【ラグビー】関東大学リーグ戦 対拓大 「流れを変えることができた」自慢の攻撃力がさく裂。快勝を収める!!
関東大学リーグ戦
2018年10月6日(土)
秋葉台公園球技場
上柚木で味わった”専大ショック”を吹き飛ばす快勝だ。
関東大学リーグ戦1部が6日に秋葉台公園球技場などで行われた。法大は拓大に60-17で快勝した(2勝1敗、勝ち点9)。前半、拓大に先制を許すがFL山下憲(社2)の2トライなどで逆転。26-5で前半を折り返すと、風上に立った後半はキックを有効に使い陣地を稼ぎトライを連発。終わってみれば、大量得点をあげ拓大を突き放した。この試合のMOM(Man Of the Match)にはFL山下憲が選ばれた。なお、同日には法大の他に東海大が勝利した。
法大は20日(14時00分キックオフ)にセナリオH三郷で日大と対戦する。
6日の関東大学リーグ戦1部
法 大 60―17 拓 大
東 海 大 78― 5 中 大
試合結果
トータル試合結果
60 法大 |
26 | 前半 | 5 | 17 拓大 |
---|---|---|---|---|
34 | 後半 | 12 |
ポイント詳細
4/5 | T | 1/2 |
---|---|---|
3/3 | G | 0/1 |
0/0 | PT | 0/0 |
0/1 | PG | 0/0 |
0/0 | DG | 0/0 |
T:山下憲(2),根塚洸,金井/中村翔,斉藤,井上拓,安達,中井 G:金井(3)/金井(3) PG:金井 |
※前半/後半。Tはトライ、Gはコンバージョンゴール、PTはペナルティートライ、PGはペナルティーゴール、DGはドロップゴール。公式試合記録による
法政大学メンバー
No. | ポジション | 選手氏名 | 学部/学年 | 出身校 |
---|---|---|---|---|
1 | PR | 稲田壮一郎 | 社1 | 春日丘 |
2 | HO | 川越藏 | 現4 | 高鍋 |
3 | PR | 土山勇樹 | 社4 | 東福岡 |
4 | LO | 塩見伊風 | 社4 | 長崎北 |
5 | LO | ウォーカー アレックス 拓也 | 社3 | 東福岡 |
6 | FL | 吉永純也 | 経2 | 東福岡 |
7 | FL | 山下憲太 | 社2 | 長崎海星 |
8 | NO.8 | 山下太雅 | 現2 | 東福岡 |
9 | SH | 中村翔 | 経3 | 東福岡 |
10 | SO | 金井大雪 | 経4 | 深谷 |
11 | WTB | 井上拓 | 社3 | 御所実 |
12 | CTB | 呉洸太 | 社4 | 大阪朝鮮 |
13 | CTB | 根塚洸雅 | 経2 | 東海大仰星 |
14 | WTB | 斉藤大智 | 現2 | 黒沢尻北 |
15 | FB | 奈良望 | 社4 | 秋田工 |
16 | Re | 濱野隼也 | 社2 | 秋田工 |
17 | Re | 李承記 | 経4 | 大阪朝鮮 |
18 | Re | 菊田圭佑 | 経2 | 仙台育英 |
19 | Re | 安達武志 | 経2 | 報徳学園 |
20 | Re | ジョーンズ杏人竜 | 経2 | 札幌山の手 |
21 | Re | 根塚聖冴 | 経4 | 京都成章 |
22 | Re | 山根雄矢 | 経3 | 尾道 |
23 | Re | 中井健人 | スポ4 | 筑紫 |
交代選手
時間(分) | 退 | 入 |
後半15 | 稲田 | 李 |
〃 | 山下憲 | ジョーンズ |
後半32 | 中村翔 | 根塚聖 |
〃 | 根塚洸 | 山根雄 |
〃 | 斉藤 | 中井 |
後半33 | 川越 | 濱野 |
〃 | 土山 | 菊田 |
〃 | 山下太 | 安達 |
戦評
専大戦ではリードを守れず、ノーサイド間際に負けを喫した法大。目標達成へ、気持ちを切り替えて臨みたい拓大戦。 前半12分、拓大に先制トライを許してしまったが、同19分にFL山下憲太(社2)がラインアウトモールから飛び込みトライ、SO金井大雪(経4)のゴールも決まり7ー5とすぐに逆転する。その後、拓大のキーマンである外国人選手を低いタックルと2人以上かけてしっかり抑え込むと、同24分には大外にいた山下憲が再びトライを決める。同32分には今リーグ戦で中大戦以来の先発出場となったCTB根塚洸雅(経2)が抜け出し、ゴールライン真ん中に飛び込むと終了間際には金井もトライを決め、26ー5とリードして前半を折り返す。
