【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 入替戦 対中大 大差をつけられまさかの力負け 涙の2部降格…
第69回関東大学ボクシングリーグ戦
入替戦 対中大
2016年7月18日(月)
一橋大学ボクシング道場
最終戦で惜しくも駒大に敗れ、リーグ戦を全敗で終えた法大。1部リーグ最下位校として、2部リーグ優勝校中大との1部2部入替戦に挑んだ。
中大は何度も入替戦で対戦している因縁の相手である。また法大はエース森脇唯人(法2)や最上級生の田中風雅(営4)を欠いての戦いとなった。4-5で健闘した駒大戦の勢いのまま押し切りたいところであったが、今試合が引退試合となるLF級の齋藤優雅(法4)、今季好調のB2級高山涼深(法2)以外は白星をあげられず、2-7でまさかの力負け。痛恨の2部降格となった。
試合結果
トータル試合結果
2 法政大学 |
7 中央大学 |
試合結果
階級 | 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|
LF | ○ | 齋藤優雅(法4) | 2-1(29-28,28-29,30-27) | 永田丈晶 |
F | ● | 榊原達也(営2) | 0-3(25-30,25-30,26-29) | 新井勝 |
B1 | ● | 山内将大(文2) | 0-3(26-30,28-29,26-30) | 下永誉斗 |
B2 | ○ | 高山涼深(法2) | 3-0(29-28,30-27,30-27) | 松下竜之助 |
L1 | ● | 黒田虎之介(キャ2) | 0-3(28-29,27-30,28-29) | 富田真広 |
L2 | ● | 鎌田稔生(文4) | 1-2(28-29,29-28,28-29) | 三代大訓 |
LW | ● | 中原隆太朗(文3) | 0-3(27-30,27-30,28-29) | 岡澤セオン |
W | ● | 河津光貴(文1) | 0-3(27-30,27-30,27-30) | 河口周悟 |
M | ● | 石田智裕(文3) | 0-3(26-30,27-29,26-30) | 栗栖陸生 |
戦評
”勝てば残留、負ければ降格” 単純な論理であるが故に残酷であり、独特な緊張感を生み出す入れ替え戦。法大は1部残留をかけて、2部王者の中大と対戦した。残留を決めるにはもちろん、勝利しかない。
絶対に落とせない一戦で絶対的なエースを欠いた。M級で今季4勝1敗と無類の強さを誇る森脇唯人(法2)が負傷欠場。1年生の河津光貴(文1)をデビュー戦から2試合続けてW級で起用し、M級には3年生の石田智裕(文3)が出場した。
「自分が勝つことによってチームに勢いを与える」とLF級に登場した4年生の齋藤優雅(法4)。序盤からガードを固めてくる相手に対し、積極的にボディを打ち込む。3R通して激しく打ち合う熱戦は、スプリット判定で齋藤の勝利。幸先の良いスタートを切った。
引退試合を勝利で飾った斎藤
続くF級の榊原達也(営2)も、今季リーグ戦で勝利している選手。しかし、先手となるパンチをなかなか打てず、厳しい戦いを強いられる。全くペースを握れないまま敗れ、スコアはタイに戻された。
B1級に出場した山内将大(文2)も2R目に2度のダウンを奪われる苦しい試合となる。逆転を狙って必死に前に出たが、流血した相手選手の治療にかなりの時間を取られるなど、運にも見放された。ここで法大は1-2とビハインドを負う。
そんな状況でリングに上がった好調の高山涼深(法2)。得意の右フックだけでなく、力のある連打で流れを呼び込む。中大・松下の連打を浴びる場面もあったが、高山らしい「攻めきった」勝ち方で3-0の判定勝ち。頼れる2年生が傾きかけた流れを食い止めた。
今季を勝ち越しで終えた高山
L級には黒田虎之介(キャ2)と主将の鎌田稔生(文4)が出場。1Rのゴングと共にパンチを繰り出した黒田は、強烈な右ストレートを中心に積極的なボクシングを展開する。一進一退の攻防となるものの、惜しくも判定で敗れた。
