【陸上競技】2016日本学生陸上競技個人選手権大会 大瀬戸主将が高校以来の自己ベストを更新!
日本学生陸上競技個人選手権大会
2016年6月10(金)~12日(日)
Shonan BMWスタジアム 平塚
3日間に渡って行われた学生個人選手権。法大勢は先月の関東インカレで活躍した選手が躍動。
100mで大瀬戸が2位、他にも2選手が表彰台を獲得し、今後さらなる活躍を予感させる結果を収めた。
試合結果
種目別結果
種目 | 名前 | 記録 | 順位 |
---|---|---|---|
男子100m予選 | 大瀬戸一馬(スポ4) | 10秒21(追い風参考記録) | 2組1着 |
長田拓也(経4) | 10秒25 | 7組1着 | |
勝瀬健大(社1) | 10秒73 | 8組5着 | |
同準決勝 | 長田 | DNF | – |
大瀬戸 | 10秒19 | 3組1着 | |
同決勝 | 大瀬戸 | 10秒23 | 2位 |
男子200m予選 | 江藤拓都(経1) | DNS | – |
川辺隼也(スポ2) | 21秒76 | 2組5着 | |
勝瀬 | 22秒03 | 4組6着 | |
大瀬戸 | 20秒73 | 5組1着 | |
同準決勝 | 大瀬戸 | DNS | – |
男子400m予選 | 片山雄斗(スポ2) | 47秒87 | 1組3着 |
伊藤健太(経4) | DNS | – | |
江藤 | 49秒92 | 5組8着 | |
男子1500m予選 | 坪井慧(経1) | 3分55秒15 | 1組7着 |
増田蒼馬(1) | 3分59秒64 | 2組10着 | |
杉本耀太 (経4) | 3分59秒69 | 3組5着 | |
男子110mH予選 | 川島滉平(スポ3) | 14秒91 | 2組7着 |
金井大旺(スポ3) | 14秒24 | 6組1着 | |
同準決勝 | 金井 | 13秒75(追い風参考記録) | 3組1着 |
同決勝 | 金井 | 21秒94 | 8位 |
男子400mH予選 | 荻田颯(スポ4) | 52秒96 | 1組6着 |
豊田将樹(スポ1) | 52秒78 | 2組4着 | |
高田一就(スポ1) | 51秒97 | 3組3着 | |
小林英和(スポ3) | 52秒74 | 4組3着 | |
濱井涼介(社4) | 51秒16 | 5組1着 | |
中矢光一(経3) | 52秒65 | 6組5着 | |
同準決勝 | 濱井 | 50秒64 | 2組1着 |
高田 | 51秒69 | 2組5着 | |
決勝 | 濱井 | 50秒70 | 3位 |
男子走高跳決勝 | 芋川駿(スポ2) | NM | – |
小川僚太(現3) | NM | – | |
男子棒高跳決勝 | 竹川倖生(社1) | 4m80 | 12位 |
男子走幅跳決勝 | 佐久間滉大 (スポ2) | 7m79 | 3位 |
松添基理(スポ2) | 7m44 | 16位 | |
坂田銀次郎(経3) | 7m22 | 29位 | |
男子砲丸投決勝 | 香山勇輝(経4) | 14m19 | 15位 |
男子やり投決勝 | 望月雄太(経3) | 60m54 | 28位 |
女子100mH予選 | 鈴木美帆(スポ2) | 14秒80 | 2組6着 |
※DNSは欠場、DNFは棄権。
戦評
男子100m
予選は大瀬戸一馬(スポ4),長田拓也(経4),勝瀬健大(社1)が出場。大瀬戸は機材のトラブルでスタートが遅れるトラブルに見舞われるもその影響も感じさせない走りをみせて追い風参考ながら自己ベストより速い10秒21を出して準決勝進出を決めた。長田も中盤に抜け出すとそのまま先頭でゴール。10秒25を記録し準決勝に進んだ。勝瀬は思うような走りができず5着。自己ベストからも程遠いタイムになり予選で姿を消した。
準決勝は長田が先に登場。決勝進出が期待されたがスタート直後に全身けいれんにおそわれて途中棄権。あまりのアクシデントに長田は悔しさを隠せなかった。大瀬戸は予選での走りを反省して準決勝に臨んだ。予選での走りを動画で確認して「後半のピッチを上げよう」と後半での走りを意識。スタートはあまりよくなかったが、後半での走りもスピードを維持して1着でゴール。記録は10秒19と4年ぶりに自己ベストを更新し「泣きそうになった」と喜んでいた。そして日本陸上競技連盟が設定したリオデジャネイロ五輪の参加標準記録(10秒16)に迫る記録に「修正すればいける」と決勝での記録突破に意気込んでいる。