前半2トライを決め、チームを逆転に導いたFL山下憲
勢いそのままにいきたい後半。先にトライを決めたのはまたもや拓大だった。しかし、後半10分にSO金井がペナルティーゴールを決め29ー12とすると、同13分にはが相手のボールを奪いセンターライン付近から一気に抜け出すと、SH中村翔(経3)にパスが渡りそのままトライ。ゴールも成功しどんどんリードを広げていく。その後、拓大からの攻撃を受けるも集中力を切らすことなく攻め続けた法大。風上に立ち、金井のキックで陣地を稼ぐキックで終始戦いを優位に進めると、同19分にはWTB斉藤大智(現2)が華麗なステップでトライを決める。WTB井上拓(社3)、途中出場のNo.8安達武志(経2)とWTB中井健人(スポ4)がさらに立て続けにトライを決め、60ー17でノーサイドを迎えた。
後半、風上を活用しキックで陣地を稼いだSO金井
拓大戦を勝利で終えたが、今季の目標である『日本一』を達成するためには最低でも選手権出場が必要だ。これからの試合は1試合も負けられない。次戦の日大戦に向け、今日見えた課題を修正し、目の前の一戦をチーム一丸となって戦ってほしい。(春名結衣)
The Featured Hoseirugby Player
土山勇樹(社4,PR)
(セットプレー、ブレイクダウンで闘志を燃やす男)
春大会はケガで出場できなかった法大FWの支柱、土山勇樹(社4)が今季は大きな存在感を示している。前半24分には土山のビッグゲインからトライに繋がった。「自分が倒れずにゲインすることでチームメイトも前に上がるのでいけるとこまで行きました」と語るようにチームへの献身的な姿勢は随所で輝きを見せる。今季から外国人留学生の同時出場枠が1人増え、3人になったことで体の大きく、スピード感のある選手と対峙することが増え、苦戦することも多くなった。同様に拓大も2人の外国人留学生が出場しており、苦戦が予想された。しかし、詰めのタックルやラインアウトモールでのトライなどそれぞれに対策を講じて挑むことで、相手に本来の動きをさせなかった。「個人の成長をチームに還元したい」と語り、最終学年として最後のシーズンを迎え、練習できる時間も限られている。だが、より一層の成長で目標の”日本一”にチームを導いてくれることを大いに期待したい。(岡田一希)
今季もセットプレー、アタック時で存在感を示しているPR土山
監督インタビュー
島津久志監督
―快勝となった試合を振り返って
自分たちがやろうとしていること(前に出てディフェンスするなど)が出来ていたから、こういう結果に繋がったんでしょう。だけど、もっと(トライを)楽に取れるシーンとかあって、スローフォワードで好機をつぶしていた。選手にも言ったんですけど、「楽に(トライを)取れるシーンで(トライをとれなかったこと)課題にして練習していこう」と話しをしました。
―専大戦の敗戦から立て直したのか
先週私がいなかったので、選手にヒアリングすると「気落ちしている部分はない」と言っていた。現代っ子の良いところなのか分からないけど、「チームの雰囲気も悪くない」と言っていたので、その点は心配せずに気持ち切り替えてやった結果がこういうことになったと思います。このままシーズン中盤になってきているので乗り切っていきたいなと思います。
―前半先制されるもFL山下憲太選手(社2)のトライなどで逆転しましたが
前半5分から10分見ているときに「硬いな」と思った。専大戦のビデオを見ると、硬い感じで試合に入っていたから「大丈夫かな」と思ったんだけど、自分たちで流れを変えることができた。試合を重ねるごとにそういうことが出来てきているので、今後さらに良くなるといいかな。
―後半は風上に立ったことでSO金井大雪(経4)選手のキックを中心にゲームを作ったように見えたが
キックの練習も夏合宿終わってぐらいから取り入れてます。元々、(金井)大雪のセンスもあるんですけど(笑)。前半は耐えて、後半は陣地を稼ぐということで、うまくはまったという感じですね。
―一方、相手FWに外国人選手が2人いるなか、FWはセットプレーに苦戦しましたが
