【企画】法政スポーツを追う ~女子ラクロス部編~ 「私たちが歴史を変える」
2017年1月15日(日)
法政大学城山グラウンド
本企画では各種大学スポーツのシーズン到来に際し、法政大学体育会各部にご協力いただきシーズンにかけるその熱い胸の内を語っていただいた。今回は日本一を目指して日々鍛錬を重ねる女子ラクロス部にお邪魔した。氷点下の中行われた練習後に、幹部の4選手を取材した。
ラクロス競技概要
クロスと呼ばれる先に網の付いたスティックを用いて、直径6cm・重さ150gの硬質ゴム製のボールを奪い合い、相手のゴールに入れることで得点を競う。1チーム男子10人・女子12人で行われる。ゴールは183cm四方の正方形で、アイスホッケーと同様にゴールの裏もフィールドとして使うことができる。プレーヤーにはアタック(AT)、ディフェンス(DF)、ミッドフィールダー(MF)、ゴールを守る選手はゴーリー(G)と呼ばれる。クロスの先についた網(ポケット)の中でボールを揺すり、遠心力を利用して保持するラクロスに特有の動作のことをクレードルと呼ぶ。オフェンス時は7人、ディフェンス時はゴーリーを含め8人で守ることになる。競技人口は世界で約60万人。日本では2万5000人。大学で盛んに行われるスポーツである。
関東学生リーグ戦1部Aブロック昨季結果
明大 | 慶大 | 東海大 | 法大 | 学芸大 | 東女体大 | 勝 | 分 | 負 | 勝点 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | ―― | 11-6○ | 3-6● | 19-1○ | 14-3○ | 9-4○ | 4 | 0 | 1 | 12 | 2 |
慶大 | 6-11● | ―― | 6-6△ | 14-5○ | 15-3○ | 20-0○ | 3 | 1 | 1 | 10 | 3 |
東海大 | 6-3○ | 6-6△ | ―― | 9-4○ | 12-8○ | 17-2○ | 4 | 1 | 0 | 13 | 1 |
法大 | 1-19● | 5-14● | 4-9● | ―― | 6-5○ | 7-4○ | 2 | 0 | 3 | 6 | 4 |
学芸大 | 3-14● | 3-15● | 8-12● | 5-6● | ―― | 14-9○ | 1 | 0 | 4 | 3 | 5 |
東女体 | 4-9● | 0-20● | 2-17● | 4-7● | 9-14● | ―― | 0 | 0 | 5 | 0 | 6 |
幹部一覧
役職 | 名前 | 学部 |
主将 | 陶山 葵 | 社会 |
副将 | 田中丸 悠乃 | 理工 |
ATリーダー | 松家 はるな | スポーツ健康 |
DFリーダー | 木村 仁美 | スポーツ健康 |
練習レポート
午前8時から行われたこの日のトレーニング。選手たちは力強い掛け声とともにアップを始め、yo-yoテストという走力系の体力測定を行った。その後は、動きをつけたスクエアパスや、相手陣内でボールを奪われた後、敵が自陣へ進入するのを防ごうとする一連の動きであるライド練習というメニューが行われた。最後のメニューは実戦形式の1on1。迫力のあるシュートやキーパーのナイスセーブが連発した。
ミーティングで連携を確認する
選手インタビュー
陶山葵主将
ーラクロスを始めたきっかけは
新歓期に、とても楽しそうな先輩方を見て入部を決めました。私は高校でソフトボールをやっていて、野球系のサークルとかも探したんですけど、やっぱり本気でスポーツをやりたかったのでラクロス部に入りました。
ー初心者が多いと伺ったのですが、1年生はどのように指導していますか
入部したときはもちろん何も分からないので、1年生用にメニューを作って指導しています。全員育成というのを掲げていて、全員が上達できるように工夫しています。経験者は各学年に1人ほどしかいないので、最初はラクロスが楽しいということを伝えるようにしていますね。
ーとても大所帯の部ですね
できるだけ多くの選手とコミュニケーションをとれるように意識しているのと周りに気を配って行動するというのは意識しています。
ーラクロスの魅力は
色々なスポーツをやってきた人が集まっていて、それぞれがその経験を活かせることだと思います。バスケットボールをやっている人とかは動きが似ていると言っています。ソフトをやっていた私はパスキャッチはできたんですけど、動きが分からなかったりしました。なのでやはり動きのあるスポーツを経験していると結構馴染めたりしますね。とてもスピード感があって、大学ならではのスポーツって感じもしますし、何より得点が決まった時の盛り上がる瞬間が一番好きです。
ー現在の法大女子ラクロス部の状況は
今一部に残留はできている中でそこから発展できていないと感じています。プラスに捉えれば残留は続いていますけど悪い意味ではそこにいるだけというか。チームカラーとしてはまだ模索中で、組織力で相手を圧倒できるようにしたいと考えています。そのためにはコミュニケーションが大事ですし、良い意味で上下関係をなくせればと思います。
ー集客に関してはどのような努力をされていますか
集客係というのがいて、リーグ戦の中でも選手の名前がコールされたり、音楽が流れる集客試合というのがあります。他大学と集客のポイントで勝負したり試合もすごく盛り上がるので、法大生にはぜひ来ていただきたいです。部でもパンフレットを作ったり、twitterで拡散しています。
ー今シーズンの目標は
日本一です!
