【バドミントン】関東大学バドミントン秋季リーグ 第5戦 白熱のリーグ最終戦は男女とも悔しい敗戦を喫する
関東大学バドミントン秋季リーグ
2016年9月4日(日)
千葉商科大学体育館
リーグ戦も最終戦を迎え、女子は優勝、男子は入れ替え戦回避へと負けられない一戦となった。しかし女子はマッチカウント2-3とあと一歩のところで敗れ最終結果は3位。男子も1勝を挙げるものの地力の差を見せつけられ1-4の敗戦を喫し、他大学の結果により入れ替え戦は免れたものの、4位というかたちでリーグ戦を終えた。
試合結果
総合試合結果(男子)
法政大学 1 |
– |
中央大学 4 |
詳細結果(男子)
試合 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|
第1シングルス | ●桐田和樹1-2西本拳太(21-14,8-21,11-21) |
第2シングルス | ○荒木惇2-1本間稜人(21-12,18-21,21-19) |
第1ダブルス | ●河崎駿輔・西川裕次郎1-2三津川剛史・川端祥(15-21,21-16,17-21) |
第2ダブルス | ●西智寛・野田悠斗1-2海谷慎吾・西方優馬(17-21,21-17,19-21) |
第3シングルス | ●金子大地0-2宮雄大(9-21,12-21) |
総合試合結果(女子)
法政大学 2 |
– |
筑波大学 3 |
詳細結果(女子)
試合 | 試合詳細(後者が対戦相手) |
---|---|
第1シングルス | ●上野亜実0-2大久保敦美(23-25,20-22) |
第2シングルス | ○宮浦玲奈2-0安田美空(21-15,21-17) |
第1ダブルス | ●甲斐妃美子・工藤ひな子0-2加藤美幸・柏原みき(15-21,13-21) |
第2ダブルス | ○上野亜実・長谷川由季2-0綿矢汐里・安田美空(21-14,21-17) |
第3シングルス | ●伊東佑美0-2加藤美幸(18-21,19-21) |
戦評
男子
昨日、優勝戦線を離脱し2勝2敗と、勝ち越しをかけて臨む最終戦の相手は中大。勝ってAクラスで今季を終えたいところである。
第1シングルスに登場したのは昨日に引き続き桐田和樹(経2)。相手は学生王者の西本。第1ゲームは強敵相手に果敢に攻めていく。序盤から6連続得点でゲームの主導権を握る。中盤にも強打を中心に6連続得点で相手を引き離し21-14でこのゲームを奪う。第2ゲームは相手に意地を見せられ、一方的な展開となり奪い返され勝負の行方は最終ゲームへ。しかし、一度手にした流れは簡単に譲らない西本。2度の5連続得点で桐田を圧倒。結局11-21で敗れた。
第2シングルスは荒木淳 (国3)。1ゲーム目はスマッシュが面白いように決まる。7連続ポイントで相手を引き離すと21-12でこのゲームを終える。2ゲーム目は取って取られて14−14。そこからの相手の積極的な攻撃を抑えきれず今度は逆に7連続ポイントを許してしまう。最終ゲームはシーソーゲームに。15−16から相手のミスと強打で5連続得点。試合を決定づけた。荒木が歓喜の勝利を挙げた。
続いて今季初のペアとなった西川裕次郎(社3)・河崎駿輔(経4)ペアが登場。同じ高校出身の先輩後輩ペアは息のあったプレーを見せる。第1ゲームは14−14からミスが絡み5連続失点。このゲームを落とした。2ゲーム目は強打とドロップを巧みに織り交ぜ試合を優位に進める。最後はスマッシュで攻め切り21−16で奪い返した。最終ゲームでは相手に先行される苦しい展開に。中盤に強烈なスマッシュを連続で浴び、万事休す。惜しくも敗戦してしまった。
第2ダブルスは西智弘(経3)・野田悠斗(経1)ペアが登場した。昨日の勝利で勢いに乗るこのペアであったが第1ゲームを落としてしまう。第2ゲームも劣勢の中、中盤に西、野田両者の強打で逆転。意地を見せつけこのゲームを奪った。勝利に向けもう後のない法大は次のゲームに全てをかける。相手のスマッシュにどうにか耐え続け必死に食らいついていく。10−17と厳しい展開に。それでも諦めないこのペアはドライブやヘアピンで驚異の7連続得点で同点に、しかし反撃もここまで。相手の気迫に押され最後は根負け。法大の負けが確定した。
