【自動車】平成29年度全日本学生ダートトライアル選手権 女子の部が団体優勝! 全関東に続き連勝を達成! 男子も昨年より順位を上げ、大会を終える!
平成29年度全日本学生ダートトライアル選手権
2017年8月6日(日)
丸和オートランド那須
今回は自動車部の活動にお伺いし、全日本学生ダートトライアル選手権の模様を取材した。女子の部が団体優勝、男子の部も8位と昨年の同大会よりも順位を上げ、大会を終えた。次の舞台は三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットでの全日本学生ジムカーナ選手権。今後の活躍にも期待したい。
試合結果
男子の部 総合成績(車種:HONDA CIVIC EG6)
順位 | 名前(学部・学年) | 個人順位 | 1本目タイム | 2本目タイム | 団体タイム |
---|---|---|---|---|---|
8位 | 樫谷達朗(法3) | 13位 | 1分54秒13 | 1分50秒43 | 5分39秒28 |
町井隆男(文3) | 34位 | 2分09秒78 | 1分57秒55 | ||
荒川昂平(経4) | 21位 | 1分53秒56 | 1分51秒30 |
女子の部 総合成績(車種:HONDA CIVIC EG6)
順位 | 名前(学部・学年) | 個人順位 | 1本目タイム | 2本目タイム | 団体タイム |
---|---|---|---|---|---|
優勝 | 平野七実(文3) | 2位 | 2分05秒36 | 1分59秒51 | 4分02秒79 |
久保田凛(文3) | 5位 | 2分03秒28 | ― |
戦評
今回行われたのは、通称「ダートラ」と呼ばれるダートトライアルという競技で、ダート路面のサーキットで走行タイムを競う自動車競技である。6月の全関東学生ダートトライアル選手権(全関東)では団体で男子が2位、女子が優勝と好成績を残した自動車部。今大会でも結果を残すべく丸和オートランド那須に乗り込んだ。男女ともに使用する車両はHONDA CIVIC EG6。1台に男女両部門が乗り合う形で、優勝を狙う。
男子の部
前日から断続的に振っていた雨の影響で路面はややウエットという状況で開催された今大会。1走目を任された樫谷は、まだレコードラインが形成されていないダーティーな路面の中を安定した走りで駆け抜ける。「もう少し攻めていきたかった」と話すも、トップから2秒落ちでまとめ上げる。2走目の町井は大会初出場。コース上にある島を周回するセクションの進入をオーバースピードで入り、あわやコースアウト。何とかリタイヤは免れたが、大きくタイムを失い他大に後れを取ってしまった。3走目の荒川は4年生ということでダートトライアルは最後の出場。そのなかでもミスのない走りを披露し、後半に望みをつなげた。
午後に行われた2本目。ダート路面にある小石が午前中の走行で無くなり、レコードラインが形成されたこともあって、全体的にタイムが向上。各大学も攻めた走行を見せる。
樫谷は1本目の反省を生かし、4秒近くタイムを短縮。個人順位13位とチームトップのタイムをマークした。そして2走目の町井もしっかりと50秒台にタイムを縮め、3走目の荒川にバトンを渡す。
しかし、ここで問題が発生する。後述する女子の部の走行でドライブシャフトが破損し、走行できるか微妙な状況に。しかし、池田を中心としたメカニック陣の懸命な作業の末、出走に間に合い荒川は万感の思いの中、ハンドルを握った。トラブルもなく荒川はコースを周回。無事完走を果たした。結果は昨年よりも大きく順位を上げ、8位で大会を終えた。
女子の部
全関東では団体優勝を果たした女子。ここでも1走目を任された平野が「コーナーに対する進入速度を落とし過ぎてしまった」とギア選択でミスしたが、法大のトップバッターとしてまずまずの結果を残し、優勝にまずは一歩前進した。2走目の久保田は全関東では個人2位と全国屈指のドライバー。ここでも全体2位のパフォーマンスを見せ、法大はここで団体首位に上った。
午後の2本目で平野は前半のミスをしっかりを修正。2分を切り、1分59秒台にタイムを載せる。千葉工大・石井にコンマ5秒弱及ばず悔しい一面を見せたが、十分すぎる走りを披露した。期待のかかる場面で出走した久保田は、元気よく発進。しかし、ここでコースがクリーンではないと赤旗が振られてしまい、再出走に。2度目の出走で神のいたずらか、これでリズムが崩れたか、原因はよくわからないが個人優勝に向けて走り出したはずの久保田が駆るシビックはコース上でエンジンストール。ドライブシャフトの破損により、リタイアを余儀なくされてしまい、悔しさの残る2本目となった。
それでも、平野と久保田のベストラップを合計した結果、優勝が確定。全関東に続き、連勝となった。
平野は個人としても2位と、好結果を残した
男子は8位、女子は優勝で幕を閉じた今大会。次の舞台は三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われる全日本学生ジムカーナ選手権。ダートトライアル選手権よりも車両、選手ともに戦力がアップするため、さらなる好成績が期待できる。今後の自動車部の活躍からも目が離せない。(橋爪優典)