主将としてチームを引っ張る
田中丸悠乃副将
ーラクロス部に入った理由は
高校まで10年くらいバスケットボールをやっていて、大学でも何か熱中できることを探していて、ラクロス部の見学に来た時に、先輩たちの姿見て、ここでやりたいなと思いました。
ーラクロスの魅力は
大学から始める人が多いスポーツなので、誰もが同じスタートラインであるので、努力した分だけ上手くなれるし、試合にも出られるというところです。
ークロスの扱いに慣れるのにどのくらいかかりましたか
今でも足りないと思っていて、最初の頃はたくさん触らないといけないですし、練習以外の部分で自主練を今でもしています。
ー法大女子ラクロス部の良さとは
法政の魅力は、元気の良さとかがむしゃらさです。それはプレー中もなんですけど、応援も凄くするので、元気の良さは他大に負けない部分かなと思います。
ー試合で注目するべきポイントは
法政の良さは元気の良さで、応援は楽しいので、みなさんにも応援に参加してもらえるので、応援に注目してほしいです。あと、ラクロスはサッカーとかバスケと違って、ゴールの裏を使えるので、そのスペースを使ったプレーは面白いです。
ーご自身のプレーの強みは
考えたことを体現したり、表現することか得意なので、チームにとって何が必要かとかを考えて、チームに伝えていくことに自信を持っているので、そこが強みですね。
ー副将として意識することは
チーム全体をみること、特に試合に出ていない選手や一年生のチームでの役目を一緒に考えてあげることを常に意識しています。
ー法大の学生やスポーツファンに向けて
ラクロスはまだマイナースポーツで、まずは応援に来てもらいたくて、楽しいですし、ワクワクさせられるようなプレーを目指して私たちは日々練習しているので、応援に来てほしいです!!あとは、ラクロス魅力を伝えられたらいいなと思います。
ー今シーズンの目標は
日本一です!!
2年生ながら副将を務める
松家はるなATリーダー
ーラクロス部に入ったきっかけは
ずっとサッカーをやっていたんですけど、大学で新しいスポーツに挑戦するということになって、誰でも頑張れば代表になれるという言葉をもらった時や、日本一を目指して高い目標でやっているという環境に惹かれて入りました。
ーAT(アタック) リーダーの主な役割は
ラクロスには攻めと守りがありまして、それの攻めの部分の戦術を考えたり、あとは全体的にチームの統率やメニューの提案、考案をしたりします。幹部としての役割とATリーダーとしての役割で色々あるんですけど、主には攻めの部分の戦術ですね。
ー戦術は選手のみで考えているのか
そうですね。あとは今までやっていた、法政の先輩が代々こういう攻めをやってきたとかを参考にしながら自分たちに合った攻め方を考えます。他大のレベルも違いますし、自分たちの今の法政がそれに比べてどこの位置にいるかというのも大事なんですけど、上を目指すということは変わらないので、より勝てる戦術を考えています。
ーご自身のプレースタイルについて
スマートなプレーが元々すごく好きで、自分が点をとるというのももちろん好きなんですけど、アシストですね、多分去年のほとんどの試合は得点に絡んでいたと思うので、居なきゃいけない存在、絶対的な存在であることですね。
ー法大女子ラクロス部はどういったチームか
みんなすごく正直で、ラクロスを純粋に楽しんでいる子が多いかなって思います。その中でも試合に出る出ないとかが自分の役割というのを今すごく大事にしていて、自分がこの部にいる意味をしっかり一人一人が考えられるチームがやっぱり強いかなって思います。全員が全員試合に出れるわけではないので、そういうのを考えられているのかというのも大切にしていて、昔よりはどんどん考えられるようになってきているチームだし、正直言ったら悪い面もあるんですけど、当たり前のようにラクロスができているというのにもみんなが感謝していると思うし、純粋に楽しんでいるんじゃないかなって思います。
ー日本一を目指すためにこのチームのどういったところを武器にしていくか
私たちのこの代の幹部がっていうのもあるんですけど、今までなあなあになっていた部分っていうのがあって、そういったところを何で、とかなぜ、という風にどんどん疑問を持ちながらチームを作っていく、これは本当に今までずっとやってきたけど良かったのかなそれで。というのを、ヘッドコーチを変えたので、それをきっかけに新しくまた、今までやってきたものを継続してては今までの結果と変わらないかなというので、そこを一新するために常に疑問を持ちながらやっています。
ーラクロスの試合で注目すると面白い点