第3シングルスはメンチェンで金子大地(社2)が登場。しかし流れをつかむことなくストレートで敗れた。
悔しい敗戦となったこの試合。悔しい結果となったこのリーグ戦。しかし、様々な選手が勝利を挙げ、自信をつけたはずだ。チーム力は春と比べて何倍にも強化されたにちがいない。最終的な順位は4位と満足できるものではなかっただろう。それでもすぐに東日本インカレが迫っている。インカレ連覇という金字塔に向かって、男子バドミントン部はとどまることを知らない。(石川大悟)
女子
最終戦の相手は、宿敵・筑波大。勝俣莉里香(営2)が出場を回避する中、優勝をかけた戦いが始まった。
第1シングルスでリードしたい法大は、上野亜美(人4)を起用。相手は、昨年の東日本インカレで敗れている大久保敦美だ。開始序盤から両者一歩も譲らぬ中、上野は相手のミスを誘う力強いショットを連発。11-8でインターバルを迎える。しかし、今度は相手にミスを誘われ4連続失点で逆転を許す。19-20で追い込まれたが、積極的に攻めて相手を前へ引き寄せると、その背後に打球をポトリ。デュースに持ち込む。そこから何度も粘るが、23-25で第1ゲームを落とした。第2ゲームも18-20からデュースとするが、最後はヘアピンがネットを越さず。今季初のストレート負けとなった。
流れを引き寄せたのは第2シングルスの宮浦玲奈(人3)。昨日の専大戦で2敗した悔しさもあってか、早々にリードを広げると、ネットギリギリの正確なショットで第1ゲームを取る。第2ゲームは4点ビハインドでインターバルを迎えるが、そこから冷静にショットを決め、逆転勝ちを収めた。
続く第1ダブルスには工藤ひな子(人2)・甲斐紀美子(2)ペアが出場。加藤美幸・柏原みきのコンビネーションの前に中盤以降にリードを広げられる展開に。柔軟な対応を見せる工藤と甲斐だったが、ミスショットも目立ち、ストレート負け。それでも宮康二監督は「若手のメンバーを出してあれだけできた」と健闘をたたえた。
上野・長谷川由季(法4)ペア。今季を引っ張ってきたと言っても過言ではない二人は、この試合でも圧巻のプレーを見せた。第1ゲーム。上野の左、長谷川の右。両腕から繰り出される鋭いスマッシュで、相手に攻撃の隙を与えず21-14で勝利。第2ゲームは序盤こそリードを奪われたが、やはり両選手のスマッシュで逆転。 またしてもマッチカウント2-2で登場したのは、今季負けなしのルーキー、伊東佑美(営1)。互角の戦いを繰り広げ、1点のリードを持ってインターバルを挟む。しかし、ここから5連続失点で逆転を許す。最後はサーブミスで21点目を与え、第1ゲームを落とす。対する加藤は、第1ダブルスに出場していたのにも関わらず、伊東が放つコートギリギリのショットに対応。スマッシュ後のヘアピンも返され、攻め押される。健闘虚しく19-21で敗れた。筑波大の選手と握手を交わす伊東の目には、涙が浮かんでいた。
マッチカウント2-3で敗れた法大は、3勝2敗の3位。しかし、立ち止まっている暇はない。今月9日からの東日本インカレへ向け、選手たちは動き出す。勝ち頭の宮浦を欠いての戦いとなるが、リーグ戦で叶わなかった優勝を勝ち取り、王座奪還を狙う。(伊藤華子)
選手コメント
日光凌主将
―今日の試合を振り返って
桐田が第1シングルスで学生チャンピオンの西本と互角ぐらいの戦いだったので、負けてしまったけどいい流れはできたかなって感じで試合を見ていました。荒木もしっかり接戦を勝ち切ったので、こっちに流れがきて第1ダブルスもとってくれるかなと自分の中では思ったんですけど、ちょっと予想外っていうか普通にやれば多分勝てたと思うんですけど、いろんなプレッシャーとかで力んでミスが多くて負けてしまって。それで第2ダブルスは正直(相手とは)分が悪いかなと思っていたので第1ダブルスが鍵だと思っていました。それでも第2ダブルスも1点2点の差だったのでだから最終的には今日の相手とはそんなに差はなかったのかなと思います。
