【ハンド】平成29年度全日本学生ハンドボール選手権大会 二回戦 法政大30‐29中部大 松岡寛尚が決勝弾!11年ぶりのベスト8進出!
平成29年度全日本学生ハンドボール選手権大会 二回戦 法政大‐中部大
2017年11月4日(土)
いしかわ総合スポーツセンター
11年ぶりのベスト8をかけた二回戦。一回戦同様序盤から苦しい戦いとなったが、徐々に点差を詰めていき後半残り19秒法大ボールでタイムアウト。残り時間を有効に使い、ブザーと同時に松岡寛尚(経2)が勝利を決める得点を挙げた。劇的勝利で準々決勝へ駒を進めることとなった。
試合結果
トータル試合結果
30 法政大学 |
13 | 前半 | 16 | 29 中部大学 |
---|---|---|---|---|
17 | 後半 | 13 |
メンバー
背番号 | スタメン | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 | 得点 |
1 | GK | 深井亮太 | 理工3・浦和学院 | 0 | |
2 | CB | 山本晃大 | スポ健2・大分雄城台 | 0 | |
3 | CB | 山本祐輝 | 社会2・浦和学院 | 9 | |
4 | ○ | RW | 竹野恭平 | 社会4・法政二 | 0 |
5 | 斎藤航大 | 経済4・浦和学院 | 0 | ||
6 | ○ | PP | 下條輝 | スポ健4・法政二 | 1 |
8 | ○ | CB | 福本直也 | 経済3・法政二 | 0 |
9 | RW | 本田拓海 | 社会2・法政二 | 0 | |
10 | 黛祐貴 | 経済3・富岡 | 0 | ||
11 | LB※ | 沖山葉太 | スポ健3・法政二 | 2 | |
12 | ○ | GK | 仲村充 | 社会3・藤代紫水 | 0 |
13 | 服部流征 | 経済2・高岡向陵 | 0 | ||
15 | ○ | LB | 松岡寛尚 | 経済2・藤代紫水 | 12 |
18 | ○ | RB | 内門竜之介 | 経済4・鹿児島工業 | 3 |
19 | 田島走 | 社会3・藤代紫水 | 0 | ||
20 | ○ | LW | 高間アミン | 経済4・富岡 | 3 |
※はDF専門での出場
戦評
今日の立ち上がりも苦しいものだった。試合開始後、中部大の低い位置でのディフェンスに対応することができず攻めあぐねる。さらにペナルティースローを2本与え確実に決められると、開始7分で1-6。幸先の悪いスタートを切った。しかし、法大はすぐさまタイムアウトを取り立て直しを図る。「センターが打てる人じゃないと相手を攻め崩せない」(松岡)。相手DFのタイプを見極め選手交代を行うと、松岡寛尚(経2)や山本晃大(スポ2)のロングシュートが次第に決まり始める。さらに交代で投入された山本祐輝(社2)が得点したのを皮切りに、松岡、下條輝(スポ4)が連続でDFからの速攻に成功。15分時点で8-9と一気に1点差にまで詰め寄った。このままの勢いに乗りたいところであったが相手も黙っておらず再び点差を離され、フローター陣の健闘むなしく13-16。3点のビハインドを負い、前半を終えた。
後半もまた中部大のペースで試合が始まった。相手エース・坂元孝一の威力あるシュートを防ぐことができず、再び点差を5点差に広げられてしまう。しかし、今大会絶好調の松岡や、ロングシュートを武器とする山本祐が中心となり反撃。必死で食らいつく。その後は理想的な形で得点を重ね粘り続けるも、離された点差は一向に縮まらない。しかし、法大に流れはやってきた。47分に高間アミン(経4)がサイドから放ったシュートは、相手GKの足の間を縫いネットを揺らす。そして、ここからは怒涛の展開だった。沖山葉太(スポ3)が速攻を決め、1点差に。その後、相手ボールを奪い速攻をしかけたのは主将の内門竜之介(経4)だ。内門が勢いよく放ったシュートはしっかりゴールを捉えた。これにて今試合初の同点へ追いつき、会場は大歓声に包まれた。そして52分の松岡のジャンプシュートで逆転を果たし、勢いが最高潮に達した法大はさらに快進撃を続ける。