【ラグビー】関東大学ラグビーリーグ戦 対中大 終盤に追い上げられるも、粘り強いディフェンスで接戦を制しリーグ戦初勝利!
関東大学ラグビーリーグ戦 対中大
2016年9月18日(日)
秩父宮ラグビー場
雲行きが怪しい天候の中、リーグ戦第2節となる中大との試合を迎えた。前半は相手の堅いディフェンスに苦戦しながらも、マイボールをキープして攻め続ける。そして27分にLO斉田のトライで先制に成功。そのままリードを守り切り前半を折り返す。後半は効果的にモールを使った中大のアタックに苦戦するも、この試合2つ目となるトライを決めて、リーグ戦初白星を挙げた。
試合結果
トータル試合結果
14 |
7 |
前半 | 0 | 10 中央大学 |
---|---|---|---|---|
7 | 後半 |
10 |
ポイント詳細
1/1 |
T | 0/1 |
---|---|---|
1/1 | G | 0/1 |
0/0 | PG | 0/1 |
0/0 | DG | 0/0 |
※(カッコ内)は前半/後半表します
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 西内勇二 | 経4 | 東福岡 |
2 | HO | 川越藏 | 2 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社2 | 東福岡 |
4 | LO | 斉田倫輝 | 経3 | 仙台工業 |
5 | LO | 牧野内翔馬 | 社4 | 東福岡 |
6 | FL | ウォーカーアレックス拓也 | 社1 | 東福岡 |
7 | FL | 松村拓海 | 経4 | 國學院久我山 |
8 | NO.8 | 増田和征 | 経3 | 京都成章 |
9 | SH | 根塚聖冴 | 経2 | 京都成章 |
10 | SO | 林修兵 | 社4 | 伏見工業 |
11 | WTB | 北島遥生 | 現3 | 常翔学園 |
12 | CTB | 矢澤巧久留 | 社4 | 御所実業 |
13 | CTB | 杉本悠太郎 | 経3 | 國學院久我山 |
14 | WTB | 井上拓 | 社1 | 御所実業 |
15 | FB | 尾崎達洋 | 社3 | 桐蔭学園 |
16 | Re | 宮川優也 | 経1 | 仙台育英 |
17 | Re | 大澤翔舞 | 営3 | 長崎北 |
18 | Re | 金子崇 | 社3 | 東福岡 |
19 | Re | 大塚翼 | 4 | 日川 |
20 | Re | 内田健太 | 4 | 法政二 |
21 | Re | 坂本泰敏 | 経4 | 常翔学園 |
22 | Re | 小幡悌己 | 4 | 石見智翠館 |
23 | Re | 蛯名悠 | 4 | 浦和 |
戦評
大東大戦の敗戦から1週間。全国大学ラグビー選手権(大学選手権)出場やリーグ戦優勝に向け、絶対に負けられない試合だ。迎え撃つ中大には昨季リーグ戦では敗れたが、大学選手権では勝利を挙げている。実力が拮抗している相手との対決は最後の最後まで手に汗握る展開となった。
中大のキックオフで始まった前半。松村拓海(スポ4)がキャッチしたところから法大ボールで試合は進む。CTB杉本悠太郎(経3)の突破から敵陣深くまでボールを運び、右サイドを走り込んだFLウォーカーアレックス拓也(社1)が飛び込む。ノーホイッスルトライが決まったかと思われたが、ここはトライには至らなかった。その後も相手のミスに付け込み、攻撃を仕掛けていくがBK中心に人数をかける中大ディフェンスをこじ開けることができない。終始、法大ペースで進んでいくが、中大もワンチャンスに狙いを定め、一気に突破を仕掛けていく。そこで法大もPR西内勇二(経4)やNo,8増田和征(経3)の力強いタックルで対抗。均衡の破れぬまま、試合は進んでいく。迎えた27分、相手のノックオンで得たスクラムから展開。杉本、PR土山勇樹(社2)らを経由し、最後はLO斉田倫輝が押し込みトライ。FB尾崎達洋(社3)のゴールも決まり7-0とする。その後はノックオンなどで相手にボールを渡してしまう場面も出てくるが、危なげなく無失点で抑え前半を終える。