この試合で引退となる主将の鎌田は、観客からの大声援を浴びて登場。しかしなかなかタイミングが合わず、有効なパンチを当てられない。すると3R開始直前に、ベンチから「全部出し切ってこい」の声が。その主は4年生で副将の田中風雅(営4)。この言葉に奮起した鎌田はワンツーを決めるなど、一気に攻勢に転じる。しかし僅かに及ばず、1-2の判定負けを喫した。
ついに後がなくなった法大。LW級の中原隆太朗(文3)が対するは、全日本ランカーの中大・岡澤セオン。長いリーチを生かした岡澤との距離感をうまく掴めず、持ち味の「打って動く」ボクシングをさせてもらえない。的確にフックを当てられ、劣勢の展開が続く。3R目、前に出るしかなくなった中原は捨て身の反撃に出る。壮絶な打ち合いとなり、会場は悲鳴と歓声が入り混じった異様な雰囲気に。そして運命の判定。しかし、中原の手は上がらなかった。静まり返った法大陣営。無念の降格が決まった。
落ち込む空気の中、唯一1年ながら出場となった河津がリングに上がった。相手は4年生であったが、前回同様堂々と戦い切った。しかし最後までペースをつかむことはできず敗戦。
最後のM級は石田が登場。沈みきった法大陣営も最後の戦いに向け声援を送るが、多くパンチを当てられると押し切られ黒星となった。
試合後の選手たち
昨季よりも多くの手応えをつかんだ今季。それだけに、降格という現実は非常に受け入れ難い。また、ここまでチームを支えてきた鎌田、齋藤、田中、平岩マネージャーの4年生4人にとっては、何とも悔まれる幕引きとなった。通用する部分、そうでない部分がハッキリした1年。彼らの想いを受け継いだ下級生が、1年後の入れ替え戦で雪辱を果たす。(下田朝陽)
監督・選手コメント
穎川徳夫 監督
―今日の試合を振り返って
一言で言うと、完敗です。
―どういった点で
駒澤戦を終えてけがをした人間もいました。けがといっても、無理をすれば出られるようなけがの者もいれば、重いけがの人間もいました。その辺のところの精神面で押されていたかなというのが、リーグ戦を終えての感想です。あと今回については取るべきメンバーが取られたということもあり、やはり中大の1部リーグに上がろうという気持ちの方が勝っていたということだと思います。
5つ取られた瞬間から、少し緊張の糸が切れてしまったかなと思います。結果として2-7ということになってしまったので、ここのところは勝負に対する執着のような面は修正していきたいなと思っています。
―中大の印象は
去年に比べるとそんなに荒削りという形ではなくて、堅実に基本に忠実にしっかりとボクシングをする精神が伸びたかなと思います。1年生を起用したりする戦いですので、そういう意味では総合力もつけてきたかなという気がしています。
―オーダーについて
うちのチームが今置かれた状況においての、最有力メンバーを揃えたつもりです。ですので、負けについてはやむなしですね。
―4年生の田中選手、エースの森脇選手が欠場となりましたが
田中は故障したので試合に出られませんでした。森脇についても同じく故障したので試合に使えないということでした。もう少し体幹からしっかり鍛えておかないと、ボクシングというのはそういうスポーツなので、逆に1試合1試合壊れているようでは使い物になりません。ケガをしてしまうことがないように、体幹から鍛えていけたらと思いました。
―齋藤選手は判定勝ちとなりましたが
齋藤は4年生としての意地でもぎ取ったポイントだと思います。2-1で割れましたので、そこをものにするというのは大切だったなと思います。それ以降1-2のゲームを取られてきましたので…。鎌田の1-2は取らなきゃいけないものでしたね。
―高山選手は今試合も白星となりました
高山はパーフェクトな形で勝ったと思います。高山のところについては、本来彼は今年のシーズンはサウスポーに付いて良い試合をしてきました。実は今試合でも、B1級の山内くんのところの下永くんがサウスポーだったので、こちらとしては高山と下永をぶつけるつもりで見込みを立てたのですが、裏をかいてきたかなと思います。ただ高山についてはそういうところもまったく問題なくしっかり勝てる選手なので、堅実に良い試合をして勝ってくれたかなと思います。
―鎌田主将は惜しくも判定負けとなりました
