【アメフト】春季オープン戦 対慶大 好敵手との熱戦制せず…開幕2連敗
春季オープン戦
2017年5月28日(日)
法大武蔵小杉グラウンド
まさかの開幕黒星から1か月。ホームで迎えたのは昨年関東2位の慶大。秋には甲子園をかけて戦う好敵手に勝利を挙げたい法大だったが、序盤から常にリードを許す展開に。第3Qには同点に追いつくも最後は振り切られ、23-30で今季初勝利はお預けとなった。
試合結果
トータル試合結果
23 | 7 | 1Q | 7 | 30 |
---|---|---|---|---|
3 | 2Q | 9 | ||
13 | 3Q | 7 | ||
法政大学 | 0 | 4Q | 7 | 慶應大学 |
試合得点
Q | 時間 | ポジション | 選手 | 得点方法 | TFP |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8:48 | RB | 桑原進之助 | TD | 〇 |
2 | 11:57 | DB | 勝田駿 | FG | - |
3 | 5:48 | RB | 岩田和樹 | TD | × |
3 | 9:09 | RB | 川村龍之介 | TD | 〇 |
戦評
法大のレシーブで試合開始。両チーム共にDL陣が活躍し最初の攻撃権を更新できずに終える。最初に流れをつかんだのは慶大だった。フィールド中央での3rddownロング。パスが十分に考えれる状況だったが、相手WRをフリーにしてパスを通され、そのままエンドゾーンへ。先制点を許した法大は直後のオフェンスで河村、桑原、QB馬島臨太郎(キャ4)のランで小刻みに前進し、最後は桑原が自身の誕生日を祝うTDで同点に追いつく。さらに慶大の攻撃をDB勝田駿(人2)のインターセプトで勢いに乗り2Qへ。
桑原のTDに選手たちの士気が上がった
2Q最初の攻撃権を得点に結びつけることができずに終えるとそこから流れは慶大へ。パスを中心に攻める慶大オフェンスに対して後手に回り大きなゲインこそないものの着実に連続攻撃権を取られ、1分、4分、8分と連続してFGで加点される。4分にはエンドゾーン前でスナップミスからの失点など苦しい時間が続いた。終了間際にFGで加点したが10-16のビハインドで後半へ。
今季DEF陣の主軸となる寺林
3Q開始早々またも慶大にパスを通されTDを許す。しかし、ここから法大オレンジの反撃が始まる。その中心にいたのは馬島。自陣25ydsで始まった攻撃を自身のパス、ターゲットが見つからない時には自ら走りゲインしていく。最後は岩田がエンドゾーンに飛び込みTD。オフェンスの活躍にディフェンス陣も奮起。直後の慶大の攻撃をDL高橋孝綺(営4)らが防ぎ、ゲインを許さず再び法大のオフェンスへ。この攻撃シリーズも馬島からWR高津佐隼矢(キャ3)へのロングパスが通るなど馬島の活躍が光り、残り5ydsから川村がフィジカルで押し込みTD。23-23の同点とする。
3Qの勢いそのままに勝ち越したい法大だったがこのクォーターは慶大の粘りが優った。慶大は2度の4thdownギャンブルを成功させてゲインを重ね、残り9ydsとしてからも勝負所の3rddownで着実にTDを奪った。法大は高津佐へのロングパスで活路を見出そうとしたが、得点につなげることはできなかった。
これで対外試合2連敗となった。しかし、試合を終えた選手達からは課題の発見と同時に手応えを感じたという言葉が聞こえた。これらの課題を克服しチーム全体が成長することができれば5季ぶりの優勝が見えてくるだろう。(山崎志馬)
選手コメント
小山克成主将
―今日の試合を振り返ってみて
チームとしてテーマにプライドを掲げていて、対戦校ではなく今まで自分たちが半年間、フィジカルとファンダメンタルにプライドを持ってやってきたので、そのプライドにかけて勝負しよう、それを証明しようっていう目標でやってたんですけどフィジカルとファンダメンタルがもうちょっと足りないのかなっていうのが個人的に思った今回の感想です。
―1Qで3down8yrdsという状況からパスを通され、ランアフターキャッチで先制TDを許しましたが