選手コメント
池田匠主将
―今日のレースを振り返って
途中トラブルもあったので、そういう意味では思うようなレースではなかったですけど、チームとしてはしっかり結果を残せたので、それを次に生かして全日本ジムカーナ選手権でまたいい結果が出せるようにしたいです。
―エンジンストールの原因は
ドライブシャフトが脱臼というか壊れてしまったんですけど慣れている箇所だったので、次の走順まで10分弱だったんですけど何とか間に合って最終出走まで走ることができたのでそこはよかったかなと思います。
―今日の収穫と課題は
全関東ではいままでにない男子が2位、女子が優勝という結果だったのでそれぐらいのところは目指していたんですけど、去年に比べると男子は順位は上がって女子は優勝できたので目標は達成したのかなと思います。
―今後の全日本2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けては
今回車が壊れてしまったりだったとか諸々少しずつトラブルがあったり、練習量的にも他の大学にダートに関しては差があったんですけど、ジムカーナに関してはそんなに練習量的にも車両的にも差がないと思うので、大会までにしっかり車両のマネージメントをした上で選手は決まっているのでやるべきことをしっかりやって優勝まで行けるように着実に進めていきたいと思います。
―最後に今後のレースに向けて意気込みを
全日本戦初戦ということでまた壁の高さというか力の足りなさを痛感したので、それを生かして今度はおなじみの鈴鹿なのでそこでしっかり力を出し切れば結果はついてくると思うので、頑張って結果を出したいと思います。
荒川昂平
―今日のレースを振り返って
2本目で自分が乗る直前に車が壊れてしまって本当だったら(ドライブシャフトを)交換するのに30分くらいかかるんですけど、10分ほどで直してくれてギリギリのタイミングで送り出してくれたので走らせてもらえるだけでも幸せだったし、その幸せを噛み締めて走りました。
―1本目、2本目それぞれ振り返るといかがでしたか
1本目がいままでにないくらいサーキットの質が高速タイプで、直線が2本あったんですけどそんなコースはいままで走ったことがなかったので、まずは安全に走るってことでセーフティにいかにリスクを減らしてラップタイムを稼げるかという走りをして、それは比較的自分の思っていた通りの動き方を車がしていたのでよかったかなと、思い通りになってよかったかなと思います。2本目は送り出してくれたみんなの思いもありますし、あとは4年生ということで最後のダートトライアルだったので、いろんな思いが頭の中でごちゃごちゃになって、本当は無心で走ろうかなと思ったんですけど走ってる途中でみんなの顔が思い浮かんで、そういう意味では走りの分析というよりも楽しんで走った1本だったなと思います。ただ、強豪校と比べるとドライバーが車の向きを変えたいというときに変化の量が法大は付けづらい車で、一定の限界を超えると突然リアが流れてスピンしてしまうので、そこが来年以降の課題だし思い通りに動かせる車を作ってほしいですね。
―今後の全日本2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けては
2年生から選手をやらせてもらっていて先輩方にチャンスを与えてもらったことは本当に感謝しかなくていろいろな積み重ねがあってここまで来れているので、せっかくいただいたチャンスなので無駄にしないように、いままでの経験を無駄にしないように今後も選手として、選手代表としてみんなを引っ張っていけるように、もちろん自分の成長もいろいろ考えながらやってはいるんですけど、残された部員にもっと伸びてもらいたいと思っているので、そういう思いでやっていきたいですね。
―最後に意気込みを
(今大会は)去年よりは(順位が)ジャンプアップしたので見方によっては良しとできるかもしれないですけど、でも全関東でいい結果を出していたのでちょっといまいちだったかなと。なのでジムカーナとフィギュア(全日本学生自動車運転競技選手権)に関してはうちの主将(池田匠)を表彰台に上げられるように頑張っていきたいと思います。
樫谷達朗
―今日のレースを振り返って
全関東ではいい結果が出て、それが今回にも生かせたかなと思います。
―1走目ということで役割や考えたことは
車のフィーリングとか路面状況を後の走者の人に伝えられるように、感じ取りながら走りました。
―今日の課題と収穫は
課題はもう少し1本目から攻めていけたらいいなと思います。路面が1走目の中ではあまり変わらない状況でトップが2秒ぐらい速かったので、もう少しそこは攻めていけたらいいなと。収穫は1本目に出た課題を2本目で修正して伸ばすことができたので、そこはよかったと思います。
―今後の全日本2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けては