迎えた決勝。スタートで飛び出した大瀬戸は途中まで日本人2位の記録を持つ桐生祥秀(東洋大)と競り合う展開に。だが最後は離され2着だった。大瀬戸自身も「人生で1番のレースだった」と好記録が期待されたが、追い風が多く吹いた今大会でまさかの向い風になってしまいタイムは10秒23。試合後、「追い風が吹いていたら」と悔しがったが、「きっかけになった」と2週間後の日本陸上競技選手権大会(日本選手権)に向けて大きな収穫となるレースとなった。
自己ベストを出し喜ぶ大瀬戸
男子200m
男子200m予選には大瀬戸,勝瀬,川辺隼也(スポ4),江藤拓都(経1)が出場予定も江藤は棄権し予選は3人の出場になった。川辺、勝瀬は強い追い風が吹き好記録が期待されたが、思うように記録が伸びず予選敗退。大瀬戸は「あまり200mの練習はできなかった」と調整不足が心配されたが周りを寄せ付けない走りをみせて1着でゴール。準決勝に進んだ。 だが日本選手権も控えていたため、準決勝は欠場。法大からは決勝進出者を出すことはなかった。
男子400m
男子400m予選では片山雄斗(スポ2)、江藤拓都 (経1)の2名が出場、伊藤健太(経4)は欠場となった。片山は中盤以降の追い上げを見せるも3着止まり。江藤も出だしこそ良かったが、終盤は下位へと沈んだ。
予選敗退となった片山
男子1500m
男子1500m予選に坪井慧(1)、増田蒼馬(1)、杉本耀太(経4)の3名が出場。全員予選と敗退となるも、それぞれ次につながる走りをみせた。中でも坪井は7着ながら3分55秒15をマーク。1年生ながら、その存在感を表した。
坪井は惜しくも決勝進出ならず
110mH
男子110mH予選での法大出場者は、川島滉平(スポ3)と金井大旺(スポ3)。川島は中盤以降の失速が響き、予選敗退となるも、対照的に金井は悠々と1着フィニッシュ。その後行われた準決勝の舞台でも13秒75の自己ベストを記録し決勝進出を決めた。自己記録のさらなる更新に期待が懸かった決勝。スタートから飛び出し、中盤でも失速せずリードをしていた。しかし、悔しくも最終ハードルで転倒。来週の日本選手権でリベンジを誓う。
女子100mH予選には鈴木美帆(スポ2)が出場。予選突破を期待されたが、スタート直後から遅れをとって6着フィニッシュ。実力を発揮することは叶わなかった。
準決勝で追い風参考ながら13秒75をマークした金井
男子400mH
男子400mHには法大から6名もの選手が出場。関東インカレでは予選でまさかの失格に終わった濱井涼介(社4)は、予選から積極的な走りを見せると、準決勝で自己ベストを更新。そして決勝ではスタートから飛び出し先頭に立つも、ホームストレートでの先頭争いで競り負け3位に終わった。また、日本選手権にエントリーしている高田一就(スポ1)、豊田将樹(スポ1)のルーキーコンビは、それぞれ準決勝敗退、予選敗退と厳しい結果となった。
濱井は関東インカレの悔しさを晴らした
男子走高跳
走高跳には小川僚太(現3),芋川駿(スポ2)が出場。2m06からの試技だったが、両者ともに助走が合わず苦しむ展開に。最後の跳躍もバーを越すことができずに記録なし。悔しい結果になった。
男子棒高跳
最初の4m80を1本目でクリアした竹川倖生(社1)。4m90をパスし、臨んだ5m00は3回ともあと少しというところでバーを越えることができず、失敗に終わった。
男子走幅跳
男子走幅跳は関東インカレにも出場した佐久間滉大(スポ2)、松添基理(スポ2)、坂田銀次郎(経3)が出場。風が安定せず、助走を合わせることが困難な中で、佐久間が追い風参考記録ながら7m79をマークし3位に入った。それでも試合後には「もう少し記録を狙いたかった」と悔しい表情を浮かべた。今月末に行われる日本選手権では8mの大台を狙う。
3位入賞を果たすも自己ベスト更新とはならなかった佐久間
男子砲丸投、男子やり投
投てき種目はやり投げと砲丸投げの2種目。男子やり投げでは望月雄太(経3)が出場した。 絶好の向かい風もあり、全日本インカレ標準記録Aの70㍍越えが期待されたが、この日は思うように記録が伸びず。60m54で試技を終えた。 続く男子砲丸投げには香山勇輝(経4)が登場。最上級生としての意地を期待したが、自己ベストから程遠い記録の14㍍19でトップ8に残れず。投てき陣の2人は課題の残る大会となった。
香山はトップ8に入れず、3回の試技で大会を終えた
