【サッカー】全日本大学サッカー選手権 2回戦 法政大4-1福岡大 延長戦で攻撃陣が大爆発!4年生4人のゴールでベスト8進出
【サッカー】全日本大学サッカー選手権 2回戦 法政大ー福岡大
2019年12月14日(土)
柏の葉公園総合競技場
前回王者として連覇を懸けたインカレの初戦。法大は終始ボールを保持して相手ゴールに迫るも、福岡大の堅守を崩せないまま0-0で延長戦へ突入。迎えた延長戦で火がついた法大は紺野和也の先制ゴールを皮切りに4年生4人による圧巻のゴールラッシュを繰り広げ、4-1で勝利を収めた。
連覇への第一歩を踏み出した
試合結果
トータル試合結果
4 法政大 |
0 | 前半 | 0 | 1 福岡大 |
---|---|---|---|---|
0 | 後半 | 0 | ||
2 | 延前 | 1 | ||
2 | 延後 | 0 |
試合スタッツ
時間 | 経過 | 大学 | 選手名 | 得点経過 |
---|---|---|---|---|
61分 | 交代 | 法政大学 | 北川→松澤 | |
74分 | 交代 | 法政大学 | 安光→橋本 | |
86分 | 交代 | 法政大学 | 長谷川→田中 | |
92分 | 得点 | 法政大学 | 紺野和也 | 1-0 |
96分 | 得点 | 法政大学 | 橋本陸 | 2-0 |
98分 | 交代 | 法政大学 | 紺野→竹本 | |
104分 | 失点 | 福岡大学 | 花田佳惟斗 | 2-1 |
105分 | 交代 | 法政大学 | 下澤→末木 | |
112分 | 得点 | 法政大学 | 松澤彰 | 3-1 |
120+2分 | 得点 | 法政大学 | 大西遼太郎 | 4-1 |
スターティングメンバー
背番号 | ポジション | 選手名 | 学部・出身校 |
12 | GK | 中野小次郎 | 経済3・徳島ヴォルティスY |
2 | DF | 森岡陸 | 現福3・ジュビロ磐田Y |
3 | DF | 髙木友也 | 経済3・法政第二高 |
5 | DF | 加藤威吹樹 | 経済4・サンフレッチェ広島Y |
23 | DF | 関口正大 | 現福3・新潟明訓高 |
10 | MF | 下澤悠太 | 社会4・柏レイソルY |
6 | MF | 大西遼太郎 | 社会4・ジュビロ磐田Y |
8 | MF | 紺野和也 | 現福4・武南高 |
13 | MF | 長谷川元希 | 現福3・大宮アルディージャY |
32 | MF | 安光将作 | 社会2・ジェフユナイテッド千葉Y |
31 | FW | 北川公貴 | 経済4・札幌第一高 |
サブメンバー | |||
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1 | GK | 山岸健太 | 経済4・前橋育英高 |
4 | DF | 蓑田広大 | 現福2・青森山田高 |
24 | DF | 宮部大己 | 経済3・法政第二高 |
33 | DF | 村上秀斗 | 社会4・西武台高 |
7 | MF | 末木裕也 | スポ4・ヴァンフォーレ甲府Y |
11 | MF | 橋本陸 | 経済4・西武台高 |
17 | MF | 竹本大輝 | 経済3・成立学園高 |
9 | FW | 松澤彰 | 現福4・浦和レッズY |
28 | FW | 田中和樹 | 社会2・浦和学院高 |
マッチレポート
ついに迎えたインカレの舞台。連覇、そして総理大臣杯のリベンジを目指す法大の対戦相手は九州地区第1代表の福大。1回戦を3-0で突破して勢いに乗る九州王者を迎え撃つ法大は左サイドハーフに安光将作、ワントップに北川公貴を抜擢。今季トップチーム初スタメンの2人を前線に据え、大事な初戦に臨んだ。