このチームで戦う最後の試合だったんですけど、鎌田主将も本当に頑張ってくれました。この1試合を振り返ってというより2か月半にわたる長いリーグ戦のシーズンで見て、すべての試合に出て、目を切ったりするアクシデントもあった中、それを乗り越えてしっかり頑張ってくれたと思います。本当に感謝しています。
―4年生は今試合で引退となりますが
けが、減量、メンバーの離脱、後輩たちのわがまま等も乗り越えしっかりと部をけん引してくれました。本日の試合も苦しい戦いでしたが、頑張ってくれました。リーグ戦を終えて、これからはそれぞれの目標に向けて、国体、全日本、やがて引退して社会に出て戦い続けることでしょう。社会に出ても諦めることの無いボクサーであってほしいと思います。それはマネージャーの平岩も同じです。平岩マネージャーは、4年間、我々の仲間として戦ってきました。敬意を表して、ありがとうを伝えたいと思います。四年間、本当にお疲れ様でした。
―マネージャーの平岩さんは部にとってどんな存在でしたか
縁の下の力持ちとしてしっかり支えてくれた良いマネージャーであり、主務だったと思います。チームのムードメーカーでもありました。最後は平岩の手をあげてあげたかったんですけど、残念ながらそういう結果を残すことができませんでした。ですので、平岩も負けたままじゃ引退できないでしょうから、卒業してもこのまま何とか続けてほしいと、そのぐらいに部には彼女の活躍が大変重要だったと思います。
―来年のリーグ戦での目標は
1年間2部に入ると2部のボクシングに浸かってしまうというのが実感としてあります。1部のボクシングを忘れないうちに、早く2部に決着をつけて1部リーグに返り咲きたいと思います。今日歓喜の声をあげていた中大は、明日は法大だという気持ちで、心の中に新たなスタートを刻んだつもりです。
頴川監督(写真㊨)は4年生への感謝と共に、1部復帰への決意を口にした
鎌田稔生 主将
―今のお気持ちは
後輩に申し訳ないというか、自分たちが1年生の時に2部落ちを経験していて、2部に落ちる悔しさも1部に上がる辛さも知っていたので、後輩たちには辛い思いをさせたくなかったです。自分も勝てず、リーグ戦を通じて思うような結果が出せず、後輩たちやOBに申し訳ないです。
―駒大戦後、どんな1週間でしたか
けが人が多くて、森脇や田中など、そういうなかでベストメンバーが組めないことはとても不安でした。負けるんじゃないかなと思って、夜もあんまり寝れなかったです。駒大戦に勝ちたかったのに勝てず、けが人も出て、とても不安でした。
―ご自身の試合を振り返って
今回のリーグ戦で初めて打ち合ってくれる相手とやれて、いままではアウトボクサーばっかりで、今回は自分と同じようなタイプで自分としてはリーグ戦の中では最も納得のいく内容でした。
―主将同士の戦いでした
全国でも結果を残している相手で、2年生の時に負けているのですが、自分の前に黒田が負けて、流れを止めないといけない場面で止めることができず悔しいです。最後の手数という部分で相手が上回っていたと思います。
―今シーズンを振り返って
初戦勝てて、そのあとは相手が目をカットしたり、自分がカットしたりと試合が途中で止まることが多かったのですが、納得のいくシーズンではなかったです。キャプテンとしての仕事ができず申し訳ないです。
―去年の入替戦との違いは
中大と法政は本当に競っていて、明日やればうちが勝つかもしれませんし、今回は流れが悪かったですね。自分が流れを止められず、ずるずるいってしまいました。
―2部から1部に上がる辛さとは
法政は2部では勝って当たり前で、全部勝った後に入替戦を勝たなければいけないので、練習がハードになると思います。
―4年間を振り返って
1、2年生の時は勝てたのですが、キャプテンになったり、勝って当たり前と思われるようになってからは勝てなかったです。下級生の時はがむしゃらに戦っていましたが、いろいろな戦い方を覚えて、考えてボクシングをするようになってしまい、幅ができた分迷いが出てしまったと思います。責任感やプレッシャーもありました。
―1番思い出に残っている試合は
今日ですね。キャプテンとして仕事ができなかった申し訳なさと、後輩たちやOBに対して申し訳ない気持ちがあります。
―成長できた部分は