斉田のトライで先制に成功し、流れに乗った
後半はFL内田健太(経4)のノットリリースザボールで中大ボールとしたところから徐々に前進を許す。すると6分、ゴールポスト正面のところでハイタックルをしてしまう。そこで中大はキックを選択。確実にPGを決められ、7-3となる。その後、ノックオンなど個人のミスは出るも、セットプレーは安定。相手ボールのラインアウトで奪い返すなど組織として機能し始める。14分に敵陣深くでラインアウトを得るとLO牧野内翔馬(経4)がキープする。そこから少し押し返されるような形になりながらもSH根塚聖冴(経2)がディフェンスの間を縫いトライを決める。尾崎もゴールをしっかりと決め14-3とした。リードこそ奪ったがここから中大ペースに変わり始める。相手のノットストレートに助けられる場面もありながらも、前進はできず。26分には法大のノックオンで中大ボールに。そこからモールで持ち込まれると左サイドに展開されトライを許す。ゴールもきっちり決められ、14-10。1トライ決められれば逆転という苦しい状況に陥った。攻勢に転じたいところだったが、キックミスも相次ぎチャンスを作り出せない。すると終了間際、相手に左サイドから突破を許してしまう。だがここで、尾崎が選手ごとボールをタッチラインの外へ押し出し、ピンチを脱する。最後はマイボールキープを続け、林修兵(社4)がタッチに出し、ノーサイド。苦しみ抜いた末に今季初勝利を挙げた。
精度の高い安定したラインアウトを見せた
これまで不安視されてきたセットプレーが試合を通じて、安定していたことは最大の収穫になった。今後の試合でも続けていきたい。昨季の上位4校との連戦が続く前半戦で1勝を勝ち取れたことは大きいだろう。だがあくまで目標は優勝。選手たちは気を緩めることなく次の戦いへ向け、走り続けていく。(飯田翼)
監督・選手コメント
谷崎重幸 監督(共同記者会見)
―総括
今日はありがとうございました。ご覧いただいたように、今日の試合は中大と本当に力が拮抗していたと思います。お互いにディフェンスがしっかりしていて、ボールも動かせる緊迫した雰囲気の中でタックルミスなどが少なくできたので、締まった面白い試合にできたと感じています。法大としましては、試合の入りで最初に選手たちが低く入ることができていたので、そこから流れに乗ることができたと思います。
―初戦が終わってから修正したことは
特に変わったことはしていません。初戦もどちらかというと自分たちのミスでマイボールを継続できていなかったので、そこを徹底しました。
―今日の試合で負ければ大学選手権出場が厳しかったと思いますが、チームにプレッシャーなどは
この組み合わせを見た時から、特に最初の二試合はビックゲームになることが分かっていたので、夏合宿の前から準備していました。なので選手にも十分伝わっていたと思います。
坂本泰敏 主将(共同記者会見)
―総括
中大とはリーグ戦でお互い外国人選手がいない中で、ライバルとして何度も試合をやってきました。なのでこの試合でもロースコアになることは予想していたんですけど、最後まで仲間を信じ続けて戦った結果として勝てたんだと思います。本当に応援ありがとうございました。
―選手の立場から見て、今日の試合で良かった点は
やはりチームの一体感ですね。この前の大東戦で相手を流れに乗せてしまったのは自分たちのミスなどが原因だったので、今日の試合ではチーム一体となってプレーできていたと思います。ビックゲームということだったんですけど、別に監督やコーチ陣からそのことを言われることもなく、選手一人一人が自覚を持ってプレーできていたので、そこが良かったと感じています。
西内勇二(PR,力強いアタックで勝利に貢献)
―試合前のコンディションは