今年は大瀬戸の準優勝を含め3選手が表彰台を獲得。また自己ベストを更新した選手も複数名出た。2週間後には全日本選手権が控えている。悔いなく、思う存分力を発揮し戦ってほしい。その先にはリオデジャネイロ五輪という大舞台が待っている。また、今回振るわなかった選手も9月の全日本インカレでは巻き返しを図る。大きな大会が控える今後も、陸上部の活躍から目が離せない。(羽根田萌、原口大輝、小島雄太、宮坂天、渡辺拓海)
選手コメント
大瀬戸一馬主将
ー今大会の出場を決めた理由は
先週鳥取の布勢スプリントに出場して結果があまり良くなく、その中で自分の力を出し切れてない部分もあったので、標準もまだ切れてなかったので切るために出ました。
ー予選でのタイムについて
シーズンベストが10秒31だったので、追い風参考で残念でしたけど、自己ベストより速いタイムだったのでやってきたことは間違いじゃなかったと感じましたね。
ー準決勝では自己ベスト更新となりました
予選でスタートはできてましたけど、動画で見直すと後半はもうちょっとピッチを上げれるじゃないかなと思ったので、残り30mぐらいからピッチを上げるイメージで走りました。予選よりスタートはあまり良くなかったですけど、後半は上手く走れて結果につながったと思います。準決勝だったので、嬉しさは半減しましたけど、4年間自己ベストを出してなかったので、泣きそうでしたね。やっぱり嬉しかったです。
ー4年ぶりの更新となりました
やはり長かったですね。4年間も届きそうで届かないのがある意味きつかったですね。
ー今大会は追い風が多い中、決勝では向い風が吹きました。決勝を振り返っていかがでしたか
正直、人生で一番のレースをしたと思うので。それが不幸にも向い風で、追い風が吹いてたら参加標準は狙えたかなと思うので悔しかったですね。予選がスタートが良くて、準決勝は後半が良くて、それがまとまったレースだったと思います。
ー日本選手権に向けていい弾みになりました
桐生(祥秀,東洋大)くんや山縣(亮太,セイコーホールディングス)さんの上位2人は厳しいなと思いますけど、今の走りだったらなんとか3位争いに加われるかと。今はケンブリッジ飛鳥(ドーム)さんも3番候補でいますけど、そこになんとかしがみついて結果を出せたらいいなと思います。
ーレース後、桐生選手とは
タイムについての話だったり、今シーズンは桐生くんが走ると向い風になるってジンクスがあって。(笑)「案の定なったね」と。準決勝は追い風だったのに、「最後の最後でさすがだね」とそんなふざけた話をしてましたね。
ー関東インカレから流れが変わったように思えます
そうですね。やはり関東インカレで流れができたのが大きいですね。どうしても練習でできても、試合でも出し切れてないのがずっと心残りだったので。それでも200mで優勝したのはしっかり力がついてるからだなと気持ちをつなぎとめていたので200mで結果出せたのは大きかったと思います。
ー200mについて
決勝まで3本ありましたけど、最低でも準決勝までを考えていました。200mに関しても標準記録だけを狙ってましたけど、自分の感覚が良くなかったし、100mでいい流れ作れたならここは無理せず日本選手権で勝負したいなと思ったので1本でやめました。昨日の疲れはなかったですけど、200mの練習ができてなくて、全力で走ったけど残り30mぐらいで結構きつくなったので。それでも20秒6台なら準決勝も考えましたけど、追い風参考でこの記録なら厳しいと思って準決勝はやめました。
ー100mは日本選手権に向けて大きな手応えになりました
そうですね。布勢スプリントで結構心が折れてたのが、もう一回狙ってみようかなと思うきっかけになったと思います。
ー監督からは
なかなか苅部(俊二監督)さんの下で自己ベストが出せなかったので、「おめでとう」や「もっといけるよ」と言われましたね。決勝も「レース自体はすごく良かったから日本選手権で狙おう」という話になりました。
―日本選手権に向けてやっていきたいこと、目標は
200mに関しては2週間切ったんですけど、最近してなかった距離の練習を入れたいなと思います。100mはここで流れが良かったんで修正するよりは昨日のレースを練習でも固めていこうと思ってます。目標は、やっぱりリオの代表になるのが1番なので、メンバー的には厳しい戦いにはなりますけど、100m,200mで3位以内を狙うのと100mに関しては残り3本しか走れないので少ないチャンスにはなるんですけど標準記録も突破できたらと思います。
ー応援してくれる人へのメッセージをお願いします
本当に今シーズンは自分がいろんな方に支えられてるのがすごく実感できたので、その方々に恩返しができる走りを1番今季目標にしてた日本選手権で出せたらいいなと思います。頑張ります!