システム的には負けてはなかったので完全に個人の技量レベルの問題だったので、そこはDBの1対1が課題かなと思います。
―2Qあたりからフラットゾーンへのパスやアンダーとディープゾーンの間へのパス、ヒッチのパスプレーなどが通されていたと思うんですが、パスカバーについて振り返ってみていかがですか
今回に関しては深いゾーンに関してはDBとLBの方で守れていたと思うんですけど、浅い、早いタイミングのパスにはLBが寄れていなかったりとか左右に振られて翻弄されてたので早いタイミングのパスは今後、集中して直していかなければならない課題なのかなと思います。
―今日の試合でのラン攻撃に対してはディフェンスとしていかがでしたか
ほとんどDLが相手のOLに勝っていてランを止めていたので、そこに関しては少し自信に繋がりました。
―2QはTDを許さず3本のFGに抑えましたが
今年のディフェンスは粘り強く勝とうというのを掲げていて、いくら進まれてもいいので絶対TDだけは許さずに最悪FGで抑えようというディフェンスでやっているので、そこに関しても2Qにパントのミスによるゴール前でしたが、しっかりと止めれていたので、そういうところはすごくディフェンスは粘り強く守れているのかなと思います。
―今回の試合を見ると、慶應のプレースタイルが李卓選手が引退し、ランからパスオフェンスに大きく変わったように見えましたが
昨年の秋の慶應さんは李卓選手をよく使っていたと思うんですけど、実はQBの2番の小田選手は高校から一緒に戦っているライバル関係でパスのタイミングが抜群なんです。予想通りと言っては予想通りだったんですけど、思ったより完成度が高かったので、そのあたりに関しては秋の不安材料なので対策していきたいとは思っています。
―最後に秋へ向けてのディフェンスチームであったり、またチーム全体の課題はありますか
今日を通して思ったのは、すごいボールに対する執着心が弱いなと感じていて、ボールをバックが持っていてポロっとしちゃったりとか弾いてしまったりとかすごく目立ったので、やはりボールに対して誰よりも貪欲に狙っていかなきゃいけないっていうところが課題で、そこに秋絶対集中していかなきゃいけないなと思いました。
桑原進之助
—今日の試合を振り返って
前半は良かったんですけど、後半にパスもランも出なくなった時にオフェンス、ディフェンス共にズルズルいってしまいました。
—オフェンスの狙いは
いつものファンダメンタルを生かしつつフィジカルも取り入れその2つでやっていこうと思っていました。慶大には負けたことはなく、東横線対決ということでプライドを持って戦いました。
—現在の練習でも基礎を中心とした練習をしているのでしょうか
そうですね。ヘッズアップフットボールというのをやっていてチーム全体でフィジカルにウェイトを置いてやっています。そこで負けてしまったのでやり方を考えなきゃなと思っています。
—自身の出来は
実は今日僕の誕生日でバースデータッチダウンを決めることができたというのは良かったです。でも負けてしまったので悔しいですしそこまでの出来ではなかったですね。
—今日見つかった課題は
慶應のように仕掛けてくるチームは前から苦手としていてそこを克服しないとまた秋でやられるので、そういうところですね。
—期待している一年生は
中村幹と阿部快斗ですね。中村は僕と同じ関西出身で有名な選手だったのでフィジカルをつけて頑張って欲しいです。阿部は動きはいいのでもう少しスピードをつけられるよう僕らも教えていきたいです。
—次に向けての抱負
今年3試合ない中で勝てる試合を落として連敗してしまい、次は僕の故郷でもあるので終わりよければ全て良しという感じて頑張りたいと思います。
馬島臨太郎
―試合を振り返って
1対1で負けたというのが悔しいですね
―慶大の印象は
スカウティングの時点でどのポジションも1対1で勝たないといけないなっていうのが分かっていたので、その部分でいいところもあったんですけど負けている部分が多かったので、秋までに勝てるようにしていきたいと思います。
―オプションプレーがあまり出せていないようでした
純粋に中のランプレーの方が枚数が合っていたので。相手の形に合わせてプレーしていた結果ですね。