まずは団体入賞を目指して頑張っていきたいです。個人としても入賞目指して頑張っていきたいですね。
―次の大会まで2週間ほどですが、取り組みたいことは
短い間なんですけど練習があるので、そこで自分の課題を修正してレースに臨みたいと思います。
―最後に意気込みを
入賞目指して頑張ります。
町井隆男
―今日のレースを振り返って
トラブルが車の方に出てしまったのが一番残念かなと思います。あと、自分の走りも納得がいかなかったですね。
―1本目であわやコースアウトというシーンがありました
自分のミスが大半なんですけど、他の2人と比べてかなり後れを取っているので、そこを頑張ってどうにかやっていきたいですね。
―今日の走りを分析するといかがですか
やっぱり走り込み、練習量が足りないのはありますね。
―今後の全日本2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けては
ジムカーナは出場するんですけどスピード競技(ダートトライアル選手権)は初めて出場させてもらって今回緊張感とか大会独特の雰囲気とかを学べたので、それを生かしてジムカーナでも遅れを取っているのでそこを頑張って足を引っ張らないようにしたいです。
―次の大会まで2週間ほどですが、取り組みたいことは
練習がその間にあるので、そこで課題を見つけて本番でいくら頑張ろうとしてもやったことしかできないので、いかに練習でやっていけるかだと思います。練習も少ないので、しっかり生かしていきたいと思います。
―最後に意気込みを
第一に足を引っ張らないということですね。あと、車も今回トラブルがあって車両の責任者でもあるので、トラブルでで選手が走れないということを無くしたいです。
平野七実
―1本目を振り返って
ちょっとミスをしてしまってよくなかったかなと思います。
―具体的には
コーナーに対する進入速度を落とし過ぎてしまって、落として入った上にアクセルを足して入ってしまったりまたブレーキを踏んだりと余計な動作が入ってしまったので、自分の操作のやり方でミスしてしまいました。
―2本目を振り返って
1本目のミスを生かして、2本目を走れましたね。今回は2本をちゃんと生かせたレースかなといった感じでした。
―今大会気を付けたことは
全体的な速度が速いので車の挙動がぐらつくと致命的なミスにつながってしまうので、そうならないように気を付けました。
―今日の収穫と課題は
収穫は思ったよりスピードを出しても対処できたことと、課題は女子の1番速い選手に届かなかったので次は男子に並ぶことを目標にやっていきたいと思います。
―全日本残り2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けて一言
全関東での総合杯を取っているので、全日本でも総合杯を取ることを目標に、団体優勝を狙いたいです。
久保田凛
―今日のレースを振り返って
悔しいですね。
―具体的には
2本目の時にマシントラブルで完走ができなかったので、それが1回出走して途中で再出走になってしまったのが残念でした。でも、どっちにしろどこかで壊れてたんだろうなとは思うので、しょうがないですけど悔しいところもあります。
―マシントラブルが起きたときはどうでしたか
2本目を走り出してギアを変えてしばらくしてから急におかしいなと思って、もう駄目だなとは感じていました。
―不完全燃焼ではありますが、今日の収穫と課題は
1本目に最低限の走りをするというのは守れて、それで団体も優勝が取れたかなというのはあるのでそこはよかったかなと思います。今後の課題は自分でも車の状態をちゃんと把握できるようにしておけば、1度ピットには入れられたかなとは思うのと、あとは「運も実力のうち」というので運も高めたいかなと思います(笑)。
―今後の全日本2戦(全日本学生ジムカーナ選手権、全日本学生自動車運転競技選手権)に向けては
今回はとても悔しかったので、個人優勝を狙っています。ジムカーナは関東では勝てたんですけど、全日本ではコースジムカーナという自分の苦手なタイプのジムカーナなので、それをいかにあと少しで克服できるかというのが課題にはなりますね。
―あと2週間ほどと時間はあまりないですが、個人優勝を狙うためにはどうしていきたいですか
少ない時間のなかでコースを読むこととサイドターンがまだ不十分なので、そこを何とか詰めて悔いがないように今できることをしっかりやりたいと思います。
―今後に向けて一言
勝ちます!
フォトギャラリー
- 部員で作り上げたマシンでレースに参加する
- ナンバープレートも法政の名を入れるなど凝った作りだ
- 第1走を務めた樫谷はチームトップタイムをマーク
- 荒川は周回するセクションを後輪を滑らせながら走り抜ける
- ドライブシャフトが破損し、けん引されるシビック
- 池田主将(中央)らメカニックは修復作業に追われた
- 懸命な修理の結果、出走に間に合ったシビック
- 優勝を果たし、笑顔を見せる久保田(左)と平野