【フェンシング】全日本学生フェンシング選手権大会 4日目 男女フルーレ&男子サーブル&女子エペ団体戦~ 男女フルーレは関カレに続きアベック優勝!!共に4冠目を獲得! 男子サーブルは4連覇!! 女子エペは中京大に敗れるも3位入賞
2016年度全日本学生フェンシング選手権大会
2016年11月19日(土)
京都 大山崎町体育館
インカレ3・4日目は男女フルーレ団体、男子サーブル団体、女子エペ団体が行われた。男女フルーレはともに確かな実力を見せつけ優勝。学生大会4冠を果たし、5冠という快挙への挑戦権を掴んだ。男子サーブル団体は個人戦上位者を多く擁する中大をはねのけ、圧巻の4連覇。女子エペ団体は準決勝で中京大に敗れたものの、3位決定戦では明大に勝利。昨年の成績を超える3位入賞を果たした。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子フルーレ団体 | 大石利樹(法4)、野口凌平(営2)、敷根章裕(法2)、西藤俊哉(法1)、敷根崇裕(法1) |
準決勝◯45-34日大 決勝○45-38早大 |
優勝 |
女子フルーレ団体 | 真田玲菜(キャ4)、柳岡はるか(法4)、緒方渚(国文4)、緒方実奈海(法2)、梅津春香(法1) |
準決勝◯44-27日大 決勝○45-33専大 |
優勝 |
男子サーブル団体 | 大崎葵一(営3)、高橋優作(法3)、佐藤篤志(営3)、大槻達哉(法3)、星野剣人(営1) |
準決勝○45-30慶大 決勝○45-40中大 |
優勝 |
女子エペ団体 | 池田五月(文4)、富永恵美(法2)、村上久美(国文2)、前田友菜(文1) |
準決勝●44-45中京大 3決○45-34明大 |
3位 |
男子フルーレ団体戦評
法大の初戦の相手は龍谷大学。相手にチャンスを与えることなく完全に抑え込み、45—10と圧勝する。
準々決勝は中盤までクロスゲームが展開された。第1セットでは3—5とマイナススタートとなったものの、2セット目に出場した大石利樹(法4)が安定感のあるプレーで得点を奪い返す。その後も追いつ追われつの点の取り合いとなったものの、5セット目から着実にリードを広げていく。下級生の活躍もあり40—28で最終セットを迎えると、ラストの大石もしっかりと締める。
日大との対決となった準決勝は、序盤大石が相手にペースを掌握され2—5とリードを与えてしまう。続くピストに上がった敷根崇弘(法1)も流れを絶てず2—10と大きく突き放されてしまう。相手に主導権が維持されるかに見えたが、西藤俊哉(法1)が得点を量産し8点差を捲り上げるとともに、相手を追い越し15—10と優位に立つ。その後は相手に大きく得点を盛り返されることなく、得点差を維持し勝利を収めた。
流れを作った大石
決勝戦の相手は関カレと同様早大との対決となった。先制点は奪われてしまったが、「4年生の僕の意地だった」とマイナスで渡さない、そして流れを法大に紡ぐために関カレ王者・松山との対決に勝ち5—3で敷根崇、西藤に回し、7セット目終了時点で35—20とする。8セット目に出場した大石も余裕をもって最後、敷根に託す。43—30と勝利まであと2点。しかしその後相手の攻撃に苦戦しなかなか得点を挙げられず、早大に勢いを付けられていく。44—38。早大が40点台に乗りかかる直前、多くの観客が見守る中敷根崇が赤いランプを灯し、優勝が決まった。
頼れるエースへと成長
インカレ団体戦三連覇、そして今年4冠目を達成した法政男子フルーレ。個々の力もさることながらチームワーク、仲の良さも勝利に起因しているだろう。そしてメンバーが不調の時は代われる存在がいるという層の厚さも選手たちに安心感を与えているに違いない。次なる舞台は全日本。5冠に向けて邁進していく。(和多慎之介)
女子フルーレ団体戦評
シード権を得て準々決勝から始まった団体戦。初戦から全力投球で臨んだ。
最初の相手は日体大。最初周りの緒方渚(国文4)は5本を制し法大に流れを呼び寄せる。続く真田玲菜(キャ4)、柳岡はるか(法4)もそれぞれ失点を1に抑えていき、最後は梅津春香(国文1)。相手の攻撃に少し苦戦するも危なげない試合運びで45—23と勝利する。