―パスが以前より通るようになったように感じましたが、ご自身ではどのようにとらえていらっしゃいますか
確かに関大戦よりは決まっているんですけど、結局決めなきゃいけないところで決めきれていないので。そういうところをもっと詰めていかなければいけないなと思います。
―後半はパスターゲットが高津佐選手に限られているようにも見えました
確かにターゲットになってほしいところに高津佐を入れる場面が多かったですね。他のレシーバーも多かったですけど、そこはやはり信頼して、高津佐に任せています。
―4Qは無得点に終わりましたが要因は
結局自分が4thdownなどの決めなくちゃいけないところでサックされてしまったりしたので、もっとシチュエーションに合わせた意識というものを持たないといけないなとは思います。
―今季2敗目となりました
純粋に悔しいですけど、秋には絶対に優勝する覚悟でやっているので、もっと日々の練習で努力していきたいと思います。
―次戦の京大はあまり戦う機会のない相手ではあると思います
自分が(大学に)入ってから初めてです。
―次へ向けて
あと2週間後に京大との試合なので、どんな相手かもあまりわからない状態なんですけど、自分たちの出せるものをちゃんと出して勝ちたいと思います。
勝田駿
ー今日の試合を振り返って
負けてしまいましたが、ディフェンスは盛り上がっていて良かったと思います。
ー2QではFGを成功されましたが
ロースター制度になり、人数が少ない中でポジションを兼任することが多くなりましたが、決められて良かったです。
ー相手チームの印象は
慶大も人数を少なく絞っていて精鋭という感じがしました。
ー試合前にどんなことを心掛けましたか
いつもの練習通りやるだけです。
ー今日の試合で見つかった課題は
シチュエーションによってDBとしての守り方が変わるので、そこをもう少し出来たら良かったかなと思います。
ー次戦に向けて
シチュエーションのこともそうですが、負けが続いていてそろそろ勝たないといけないので、ターンオーバーとかを狙って勝ちに繋げられるようにしていきます。
山岸達矢
ー今日の試合を振り返って
初めて出る試合だったんですけど、先輩からも1年生だから何も考えずに思い切ってやれと言われていたので、思い切ったプレーをしようと考えていました。
ー大学のアメフトと高校のアメフトは違いましたか
プレースピードだったりとか、体格というのはすごく違うと思います。それを埋めるためにしっかり、ウエイトトレーニングしてきたので、自分が劣っているというのはあまり考えてなかったです。
ーお兄さんが関学大でプレーをされていましたが、法大のアメフトを選んだ理由はありましたか
法政二高でキャプテンをやっていて、去年法政二高で法大のアメフトを見たときに、すごくいいチーム作りが出来ているなと感じていました。なので、そのまま法政でフットボール続けたいっていうのと、甲子園ボールで兄がいた関学を倒したいっていうもあります。
ーアメフトを始めたきっかけもお兄さんの影響というのはありましたか
兄が高校に入ってから始めて、自分はそのとき小6だったんですけど、その姿を見て、小学生の時からアメフトをやりたいなと考えていました。
ーこれから、どのような選手になりたいですか
自分は少し身長が小さくて体格差があるので、逆にその小さいというのは活かして、低く早いフットボールをしたいと思います。
ー今、ご自身に足りないところというのはどこですか
大学の選手はみんな、頭を使っていて、すごく考えて考えてフットボールをやっているんですけど、自分はまだそのアメフトに対して知識を浅いですね。考えられるフットボールをしてないので、そこが足りないところだと考えています。
ー今後の目標は
春夏を通して、フィジカルアップをしていって、秋には他のトップの選手とも対等に渡り合えるようになりたいと思います。
フォトギャラリー
- 第3Qには同点に追いつくも、逆転には及ばなかった
- 敵陣へとボールを運ぶ川村
- WR陣の主軸へ期待の声が上がる別府
- 選手へ指示を出す井上
- 馬島は的確な指示でチームを支配する
- 後半のTDに沸く選手たち
- 高橋の好プレーに笑顔を見せる
- 桑原の攻撃力はこの試合も健在