【ラグビー】祝100周年!監督、主将、副将独占インタビュー!

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【ラグビー】祝100周年!監督、主将、副将独占インタビュー!

今季、100周年を迎える法大ラグビー部。昨季は6年ぶりに大学選手権出場を果たすなど名門復活の兆しを見せた。そこで今回は新宮孝行監督、金侑悟主将、小林雅治副将にお話を伺った。

2024年3月27日 @法政大学多摩キャンパスラグビー場

金主将㊧、小林副将㊨

令和6年度新幹部

役職名 ポジション 選手氏名(学年) 出身校
主将 SO/CTB 金 侑悟(4) 大阪朝鮮
副将 SO/CTB 小林 雅治(4) 法政
主務 LO/FL 中原 陸(4) 法政
副務 HO/PR 杉山 優太朗(4) 法政二
会計 PR 袴田 賢(4) 法政二
寮長
HO/PR 草野 丈太朗(4) 法政二
副寮長 SH 奈良 遼也(3) 法政
FL 山科 亮(3) 國學院栃木
FWリーダー LO 上杉 太樹(4) 東福岡
FL 寺前 琉達(4) 報徳学園
PR 渡辺 明志(4) 佐賀工業
BKリーダー WTB/FB 松田 陸空(4) 岩見智翠館
FB 北川 拓来(3) 昌平

インタビュー

新宮孝行 監督

ーー改めて昨年を振り返って
キャプテンがリーグ戦優勝、大学選手権出場という目標を掲げて、6年ぶりに行けたことはすごいよかった。やっぱりそこが本当の目標になってたので。結局早稲田に負けて、出ただけでよかったっていう風なチームで終わったなっていうのを感じました。今年は変えていかなきゃいけないというのが1つと、僕は去年で4年目なんだけど、4年目で言っていることが理解してきたかなと。ただ、理解するのと本当にそれが掃除とか挨拶とか出来てるとはまた違うわけ。浸透はしてきた感じだけど、なかなか行動にはつながらない。そういうところがラグビーのプレーのミスとかに直結するんじゃないかと思います。

ーー今年度のチームの方針を教えてください
4年生からスローガンとして形で挙げてきたのが、『超戦』。超える戦いと。チャレンジしたいということと日本一。これは大学選手権日本一とかそうじゃなく、何事にも日本一になりたいという風なことで。それを実現するためには1人1人がマインドチェンジしなきゃいけないなと。ここがすごく重要だと思います。また、去年よりは超えなきゃいけないから。あとはやっぱり先人の方が100年かけて、作ってきた歴史に恥じないように。そして来年度は101年。新たな1歩を踏めるようなチームにしていきたいかなと思います。

ーー今年のチームはどんなチームですか
去年は石岡(玲英、令6年卒、現東芝ブレイブルーパス)とか、あるいはリーダーっていうかね、よく喋る子が多かったんですけど、今年の新4年生はあまり表現しないというか、言葉少なくおとなしいチームだと思います。やっぱり春にかけて、どういう風に自分たちが言いにくいことを喋っていけるようなチームにしていくっていう事もそうですけど、それらを1つずつ克服していければいいチームになるんじゃないかと僕は思います。

ーー金選手を主将に選んだ理由は
4年生が満場一致で(金)侑悟だっていうことで。そこに僕が変える理由がないんでね。キャプテンにしました。

ーー副将の小林選手に期待していることは
彼も選ばれた理由が4年生に選ばれたからなんですね。彼はやっぱり去年の試合、公式戦1回も出てないんですけど、 やっぱり練習姿とか背中で見せていってほしいですね。そういう誠実さとか一生懸命さをもっともっと選手に見せてもらいたいなっていう風に思います。

ーー選手たちと関わる上で大切にしていることは
会話ですね。

ーーどういった会話をされますか
他愛もない会話や日常生活のこと、あるいは今困ってることとか、考えてることとか、いろんなことを話し合って、そこからコミュニケーションを取るようにしています。

ーー指導していてうれしい瞬間は
部員がね今100名弱いるわけで、1人1人がこう伸びてくる姿を見れる時が嬉しい瞬間やね。今日グラウンドで「こいつこういうとこがうまくなったな」って感じたらやっぱりニヤッとしちゃうから、そういうとこが嬉しい瞬間ですね。