今日は以前からのけがとかが少しあったのですが、メンタルはすごく良くて。ケガだけですね。準備は完璧でした。
―チーム全体の雰囲気は
前回の大東大戦で負けているので、中大戦は絶対に勝ってやろうという気持ちはすごくあったと思います。そこで一致団結して、今日秩父宮に来たという感じです。
―今日の試合はスクラムが強かったですね
スクラムはよかったと思いますが、まだ反省点はいくつかあるので、組み方を変えたり対策を考えて次の試合に臨みたいと思います。
―斉田選手や根塚選手がトライ。今日の攻撃面について
もっと本当だったら点が取れたと思うんですけど、最後のところでトライを取れないというのは、今から改善していかないといけないです。今日は中大に勝ったかもしれないけれど、次は勝てないかもしれないので、そこを変えていきたいと思います。今日取れたトライは僕たちが今までやってきた形のトライだったので、凄く良い形で点が取れたと思います。
―中大の印象は
やはりFWが力強く来る印象があって、中盤での「リモール」という新しくモールを作るという戦術が今回はあまりされなかったので、そこも試合前に来るということがわかっていたので、そこを前から対策できていたのが凄く大きかったと思います。
ー前回敗戦した大東大戦の反省点は生かせたか
大分生かせたと思います。常にそうなのですが、「受ける」と法大は弱くなってしまうので、最初からいつも前に前にという形でやっていこうと思っていました。
―ご自身やチーム全体のスタミナ(体力)は
全体的というか僕の体力がちょっと危なかったんですけど、最初から最後まで前に出られてディフェンスもみんな前に出て低く入っていくという戦い方ができたので、体力ももう少しだと思うんですけど、良い形でした。
―春の大会と今大会を比べてみて
チームは全く違いますね。どんどん良くなってきていて、大東大戦よりもまた一歩レベルアップした形で今日の試合を迎えられたと思いますし、また次の試合も今回の反省を踏まえてレベルアップしていくかなと思います。
―1年生の成長を見て
良いですね。また今回出場していなくても全然使えるメンバーがいっぱいいるので、頼りにしてます。
―長いリーグ戦が続きますが、流経大戦に向けて意気込みを
今日の反省を糧にして、着々と勝利を目指して頑張りたいと思います!
斉田倫輝(LO,先制トライを決める)
―試合を振り返って
大事な試合だったので勝てて良かったです。
―ロースコアなのは狙い通りですか
力が均衡していると思っていたので予想通りです。
―前半は法大ペースでした
相手のミスとかもあったんですけど、気持ちの部分で上回ることができたと思います。
―一方、後半は防戦一方になった原因は
自分たちのミスから相手を勢いに乗せてしまい、相手が強いチームなので流れを渡してしまいました。
―セットプレーが安定してました
試合前にビデオ分析をして、準備して臨んだので不安はなかったです。
―モールは押された印象でした。改善には
練習をしっかりしていきます。
―春の大会で離脱して、復帰した形になりました。その間の心境は
脳震盪だったので、何もできない状況でした。でもチームのために何ができるのかっていうのを考えて、復帰してベストな状態で出れるようにと考えてました。それで今はベストの状態まで戻ってきましたね。
―昨年も敗れたチームと戦う厳しい連戦になります。意気込みを
目標が優勝なので、勝つことだけを考えて頑張りたいです。
根塚聖冴(SH,得意のアタックからトライを決める)
―今日の試合を振り返って
相手はディフェンスがとても厚いチームで、前半から自分もマークされていて動きにくかったんですけど、後半は自分たちのプレーで崩せることができて点が取れて、最後しっかり守りきれたというところは今日は良かったと思います。
―大東戦ではベンチ、今日はスタメン出場でしたが