試合開始早々から法大がペースを握り、福大ゴールに迫る展開が続く。14分、高木友也の縦パスを受けた安光がエリア内へ侵入するもフィニッシュまで持ち込めず。21分には関口正大のクロスに長谷川元希が頭で合わせたがシュートはバーを叩き、先制ゴールとはならなかった。法大は敵陣に攻め込みながらもネットを揺らせず、0-0で前半が終了した。
後半に入っても法大は相手ゴールに迫り続けるが、福大の強固な守備ブロックを崩せずに時間が過ぎていく。ギアを上げたい法大は61分、北川に代えて松澤彰を投入。「北川が相手を疲れさせてくれて入りやすかった」と後に振り返った松澤が起点となり、徐々に法大らしい崩しの形を作っていく。72分に長谷川が再びビッグチャンスを迎えたが、福大DFの決死のブロックによって阻まれた。82分に下澤悠太が放ったコントロールショットは相手GKが指先でビッグセーブ。猛攻を見せたが90分で福大の分厚い壁を破ることはできず、試合は延長戦に突入する。
迎えた延長戦、福大ゴールをこじ開けた救世主は『法政のメッシ』だった。92分、左サイドを破った橋本陸がクロスを供給。ファーサイドに転がってきたこぼれ球を紺野和也が押し込んで待望の先制ゴールをゲットした。法大の勢いは止まらず、96分には紺野のスルーパスに抜け出した田中和樹がエリア内で倒されてPKを獲得。田中が自ら蹴ったPKはGKに弾かれたものの、こぼれ球を橋本が詰めてリードを2点に広げる。104分には強烈なミドルシュートで1点を返されたが、112分に松澤のラッキーゴールが突き刺さって再びリードを広げる。120分に訪れたPKの大ピンチでは中野小次郎がビッグセーブ。そして120+2分、GKも上がっていた相手のCKを跳ね返すと、ドリブルで持ち上がった大西遼太郎が無人のゴールにロングシュートを突き刺して勝負あり。4-1で初戦をものにした。
スコア上では大勝に終わったが、福大の組織的で粘り強い守備をなかなか破れず改めてトーナメント初戦の怖さを思い知らされる120分の船出となった。準々決勝の相手は関東地区第2代表の桐蔭横浜大。今季大躍進を遂げた関東屈指のタレント集団とのリーグ戦対戦成績は1勝1敗。勝ち越すのは、法大だ。(岩瀬斗真)
選手コメント
大西遼太郎
―今日の試合を振り返って
初戦ということもあり、非常に難しい試合で点がなかなか入らない中で90分で決めきりたいという気持ちはありました。ですがトーナメント戦は120分やPK戦で勝つということも大切であり、今日も延長に入って4点取ることができたのは次につながると思います。
―久しぶりの公式戦となりましたが
試合勘に関してはあまりきにすることなく戦うことができたと思います。
―延長戦を意識したタイミングは
最後まで90分で1点入らないかなーといった感じでした。延長の準備はしてはいましたけどギリギリまで決めきるつもりでした。
―福岡大の対策は
年の始めに長崎で対戦しましたがその時は大雨であまりサッカーという感じではなかったので参考にはなりませんでした。イメージでいうと駒大みたいな感じで苦手な感じはしませんでした。下でつなげるところはしっかりつないで、大きなボールに対してはセカンドボールをしっかり拾う。攻めている時にリスク管理をしっかり行うことを意識しました。
―前半、攻撃面で相手の不意を突くような縦パスなど様々なプレーが見受けられました
リーグ戦を通じて点を取ることに苦戦をしたのでチームとして個人として時間をかけてトレーニングを積んできました。
―延長戦に入る前、エンジン内で監督が話されたことは
内容自体は悪くはないので相手の1発に気を付けてリスク管理をすることと誰がヒーローになるか、楽しんでやれと言われました。
―次の試合に向けて一言
桐蔭大は足元が上手い選手が多く、リーグ戦で戦ったときも厳しい戦いが続いたので、どのスタメンで行くかは分からないですけどチーム全員が準備をして力を発揮できればと思います。
