【硬式野球】秋季リーグ開幕直前特集 第9回 ~さらなる成長をみせる捕手編~
2017年9月6日(木)
法政大学野球部合宿所
最後に法大がリーグ戦を制したのは12年の秋。現在のチームにその歓喜を知る選手はいない。3位に終わった春の悔しさを胸に過ごした3か月。リーグ戦開幕を直前に控え、士気を高める彼らの現在の心境を伺った。第9回は鎌倉航、中村浩人、伊藤寛士の3人。扇の要を担う彼らに、今季の意気込みを語っていただいた。
選手インタビュー
鎌倉航 捕手
ーここまでのオープン戦を振り返って
バッテリーとしてはだいぶ試合を作る面では良かったんですけど、個人としてはまだまだ結果が足りないです。この2週間で調整というよりは、振り込んだりしっかりやっていきたいと思います。
ー投手陣の調子は
終盤になって夏の疲れも出てきますし、そういった面では点を取られることはあるんですけど、それなりに試合を作れているので春よりは成長したかなと感じています。
ー改めて昨季を振り返って
一球の怖さを改めて知ったといいますか、一つ勝つことの難しさを感じることの多かったリーグでした。でもその分、勝つ喜びもしっかり味わえたので同じ失敗をしないようにやりたいなと思います。
ー夏の練習で力を入れた部分は
短い期間だったんですけど、体の力強さっていうのを一番に意識しました。バット振るのも投げるのも自分の体なので、まずは体をしっかり作っていこうと心がけました。
ー北海道キャンプについて
涼しかったので非常に過ごしやすかったですし、その中でJR東日本やトヨタ自動車などの強いチームとの試合で最少失点に抑えられたのはバッテリーとしても良かったのかなと思います。
ー母校である日本文理高校が甲子園に出場されました
練習があったのでなかなか試合は観ることができなかったんですけど、速報はすごく気にしていましたし録画して試合を観たりもしました。やっぱり自分の母校が甲子園に出ているというのはすごく励みになりますし、自分も頑張らなきゃいけないなと思いました。
ー大井道夫監督が率いる最後の夏でした
野球離れたらいいおじいちゃんなんですけど、いろんなことを指導してくれましたし大井監督に言われたことが今となっては生きてるなと思います。自分が高校生のときは怒られれば態度に出てしまうことも「何言ってんだ」と思うこともあったんですけど、大学に入って青木(久典)監督や真木(将樹コーチ)さんと話したりする中であのとき大井監督に言われたことが自分の土台になっているなと思います。
ー飯塚(悟史,現横浜)投手の活躍はどうご覧になっていますか
やっとこないだ一つ勝てたので、そういった部分では僕たちよりも本人が一番ホッとしていると思います。初めて投げた試合は観に行ったんですけど、5回無失点でいいピッチングをしていますしこれからローテで投げていけるように頑張っていってもらいたいですね。
ー現在のご自身の調子は
決してよくはないですけど一回落ちたら上がると思うので今落ちるところまで落ちてると思って、これから体調面からしっかり調整していきたいと思います。
ーこの秋鍵を握るピッチャーは
どっちが1戦目投げるか分からないですけど、長谷川(裕也,経4)さんだったり菅野(秀哉,キャ3)だったり頭で投げるピッチャーがしっかり試合を作らないと絶対勝ちには結びつかないと思うので、先発するピッチャーが鍵を握っていると思います。
ーどんなリードを心がけていきたいですか
意図のないボールは打たれてしまうと思うので、そういった部分で誰が出てもバッテリーとして意味のあるボールで勝負したいです。そうすれば攻めの投球にもなると思いますし、逃げないでバッテリーでしっかり話し合ってやっていきたいと思います。
ー同学年で同じポジションである中村浩人選手の存在は
一人でやるよりは一緒に刺激し合ってやれたほうが絶対いいですし、お互い持ち味が違うのでいいところを吸収し合ってやっていけたらいいなと思います。
ーこの秋は四年生とプレーする最後のシーズンとなります
今の四年生は一年生のときから良くしてもらいましたし、今もすごい話しかけてコミュニケーションを取ってくれるのでなんとか四年生と一緒に優勝したいなという気持ちが強いです。
ー一番お世話になった四年生はどなたですか
藤森(祐太朗,法4)さんですね。学部も一緒ですし、バッテリーとしても話すことは多かったので藤森さんにはすごくお世話になりました。