いままでは自分のことだけを考えてやっていましたが、キャプテンになって、周りを見なくてはいけなくなり、この1年間すごく辛かったですが、人間的に成長できました。自分のだめな部分とか見えて、とても良い経験でした。
―キャプテンとしてどんな1年間でしたか
後輩たちがみんな強くて、今年は勝てるんじゃないかと思うこともあったのですが、後輩の面倒を見たりと辛いことの方が多かったです。
―後輩に期待していることは
力はあるので、この悔しさを知るメンバーがいるうちに1部復帰してほしいです。
―同期の存在は
4年間ずっと練習も授業も一緒で、けんかもしたりしましたが、引退で離れるとなるととても悲しいです。
―どんな4年間でしたか
辛かったです。朝練や厳しい練習耐えてきて、でも負けることもあって、ここにいない先輩や後輩、同期と出会えただけで法政に来た意味があったと思います。
―今後は
国体に出られたら頑張りたいと思います。その後のことはまだわからないです。しばらく休みたいと思います。
試合は健闘するも、降格という結果に悔しさをにじませた
齋藤優雅 副将
―今の率直な気持ちは
悔しいです。勝てなかったのは僕らの責任だと思います。
―個人の試合については
やりやすい相手だったので、やる前から自信はありました。
―スターターとしてのプレッシャーなどは
まったくなかったです。自分が流れを作ろうという気持ちでやっていました。
―全体の敗戦についてどう捉えていますか
流れというのもあると思うのですが、つなげられなかったのが原因かなと思います。個人の能力としての差はほとんどなかったと思うのですが、1部で戦っていて疲れやチームをまとめるという意味で少し足りなかったと思います。
―4年生から見たチーム状況は
本当は駒沢戦で勝ちたくて、負けた後は入替戦かという気持ちだったのですが、そこから切り換えて練習はできていたと思うので、状態としては悪くはなかったと思いますが、力が及ばなかったです。
―今シーズンはどんなシーズンでしたか
負け越してはいるので、その部分は悔しくて、僕がもっと勝っていたら、チームも勝てたのかなと思います。全試合出て、減量もきつくて、辞めてやろうくらいの気持ちの時もあったのですが、チームのために戦うというのはなかなかできないことで、チームとして戦えたのは嬉しかったので頑張れました。
―昨年よりは1部で競った試合が見られましたが、結果的に2部降格してしまいました
ミドル級の森脇も出られていなくて、そこも1つのポイントだと思いますし、4年生が勝てなかったのも大きいと思います。本当に悔しいですね。後輩たちに大変な思いをさせてしまうので。本当に申し訳ないなと思います。
―どんな4年間でしたか
法政に入って良かったなと思います。他大に比べて自由な雰囲気でいろいろな個性があるのでおもしろいチームなのかなと思います。
―1番思い出に残っている試合は
駒沢戦ですね。前半勝つことができて、早めに勝利が決まるかなと思い、初めて入替戦しないかなとも思ったのですが、悔しかったです。勝負強さが足らなかったのかなと思います。
―1番成長できた点は
体育会ですけど、いろいろな人と関わりながらボクシングできているのだなと思いました。
―入替戦とはどういうものですか
1部と2部は全然違うので、1部でやるというのは注目度もあり、トップの場所でやるというのは魅力も伝わりますし、1部と2部の差は大きいと思います。入替戦は自分の中ではプレッシャーにならなかったです。サクッと5勝して勝つ気持ちでいたので。
―来年以降後輩に期待していることは
2部になったのは申し訳ないですが、またチームの結束力を固めて戦ってほしいです。
―他の4年生はどういった存在ですか
最高です。一緒に仲良くやってきたので、良い代だったなと思います。
―ボクシングをやっていた4年間はどんな期間でしたか
本当にやっていて良かったと思います。こんな経験なかなかできないので、これからの人生の自信になるかなと思います。
―今後の競技予定は
国体まではやろうかなと思っています。
スタートから白星を挙げ、プレーでチームを鼓舞した
田中風雅 副将
―今のお気持ちは
めっちゃ悔しいです。
―ベンチからの応援という形になりましたが
