利すると、続く第2ゲームは「ちゃんと切り替えられた」(長谷川)とスマッシュや意表を突いたプッシュを駆使し、21-15とストレートで勝利した。
最後の第3シングルスに出場したのは伊東佑美(営1)。ヘアピンとスマッシュを巧みに使い分け、しっかりと得点を重ねると、そのまま終始リードを保ち、第1ゲームを21-14で先取する。しかし第2ゲームは開始から日体大のペース。なかなか点差を詰めきれずにいたが、終盤18-18と同点に追いつき、最後の3連続得点で21-19と第2ゲームは逆転勝利で相手をストレートで下した。
落とした試合は接戦がほとんどだっただけに、悔しい敗戦となった。しかし「優勝が消えたわけではない」と上野。手痛い一敗となったのは確かだが、下を向いている時間はない。悔しさを糧に、春に果たせなかった目標へと再び挑む。(本間美来)
選手コメント
日光凌主将
―今日の試合を振り返って
実は、風邪を引いて体調を崩していたんです。火曜日に40℃くらい出してしまって、水曜日は一日寝ていました。まだお腹の調子も悪くて。監督には(風邪を引いたことを)水曜日の夜に電話で言ったんですけど「(試合に)出す。どんな結果でも良いからお前を使う」と言ってくれて。「こんな状態でも使ってくれるなら、勝つしかない」と思いました。だから、今回は気合をいれました。必死にやろうと思って試合に臨んでいました。
―トップシングルスで行くというのはいつ決まったのですか
リーグ戦前が始まる一週間前くらいですね。
―不安だったのでは
不安しかなかったですね。最初はビビッていて、結構ヤバかったです。
―試合中、監督からはどのような言葉をかけられましたか
「攻めることをやめるな」と。「やれるだけやれ」ということを言われました。それは意識しましたね。
―最後は7連取して勝利しました
そのときは何も考えていませんでした。本当に「無心」で。そうしたら「勝った…」というか。
―相手に19ポイント目が入った時点で「負けるかもしれない」とは思わなかったのでしょうか
「負けるかも」と思ったのは、14、5点目あたりです。自分が一本、気を抜いてスマッシュを打たれて「ああ、終わったわ」と思いました。逆に、最後の方は開き直っていました。
―試合後、チームメイトから何と声をかけられましたか
シングルスで初めて勝ったので、馬鹿にされました(笑)
―チームとしての戦いぶりは
トップシングルスの自分が流れを作れたので、後続のみんなも良いパフォーマンスをしてくれたのかなと思います。トップシングルは0-0で始まるので一番重要だということは、この前の日体大戦で学んだので。
―明日以降に向けて
現時点で1位タイのポジションにいます。明日、明後日しっかり勝てば、まだ優勝のチャンスはあるので、一人一人を上げて優勝目指して頑張りたいと思います。
西川裕次郎
―今日の試合を振り返って
最初に「相手の様子を見る」という形にしてしまったのが、1ゲーム目に負けた原因です。2ゲーム目からは、自分から仕掛けて攻める展開にできたので勝てたのかなと思います。
―なぜ「様子見」をしたのですか
今、結構悩んで試合をすることが多くて。「どうしたら勝てるのかな」という感じが多かったので。(悩みは)いつからというものではなくて、自分はその時々で気持ちが変わってしまうので、そこが悩みというか。本当は1ゲーム目からしっかりやらないといけないんですけど、「どうしたら良いか」ということが自分の中で明確にできていなくて、そういう形(様子を見る)になってしまいました。
―試合後に左ひざを冷やしていましたが
慢性の痛みなので、大したことはないです。
―大きくジャンプしてスマッシュを打つシーンが少なかったように感じました
風の影響が大きかったので、今日はあまり飛ばずに打っていました。あとは、自分に余裕ができたので、繋ぐことを意識してミスのない展開にしようと思ったので。
―チームとしては
トップシングルスがしっかり逆転して勝ってチームに流れを作ってくれたので、自分が切らさないように、あとにしっかり繋げたので良かったです。
―ミーティングで須賀監督はどのようなことを言っていましたか
気持ちが左右する試合が多いので、「気持ちで結果が左右しないように。全力で気持ちを出していって、それが結果に繋がる」と。
―明日以降に向けて