準決勝の相手は日大だ。4セット目を終え20-8と優位に試合を展開するも、次の第5セットで巻き返しを図られ6点差に縮められてしまう。相手に勢いが付いたかに思われたが安定したプレーを見せる真田が相手の流れを断ち切ると、緒方実も5ポイントを連取。完全に主導権を掌握し勝利を収めた。
華麗な剣戟を見せ勝利へと導いた
決勝戦はインカレ覇者の菊池小巻が在籍する専大とぶつかった。1.2セットで相手からリードを奪い10—7とするも、続く緒方実奈海(法2)が逆転を許してしまう。しかし真田が次セットで9連続ポイントで巻き返す。その後波に乗った法大は7セットを終え35—25と大きく相手を離し、最後は柳岡が勢いを切らすことなくこの試合を制し優勝を飾った。
男子フルーレと同様今年4冠目を獲得した女子フルーレ団体陣。今大会では接戦となった試合はなく、3試合すべて10点差以上をつけて勝利を飾り安定した試合運びを見せている。残す試合はあと一つ、全日本を制覇し5冠を目指す。(和多慎之介)
男子サーブル団体戦評
法政男子サーブル団体は、初戦関西大学を快勝。準々決勝の日体大との対決では「余裕を持っていた」と相手に追い上げられる場面があったものの、無事勝利。
慶大との対決となった準決勝。序盤から主導権を掴み、4.5.6セットでは相手の獲得をそれぞれ2.3点以下に抑えていく。第8セット目では星野剣人(営1)の剣技で相手を圧倒し5ポイントを獲得。40—25と点差を広げて最終セットに回し、大崎葵一(営3)が制した。
40点目を勝ち取った高橋
決勝戦の相手は関カレの決勝戦で敗北を喫した中大だ。今まで以上に気を引き締めて挑んだ戦い。1セット目から柳嘉亮(文2)が流れを手繰り寄せるためギアを上げる。相手に付け入るスキを与えずポイントを連取する。続く大崎、星野もプラスで回し15—8とする。しかし次のセットで7ポイントを立て続けに奪われていきリード差を縮められてしまう。その後は互角の戦いを繰り広げていく。第9セットで40—38で大崎がピストに上がると先制点をゲットする。相手の剣をかわしつつ、攻撃を繰り出していき44-40。最後は一突きで試合を終え、ガッツポーズを見せた。
拳を突き上げる大崎
雪辱を晴らし見事優勝で飾ったインカレ。全日本団体戦では2年連続で2位と優勝にあと一歩届けずにいる。目指すは全勝。頂の世界へ挑戦する。(和多慎之介)
女子エペ団体戦評
女子エペは今年が最後のインカレとなった池田五月(文4)、個人戦でベスト8となった富永恵美(法2)、そして村上久美(国文2)、前田友菜(文1)のメンバーで団体戦に挑んだ。
団体戦に出場した前田
初戦は専修大との対戦。立ち上がりこそ調子が上がらず、相手に連取される場面も目立ったが、中盤になるにつれて徐々に点差を開いていった。最後回りを任された池田は4本連取され点差を詰められるも、その後はしっかりと締め、45-34で順当に勝利した。
準決勝は中京大との戦いとなった。まず村上が4‐5で先手を許してしまう。しかし続く池田が圧巻の6連取。10‐6とリードを奪い、そこからは法大のペースで試合は進む。4回り目を終えて20‐12。このままの流れで試合は進むかと思われた。しかし最後回りの池田がまさかのブレーキ。40‐35で託されるも、相手に5連取を許すなど、あっという間に試合は一本勝負に。最後は相手に気迫で押され、44‐45。悔しい準決勝敗退となった。
3位決定戦でしっかりと締めた池田
三位決定戦は明大との対戦となる。「絶対に勝ってやろうと思った」と池田。惜敗を引きずることなく、切り替えて試合に臨んだ。序盤は流れを掴めず、拮抗した展開に。しかし終盤、池田が先ほどの悔しさを振り切るように連取を続け、じわじわと点差を広げる。最後回りも池田がしっかりと締め、45‐34で試合を終えた。
惜しくも準決勝で敗れたとはいえ、4強入り、そして表彰台となった女子エペ。この経験は下級生である富永、村上をはじめとした来年以降の法大に活かされるだろう。続く全日本選手権では改めて団体戦優勝を目指す。この大会で広がった法大女子エペの可能性を、さらに確実な力にしていきたい。(阿部暁野)
選手コメント
大崎葵一
ー今日の試合を振り返って
嬉しいです。
ーインカレ4連覇されましたが
あんまり実感はないですね。結果的に(入学してからインカレ団体戦を)全部勝っているのはいい経験ですね。
ー関カレでは敗れた中大との決勝戦、接戦の中での勝利でした