松岡が側転しながらシュートを決めるスーパープレーで会場を沸かし、続いて山本祐も速攻で追い打ちをかけた。たまらずタイムアウトを取った中部大は、パワープレーを敢行する。しかし、山本祐がすぐさまカットでボールを奪うと、GK不在のゴールへと叩き込み、29-26。大逆転を果たした。しかし相手エース・坂元が最後の反撃にでると、29-28と再び1点差に。残り30秒で放たれたミドルシュートを内門が決死の守りで防いだものの、その10秒後に坂元のシュートがゴールの中へ。残り20秒で再び同点へと 追いつかれてしまった。タイムアウトにより呼吸をそろえ、迎えたラストプレー。松岡がブザーが鳴る直前にボールを相手ゴールへと叩き込んだ。法大の勝利が決まった瞬間だった。
明日対戦する国士大は、秋季関東リーグ戦で全勝優勝を果たした強敵である。今大会においては、ここまで接戦が続く法大とは対照的に、点差をつけ余力を残した状態で勝ち上がってきている。しかし、秋リーグでは互角の戦いを繰り広げた相手だ。勢いそのままに勝利をつかんでほしい。(飯島愛未)
監督・選手コメント
内門竜之介
—試合を振り返って
昨日の反省も踏まえて、前半の出だしをしっかりしようという話をしていました。ただ、会場の雰囲気にのまれてしまったのと、緊張もあって少し固くなってしまったのは反省点ですね。
自分たちのムードでやれれば絶対に逆転できると思っていました。そこまで焦ってはなかったですが…半分半分ですかね(笑)。
自分が決められればという場面でシュートを外してしまいました。そういう詰めが甘い部分は課題として認識しています。
残り19秒という所で、時間を使いながらサイドクロスをして、最終的に松岡の前を広くすることを狙っていました。松岡は今調子が良くて、あの場面も時間を見ながら良いタイミングで打ってくれたので良かったです。
4年生でもベンチに入れない選手が結構いて。そういう選手たちの思いも背負ってコートに立っていますし、全員の力で戦っていければと思います。法政は雰囲気が大切なチームです。負けていたとしても、自分たちの雰囲気を出せるようにやっていますし、得点後に客席へガッツポーズをしているのも、全員で戦っていければという意味です。
国士大には関東リーグで対戦していますし、秋は1点差で負けた相手です。トーナメントですし、とにかく勝ち切ることを目標に頑張ります。
高間アミン
ー今日の試合を振り返って
昨日と同様、立ち上がりが良くなかったんですけどチームで声をかけて立て直すことが出来ました。最後はチーム力でした。チーム力で勝った試合だと思います。
得点は悪くなかったと思います。松岡と(山本)祐輝が点を決めてくれていたので。ディフェンスで相手のエースの11番に点を決められていたのでマークを徹底してみんなで足を動かしてやろうという話をしました。それからは相手のパスミスとかを速攻につなげることができたので、それが勝因だと思います。
サイドから攻めることができなかったというよりはフローターが今日は頑張ってくれた試合だったと思います。
インカレは一発勝負なので。最後ですし、せっかく大きい会場でやっているので盛り上げたもん勝ちだと思っています。他の選手が決めた時も盛り上げるようにしています。こっちのいい流れにしたいので。
素直にうれしいです。これで満足せずに明日の国士大戦に臨みたいです。リーグ戦で国士大には1点差で負けたのでリベンジする思いで全力で戦いたいです。
法政らしい雰囲気でチーム一丸となって勝てたらと思います。
遠いところまでありがとうございます。次も勝つんで応援よろしくお願いします。
沖山葉太
―まずは勝利おめでとうございます
ありがとうございます。1年生や2年生の時は接戦で負けていたので、率直にものすごく嬉しいです。
―今日勝てた要因は
応援してくれた人たちの力がすごいです。わざわざテニス部の知り合いが金沢まで来てくれて、彼がすごい応援をしてくれたので声を聞くたびに頑張ろうという気持ちになりました。僕たちが負けるまで来てくれるので感謝しかないです。
―これでベスト8以上が確定しましたが
