【ボクシング】第71回関東大学部リーグ 対日体大戦 ギリギリ勝利。快進撃に黄色信号か?
第71回関東大学2部リーグ戦
2018年6月23日(土)
後楽園ホール
開幕戦から怒涛の快進撃を見せた法大。しかしここに来て日体大がその快進撃に待ったをかけた。接戦を制したものの、課題が浮かび上がってきた法大。果たして次回の平国戦そして入れ替え戦に勝利し、一部昇格となるかの厳しい戦いが始まった。
試合結果
トータル試合結果
4 法政大学 |
3 日本体育大学 |
試合結果
階級 | 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|
LF | ● | 馬場叶人(営1) | DSQ(R32:50) | 佐野義則 |
F |
○ | 大橋洸(文3) | 5-0(29-28、29-28、30-27、29-28、29-28) | 高島瑛滉 |
B | ○ | 高山涼探(法4) | RSC(2R2:35) | 須藤龍揮 |
L | ● | 貫井侃偉人(法2) | 0-5(28-29、28-29、28-29、27-30、27-30) | 堀尾裕司 |
LW | ○ | 佐藤眞男(法3) | 5-0(30-27、30-27、30-27、30-27、30-27) | 仕入拳汰 |
W | ● | 佐藤脩斗(法1) | 2-3(26-29、28-27、28-27、27-28、28-29) | 小松竜也 |
M | ○ | 森脇唯人(法4) | 5-0(30-27、30-27、30-27、30-27、30-27) | 藤村拓弥 |
戦評
まずはLF級は馬場(営1)。序盤から激しい攻撃を受け、攻撃もできずに反則負けとなった。F級は久々の出場となった大橋(文3)。序盤こそ不安な要素が見られたが、2R以降は以前のような激しい攻撃主体のボクシングへと無事修正し、見事判定勝ちを収め復帰戦初勝利を飾った。
続くB級は高山(法4)。序盤から激しい打ち合いを行ながら冷静にダメージを相手に与え、二度のダウンを奪い見事RSC勝ちとなった。だがL級で第一関門が発動した。貫井(法2)は華麗なステップで相手を翻弄するも、積極的に攻撃をおかなわず判定負けとなりチームスコアは2対2となってしまった。この関門を打破したのがLW級の佐藤眞男(法3)だ。序盤から激しい打ち合いを仕掛けて圧倒的な内容で勝利をもぎ取り、無事チームを敗戦の危機から救った。次はW級の佐藤脩(法1)。力強い攻撃を狙うもクリンチを使われ思うように攻撃ができず判定負けとなり、チームの勝敗は主将でエースの森脇に託された。
ここで予想外の事態が発生した。森脇の攻撃がことごとくかわされるのである。これに焦った森脇は大振りのフックを放つもかわされてしまいロープへとスリップしてしまった。結果的には判定勝ちを収めたものの、課題が浮き彫りになってしまった。
ここまで恐れ知らずの快進撃を繰り広げてきた法大にまさかの黄色信号が点灯した。ここでの課題克服が平国大との決戦に打ち勝ち、入れ替え戦で一部昇格への大きなカギとなるだろう。
監督・選手インタビュー
頴川徳夫 監督
-試合を振り返って
今回は主力選手と補欠選手で選手交換するところで、十分選手が揃わなかった点でいくつかの不安要素を持って挑んだ日体大戦でした。今回は大橋洸の今季初試合となったので、その点は少し心配しましたが、結果的には勝てたので良かったなと思います。
ー今日の大橋について
足を止めて打ち合うシーンが多かったのでもう少し足を使えば、パンチを貰わずに攻撃が継続できたのではないかなと思います。彼はパンチ力のある選手ですので、どうしても打ち合いに挑んでしまいがちですが、その辺は賢く攻めるボクシングを掴んでほしいと思います。
ー高山のRSC勝ちについて
高山涼深はボクシングを考えながらできる選手ですので、そういった点では日頃の練習の成果が出たのではないかなと思います。彼の持ち味である利き手ではないパンチでしっかり攻撃を作り上げられた点は彼らしい良い勝ち方だったと思います。
ー貫井について
今日は攻撃が足りな過ぎたなと思います。レフェリーからも攻撃の指導は受けていましたし、その点においてはボクシングの持つ本質である攻撃というものに立ち返ってボクシングを組み直してほしいです。できない選手ではないので、打った後に足を使って離れることを何のためにやるのかを忘れてしまっていると思います。次の攻撃をするために離れるわけですが、切り抜けるところで満足し、下がった足を二歩三歩と後ろに進めてしまうので、一歩引いた瞬間に攻撃に切り替えるボクシングを期待したいと思います。
ー佐藤眞について
彼のボクシングはチーム成績がどのような状態であれ、彼流の戦い方になると思います。今日のボクシングもしっかり腹からの打ち分けができてましたので、良かったなと思っています。あそこで彼が勝ってくれないとチームとしての負けも連想される状況でしたので、彼は良い仕事をしてくれたなと思ってます。
ー佐藤脩について
