【硬式野球】他大学インタビュー 慶応義塾大学野球部①~大久保秀昭監督、郡司裕也選手、柳町達選手~
2019年3月18日(月)
慶応義塾大学野球部下田グラウンド
4月27日に慶大戦を迎える法大野球部。着々と準備が進む中、弊会は対戦相手である慶大野球部にインタビューを敢行した。今回は、指揮を執る大久保秀昭監督、攻守の要である郡司裕也主将、100安打が目前に迫った柳町達副将に話を伺った。
監督・選手インタビュー
大久保 秀昭 監督
ー昨年を振り返って
4年生で試合に出るメンバーが少ないという状況の中で、苦労する部分が多いかなと思っていたんですけど、それを覆してくれて、春は優勝することができました。逆に秋は悔しい思いをしました。最後に負けてしまい、すごく駄目だったようにかんじてしまいますが、トータルで考えれば、去年の戦力の中でよく戦ってくれたなと思います。
ー法大との3回戦を振り返って
いろいろな途中経過はあったのですが、チームの思いがぶつかり合って、やっている選手たちが、試合を見に来てくれた人たちに感動を与えるような試合ができたのではないかと思います。本当に、今残っている選手そうですが、卒業していった選手はあの試合を思い出に残った試合の一つとして挙げる選手が多いですね。
ー今年のチームの印象は
去年と特に印象は変わらないですね。出てるメンバーとして、去年と違うのはサードの内田やピッチャーの菊池が抜けたくらいで、3年生以下で基本的に戦っていたチームなので。
ー今年は実績を積んだメンバーで挑むことになります
それはたまたまそういうメンバーになっているということだけですね。それを強みに出せれば良いですが、注意して言っているのは、「出ていただけでは駄目」ということです。4年生になって一番良い成績を収めるくらいではないと、簡単に優勝はできないよ、ということは言っています。
ー投打の軸をあげるとしたら
投手のキーマンは高橋亮吾で、野手は福井章吾です。今年はキーワードに「5」という言葉を入れていて、そこには勝ち点「5」などの意味があるのですが、この2人にも「吾」がついているということで(笑)。
ー法大の印象は
去年は、今年のうちと同じような感じで、下級生の頃から出ている選手が中心でした。甲子園経験者も多数いて、高校の時から名前のある学生でした。代が代わっても、毎年そのような選手がたくさんいる印象で、すごいなという思いがあります。
ー特に警戒する選手は
やっぱり三浦銀二(キャ2)を打ち崩さないと勝ちにはつながらないなという感じはあります。野手では、昨年は宇草(孔基、営4)にチャンスメイクされてやられた印象があるので、宇草ですね。そのあたりを抑えていくことだと思います。
ーチームの課題は
課題だらけですね。守りも、打つ方も。だから、鍛えていくことをしなければ勝てないということで、「鍛勝」というスローガンを意識して練習には取り組んでいます。
ー今伸びている選手は
投手だと木澤、野手だと正木ですね。どちらも慶応高校の選手で期待値は高いです。慶応高校の選手は7年間同じユニフォームを着ているわけなので、期待していますね。ーチームの目標は開幕から勝ち点を積み上げて、早稲田に連勝して優勝することです。早稲田にたどり着くまでは立教、法政と壁があって、スタートダッシュできるかどうかが鍵になると思います。法政とはいつも良い試合をするので、今年も良い試合をして、最終的には勝ちたいと思います。
ー最後に意気込みをお願いします
新チームとして、今年は今年のチームでどういう結果が出るのかという部分を楽しみにしていただいて、フェアプレーの精神で頑張っていきたいと思います。
(取材:山﨑有馬)
大久保 秀昭(おおくぼ・ひであき)
1969年7月3日生まれ
神奈川県出身・桐蔭学園→慶応大学→日本石油→近鉄バッファローズ
『慶大野球部在籍時は捕手としてプレーし、4年時には主将も務めた。日本石油に進んでからは、社会人ベストナインを4度獲得し’96年にドラフト6位で近鉄バッファローズに入団。その後’01年に現役を引退した後、湘南シーレックスで打撃コーチ、新日本石油ENEOSで監督を経て、’14年12月1日より慶大野球部監督に就任し昨秋優勝を果たした』
郡司 裕也 主将
—昨年を振り返って
早慶戦までは順調で、あと早慶戦勝てばというところまでいったのですが、あとアウト3つというところで負けてしまって本当に悔しい思いをしたシーズンでした。
—現在のコンディションは
個人としてもチームとしても中々上がりきってない状況なのですが、今絶好調過ぎても逆に恐いので、今のコンディションは丁度良いくらいなのかなと思います。
