【スピード】SBC杯第25回全日本距離別選手権大会 シーズン開幕2戦目!国内トップレベルの選手が集う大舞台で、本領発揮ならず苦しい戦いに…
SBC杯第25回全日本スピードスケート距離別選手権大会
2018年10月26日(金)~28日(日)
長野市オリンピック記念アリーナ(エムウェーブ)
今年も距離別という大舞台で熱い戦いが繰り広げられた。例年とは異なりシーズン開幕2戦目となった今年は、先週行われたジャパンカップ第1戦と同様に長野県のエムウェーブで開催された。ワールドカップの選考会である今大会に、法大からは長距離の2名が出場。しかし5000㍍では大竹拓三主将(文4)が17位、田中笑太(営3)15位とハイレベルな戦いの中で順位を伸ばせずに終わる。翌日に行われたマススタートレースには大竹が出場。11人中5位と健闘を見せた。
レース結果
個人成績 1日目
種目 | 成績 | 選手名(学部・学年) | 記録 |
---|---|---|---|
5000m | 15位 | 田中笑太(営3) | 6分49秒06 |
〃 | 17位 | 大竹拓三(文4) | 6分49秒79 |
個人成績 2日目 マススタート
順位 | 選手名 | スプリントポイント | 完了周回数 | 着順 | 記録 | ||||
4周後 | 8周後 | 12周後 |
最終周(16周)後 |
合計 | |||||
5位 | 大竹 | 6 | 6 | 16 | 5 | 8分56秒06 |
※ルール…レース中、3回の中間スプリントと最終スプリントを設定する。4周、8周、12周瑚のフィニッシュラインでの中間スプリントは、上位3名に5-3-1点を与える。16周後のフィニッシュ時の最終スプリントは上位6名に60-40-20-10-6-3点を与える。最終順位は中間と最終スプリントの合計により、続いてフィニッシュ順に従って決定される。
戦評
運命のラストシーズンが幕を開けた。今大会で6年連続の距離別出場となった大竹拓三主将(文4)は、5000㍍とマススタートレースに出場。今シーズンでスケートを引退する大竹にとって、今回が最後の距離別であり、気合いの入ったレースとなった。
1日目の5000㍍には「6分40秒を切る」と、自己ベスト更新を目標に掲げ臨んだ。スタートは好調に思えたが、次第に失速。最終ラップを34秒台にまで落とすと、6分49秒79でゴール。順位も17位と振るわず、「うまくかみ合わなかった」とレース後には肩を落とした。
翌日行われたマススタートレースは、16周を大人数で滑り、途中に設けられた3回の中間と最終スプリントのポイントで競う種目。「人数が少ない中で少しでも良い順位を取れれば」と意気込んで挑んだ。そして出場選手11人の内5位でフィニッシュし、最終スプリントで6ポイントを獲得。ナショナル強化選手3人が表彰台を独占する中で、5位と健闘した。
一方、1日目の5000㍍に出場した田中笑太(営3)は、開幕戦から不調に苦しんでいる。成長著しく「軽く(ラップ)31秒台が出るようになった」と語る田中だが、スピードが上がった分、ペースダウンした際のメンタルに課題が残ると分析。そして「31秒にこだわらずに32秒で滑るようにした」という今レースでは、4200㍍時点までラップ32秒台をキープした。タイムは6分49分06で15位。納得のいく滑りとはならなかったが、全力は出し切った。
シーズン2戦目の今大会。本調子を発揮できなかった両選手だが、まだまだ戦いはこれから。1週間後にはすでに帯広の森競技会が控えている。年間最大の目標であるインカレでベストを尽くせるように、一戦一戦と向き合い好調の波を捉えてほしい。(飯島愛未)
選手コメント
大竹拓三 主将
(1日目終了時)
―今レースを振り返って
駄目でした。先週ここ(エムウェーブ)で大会があって6分45秒で滑りました。あまり調子が良くない中でそのタイムが出たので、今週は40秒を切るタイムを狙っていました。ちゃんと調整してきたつもりなんですけど、まだかみ合わなかったかなという感じはあります。
―意識して滑ったことは
フォームなどはちゃんと体重を意識して滑るということと、足だけでバタバタといかないように、しっかりと体重を乗せて滑るということを意識していました。でもそれがあまりうまくはまらなかったです。全体的にフォームも雑だったように感じます。
―氷上練習に入ってからはどのような調整を
今年は地震とかがあって帯広で滑れなくなってしまって、大会がなくなってしまったりしました。滑る回数的には減ってしまったので、こっちに来ても結構割り切りながら練習しないといけないところがありました。それで先週はちゃんと練習するところはやって、疲れるところは抜いてという風にやってきました。
―先週のジャパンカップ第1戦のレースを振り返って
スタートしてみたら意外と足が持ったなと。全然感触は練習の時のほうがいい時があったんですけど、それでもうまくマッチしたなと思いました。
―昨年度と違うスケート靴を使用しているようですが