前回の試合でけがをしてしまって、出られないというのが分かったので、サポートするしかないなと思っていました。具体的には暑かったので、冷やしたタオルで体をふいたりしていました。
―最後の試合出場できなかったことについて
最後は出て、チームのために勝ちたかったですが、中途半端な状態で出ても迷惑をかけてしまうので、苦情の決断でしたが仲間に託しました。
―今シーズンはどんなシーズンでしたか
出てはいたのですが、ずっと負けていて、個人としては苦しかったですが、チームとしてはまとまっていたので、来年につながるチームになっていくなと思いました。1部で戦えたのに、結果的に2部落ちしてしまったのは、成長しているなかでもなにか悪い点があったからで、それを来年改善していければ、すぐに戻れると思います。
―4年間を振り返って
苦しかったり、楽しかったりしましたが、本当にあっという間でした。このチームで戦えてよかったです。
―思い出に残っている試合は
去年の入替戦ですね。自分のためだけでなく先輩のためにも戦って勝つことができたので、印象に残っています。
―成長できた部分は
周りを見られるようになりました。高校のときは自分のために戦い、自分のことばかりを見ていたのですが、リーグ戦になり周りを意識することで、自分の力以上の力を発揮することができました。誰かのために頑張るということができるようになりました。
―4年生から見た今年のチームは
例年に比べて仲が良く、練習は練習でしっかりやるようなチームをキャプテンと作っていきました。
―来年以降の後輩に向けて
やることははっきりしていると思うので、後輩も来年1部返り咲いて、その次優勝しますと言ってくれているので、応援していきたいと思います。
―同期の存在は
自分はわがままで自分勝手にやっていたのですが、2人が補ってくれたので感謝しています。キャプテンは最後の砦というか自分たちができないことをやってくれたり、めちゃくちゃ頼りになるキャプテンという感じではなかったですが、稔生の色が出て良いチームになったと思います。
最後はサポートでチームを支えた
平岩佑梨 マネージャー
ー今日の試合をご覧になって
初め1個取れて、でもその後1個取られて。(3人目の)山内くらいから、ん?っていう空気が流れてて、多分このまま取られるんだろうなっていうのは直感で分かりました。みんなが諦めている訳ではないけど、詰めの甘さが出た試合が多かったです。取れたかな?っていう試合は、やっぱり後楽園ホールでやっている時の方が多かったですね。
今日はぶっちゃけ勝てるって思っていた人が多くて。取れると思っていたのに、思ったよりも自分の力が通用しないなっていうのを感じて、あれ?って焦るじゃないですか。そんなに差をつけられるなんて事は今まで無かったのに、それが出たっていうのは、ここで練習の甘さと気持ちの甘さが出たなっていう試合だったと思います。
ー4年生は引退試合となりましたが
優雅くんは勝てて良かったなって思いました。1個目取らなきゃっていうのと、相手もまあまあ強いっていうのが分かっていて。彼の場合は今まできちんとやっていたっていう自負もあったと思うし、4年間の最後でトップバッターでっていう意識の強さが出ていたかなと思いました。
鎌田も気持ちが出てたかなっていうのがありました。ただ頑張ったとは思うし、プレッシャーもあったと思うけど、主将なのにそこで勝てなかったっていうのはそれが全てですよね。主将は主将で自分が取らなければまずいって分かってた中で、でもその中で自分の持っている力の120%を出せるか、相手の気持ちに負けて少しの甘さで80%になるのかっていうところで、うちは後者だったのかなって思います。
ー今年1番印象に残った試合は
駒大戦が1番競ってたし盛り上がったっていうのがありました。それは何でかって思ったら、自分たちがチャレンジャーっていう立場で「いけるかもしれない」って時に力を1番発揮できるのかなって思いました。日大は勝とう勝とうと思っていても、相手はやっぱりランカーで世界で戦っている人もいるし。自分の力を試そうって思うタイミングって、勝つよりも頑張ろうって気持ちが強くて。駒大戦のときは勝てるかもしれないって思ってたし、これに勝てば1部残留だったから、そういう風にチャレンジする時にはすごく力を発揮できたなっていうのが印象です。駒大戦があったから1番ワクワクできたし、後輩の力を借りながらって言うのは良かったんですけど、やっぱり4年生が活躍してくれる試合があまり多くなくて。4年生が活躍できるリーグ戦じゃなかったっていうのはちょっと残念なところかなって思います。