結局、『自分たちのミスで反則を犯して、ペナルティキックで蹴られて、トライを取られる』といういつもの失点パターンで、ああいうパターンに持ち込まないように練習してきたのに、反則からトライを取られちゃうのは今後の課題ですね。
―ということは、今日の課題はFWのセットプレーになりますか
グラウンドのせいにしてはいけないけど、人工芝のなかでスクラムを組むのは酷だったかなと思う。だけど、相手も同じ条件で組んでいる。そのなかで、法大がスクラムペナルティが多かった。それらを課題に2週間やっていければいいなと思います。
―BKではCTB根塚洸雅選手(経2)が攻守にわたり活躍しましたが
あいつ(根塚洸雅)はWTBでもCTBでもFBもどこでも出来るから(笑)。今回に関しては、ドンピシャだったかもしれないですね。結構はまった感じでよかったと思います。
―次戦の日大戦も外国人選手を中心としたFWのチームという印象がありますが
今日の拓大と似ているような感じ。もっとFWが一つになって来るでしょう。でも、僕らがやってきたことをやるだけなので、やってきたことをどれだけ出せるか。頑張っていきますよ!(笑)
―昨季の上位3校(大東大、東海大、流通経大)の連戦前の最後の試合の日大戦に向けて一言お願いします
自分たちがやってきたことを100%出せれば、三校とも互角に渡り合えると思うしそれなりの練習をしてきたつもりです。日大戦も同じように戦って、またそこで出てきた反省点を大東大戦に向けて(修正する)と。「ちょっとずつちょっとずつでもステップアップしていこう、レベルアップしていこう」と言い続けてきたので、今日100%の力を出せれば、次に今日より1%でも出せれば、101%になる。後退することなくやっていければいいんじゃないかなと思います。
ノーサイド後満足げな表情を浮かべた島津監督
選手インタビュー
川越藏(現4,HO,クラブリーダー)
―今日の試合を振り返って
専大戦の課題であるブレイクダウンのところをこの2週間で修正して、今日はコンタクトエリアで拓大さんをドミネート(支配)することができたので良かったです。
―今日のチームの雰囲気はどうだったか
もちろん自分たちの目標を達成するために落とせない大事な試合だったので、今日は本当に(この試合に)かけてる思いがみんないつも以上にあったと思いたす。
―セットプレーについて
スクラムが最初の方は反則が多かったんですけど、マイボールは前向きなスクラムが組めたと思います。ただ個人的にはラインアウトの方がちょっと不安定だったのでこの1、2週間で修正していきたいと思います。
―外国人選手への対策は
早めに向こうのキーマンというか流れに乗るのが外国人だと分かっていたので、そこを狙ってしっかりとドミネート(支配)する外国人選手から逃げないっていうのを掲げています。やっぱり掲げた通りに早めに一人外国人選手がけがで退場したので、相手の強みを潰すことができたかなと思います。
―相手のラインアウトであまり競らなかったが
ボールを展開しながら継続した結果ですかね。
―先日の専大戦に負けてそこからチームをどう立て直したのか
やっぱり自分たちの目標を見失わないことをミーティングで話して、(専大戦は)マストで勝ちたい試合であったんですけど、選手の気持ちを落とさないように、自分たちの目標をしっかりもう一回確認して意識を高く立て直しました。
ー日大戦に向けての意気込みをお願いします
また選手権に向けて、選手権につなげるために大事な一戦になるので、そこをしっかり勝って、トップ3(大東大、東海大、流通経大)にしっかりとチャレンジができるようにいい流れでいきたいなと思います。
HOとしてセットプレーの絶対的リーダーである川越
土山勇樹
―今日の試合を振り返って
専大戦が終わった段階で個人的に「ディフェンスのタックルが課題だ」と言われていて、全体練習後の個人練習で取り組んできました。タックルのクオリティは上がったと思います。
―相手の外国人選手に対して
体は大きかったのですが、自分がスピードを出して当たっていくことで、相手にスピードが無かったこともあってうまく止められました。
―SHの中村翔選手(経3)とスクラム前にコンタクトを取っていたが
(中村)翔はいつも自分に厳しいので「もっと頑張れ」だとか「しっかり押せよ」と声をかけられていました。(笑)