ーこの秋の個人の目標は
無駄な失点を防ぐとかなかなか結果には出にくい部分にはなると思うんですけど、ピッチャーに気持ちよく投げてもらえるようにやっていきたいです。バッティングではなんとか1本ホームラン打ちたいなと思ってやっています。
ーチームが優勝するために必要なことは
ピッチャーが0で抑えてもバッターが打てなかったら勝てませんし、ピッチャーが打たれてしまってもバッターが取り返してくれれば勝つことができるので投打のバランスと言いますかみんなで同じ方向を向いてやることが大事かなと思います。
ー秋季リーグへの意義込みを込めてファンの方に一言お願いします
春はスタートが悪くて最後まで尾を引いてしまったので、練習でも一発目を意識してやっているのでまずは初戦から良い状態で入れるようにやっていきたいです。これだけ優勝していない中でも大勢の方がスタンドに足を運んでくれているのでなんとか勝ちという形で恩返しをしたいです。
(取材:下河辺果歩)
法学部3年 1996年4月26日生まれ
新潟県出身・日本文理
167cm72kg 右投右打
昨季は開幕スタメンを獲得し1年春以来のリーグ戦出場を果たすと、勝負所での1発でチームの勝利に貢献した。投手の持ち味を引き出すクレバーなリードに期待がかかる。
中村浩人 捕手
ー春季リーグを振り返って
開幕から4連敗して、そこで優勝の可能性がほぼなくなって、その後引き分け挟んで6連勝という結果で、悔しいシーズンでした。
ー連敗の後、連勝ということで何かチームの中で変わったことは
4連敗で崖っぷちになって、チームが一つになったことと、ひとりひとりの勝負に対する意識が変わりましたね。
ー個人的にはどんなシーズンでしたか
悔しいシーズンでした。鎌倉がレギュラーでしたけど、誰が出ても一緒に切磋琢磨してきた仲なので、これからも一緒にレベルアップしていきたいです。
ー投手陣が変わったところは
ピンチでも落ち着いていて、自分に自信を持ってマウンドで投げているなと、受けてて思いました。
ー夏に取り組んだことは
技術もそうですが、特に投手とのコミュニケーションを大事にしました。人それぞれタイプが違うので、熊谷さんだったらこうだとか菅野だったらこうという具合に、それぞれの良いところを引き出せるようにしようと思います。なのでしっかり意思の疎通をとりましたね。
ーオールスターについて
暑かったです。地元の九州でプレーできたのは大きかったです。あとは、慶応の郡司(裕也)とか瀬尾(翼)さんとかとたくさん話をできたことが良かったですね。
ーオープン戦の調子は
オープン戦はそんなに特別打ってるわけではないんですけど、投手陣と捕手の協力で接戦をモノにできているので、良いかなと思います。
ー調子がいい投手は
結構みんないいんですけど、やっぱり菅野には期待してしまいますね。
ー菅野投手の良いところは
どんな場面でも表情に出すことなく、落ち着いて冷静でいられるところですね。
ーレギュラーのために必要なことは
配球の面だったり、打撃の面だったりですね。
ー今季の目標は
優勝ですね。個人的には開幕スタメンからフルで出て、ベストナインを狙っています。捕手がベストナインを取ることができれば自ずと優勝に近づくと思うので頑張りたいです。
ー今季のキーマンは
熊谷(拓也,キャ4)さん、長谷川さん、菅野ですね。
ー意気込みをお願いします
3年間お世話になった先輩とプレーできる最後のシーズンなので、どんな形でも優勝して、先輩のラストシーズンを有終の美で飾らせられるように頑張っていきます。
(取材:石川大悟)
中村浩人(なかむら・ひろと)
経営学部3年 1997年1月6日生まれ
熊本県出身・多良木
177cm75kg 右投右打
強肩がウリの捕手。昨季は出場機会が少ないながらも与えらた場面で役割を果たした。今季こそ正捕手としてベストナイン獲得、そして悲願の日本一を目指す。
伊藤寛士 捕手
―現在のコンディションについて
コンディションは悪くないんですけど、あまり試合には出れてないので、そこはどうかなという感じです。
―春季リーグを外から振り返って
最初連敗してから、連勝できたので、リーグ戦の最初の入りはすごい大事だと思ってます。バッテリーとしても(試合の)入り方は難しいと思うんで、データがない状態どれだけやれるかが重要かなと思います。