替えました。この靴はジュニアオリンピックでオランダに行った時に作ったもので、大学1年生の時にはこの靴で出たりしていました。でも2年生のシーズンが始まった時に、それよりも1個前の靴に戻したらそっちの方が調子が良くて、それでしばらくはそっちを使っていました。でも去年はそれで全然だめだったのでシーズンの最後に靴を替えてみたら、1500㍍なんですけど自己ベストがでました。もともと5000㍍で初めて40秒台を出せたりした靴なので、縁起じゃないですけど、いいのかなと思って使っています。今シーズンはこの靴でいくつもりです。
―明日マススタートへ向けて
ちょっとまだ誰が出るのかが全くわからないんですけど、先週もマススタートに出て、逃げたりとかいいタイミングで出れるところとかはありました。なのでポイント取るなり、最後行くなり自分の中で目標を持ってやろうかなと思います。
(2日目終了時)
―マススタートレースを振り返って
ずば抜けて速い3人がいたので一緒に滑れるだけいいかなと。あと今日でエムウェーブで滑るのは最後だったので、思い出作りじゃないですけど、人数が少ない中で少しでもいい順位を獲れればという気持ちで臨みました。
―レースの狙いは
誰がどういう動きをするのかが何も分からないので、一つでも上の順位を取れるようなレースをしようと思っていました。
―マススタートにはずっと出場されていますが思い入れは
去年の盛岡のジャパンカップでは優勝できたのですごい楽しかったです。マススタートは難しいんですけど、速い人とも滑れるのでそこは良いと思っています。
―次の大会は
一週間後に帯広でやる帯広の森競技会に出場します。明日千葉に帰って、明後日フェリーで帯広に戻ります。自分と田中(笑太)は5000㍍だけで、他の部員は2種目で出ます。
―11月末の学生選手権へ向けて
ちょっとまだ終わったばっかりで、学生(選手権)のことは全然考えられていないです。長野に来て調整だとか、シーズンが始まったりとかで気持ち的にも身体的にも疲れた部分があったので、そういった面をリフレッシュしながらやっていきたいです。去年の学生は1万㍍も滑れないくらい本当にひどかったです。今年は1万㍍まで残るのは当たり前で、そこから総合3位以内、単種目でも3位以内を目標に、帯広で練習してやっていきたいです。
田中笑太
―今レースを振り返って
先週のジャパンカップ第1戦では調子が良くなくて、タイムも(6分)54秒台でした。自分の中でスピードというか、初速が上がって31秒というラップが軽く出るようになりました。31秒台が出れば自然と5000㍍は速くなるので出そうとは思うんですけど、まだ自分の中で31秒の速さには耐えられてないです。どうしても32秒に落ちてしまうので、そこの差でメンタルというか、足がすぐきてズルズルと落ちてしまいます。去年のタイムは31秒が2、3回で、残りも32秒の前半で抑えていて結構早いタイムだったんですけど、ジャパンカップの第1戦は気持ちの面で全然滑れなくて、だめでした。今回は32秒に落ちても気持ちを落とさず、そこまで31秒にこだわらずに32秒で滑るようにしました。あと対戦相手だった原田選手が最初速くて、そこに着いていけば自然とラップが上がるので、ちょっと頑張って着いて行ってなんとか最後まで持ったという感じです。タイム的には全然だめだったんですけど。
―目標タイムは
(6分)40秒台でした。49秒でも全然自己ベストよりも遅いので、だめでした。
―距離別へ向けた調整は
先週のジャパンカップ第1戦が悪すぎて。先週は金曜日に5000㍍、日曜日に10000㍍を滑りました。そのあとの月曜日に休暇を入れたので、距離別まで3日間しか滑れない中で、その時間で調整というよりは気持ちを落ち着かせて、それこそ(ラップ)31秒で入って32秒に落ちた時の気の持ち様を改めて見直しました。32秒台でも前半でキープすれば速いタイムは出るので。調整というよりは、考え方を見直した感じです。
―ジャパンカップの第1戦の1万㍍はいかがでしたか
5000㍍が全然だめだったので、1万㍍は(出場する)人も少なかったし自分のペースでいこうといった感じでした。結果は3位だったんですけど人数も少なかったですし、ベストも全然で出なかったです。レース内容も納得はいっていないんですけど、すごい軽く滑って33秒台の前半でいけたので、感覚は良かったと思います。
―夏にはけがをされていましたがその影響は
陸トレを1ヶ月休んだくらいなので特にないです。氷上はずっと練習できていて、風邪もひかずにやれていました。でも氷上の調子が長野にきてあまり上がらなかったです。
―調子が上がらない要因は
氷を捉えるのがうまくいっていなくて、感覚がまだつかめていないです。すごい調子のいい時は疲れないんですけど、最後まで姿勢をキープできないです。体力というよりは氷との接し方がうまくいっていないように感じます。
―改めて今シーズンの目標は
調子を伸ばして、自分の中で納得のいく滑りを一つでも多くできればと思っています。一つでも滑れればそれを基準に残りのレースもいけるので、とりあえず自分の自己ベストを目指して頑張りたいです。
(写真撮影:飯島愛未)
フォトギャラリー
- 今シーズンで17年間の競技人生に幕を引く主将の大竹
- 5000㍍は納得の滑りとはならなかった(大竹)
- 田中は2年連続の距離別出場
- 5000㍍を滑り終え悔し気な表情を浮かべた田中