自分自身、アタックが好きな選手でどんどん持ち出していくところが強みなので、大東戦はそれが出せて中央戦で使ってもらえて、やっぱりそこはどんどん出していこうというのがあったので、後半相手の足が動かなくなってるところで自分の強みが出せて良かったと思います。
―見事なランニングでトライを決めました
コーチ陣やスタッフ陣にも自分に求められているものはやっぱりアタックのところだったので、苦しい時間帯で自分が点を取ることでチームが楽になるし勢いに乗れると思ったので自分としてもトライが取れて良かったなと思います。
―春季大会を経て夏に強化した点は
アタックの継続力というところが春よりだいぶ上がっていて、大東戦の最初の方とか中央戦も中盤よく繋げてキープできていて、そこから敵陣に入って良い状態でゲームを進められていたという部分が多かったので、そこは春に比べて良くなった部分だと思います。
―春はスクラムに苦しんでいた印象だったがSHから見たスクラムの変化は
春に比べたらしっかりボールはキープできていて、大きく押されることが無くなったのでそこはすごく楽にボールがさばけていますし、セットプレーが安定したことでこっちのアタックもしやすくなっているのでとても良くなったと思います。
―次戦に向けて
自分の強みはアタックなので、どんどん相手にもプレッシャーを与えてチームを盛り上げていけるように攻撃していくので、そこを見ていてください!
井上拓(WTB,チームのディフェンスに貢献)
―今日の試合見事勝利しましたが振り返って
このリーグ僕自身初戦でしたし、夏にけがした分も取り戻そうと思ってしっかり走りました。ワークレート高く仕事しようと思って今日は臨みました。
―大東戦から今日までチームで意識してきたことは
大東戦で出来なかった「アタックの継続」です。キャプテンも言ってましたが、「One Energy」(自分たち全員の力を一つにしてアタックを継続すること)を意識しました。
―リーグ戦初出場でしたが緊張は
緊張はありましたが、出してもらったからには自分ができることを精一杯やって、しっかり楽しもうと思いました。
―BKのアタックとディフェンスについて
アタックは何をするかを明確にできればよかったです。ディフェンスは外のディフェンスラインが上がるのが遅かったです。これらは統一してやっていきたいと思います。
―低いタックルが何本も刺さってたと思いますが
法大は身体が小さいので夏合宿ではロータックルにこだわってやってきました。今日はしっかり内からFWが低くタックルしてたので、よかったと思います。
―バックスリー(両WTBとFB)の連携は
相手のキッカーが結構良かったので、もう少しFBとコミュニケーションを取らないといけなかったなと思います。次戦までにしっかり修正していきます。
―WTBとして外からどのような声を掛けたか
アタックでは人数が余った時にボールを呼ぶ。ディフェンスでは人数が足りなかったら自分がいるサイドに来るように呼びかけました。特に後半はディフェンス時に立ち位置がオフサイドにならないために、しっかりオフサイドラインまで下がるように言いました。
―中大の印象は
アタックも継続してきて、ディフェンスも堅いチームでした。
―夏合宿の目標であった体力強化が今日の試合に表れたのでは
そうですね。夏は練習でやったことを信じて、試合でできるように苦しいことを一杯やってきました。それがゲームに表れたと思います。
―次戦に向けての意気込みを一言
個人としては今日の課題を反省し、活かして次戦も出場できるようにすること。チームとしては、「アタックの継続」と「ロータックル」にもっとこだわってやっていければと思います。
フォトギャラリー
- 後半にこの試合2つ目となるトライを決めて喜ぶ選手たち
- 2つのゴールを成功させたFB尾崎
- ディフェンスに貢献した4年生のCTB矢澤
- 2試合連続で先発出場を果たしたCTB杉本
- 中大のディフェンスに苦戦した
- 根塚は後半に貴重なトライを決めた
- 川越はHOとして先発出場
- 記者会見に出席した谷崎監督と坂本主将