始まる前からリベンジする気でいました。思い切り勝ちたいというよりかは、接戦でもいいからとりあえず一本一本を大事にして勝ちに行きました。
ー準々決勝の日体大戦でもギリギリの対決となっていましたが
皆余裕をもって試合に挑んでいた部分もあったと思います。自分たちでも分かっていたので、この試合を機に気を引き締められたんじゃないかなと思います。次からは全部取りに行こうという気持ちで臨めました。
ープレー中に注意した点は
下がってしまっていたので、気持ち的には下がらない様になるべく前に攻めていこうと考えていました。
ー個人戦も優勝されましたが
2連覇することが出来たので嬉しいです。最後をいいように締めることが出来たと思います。
ー準優勝、決勝は先にリードを許してからの逆転勝利でしたが、その時の心境は
あまり焦りはなかったんですけど、次はどう得点を挙げようかなと考えてプレーをしていきました。
ー男子サーブル陣の個人戦成績について
ひどいですね。ただ自分以外は最後ではないので、今回の結果を踏まえて頑張ってくれればいいのかなと思います。
ーこれから全日本に向けての改善点は
今日のような感じで団体戦は盛り上げて、雰囲気よく試合を展開していけたらいいなと思います。
ー全日本選手権に向けて
個人はあまり意識していないんですけど、団体戦は2年連続2位なので、大学生で優勝してみたいなという気持ちで頑張っていきたいです。
大石利樹
ー今日の試合を振り返って
今日は最初から僕が流れを作って、みんながその波に乗っていくことが出来たので、良かったかなと思います。
ーどのように流れを作っていきましたか
やっぱり最初の試合(一セット目)を取るか取らないかで結構変わります。先に5点を取ったら、勝っている状態からスタートして、逆に取られてしまうとマイナスから始まってしまいます。マイナススタートだと焦って、無理したところを狙われてしまう場面が多いので、4年生の僕の意地でしたね。
ー決勝戦の早大戦、関カレに比べたら少し余裕を持って戦っていたように見えました
関カレの時は最初に自分が負けてしまって、次の敷根崇裕も世界チャンピオンとは言えど一年生なので、緊張していたんですかね。
ーこの試合に向けてどのような意気込みで臨みましたか
優勝したいと思っていました。関カレみたいな試合はしないように、勝ちに行こうと。そのために常に自分たちがリードしようと考えていました。
ー個人戦はどうでしたか
忘れました。反省点はしっかりと反省して、次につなげたいと思います。忘れて全日本の個人戦、団体戦頑張りたいと思います。
ー1年生ペアも大会を経験していくごとに頼もしくなっていると思われますが
関カレよりかは頑張っていましたね。僕よりかはペーペーですけど。(笑) 来年は彼らが引っ張ってくれると思います。彼らに託したので。
ー各選手にどのようなことを託しましたか
西藤俊哉はガッツでチームを盛り上げていってくれると思います。敷根崇裕は自由奔放な末っ子なので、気負うことなくやってくれると思います。頭で勝負していた僕の代わりになる存在はブレイン野口です。(笑) 野口が二人をまとめていってくれると思います。
ー今回、インカレ3連覇と今年度4冠目を獲得されましたが
3連覇はなかなかできることではないので、嬉しいです。4冠もこれまでリーグ戦が準優勝だったりと出来ていなくて初めてだったので、すごくうれしいです。
ー5冠目も目前に迫っていますが
自分たちの個々の力を出し切れば手に届くんじゃないかと思います。
ー全日本へ向けて抱負をお願いします
優勝して日本のスポーツを盛り上げて、スポーツの力で〝世界平和〝を成し遂げたいと思います。
敷根崇裕
ー今日の試合を振り返って
昨日の試合が全然よくなくて、今日こそは頑張ろうと思って、一番最初から気合を入れて臨みました。最初の大石先輩が勝って流れを作っていただいたので、その流れに自分も乗ってあまり失点をせずに出だしを戦うことが出来ました。失点少なくいけたのが勝てた要因だと思います。
ープレー中に意識した点はなんですか
いつも自分は最後のポイントは会場を沸かせるようなきれいなポイントで決めたいというのがあって、その点を意識していました。最後もいいポイントで決めようと粘っていたら大量失点してしまいました。最終セットで大きくリードしていたからこそその気持ちの余裕もあったと思いますし、結果勝つことが出来たのでいい試合だったんじゃないかなと思います。