―4本目のトライの前のビッグゲイン
自分が倒れずにゲインすることでチームメイトのゲインラインが上がるので行けるところまで行きました。
―スクラムでの反則が多かった
1番側のコラプシングが多く、HOとも話したのですが前半は修正できずにいました。しかい、後半には修正できたかなと思います。
―ラインアウトについて
2人の留学生を警戒して、そこは外して取りに行こうと話していました。
―相手ボールラインアウトを競りに行ってなかった
自分と稲田(=壮一郎、PR、社1)がウォーカー(=アレックス拓也、社3)のコールについて行けてなかったです。自分たちPRのリアクションを改善したいです。
―ラインアウトモールでのトライについて
練習でずっと留学生の2人をずらしてゴールを狙うよう練習してきたので成果が出て良かったです。
―これからの試合への意気込みをお願いします
あと4試合残っているのでコンディションを下げずに個人で成長して、それをチームに還元出来ればなと思います。
4年生として体をこれからもチームのために身体をぶつける
金井大雪(経4,SO)
―今日の試合を振り返って
前半と後半の立ち上がりで相手のペースになりかけたところがあったんですけど、先週の反省のところで、自分たちのペースに持ち込めて、良い展開に持っていけたので良かったです。
―専大戦の反省点とは
早い段階で攻撃にミスがあってそのミスから、トライを取られたり、内側にディフェンスの押し上げが弱くて、相手にプレッシャーをかけられなかったシーンが多かったことです。そこにフォーカスして、残り2週間継続してきたからこそ、トライを取れました。
―専大戦後、BKでおもに練習してきたことはディフェンスで相手にプレッシャーをかけることですか
ディフェンスで相手にプレッシャーをかけることと、内側から流していくところの使い分けです。内側の選手がプレッシャーをかけず辞めてしまうことがあったので、そこを全員内側からプレッシャーをかけていくことに重点置いて練習しました。
―後半風上に立ち、キックを多用したが、狙いは
点差的にもリードしていて、相手の強みはFWでのゴール前の攻撃だったので、そのエリアに入れさせないために、キックを使ってしっかり陣地を稼ぐことができて、ああいう展開になりました。
―今季、SOとしてどうBKを引っ張っていきたいか
外にスピードがある選手や、個人技を持っている選手がいるので、その選手に良い状態でボールをしっかり供給することと自分で攻めていくことの兼ね合い、陣地を稼ぐことのバランスをうまくやっていきたいなって思います。
―中村翔選手(経3)がトライを決めたあと、ポーズを決めてますが
あれはあいつ(中村翔)が好きなポーズらしいので、相手してやってる感じですね。
―今季の目標を最後に一言お願いします
選手権への切符はまだつながっているので、しっかり勝って(切符を)手に入れて、選手権で「日本一」という目標に向かって、歩みを止めないでやっていきたいと思います。
トライを決めるSO金井。周りを活かしつつ、自らも攻撃する
フォトギャラリー
- 後半トライを決めたWTB斉藤に抱きつくWTB井上拓ら
- 前半2トライを決め、チームを逆転に導いたFL山下憲
- 後半、風上を活用しキックで陣地を稼いだSO金井
- 2試合ぶりの先発出場で前半貴重なトライを決めるCTB根塚洸
- 献身的なプレーで貢献したLO塩見
- 土山とともにスクラムを支えるPR稲田
- HOとしてセットプレーの絶対的リーダーである川越
- 今季もセットプレー、アタック時で存在感を示しているPR土山
- 拓大のタックルに倒れないWTB井上拓
- トライを決めるSO金井。周りを活かしつつ、自らも攻撃する
- 後半、華麗なステップで相手を交わしトライを奪うWTB斉藤
- 後半点差がついた場面では、スクラムは圧倒していた
- WTB井上拓のトライを喜び合うLOウォーカーアレックス拓也
- 力強いプレーをみせたPR李
- 拓大の攻撃の軸である外国人選手を複数人で止めにかかる法大
- 試合終盤のHO根塚聖の速さは相手の脅威にになっている
- 途中出場ながらトライを決めたNo.8安達
- 後半終了間際トライを決めるWTBの中井
- ノーサイド後満足げな表情を浮かべた島津監督
- 根試合MOMに選ばれ、表彰されるFL山下憲