自分はいつも負けられない位置にいるので、勝って下に回していけるように、しっかりとした試合をしたいです。
河崎駿輔・野村拓海ペア
―今日の試合を振り返って
河崎:2-1という状況で自分たちが勝ったら第3シングルスでメンバーチェンジで1年生の春日井が出られるということだったので、絶対勝って春日井を出させてあげようという思いはありました。プレーではとにかく自分たちが攻めて、僕自身がもっと前に出られるようにっていう勝ちのパターンを作っていこうと思ってました。
野村:明治の第3シングルスの選手が強いので自分たちで勝って終わらせられるように2人で話し合ってやりました。2ゲーム目ではなんでもないミスが目立って点を取られてしまい、3ゲーム目からまた自分たちのプレーが少しずつできてきたので最後勝てたのかな、と思います。
―2ゲーム目は苦しい戦いが続きました
河崎:僕らの課題は、いつも連続失点が多くペアのどちらかがミスするともう片方もミスしちゃうっていう流れが切れないところなので、そこが出ちゃったかなという感じです。相手が技術のある選手だったので、そういうところも意識してしまったかなというのもあります。
野村:どちらかがミスするともう片方がミスするのが今の1番の課題なので、サービス周りからミスを減らしていければお互いにミスが減ると思うので大会期間中に修正していきたいです。
―2戦目までと比べて自分たちらしいプレーはできましたか
河崎:関東学生選手権で優勝して、第2ダブルスになってということでどこかでプレッシャーを感じていた場面もあったと思います。でも先週ダメだった分、この1週間で厳しく練習してこられたのでそこは自信になりました。
野村:最初の2戦よりは少しは自分たちらしいプレーが出てきていると思うんですけど、まだ本当の自分たちのプレーは出し切れていないので残りの試合で全力を尽くして勝ちたいと思います。
―明日に向けての意気込み
河崎:今は1位が2勝1敗で4つ並んでいてまだまだ僕らは優勝を目指せるところにいると思うので、僕らも絶対勝ってチームも勝ってという形にしたいです。なにより野村に感謝しているので、2人で絶対勝ちたいと思います。
野村:とにかく自分のできることをしっかりやって、明日1勝挙げて優勝に貢献したいと思います。
上野亜実・長谷川由季ペア
ーダブルスを振り返って
上野:負けちゃったけど、そこで下見ても意味ないって思って切り替えてやりました。
長谷川:負けた後で自分的に気持ちも入りづらい状況だったんですが、自分たちが勝たないと優勝への道がなくなってしまうと思って、ちゃんと気持ちを入れ替えて。1ゲーム目はちょっと気持ちが入らなかったんですけど、2ゲーム目は絶対勝とうと思って気持ちを入れられたので良かったです。
ー(上野選手へ)シングルスを振り返って
絶対取らなきゃいけないっていう責任感とか焦りもあって始めから焦っていた部分もあって、それで最後勝ち切れなかったっていうのは反省点だと思ってます。
ーシングルスで相手のここに苦戦したという部分は
特に苦戦したっていうわけではないんですけど、やっぱり自分が我慢するしかないところで自分からミスしたってことと、気持ちの弱さだと思います。
ー今回のチームとしての敗戦を4年生としてどのように捉えていますか
長谷川:全部1点差とか少しの差で負けているので、そこは気持ちだったり応援だったり全員の負けだなと思います。
上野:シングルスがポンポンって負けちゃった時にその(ゲームの)全部が全部ギリギリで負けてて、それがやっぱり練習で我慢ができてないところなのかなとは思いました。
ー次の試合に向けて
長谷川:次は専修戦なんですけど、あと2試合なので5-0で勝ってそのあとも筑波に3-0で勝って、そのあとも全部勝って優勝する勢いで頑張りたいと思います。
上野:まだ優勝がなくなったわけじゃないし、ここで泣いてる場合でもないと思うので、明日に切り替えて、絶対明日は5-0で。2日連続で勝てるように今日ちゃんと切り替えようと思います。
フォトギャラリー
- 日光主将の勝利でチームを勢いづかせた
- 勝利し、ガッツポーズをする西川
- 河崎(右)・野村ペアは全戦全勝
- リーグ戦初出場となった春日井
- 最後に追い付くことができなかった勝俣
- 競り負けた宮浦(左)・勝俣ペア
- 4年生ペア(写真左から上野、長谷川)がストレート勝ち
- ルーキー伊東も最後苦しみながらも勝利を手にした