―ご自身が出場したフレッシュリーグを振り返って
フレッシュリーグは自分達が引っ張っていかなきゃいけない立場で、個人としても、二年生全体としても結果が良くなかったと感じてるので、もうちょっと出来たら良かったなと思います。
―なかなか出場が少ないですが、オープン戦を振り返って
少ない出場のなかで結果が残せたかっていうと残せていないので、少ないチャンスのなかで結果を残さないと試合には出られないことを感じました。
―ベンチ入りメンバーの捕手陣との差は
守備力が自分とは違うと思うんで、そこを追い付いていかなきゃいけないなと思います。
―普段監督から言われてることは
身体は変えていけと言われてます。もっとキレを出すことです。今までスピードについていけなかった部分があるので、バッティングにしてもスローイングにしても速い動きが出来るように練習してます。
―春季リーグ戦終了後、重点的に練習してきたことは
スローイングが一番の課題だったのでやりました。
―投手陣と話したことは
得意の球でどういう風に抑えたいかという投手の要望を聴いたりしました。
―何人もの投手の要望は覚えることは大変では
大変というか、一人一人特徴や色があるのでらそれは何となく分かってるので、どうやって投球術を組み立てていくかが勝負になると思います。
―新潟で行われたサマーリーグについて
サマーリーグは動けた方だと思うんで、良かったなと思います。
―良かったこととは
バッティングで、逆方向に強い打球が打てるようになったことは収穫になりました。
―後輩という存在について生活面等で変わったことは
特に変わらないですが、やっぱり下から抜かれちゃいけないなという危機感はあります。
―野球面で変わったことはないですか
プレーでは変わったことはないですけど、気配りというか言わなきゃいけないこともあるので、そこは気にしてます。
―期待の後輩は
佐藤(勇基、法1)ですね。佐藤は春は出てないですけど、この秋は何試合かチャンスあるかなと思ってます。同じ高校出身なので期待したいです。
―昨年の秋季リーグ戦を振り返って
何も分からないなかでリーグ戦出たので、ただがむしゃらに目の前のことをやってたなと思います。
―現在は去年に比べれば、周りが見えてますか
そうですね。要領が分かったので、少しは余裕を持てるようになりました。
―現在練習していることはスローイングですか
スローイングとバッティングです。打てるようになったことは右の捕手は貴重になので、目指したいです。
―伊藤捕手の理想像を改めて
やっぱり、捕手でも打線として機能するには捕手も打たなきゃいけないので、打てる捕手を目指してやっていきたいと思います。
―参考にしている捕手は
捕手は谷繁前中日監督みたいにならないといけないし、バッティングでは昔から自分のなかで小久保(元ソフトバンクなど)元選手や村田(巨人)選手のイメージがあるので、バッティングはやっていけたら良いなと思います。
―秋季リーグ初戦の明大の印象は
投手力はあると思うので、どれだけ失点を抑えて、少ないチャンスで効率良く点を取れるかだと思います。大味な試合にはならないと思います。僅差のゲームを勝てることが大事だと思います。
―そうなると捕手の役割は重要ですね
そうですね。バッテリーでどれだけ粘れるか重要だと思います。
―伊藤選手の配球のスタイルは
真っ直ぐで押してくタイプなので、その中でインコースアウトコースっていうコーナーワークをやっていこうと思います。
―秋季リーグの個人とチームの目標は
個人としてはリーグ戦のメンバー入りしなきゃいけないので、ここからどれだけアピールしていくか重要だと思います。
―具体的なアピール方法はバッティングですか
バッティングでアピールしたいと思います。
―最後にこれからの意気込みを
なかなか出番がなかったんですけど、ここからどうやってアピールするか重要だと思うので、自分ができることを精一杯やって少ないチャンスで結果が出せれば良いかなと思います。
(取材:藤原陸人)
伊藤寛士(いとう・かんじ)
文学部2年 1997年6月2日生まれ
愛知県出身 中京大中京
172㎝95㎏ 右投右打
昨秋はスタメン出場もあったが、昨季は、中村浩や鎌倉にポジションを奪われた。課題のスローイングと打撃を改善し、「打てる捕手」を目指す。