【フェンシング】第68回全日本フェンシング選手権大会(個人戦)~男子エペ&女子サーブル~ 厳しい全日本のピスト 2種目ともに上位進出ならず
第68回全日本フェンシング選手権大会
2015年12月25日(金)
駒沢オリンピック公園体育館
中村豪(人2)、福島史帆実(法2)と、法大から二人のインカレチャンピオンが出場した男子エペと女子サーブル。しかし全日本での上位進出はならず。最後の大会となった栗本ひかる(社4)もベスト32で敗退したが、日本代表の菊池(警視庁)を相手に善戦を見せた。
試合結果
種目 | 出場選手 | 順位 |
---|---|---|
男子エペ | 中村豪(人2) | 1回戦敗退 |
塩原智輝(生命1) | 〃 | |
女子サーブル | 栗本ひかる(社4) | ベスト32 |
福島史帆実(法2) | 〃 | |
奥田彩野(文1) | 〃 |
男子エペ 戦評
出場したのは今季インカレ覇者の中村豪(人2)と塩原智輝(生命1)。
1回戦。中村は序盤相手との力のきっ抗により同時突きなど激しいクロスゲームが展開される。しかし徐々に点差を離されていきマッチポイントを奪取され8-14。己の底力を見せつけ11-14まで追いつくも、緊迫した場面と相手の強さに我慢しきれず敗北を喫する。
塩原は競技会推薦シニア枠の伊藤心(NEXUS)と相見える。相手の圧倒的な力の前に尽力し得点を挙げるも、思うようなプレーをさせてもらえず5-15と大敗する。
トーナメントは初戦で敗退。今季最後の大会は苦いものとなってしまった。それでも、彼らはまだ下級生。男子エペ陣は若いメンバーとなることが必至だが、そんな彼らだからこそ出せるプレーで、来期は大きく成長する姿を見せてほしい。(和多慎之介)
1年塩原、苦しい試合となった
インカレを制した中村も初戦敗退
女子サーブル 戦評
1回戦、インカレ王者の福島、初戦は高校生を相手に15-10で勝利。2点差に詰め寄られる場面もあったが、順当に勝ち進む。
栗本はインカレ団体で敗れている中京大のメンバー朝居(中京大)と初戦で対戦。立ち上がりにリードを奪うも、先に8点目を取られる。しかしインターバル明けに流れを手繰り寄せた。4連取を奪い逆転に成功。なんとか逃げ切り15-13で初戦を突破する。
1年奥田も逆転で勝ち抜く。先行を許し、追う展開となるが、5-8から9連取を奪って一気に勝機をつかむと、15-11で逃げ切った。全3選手がベスト32へ進む。
1回戦、9連取を見せた奥田
2回戦、福島は前回準優勝、プールランキング1位の田村(NEXUS)と対戦した。上位進出へ向けて大きな関門となる一戦、「絶対勝ちたい」と意気込んだが、得意のパラード(相手の剣を払うこと)も外されるなど、思うように自分の間合いで勝負することができない。ジリジリと差は開き、7-15のスコアで敗戦。2回戦で姿を消した。
栗本はプールランキング3位の菊池(警視庁)との対戦。果敢に前に出るも、ポイントをさらわれ続け、一時は3-9と厳しい試合となってしまう。しかし意地を見せた栗本。5連取を奪って一気に差を詰める。コントルアタックを決められながらも、なんとか追いすがり13-13の同点に追いつく。しかしあと2点が遠かった。13-15、健闘を見せるもわずかにベスト16を逃した。
佐々木(早大)と2回戦を戦った奥田。相手の早い仕掛けに苦しみリードを許す。時折、コンドルアタックで応戦も見せたが、連取を許しリードを離されていく。1回戦のような反撃もならず、7-15で敗れ、ベスト16入りはならなかった。
栗本、最後の大会はベスト32も意地を見せた
インカレ王者・福島は前年2位の田村(NEXUS)に7-15で敗戦
「頭を使ったフェンシング」が今後の目標だ
全3選手がベスト32で終えた女子サーブル。予選プールの成績が組み合わせを左右するシステムの中、福島と栗本は2回戦で代表クラスの選手と当たることとなってしまった。
今大会が最後の試合となった栗本は菊池に対し大激戦の末、惜敗。それでも朝居(中京大)との1回戦では勝利し、意地を見せた。奥田もベスト16は逃すも、1回戦の勝利は、不慣れな種目を戦ったこの一年間の努力が表れたものであったかもしれない。関カレ、インカレを制した福島も格上とぶつかりベスト32止まり。結果を残した1年間だが、内容には全く満足していない。目指すのは頭を使ったフェンシングだ。来季は相手の動きを察知し、より意図的に仕掛けてポイントを奪いにいけるか。まだまだ伸びしろはある。
それぞれが、それぞれの思いを抱いて、今季の戦いの幕を閉じた。(高津勇佑)
選手のコメント
福島史帆実
―大会を振り返って
予選をしっかり全勝でいけなかったことが、大きかったと思います。自分は2敗してしまって、早くに強い選手と当たることになってしまったので。
―目標はどこにおいていましたか
前回は9位だったので、ベスト8には入りたかったですね。
―田村選手と試合をして
絶対勝ちたいなと思っていました。自分のアタックは決まっていたと思うんですけど、ミスがありましたね。それに対して、(田村)紀佳先輩にはしっかり一つ一つ決めてこられてしまいましたね。
それでも自分のアタックを決めることができたのは良かったと思います。
―1年間を振り返って
結果だけ見ると、関カレもインカレも優勝できてよかったと思います。それでも全日本ではベスト32で終わってしまったので、もっと頑張らなければいけないなと思います。
―今の課題は
自分は、入りのスピードがいつも一緒とよく言われるんですね。もっと頭を使ってフェンシングをできたらなとずっと思っています。
フェイントとかも仕掛けていくんですけど、「自分がやりたくて、ただやっている」という風になってしまっています。もうちょっと相手をよく見て、フェイントとかも仕掛けないといけないですね。
今日のパラード(相手の剣を払うこと)も全然タイミングは合ってないし、自分が狙いたくてただやっている感じでした。最後まで相手の動きをよく見て、やっていきたいですね。
―来年に向けて
来年は結果もそうなんですけど、それだけにこだわらず、しっかり頭を使ってフェンシングをするのが目標です。