―秋季リーグは2勝3敗で春と同じく4位という結果でしたが
春は負けが先行しての2勝3敗で最下位争いだったんですけど、今回は昨日の時点まで優勝争いに加わって久しぶりに良い緊張感のなか戦えていたのでそういう面では勝敗数は春と一緒なんですけど、違う意味でのリーグになったのかなと思えたのでよかったと思いますね。
―春季リーグと秋季リーグの具体的な違いは
自分も4年目なんですけど、春は法政ってどうしてもこう乗れないというか春に一回悔しい思いをして徐々に上がっていくのがうちのチームカラーなので、順位は変わらなかったんですけど、今回のほうが上位に食い込むぞっていう思いが強いなかで秋リーグに参戦できて、昨日も優勝争いに加わってたので、インカレが近いから個々の意識の高さも春とは違うかなと思います。
―秋季リーグで見つかった個人とチームの収穫と課題は
自分(の収穫と課題)は1試合目の日体大戦のときにリードしててマッチポイント取れてたのに、そこから5点とか連続失点して負けて、2ゲーム目もそのまま流れ変えられずに負けたっていうので、点数の取り方とか勝負所の配球だったりっていうのを変えなきゃいけないなと思って、それを明大戦で色々試してうまくいったので、まだまだ未熟なんですけど、そういうところは自分のなかで課題でもあるし、若干このリーグのなかで良くなったのかなと思います。あとはあと二ヶ月の間にフィジカルを強化しないとインカレの日程は戦い抜けないのかなと考えています。 チームはみんな強い選手ばっかり集まっているので、絶対に勝ちたいとか勝たなきゃいけないっていう強い思い一つだと思っているので、1週間後に東日本インカレがあるんですけど、東日本インカレでもしっかり強い気持ちを一人ひとりが忘れずにしっかり持って東日本インカレも勝ち切って全日本インカレにつなげていきたいと思ってます。
―夏の合宿での練習内容は
夏は結構キツいメニューが多くてフィジカルメインだったんですけど、ゲーム練習とかそういう実践的な練習もあったりして。やっぱりフィジカルとかそっちの方がキツかったのでそっちの方が重点がおかれていたのかなと思いますね。
―基礎的なメニューが多かったのでしょうか
ノックだったり朝のランニングだったり、基礎って言えば基礎ですね。
―春リーグから秋リーグにかけて主将として心がけてきたことは
やっぱりみんなで戦うっていうのがうちのチームとしての色なので自分が試合出ればもちろん勝たなきゃいけないし、試合に出てないときはみんなに応援させたりとか応援で勝たせるようになるとか、出てる人と出てない人でそれぞれやることは違うけど、チームとして戦っている以上目指しているところは同じなので、そこの意識だけは常に声に出して、しっかり応援するぞという風に心がけてはいますね。
―東日本インカレに向けて
東日本インカレは団体はもちろんなんですけど、個人戦が結構メインっていうか、東日本で勝てないとインカレの個人戦はないので部員全員がインカレに出られるように東日本インカレではしっかり権利を取れるようにやりたいなというのが今の自分の目標なので、頑張っていきたいと思います。
河崎駿輔・西川裕次郎ペア
―今日の試合を振り返って
河崎:勝って当然だと思って自分たちも(試合に)入っていたので、負けてしまったのはとても残念というのが率直な気持ちです。
西川:チームの主軸として勝たなきゃいけないところで負けてしまったというのは大きいんですけど、そこは反省して次に生かせるようにしたいと思います。
―今日の試合で相手に一歩及ばなかった部分は
河崎:相手の方が落ち着いていたというところと、僕自身が西川とかみあってなかったというのが大きいですかね。負けたから言い訳になってしまうんですけど、もっと練習しておくべきだったと思います。