ー最後に追い上げられていた部分も焦りはありませんでしたか
そうですね。全く焦りはなかったです。
ー会場を沸かせる締め方は個人戦においてもされていますか
団体戦よりかは個人戦でやったほうが迷惑が掛からないので、個人戦では必ずやろうと思っています。
ー互角の戦いのとき、14—14の場面でも行いますか
14—14でも最後の一本はきれいに決めるのが自分の美学としてあるので、行いますね。
ー団体戦においての役割はありますか
大学の試合でないときは、自分が大量得点を挙げてチームの流れを作るのがポジションだと思うんですけど、今回のインカレでは全くできていなくて、真逆でしたね。大量に得点を取られるという事態が起こりました。(笑)
ー関カレの時は緊張していたとおっしゃっていましたが、今回のインカレはどうでしたか
全くありませんでしたね。昨日はあったんですけど、今日はなかったです。
ー西藤選手と1年生ながら共に団体戦に出場されていますが
プレッシャーとかはないですね。同期としてレギュラーとして試合に出ているのはお互いにいい影響を与え合っていると思います。
ー大石先輩から学ぶことはありますか
敷根崇:全くないですね。(笑)
大石:先輩の前だと恥ずかしくて言えないですよね。
敷根崇:ごはん一緒に行こうと言っていただいても奢ってくれなかったり。男気じゃんけんして後輩に奢らせたりしています。
ー全日本へ向けて
全日本個人戦も団体戦も金メダルを獲りたいと思っています。
真田玲菜
ー今日の試合を振り返って
楽しんでできたかなと思います。
ープレーやスコアを見ても厳しい接戦がなかったように見えましたが
みんながいい感じに点を積み重ねていくことが出来たので、試合もすごくやりやすかったですし、自分自身も調子が悪くなかったと思うので良かったです。
ー下級生のプレーはどうでしたか
昨日に比べれ今日の方がのびのびできていたかなと思います。ベンチからの声もよく聞いていたと思いますし、一人一人の勝ちたいという気持ちがあったんですけど、力を入りすぎずにできていたのかなと思います。
ー今大会で4冠目、5冠目が近づいていますが、そのためにすべきことは
個人の技術面のそうですし、これまでとは違って学生だけでなく社会人もでてくるので、チームワークも高めていけたらいいなと思います。
ー全日本の抱負をお願いします。
全日本個人戦・団体戦両方とも優勝を狙いたいと思います。
池田五月
ー試合を振り返って
中京大戦で、勝ち切ることができなくて。悔しいという気持ちと、初めてベスト4に入れて3位でうれしい気持ちと、半々です。
ー準決勝は追い上げられる展開になりました
追い上げられているときは、もう自分のやっている技が全然はいらなくて、どうしようっていう気持ちもあったんですけど、ちゃんと自分を保てていて。パニックになって負けたというよりはちゃんと実力で負けたという印象です。
ー中京大の印象は
中京大学は結構気持ちで押してくるタイプで、技術というよりは勢いで勝ってくるというチームなので。それに対して自分が気持ちで負けたのかなという風に思います。
ー3位決定戦は惜敗直後でしたが
準決勝を忘れることは出来なかったですけど、チームのみんなが励ましてくれて。準決勝の分、この決勝で勝ってやろうという気持ちで頑張りました。個人個人として強いし、チームとして団結していたので、1点2点追いかけていてもこのまま負けるなとは思っていなかったですし、絶対勝てると思っていました。
ー最後のインカレを迎えて
全力を出し切れ・・・てはいないか。何ていうか、集大成にはまだふさわしくないと思うので、頑張りたいと思います。
ー個人戦も含めて、池田選手にとってどのような大会だったでしょうか
不完全燃焼というか。結果も残すこともできなくて、悔しい気持ちのほうが強いので、全日本(選手権)の個人と団体で、特に団体で、優勝したいと思います。
フォトギャラリー
- 優勝の喜びを分かち合う法大陣
- 2年 野口
- 1年 星野
- 優勝の瞬間、肩を組み合う女子フルーレメンバー
- インカレ2度目の胴上げ
- 男子フルーレメンバー
- 女子フルーレメンバー
- 男子サーブルメンバー