—今年から主将になられましたが
チーム全員から見られる立場なので、私生活から野球に対する姿勢まで何から何まで1番見られているという気持ちを忘れずに過ごしています。
—今年で4年目、成長した部分は
やはりキャッチャーとしての部分で、試合中に試合の流れを読むことができるようになったというところが1番の成長した部分であり、これは1年生の頃から試合に出させてもらった大久保監督のおかげだと思っています。
—法大の印象は
今年の法大は去年のクリーンナップが抜けたとは思いますが、毎年毎年影に隠れていた選手が出てくる印象があるので1番恐いです。
—法大で最も警戒している選手は
僕は宇草を最も警戒しています。彼が塁に出ると得点につながるイメージが強いので塁に出さないように最も警戒していきたいと思います。
—捕手目線で、今季期待する慶大投手は
今年は木澤尚文(3年)に期待しています。昨年リーグ戦で151㎞を投げた投手で中々制球が定まらずに昨年は良い結果が出てませんでしたが、今年はまとまりが出てきてリーグ戦でもやってくれるのではないかと思っています。
—オフの期間に取り組んだことは
僕の課題はフットワーク、下半身の柔軟性の強化というところなので、下半身のフットワークを意識した練習を特に行いました。
—一塁を挑戦されていましたが
一塁をリーグ戦で守るかどうかは分かりませんが、挑戦というよりは色々な可能性を試しているというか、フットワークの強化で内野守備を行っているという意味もありますし、僕が怪我したときの2人目の捕手を準備するという意味もあり、本格的に一塁をやるということでは全然ないです。
—フットワークの強化や一塁を試していることなどはプロに向けてと考えてもよろしいでしょうか
そうですね。個人的にはプロを目指しているので頑張っています。
—今シーズンの目標をお願いします
個人の目標は捕手としてベストナインを獲得すること。そして、チームとしては早稲田に連勝して完全優勝を成し遂げたいと思います。
(取材:高橋尚輝)
郡司裕也 (ぐんじ・ゆうや)
環境情報学部 1997年12月27日生まれ
千葉県出身・仙台育英
180㎝85㎏ 右投右打
『1年秋から正捕手を担う絶対的扇の要。勝負強い打撃と試合の流れを読んだリードが持ち味。今季は、慶大の4番・キャッチャー・主将として早稲田に連勝しての完全優勝を目指す。』
柳町 達 副将
—昨季を振り返って
個人ではあまりよろしくない成績で、ちょっとチームに迷惑をかけたかなと思っています。やっぱりバッティングの方が僕はメインなので、(打率)2割6分とかの成績では、3番を打たせてもらっているのに物足りない成績だったなと。チームでは3連覇がかかっている中で優勝できず、あと1個のアウト、あと1イニングで勝ちきれなかったというのが、昨シーズンの反省という感じですね。
—慶大の強さの秘訣は
チーム全員で一丸となってやっていくことですかね。最近は上級生から下級生まで役割というか、「自分に何ができるか」ということを考えながらやってきたというところが、やっぱり強みなんじゃないかなと思います。
—オフシーズンの取り組みは
筋力トレーニングと、バッティング面を磨いてきました。
—三塁守備にも挑戦されたと伺いました
それも結構やってきました。チーム状況として、外野手の選手が結構いるので、僕が内野手をやった方がチーム的にはうまくいくというか、そのようなところで挑戦になったと思います。
—最近のイチオシ選手は
やっぱり僕がサードに移った上でのレフトとして、正木(智也)が入ったので、正木には活躍してほしいなと思いますね。
—法大の印象は
去年から投げていた三浦(銀二、キャ2)投手とか、宇草(孔基、営4)とか、能力が高い選手がいっぱいいるので、今年も強い法政なのではと思います。
—野手で負けたくない選手は
やっぱり宇草は個人的に大学入ってから仲が良くなったので、負けたくないなとは思いますね。
—ラストイヤーとなりますが、今年の目標は
打撃では(リーグ戦通算)100安打までもうすぐなので、それを春で達成できるくらいの勢いで打っていきたいです。守備面ではサードに挑戦しているので、監督を困らせないようにしっかり守っていきたいなと思います。
—法大ファンへ
僕はバッティングが売りなので、法政ファンには打ったら申し訳ないと思うんですけど(笑)、打ちます!
(取材:渡辺詩織)
柳町 達(やなぎまち・たつる)
商学部4年 1997年4月20日生まれ
茨城県出身・慶応義塾
180㎝72kg・右投左打
『第1週の立大戦では2試合で5安打を放ち、通算安打数は90に。今季での偉業達成に期待がかかる。』