松澤彰
ー今日の試合を振り返って
初戦でいろいろ難しい試合になるだろうって事はチーム全体で共有していて、延長になってもやる事は変わらないって所はカズさん(長山監督)に言われてました。難しい試合になりながらも点がいっぱい取れて逆に良かったのかなとも思います。大会(カップ戦)でやるにはサブの働きが大事だと毎回言われているので、上手く交代選手を使って勢いを持ってやれたのが良かったと思います。
ー攻め続けながらスコアレスという状況での投入でしたが、監督からはどのように送り出されましたか
「ヒーローになってこい」って言われました。90分で決めきれなかった責任も感じてたんですけど、延長では和也も決めてくれて。カズさんから「4年生が背中を見せろ」って言われていたので4年生のゴールという形で表れて良かったと思います。
ーゴールシーンを振り返って(ゴール前、フリーでこぼれ球を受けた状況で枠外にいたGKに当ててゴール)
あれはもう僕のゴールです(笑)強い気持ちで行きました。いつもは来ないようなボールが来たんですけど、左足で当てるだけの意識でした。
ー1点は1点ですよね
そうですね(笑) (上田)綺世も「FWは点を取ればチャラ」って事は言ってたのでそれを体現できて良かったです。
ーそれまでは締まった試合でしたが、延長でゴールラッシュとなりました
僕の前に出てた北川(公貴)が相手を疲れさせてくれてたので僕も入りやすくてキープできましたし、彼のおかげでもあると思います。
ーカップ戦での強さを何度も見せていますが、それでも初戦の難しさは感じますか
毎回難しさはありますね。今日は僕が出た中で一番苦しかったんじゃないかなと思います。でも勝ちきれればそれで良いと思います。
ー桐蔭横浜大との次戦も厳しい戦いが予想されますが
なぜか知らないけど強いってイメージがあって。相手のCBの眞鍋(旭輝)じゃないほう……遠藤凌っていうのが浦和ユースの後輩なんで、コテンパンにしてやろうかなと思います(笑)まあそいつに対してはコテンパンと思ってるんですけど、桐蔭は関東リーグで僕らより上だった相手なので謙虚に自分達がやってきた事を勢い持ってやれればと思います。
北川公貴
ー今日を振り返って
トップチームでの出場が久しぶりだったので、今年1年間下のチームでやってきたことを出せたら良いなと思って臨んだ試合でした。個人的にはシュートを打てなかったので、次戦以降は貪欲にゴールを狙っていきたいなと思います。チームとしては延長までいって勝ち切れたのでよかったですね。
ーAチームでの出場は去年の関東リーグの専大戦以来です
そうですね、それが最後でした。
ー福岡大の印象
元々(ロングボールを)蹴ってくるチームというのは聞いていたので、前線からプレスに行って、蹴らせないことを意識していました。
ーリーグ戦やIリーグの大会から期間は空きましたが、どのようなことを準備しましたか
基本的にAチームもBチームもやってるサッカーは似てると思うので、少ない時間の中で一人一人の特徴とかを具体的につかんで、すり合わせることを意識していました。
ー今日の試合で監督から求められたことは
ゴールをやっぱり狙うことと、あとは前線から激しくプレスに行ってくれとは言われていました。
ー今日のスタメン出場はやはりIリーグでの活躍というのがありますか
そうですね、やっぱりその影響はあったと思います。
ーIリーグではトップ下のポジションでしたが今日は最前線での出場となりました
トップチームにはトップ下の選手が結構多いので最前線の起用になったのかなと。でもIリーグでも流れの中から(最前線でのプレーは)やっていたので、そこは臨機応変に対応しました。
ー北川選手は他の選手と違ってスポーツ推薦ではない一般での入部ですが、どんな4年間でしたか