サッカーのコートとかとほぼ同じ広さなんですけど、ラクロスの面白いところは展開がすごくはやかったり、ゴールの後ろもアイスホッケーみたいに使えるんですよ。ゴールの後ろにもコートがあって、ゴール裏からのプレーとかって、中々サッカーとかでは見られないと思います。ルールもすごく複雑なんですけど、ラクロスを一回見てもらって、そこから何でこうなったんだろう、何で今プレーが止まったんだろうみたいに疑問を持ってもらって、そこからどんどん知っていくことがラクロスの魅力なのかなと思います。
ー今年のこのチームで成し遂げたいことは
私が思う成し遂げたいことは、”歴史を変える”ということです。それが日本一だったらそれはそれで良いと思うんですけど、やっぱり法政はずっと一部の中でずっと三位、四位で、ブロックで上にもいかず下にもいかずということで、ずっと何年間も保ち続けていて、ある意味それって一部に残れているという面ではすごく良いとは思うんですけど、そこから一歩抜け出せないというのがすごく課題で、そこを今まで抜け出せていなかったのを、この代でしっかり一歩抜け出して、次の代でもう一歩抜け出してっていう、段階的にどんどん強くなっていくチームを目指したくて、歴史を変えたいです!
ー法政ファンや法大生に向けて
多分ラクロスというスポーツ自体があまり知られていないと思うんですけど、きっと試合を見に来てくだされば、これだけ学生が自分たちでやっていて楽しそうに試合をしているというのが見られると思うし、他のメジャースポーツには無い面白さっていうのもきっとあると思うので、是非一度、試合に足を運んで見に来てもらったらしっかり試合で魅せたいと思うので応援よろしくお願いします。
「歴史を変える」と力強く語った
木村仁美DFリーダー
ーいつラクロスを始めましたか
大学1年生からやっています。兄がラクロスをやっていて、兄の試合を見に行った時に女子もあるということを知り、とても面白そうだと思ったのと、雰囲気が楽しそうでいいなと思いました。それからラクロスはほとんどの人が大学から始めるスポーツなので、みんなスタートが同じで、努力次第で自分が上手くなれると思ったので始めました。
ーラクロスの魅力は
大学から始める人が多いので、スタートラインが同じだということが一番の魅力です。努力次第で代表に選ばれることもありますし、日本一を目指せる環境があることはとてもいいなと思っています。あとは、12人コートにいるんですが、みんなが一人ひとり役割を持っています。その役割が果たせた時に得点できることや、パススピードとか走っているときのスピード感が一番の魅力かなと思います。
ー大学で新しいスポーツを始めるにあたって不安はありませんでしたか
高校ではバレーボールのやっていたんですが、不安は少しありました。でも自分はスポーツが好きだし、チームスポーツはみんながいるので、みんなと一緒に頑張ればやっていけるかなと思ったので大丈夫でした。
ーご自身のアピールポイントは
私はディフェンスのポジションなんですが、粘り強いディフェンスをして、どんどんボールを奪っていく。そういう攻めのディフェンスをやっていこうと考えています。
ーディフェンスリーダーとして意識していることは
自分がチームを引っ張っていくっていうことと、周りを見てどんどんみんなの良さを自分が引き上げていくっていうことを意識しています。特に下級生とはコミュニケーションをとって、みんなで上手くなっていきたいなと思います。
ーチームの目標は
今は日本一を掲げています。
ー法大女子ラクロス部の良さとは
明るく元気にがむしゃらにプレーしているのが一番の魅力です。一人ひとり真面目で一生懸命取り組んでいるので、その勢いも魅力かなと思います。
ーチームのここを見てほしいというところは
元気にプレーしている明るさっていうのと、応援席もみんな一生懸命応援しているので、応援の方が来てよかったなって思えるようなチームにしたいなと思っています。試合中では得点を取るところですね。スピードの速さとゴールを決めた時は感動的です。
ー法大スポーツファンの方や法大生へ
ラクロスはあんまり知らない方が多いと思うのですが、ルールも教えるので、ぜひ応援に来てほしいなと思います。
守備の要として勝利に貢献する
(取材:石川大悟、下田朝陽、本間美来、山口有沙)
フォトギャラリー
- 笑顔の集合写真
- コーチから指示を受ける
- クロスを駆使して行われる競技だ
- 体力テストも行われた
- 1on1は熱いマッチアップが繰り広げられた
- 果敢にシュートを狙う
- 球際の攻防は激しい
- 目指すは日本一だ!!