ーー監督さんの頃のラグビー部の上下関係や部の規則は厳しかったですか
厳しかったね。こんな感じじゃなかったし、上の人とは喋れなかった。なんか悪いことしたらすぐ殴られた。そういうスパルタの時期で。それはそれなりに時代背景もあったから、仕方ないと思うんだけど、 やはり当時はみんながそういう風に歩んできた。今はそういうことをすると世の中から許されないからね。だから、もうここは世の中に合わせていかなきゃいけないし、僕は常々学生に言ってるのが、「1人では絶対に生きていけない」。社会の中でコミュニケーションをとって、何ができるかっていうことを考えながらやっていかないといけないということを伝えるようにしています。そういう意味で、僕らの時なんかは本当に理不尽なことばっかり(笑)。それに比べて「どうだ」っていうのは僕はあんまりない。昔の人はよく「甘い」とか言うんだけど、やはりその中できちんと、やっちゃいけないこととやっていいことの分別ができる人間になってほしいですね。

ーー2年連続で関東大学リーグ戦の大学が大学選手権で1勝もできずに敗退しています
僕は実はリーグ戦の理事長をやっています。そのことを言われると、理事長としてもすごく心が痛い。観客動員も対抗戦より低く、100パーセントの中の15パーセントしか観客動員してないみたいな。あとの85パーセントが全部対抗戦らしくて。そう考えてみると、法政が先頭立って、スピーディーなラグビーをする。それによってラグビーの楽しさをもっと皆さんに見てもらいたい。それから、そこで対抗戦に勝っていくっていうようなことをしなければ、勝機は見られないんじゃないかなと思います。

ーー留学生対策は
留学生っていうより、うちは別に留学生を入れないわけじゃないんでね。文武両道だから、日本語書けない、日本語喋れない人をスポーツ推薦で入れる学部がないから。国際系の学部で取れるのであればね、僕は入れてもいいかなと思うんだけど、ないわけで。僕はダイバーシティ、多様性っていうのはすごく重んじるから、もし法政でラグビーがしたい留学生がいるのであれば、僕は全然入っても大丈夫です。そこ(留学生を入れないこと)に対してはこだわってない。対策に関しては、1人が1人を倒すのに2人かかるわけで、運動量を多くするしかないのでそういうラグビーを目指してやっていくしかないかと思います。

ーー留学生の入部に寛容なのは意外でした
賛否両論あると思うけど、世の中はそういうのを受け入れないといけない時代になってきているからね。そういう社会になってきているから、留学生がいるとかいないとか関係ない。ただ一つ嫌なのはラグビーのために入れる留学生は僕はよくないってこと。プロじゃないんだから。大学生として入った留学生は使う、それだけ。

ーー今年のキーマンは
宮下(晃毅)、(金)侑悟、小山田(裕悟)、(田中)大誠ですね。チームの核になる人間だから、ある程度彼らが活躍しない限りはチームは良くならないかなと。

ーー新入生については
今年の新入生はね、すごい大きな子を取りました。特に期待できるのは花澤(祐太)くん。今日も練習見てて運動能力が高い。スクラムも強いし体も強いから期待です。あとは本山(淳祥)。フィールドは大したことないんだけど、スクラムだけはすごい強い。うちの1番の弱点はスクラムなので、そこを克服してくれたらと思います。花澤が2番なのでこの2人が2番、3番としてスクラムで貢献してくれるんじゃないかなという風に思います。

ーー今年度の目標は
先ほども言ったようにまずはリーグ戦で優勝するのが目標で。その次は大学選手の優勝という風に考えています。

ーー今年度の意気込みをお願いします
去年の成績より上回るってこともそうですが、僕はいつも学生に言ってるのは、「常に入れ替え戦を意識しながら、そこを超えて、次はリーグ戦優勝、大学選手権出場、その次は大学選手権は大学に優勝」という風にまずは入れ替え戦を回避すること。そこから、次は優勝することっていう風に段階を上げていかない限りは一挙に何事もできないし。偉そうに「日本一」と、そういう風なことは僕はあまりね言いたくないし、常にそういうところを1つクリアしていくのがいいと僕は思います。

金侑悟 主将

ーー監督から主将に指名された理由は
一年生から試合に出て得た信頼感と、「お前だったら任せられる」という点だと思います。

ーーどのようにチームを引っ張りたいですか
まずはプレーでチームを引っ張りたいと思います。実力があってこそ周りとコミュニケーションをとれると思うので実力をフォーカスし、その上でチームとコミュニケーションをとり、信頼を勝ち取っていきたいと思います。

ーー試合を組み立てる上での理想は
FWが楽にラグビーができて試合に勝てるのが理想の展開です。

ーー今シーズンのプレースキッカーは
確定ではありませんが田中大誠(3)か僕になると思います。

ーー法政の選手の強みは
元気があるところが一番に挙げられると思います。他にも体が小さいからこそ、頭で考え速さでラグビーをするところが強みだと思います。

ーーどのように選手を動かしたいですか
ラグビーはFWを前に出させる競技だと思うので、まずはFWの状況確認を徹底し、そこからキック・パス・ランで得点に繋げるラグビーをしていきたいです。