入ったばかりの1年生の時は、結構苦しいというか、レベルの差を感じていたので…まあサッカーを嫌いになった時期もありました。でも…自分は北海道から出てきているんですけど、こっちに(東京に)出てきている友達に会ったり家族に支えられたりして乗り越えることができて。そこを乗り越えたら学年も上がって少し余裕ができて、サッカーも楽しくなって。結果的にはトップチームに絡めるくらいにはなれたので、最終的にはこの大会で優勝できたら一番かなと思いますね。
ーこのチームでプレーできるのもあと少しになりました
プロに行く人もいると思うんですけど、やっぱりこの仲間とできる最後の大会ですし、自分たちの代はまだタイトルを取れていないので、勝ち取れるように全身全霊でやっていきたいです。
関口正大
ー今日の試合を振り返って
初戦で結果的には難しい試合になりましたけど、勝ちきれた事は良かったかなと思います。
ー福大の印象は
FWにでかい選手と速い選手がいて、凄くパワーのあるチームだと思いました。
ーなかなか点を取れない時間が続きました
「攻めてればいつか入るだろうって」ピッチの中では話してましたし、シュートまで行けてた部分は悪くなかったので点取れるまでこれを続けようって感じでした。
ー最後に4点取って勝ちきれた要因は
延長前半の入りが良かったと思います。そこの戦い方で自分達が試合を支配できたのかなと思います。
ー桐蔭横浜大に向けて
凄く良いチームが相手ですし、出る人もベンチの人も応援も含めた全員で戦って勝ちたいと思います。
安光将作
ー今日の試合を振り返って
Aチームデビューだったのですごく緊張したんですけど、ビビらないでやろうということは意識していました。
映像を見て、駒澤大みたいに前に(ロングボールを)蹴ってくるのは分かっていたのでそこの制限(をかけるプレー)を意識していました。
特に言われたことはなかったですけど、自分がセカンドチームでやってきたことを評価されたからというか、そのプレーをこのレベルでもいかにビビらずにやれるかというとだと感じていて。(監督に)使ってもらえるってことが見てもらえてるっていうメッセージだと思うので、自分のできることをいつも通りやれるように意識してやりました。
友也くんは上手いですし、動いたところにボールを出してくれるので、自分からなにか(指示)するってことはなかったんですけど、僕のカバーとかしてくれましたし、やりやすいようにフォローしてくれたので、すごいなぁというか、感謝しています。
やっぱり嬉しいです。でも法政はここから出続けることが難しいチームだと思いますし、これが(Aチームでの出場)1回きりにならないように努力して、試合に出続けられるように日々アピールしていきたいと思います。
4年生は本当に大好きで、(森)俊貴くんが今大会ケガで出られないんですけど、普段から面倒見てくれて、昨日もLINEで励ましてくれて、そういう人の思いを背負えるかどうかはわからないですが、自分なりに頑張って戦いたいですね。
(今)シーズンが始まった時は自分がインカレで試合に出ているなんて想像できなかったので、良いシーズンかといったら良いシーズンなのかもしれないですけど、今は個人のことはどうでも良いというか。4年生と最後に絶対に優勝したいし笑って終わりたいし、そのためにできることを最大限にピッチに立てたら出し尽くしたいです。
ー次戦に向けて
また次出たらチームの力になれるように良い準備をしたいなと思います。
フォトギャラリー
- ドリブルを仕掛ける高木
- 長谷川はシュートを放つも悪を捉えきれず
- 関口は右サイドでの上下動で貢献
- Aチームデビューとなった安光
- 紺野がこぼれ球を押し込んで先制する
- 竹本は得意のドリブルで存在感
- 延長後半に大西のロングシュートが無人のゴールへ吸い込まれ、全員で歓喜した
- 次戦は関東リーグ2位の桐蔭横浜大だ