高校の時は全国でベスト8以上というのは、経験しているんですけど、大学の全国大会であるインカレでここまで勝てるというのは今どう過ごしていいのかわからないです(笑)。 高校とはまた雰囲気が違うので、一勝の重みが違います。
―初めて戦った中部大は
みんなでビデオを見て、相手の11番の選手がキーマンになってくるという話が出てて、その選手に対してマークを厚くしていこうという話になりました。しかし、最後11番にやられてしまったのでそういった面を明日の試合までに修正していきたいです。
―前半で点が取れなかった要因は
相手のシステムというか、相手の中央に大きい選手がいてセンターがあまり打てていなかったので、そこを山本祐輝に変えたことでうまくハマりました。相手に合わせてみることも大事だなって今日の試合で学びました。
―明日に向けて
秋リーグではいい試合したので、相手はリーグ戦優勝校ですけど気持ちで負けることは絶対ないようにしていきます。
松岡寛尚
―今日の試合を振り返って
昨日のミーティングで出だしを良くしようと話をしていたんですけど、今回も悪かったです。やっぱり出だしが悪いとどんどん足が動かなくなるので、それで悪い流れになってしまいました。でもそこからしっかりと立て直して粘り勝てました。法政らしい試合ができたと思います。
―昨日は9m外からのシュートで苦戦するのではないかとおっしゃっていましたが、実際に対戦してみて
やっぱり(相手チームは)大きいので、今日は顔の横や脇の下から打つシュートが多かったです。昨日の中部大の試合のビデオを見て、今日は元からランニングシュートを狙おうと思っていました。それがしっかりとポイントとなるプレーができたので、狙い通りに攻めることができました。
―序盤は攻めづらそうに見えました
センターの福本さんはポストを使うのが上手いんですけど、今日は相手が引いていてポストに(ボールを)落とせなかったです。絶対にセンターが打てる人じゃないと相手を責め崩せないので、途中でベンチに(山本)晃大と代えるように言いました。その後はロングシュートがうまいので(山本)祐輝に代えて、それが初めよりは良かったのだと思います。ちょうど作戦通りにいきました。自分がシュートを打ちにいって(ディフェンスが)寄ったら、祐輝にパスを出せたので、今日は自分と祐輝が得点を稼げました。
―ベスト8が決定しました
嬉しいですね。今日は絶対に負けたくなかったので全員で勝てて嬉しいです。4年生との最後の大会なので、1つでも多く試合をしていきたいです。
―スーパープレーも飛び出しましたが自身のプレーを振り返って
自分のプレーですか(笑)。自分らしさは出せたので良かったと思います。
―試合後半の盛り上がりについて
うちのチームは盛り上がれば本当に盛り上がるんですけど、雰囲気が悪いとどんどん悪くなっていってしまいます。でも結構派手なプレーをすると盛り上がるので、それは意識していました。
―試合終了間際のタイムアウトは
とりあえずラスト19秒残っていて、早打ちをしたら相手に逆速攻で決められてしまう状況でした。勝つことより負けないことを考えるのが基本なので、時間をしっかりと使って攻めようと話しました。それで最後を誰が打つかという話になった時、今日は自分と祐輝の調子が良かったので「自分が打ちます」と言いました。(高間)アミンさんも「松岡に打たせた方がいいと思う」と言って下さったので、それで最後行きました。
―明日の試合に向けて
国士舘は秋リーグで全勝優勝をして、今一番勢いのあるチームです。今日も早稲田に大差で勝っていたので。でも秋リーグで負けてしまったんですけど、1点差だったので全然勝てると思います。強みを出していけば絶対に勝てると思うので、リラックスして勝ちにいきたいと思います。
フォトギャラリー
- 11年ぶりのベスト8に向けて円陣を組む
- この日は攻撃時フル稼働の下條
- 沖山のワンマン速攻からの得点でチームに勢いをもたらした
- 山本祐はロングシュートで得点を量産し高校時代の借りを返した
- 福本のゲームメイクに明日も期待
- 松岡は2桁得点&決勝点の大活躍
- 同点で迎えたタイムアウト。松岡の決勝点を生んだ
- 試合終了の瞬間のベンチ