ーー大学生活残り一年ですが個人としての目標は
100周年という重みのある主将を務めるので、チームを勝たせることが目標です。10番・スタンドオフとしての役割はもちろん、主将としての役割でもあるので頑張っていきたいです。

ーー応援してくださっている方々へ一言
100周年という歴史ある法政大学ラグビー部を今までご支援してくださりありがとうございます。これからも法政大学ラグビー部のご支援とご声援をよろしくお願いいたします。


金侑悟(4年、SO、大阪朝鮮)
今季から主将に就任した金選手。今年もチームの司令塔として、法大をけん引します!

小林雅治 副将

ーーこれまでの3年間を振り返って
自分は全然有名じゃない高校から入ってきたので、特に1、2年のころは多くの挫折がありました。ありがたいことに学年リーダーとしてチームに貢献する経験をさせてもらえたので、3年間を振り返ると、報われたとこも少しあるかなと思います。

ーー具体的に挫折された点は
まずレベル感の違いですね。特に高校の時は15人もいないようなチームでやってたので、 人数の多さや強度、フィジカル全てにおいて自分のレベルが足りてないなっていうのを痛感させられる日々でした。

ーー副将に就任された経緯は
大学3年の時に学年リーダーを任せてもらって、チームのリーダーミーティングとかに呼ばれるようになって参加するようになりました。3年から4年に上がるタイミングで監督の方からやってほしいと言われて、副将になりました。

ーー副将に選ばれた時の心境は
自分は中、高の部活動で主将やキャプテンをやることが多かったので、大学でも目指しているところがありました。こういうふうに副将として、しかもこの100周年という節目の年に選ばれて、誇らしいというか嬉しく思います。

ーーどんな副将になりたいですか
自分は、下のチームとかも経験したことが結構あるので、このチームがより底上げできるように、 下からチームの精神的支柱とまではいかないですけど、分け隔てなく関わって、チームの雰囲気をよくできたらなと思います。

ーー石岡選手とは同部屋だったとのことですが、かけられた言葉は
「本当に余裕を持ってやってくれ」っていうのが1番言われたことで、どうしても自分は思い詰めてしまうことや思い悩むことが多いので。そういうところで、「もっと余裕持ってやっていいよ」、「余裕持ってやればもっと良くなると思うよ」みたいな言葉を最後言われました。

ーー現在のチームの雰囲気は
1年生が入って、フレッシュなメンバーたちが入ったので、明るいというか、いい雰囲気でやれてるかなと思います。

ーーチームの変えていきたいところは
やはり自律のところはすごく言われているので、 日頃のルールや寮生活もそうですけど、ラグビーに関わる関わらない関係なく、人としてあるべき姿を他の部員の見本になるような行動をとっていければいいと思います。

ーー法大ラグビー部の上下関係は
いわゆる体育会っていう感じではなくて、割と上下関係なく仲いいかなって思います。自分も後輩とよく遊びに行ったり、ご飯行ったりします。それは多分僕以外もみんなそうかなと思うので、仲いいかなと思います。

ーー後輩は可愛いものですか
後輩も懐いてくれるというか、ご飯行きましょうとか誘ってくれるので可愛いです。同期もその先輩とかもそういうのを全く嫌がってないので、いいかなと思います。

ーー期待している選手は
そうですね、同じ部屋っていうところもあるんですけど桜庭侑大(3)ですね。やはり彼の身体能力というか、スピードは早いですし、キックもできますし。かなり注目なのかなと思っています。

ーーご自身の強みは
チームがしんどい時にどれだけ声をかけられるかだと思います。スキルがめちゃくちゃ高いとかそういうわけではないですけど、基本的にそつなくこなして、そこが課題でもあるんですけど、チームがしんどい時も声かけ続けるっていうのは意識してやっています。

ーーこの1年間でどんな選手になりたいですか
まずは秋のシーズンにちゃんと試合に出るっていうのが目標ではあるんですけど、まだまだ副キャプテンとして出てないところもあるので、もっとリーダーシップを発揮してチームをまとめられたと思います。

ーーファンの方に向けてメッセージをお願いします
今年100周年ということで期待感もあると思うので、そこに対して自分たちも誇りをもって責任を持ってやっていくので、そこをもっと応援してくれたらなと思います。

小林雅治 副将(法政、4年、CTB)
映画鑑賞にハマっているという小林選手。「ハイキュー‼」の映画を金選手と一緒に見に行ったそうです!

(取材:盛岡惟吹、北川築来)

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