戦い方がは改善されましたが、もう少し積極的にいってほしかったです。今日は勝ちを取らないといけない試合だったなと思います。2対3でゲームを取るか取らないかは非常に大きいという事をしっかり自分で気づいてほしいと思います。良くやったではなくて、勝たないとだめです。何のために頑張っているかしっかり見つめ直して前回から成長しただけで満足しないで更にさらにと思っております。がむしゃらでひたむきな攻撃心を会場、審判、そして我々も期待していたので、それにしっかり応えられるような攻撃のボクシングをしてほしいと思います。
ー森脇について
勝ったという結果においては良かったと思います。しかし彼は勝ち方といった面でいろいろな方の目が注がれていると思います。オリンピックやアジア大会出場においてこの人間がふさわしい人間かという点では課題があったと思います。今までは勝てば褒められましたが、チャンピオンになってハードルが上がってきたそれをしっかりと受け止めてふさわしい人間であってこそ東京五輪出場があると思います。
ー最後に一言
平成国際にどう勝つかという事と、その翌週の入れ替え戦でどう戦うかという事がある意味今日の日体戦から描かれているのですが、一人として気持ちにゆるみが出るとそこに弱い気持ちが集まるので、今の状態に満足することなく全員が最終目標をしっかり共通認識して挑むという事が一部昇格への最低必要条件だと思います。一部に戻るという事が目的ではなくて、戻ったうえでAクラス優勝という形にならないといけないので、そこまで我々が到達するにふさわしいチームであるかをチーム、メンバー、コーチ監督、サポーターの皆さんで共有して謙虚に受け止めてしっかりと残り二戦勝ち抜きたいと思います。
森脇唯人(法4)
ー試合を振り返って
本当に反省点だらけでした。勝つ試合でも反省点は必ずあるのですが、今回は自分はそういう気持ではなかったのですが、天狗になっており長い鼻が折られた気分です。
ー勝敗が決まる試合だったが
応援に来ている方でKOに期待している方も多いですし、そういうイメージがあると思うので今回は空回りしてしまったのは反省点でした。
ー対戦相手の印象は
まだ1年生出すが、スピードもあり経験を積めば良くなるなと思います。
ーキャリアの転換期になった
こうして試合に勝っていて全然ダメなのは相手の選手にも失礼なのでそこは自分の反省でいっぱいです。
ー部員について
向こうも盛り上がりと勢いがあるので、そこに飲み込まれないようにしっかりと自分たちのボクシングを貫いたんじゃないかなと思います。
ー今後について
今回見えた課題と反省点を練習して自分の実力を出せるように頑張っていきます。
ー最後に一言
最終戦が残っているので、最終戦に向けて部員の個々の意識を一つに固めて皆で一部昇格を勝ち取りたいなと思います。
大橋洸(文3)
ー今日の試合を振り返って
久しぶりの試合で動きも不安な部分がありましたが、最後は押しきれてよかったなと思います。
ー動きの変化について
徐々に緊張がほぐれていきましたが、序盤は相手に合わせて打ちにいったので、それでパンチをもらい不安な試合になったなと思います。
ーディフェンスについて
ディフェンスはガードだと見栄えが悪いので、気持ちが乗ってこなかったので打ちにいきました。
ー最終ラウンドについて
監督には足を使えといわれましたが、打ち合いにいきました。
ー1年生について
とても頼りになる選手が多いです。自分がいなくてもいける選手だと思うので、そこで自分のF級の座を取られないようにしたいと思います。
ー今季の目標は
メダル獲得と全勝です。
ー最後に一言
平国戦ではヘタレな試合をせず、パンチを貰らわずに倒す試合をしたいと思います。
佐藤眞男(法3)
ー勝敗を分ける状況での試合だったが
本来は仮にLF級を落としてもF級、B級、L級で勝ちを取って自分で終わるといったプレッシャーのかかる場面で戦うので、自分にはもってこいだと思いました。
ー試合展開について
勝ち方にこだわらなくてはいけないと思っているので、攻め急いだところは反省点ではありますが、1Rから倒しにいこうと意識しました。
ーディフェンスについて
相手は小技もうまくてところどころ貰ってしまったなと思いました。
ー相手の印象は
自分の想定した相手でW級の相手と戦ったのでいつもより体の大きい相手でした。そういう点でパワーで押しきれなかったです。
ー大橋の初出場について
チームに絶対に不可欠な存在です。減量が苦しくて時間がかかってしまいましたが、最終戦と入れ替え戦は大橋洸がいなければ絶対チームは勝てないので、彼と一緒に減量頑張りたいと思います。
ー佐藤脩について
真面目な子で、先輩の意見をしっかり聞いて努力するような良い奴です。これから先どんどん強くなると思います。
ー意気込み
目標は勿論一部復帰とメダル獲得です。去年の平国戦は自分の負けでチームが負けてしまいました。その時の相手と戦うことになると思うので、圧倒的な力の差を見せつけてリベンジしたいなと思い余す。
フォトギャラリー
- 果敢に攻めた馬場
- 今季初勝利の大橋
- 冷静にパンチを打つ高山
- フットワークで相手を翻弄し、的確なパンチを打つ貫井
- チームを敗戦の危機から救った佐藤眞
- 力強いパンチが持ち味の佐藤脩
- チームを勝利に導いた森脇