濱井涼介
-今大会での結果について
予選、準決勝と結構良いタイムで、準決勝はベストの50秒64だったのですが、最終ハードルで少しもたついてしまいました。本当は15歩でいかなければいけないところを16歩になってしまって。もう少し良いタイムが出せたと思いました。決勝は50秒3くらい出せればいいかなと思っていたのですが、自分の持ち味である前半の突っ込み型のレースがあまりできなかったなというのがありました。
-準決勝の最終ハードルで15歩が16歩となっていたということでしたが、それ以外は
予選は一応自分のプラン通りいけて、最後は若干余力を残してゴールしました。準決勝は最終ハードルは16歩でしたが、前半はしっかり良い感じで入れたので、そこはいいかなって感じでした。決勝は、自分の予想したプラン通りの歩数でいけたのですが、前半のスピードが少しいきづらくしていたのかなと思います。
-予選1着、準決勝は自己ベストで1着と決勝に向けて手応えはやはりありましたか
そうですね。手応えは十分ありました。全然優勝も狙える位置にいたので。上位ランキング者が4人くらい欠場していたので、入賞できたのもあるのかなとは思いますけど。でも50秒台と50秒前半をしっかり安定して出せたので、結構自信にはなりました。
-決勝で50秒3出せたらということでしたが、大会に臨む前から狙っていたのでしょうか
そうですね。やっぱり試合前から調子的にもずっと良かったので。しっかり着実に練習も積めていて、50秒前半は絶対に出せるなという身体の感じではありました。50秒3を出す機会は逃しましたけど、次は出したいですね。
-関東インカレでは結果を残すことができませんでしたが、今大会をどんな思いで臨みましたか
関東インカレは予選DQという、2台目で抜け足がレーンから出てしまいました。一応速報のタイムでは準決勝全然いけるタイムだったのですが、その後に黄旗が上がってまさかの失格で予選落ちになってしまって。もう絶対にこんな悔しい思いはしたくないと思いました。そこからずっと練習でも、2台目で若干内側に入ってしまう癖があるので、そこを苅部さんに見てもらっていました。徹底的に、絶対内側に入らないように、うまいテクニックを苅部さんから教えてもらって、それでしっかり調整しました。
-調子が上がっていた要因は
自分は元々練習の後にプラスで補強の筋トレを、けが明けときはいつも続けているのですが、だいたい1ヵ月くらいで止めてしまう癖があって。今回は、シーズンインしてから若干1ヵ月くらいけがをして、シーズンが1ヵ月くらい遅れてしまいまって、そこからずっと補強を続けています。その補強を今年こそは、もう4年目なんですけど、本当に今年こそは絶対継続するってことでしっかりやっていて。それから後半のブレとかもかなりなくなって、楽に前半走れるテクニックがついたと思います。自分の中で、やはり補強を継続することはひとつ大事だなんだということを感じています。
-400mHに好記録を持つ新入生が入りましたが、練習などに影響は
インターハイ1,2位のかなりレベルの高い子たちが入ってくるというのは自分が3年のときからわかっていて、でもやっぱりさすがに1年生なので、4年生として練習でも負けられないなという気持ちがあるので、自分が記録は負けていますが、気持ちだけでもこいつらを引っ張っていこうという思いでやっています。
-これからの目標は
この後大きな大会が全日本インカレですが、そこではもっと良い記録、49秒台を出して表彰台を狙いたいなと思います。
佐久間滉大
今日は最初の1本目があまり良くなかったんですけど、そこから立て直して徐々に記録を上げていけたのが良かったかなって思います。
ファールは2本だけだったので、上手く調整も、間合いとかの感じもわかってきているので、そこまでファールを気にしないで今日は競技できました。
やっぱりもう少し、追い参(追い風参考記録)だったので、ベスト以上は跳びたかったなあって感じです。
(実力差は)あるようでないと思うので、次は負けないように頑張っていきたいです。
日本選手権では最低でも8mを跳んで、上位に食い込んでいけるように頑張っていきます。
フォトギャラリー
- 準決勝後、タイム発表を待つ大瀬戸
- 表彰台に上る濱井
- ルーキー高田は準決勝敗退
- 竹川は4m80の記録で終えた
- 笑顔でメダルを手に取る大瀬戸
- 小川は無念の記録なしに終わった
- 女子唯一の出場となった鈴木
- 3位に入った佐久間