西川:気持ちもそうだし、向かっていく姿勢というのがちょっと足りなかったかなと思います。
―秋季リーグを振り返って
河崎:5戦出たというのは久しぶりだったんですけど、最初に勝ち越せたときはちょっとはチームに貢献できたかなという部分もあるし、負けたときは全部勝てる試合だったし、最後のリーグでしたが何が足りないのかがよく分かったいい経験になったかなと思います。
西川:絶対に勝たなければいけない場面に全部自分は出ていたんですけど、そこで3勝2敗という結果はチームとしては良くなく、自分が優勝できない方向にしてしまったようなものなので来年は自分が絶対に取らなければならないと思うので、そういったことを改めてこのリーグで学びました。
―東日本インカレまでに調整したいこと
河崎:ダブルスだったら前衛でしっかり決めていくというのが自分の武器なので、今度はもっと相手の嫌なことを考えてプレーできるように練習していきたいと思います。
西川:日数があまりないのですが、体力面を落とさないようにランニングをしっかりやるのと、気持ちが抜けたらポロっと負けることが多くなると思うのでそこだけはオフの日でもしっかり張り詰めた状態であと4日間くらい過ごしたいと思います。
―最後に東日本インカレに向けての意気込みを
河崎:まずは個人でも団体でも優勝することと、そのなかでも今言った自分のやりたいことをダブルスだったら野村と2人で話し合いながらやっていきたいと思います。団体戦だったら、ダブルスとか落とせない場面に置いてくださるので、落とせないなかでどう勝つかを考えながら頑張っていきたいと思います。
西川:リーグ戦4位という結果に終わってしまったんですけど、どこのチームも差はないので東日本で優勝してインカレに勢いをつけられるように頑張っていきたいと思います。
宮康二監督
―今日の試合を振り返って
シングルスの一人がケガをしている中でというのを考えると、それぞれ出た人間がそれなりに頑張ったと思いますね。結果的に負けましたけど、内容は悪くないかなと思います。
―春秋で4敗している柏原選手の印象は
本当のことを言うと前よりはもう一息でいけるというのはありました。ダブルスは今日うちの若手のメンバーを出したんですけどあれだけできたので。
―春秋のリーグ戦ともに筑波大に優勝を阻まれていますが、意識などはありますか
自分の現役時代から持っていましたけど、うちに田中市丸ペアがいた時代と同じで、加藤柏原みたいなエースがいるチームは当然勝ってくると思っています。早くああいうエースをつぶせるような選手を作らないといけないのかなという気がしますね。
―夏場に力を入れて取り組んできたことは
いつもと同じですけど、夏合宿とかは午前午後で2試合ずつ4試合をやって、あとはトレーニングでした。ダブルスのパートナーを変えたりしたので、試合数をこなそうと思っていました。
―今季は伊東選手の台頭がありました
いろいろ考えてやっているなというのはすごく感じていて、スタミナもあります。あとはスピードがもう少しつくとだいぶ良くなるのかなと思いますね。
―1週間後には東日本インカレが迫っています
宮浦が明日から世界学生の合宿で、そのまま世界学生のほうに行ってしまうのでいないんですね。宮浦抜きで、そのほかの選手にチャンスがあるので、その選手はそのチャンスをものにできるように頑張ってもらいたいのと、個人戦はインカレの出場権がかかっているので、全員がインカレに出れるように、上位に勝ち進んでもらいたいなと思います。
フォトギャラリー
- 学生王者を相手に敗れたものの善戦した桐田
- 荒木はこの日男子唯一の勝利を挙げた
- 勝利を見こまれたものの敗戦を喫した河崎・西川ペア
- ミスが響き西・野田ペアはあと一歩のところで敗れた
- 惜しくも接戦に競り負けた上野
- 力の差を見せつけ快勝した宮浦
- 苦い敗戦となった工藤・甲斐ペア
- 上野・長谷川ペアは攻守にわたり安定したプレーで勝利を収めた