ー元々マネージャーを始められたきっかけは
元々大学に入った時にしたいことがなかった中で、何かやりたいなって思っていた時に、本当にひょんなきっかけで鎌田がボクシング部のマネージャー募集してますっていうので、軽い気持ちで練習を見に来ました。その時もう1人いた友達に押されて入ったんですよ。それでも今まで続いたのは、1年生の時にリーグ戦を見ていて、その時も2部に落ちたんですけど、その時すごく悔しくて。そういう頑張ってやっている人を見て自分も悔しくて、頑張ろうって思ったっていうのが続いた理由です。きっかけは本当に鎌田と友達にグイグイ押されて負けたっていう感じだったんですけど(笑)。
ー具体的にどんな仕事をされていたのでしょうか
全体的にみんなの想像通りなんですけど、洗濯物畳んで閉まって、飲み物作って、練習メニューを日記に書いたり。あと主務も一緒にやっていたので、部員の公欠届けだったり、埼玉県や東京都の県予選申し込みの面倒を見たりだとか。他校が練習しに来るので外来者の駐車場の手配とか保体との連携とかをやっていました。ボクシング学生連盟の方もやっていたので、集会に行って情報をもらって部員に共有したりとか。あとは試合のセコンドやったり、結構色々やっていました。
ー今日で引退となりますが、4年間を振り返って
楽しかったというか、充実してたし、悔しいことも楽しいことも両方味わえて、メリハリのある生活ができたなって思います。4年間ダラダラ過ごすんじゃなくて、きちんと目的を持って生活できてたっていうのがすごく良かったです。自分の関わりの無かったスポーツに関わって、自分で考えて色々行動することができたから、成長できたなって思っています。でも最後勝てなかったのは、本当に甘さが出たなあと。1年生の時の方が頑張ってたから…年をとるにつれて、先輩がいないから自分で考えなくちゃいけないじゃないですか。そこの甘さも出つつ、後輩にいいところを残せなかったのが、すごく後味の悪い4年間だけどなあと。でも総括すると充実していました。
ー1番の思い出は
良かった思い出ってなるとやっぱり、2年前に2部から1部に上がった時ですね。嬉しかったから、すごく思い出に残っているいいことです。やればできるんだなあ!って思った瞬間でしたね。
去年の入れ替え戦で森脇くんが勝ったのも印象的でしたね。1年生なのに重たい荷物背負わせて、申し訳ないなって思ったけど、それで勝ってくれたから今年1部でやることができて。あの時もすごく感動しました。リーグ戦が1番印象に残りますね、それが1番ビックイベントなので。
ーマネージャーをやって得たものは
度胸ですかね。あとは人とのつながりがすごく増えたなって思っています。それを通じて一応体育会なので礼儀作法とかも厳しくて、それって今まで自分がのうのうと生きていたら分からなかったことだなって思っています。年の近い先輩や、年配の先輩の方とも接することがあったので、そういうつながりの中で自分の成長も得られたし、そこから仲間もできました。私は明治さんとか慶應さんとか、他校とも交流があったりして。得たものはその2つかなって思います。
ー同期の3選手についてそれぞれ思うことや伝えたいことは
うちの代は結構仲がいい方だったので、しょっちゅう一緒にいました。
優雅くんは、個人的な印象としてボクシングが1番好きなのかなって思っていました。1番個性も強くて、自分の考えたことを特に他人と共有することもせず、自分1人で黙々と頑張るみたいな。それが最近結果につながってきて、すごく良かったなって思います。風雅くんは1歩引いて物事を見られる人です。ボクシングに対してもそうだし、日常生活についてもそうなんですけど、あんまり取り乱さないというか。1歩引いたところから後輩の指導もするし、先輩にも気をつかえるしっていう印象です。
鎌田に関しては…私は学科も一緒だったので接することが多かったんですけど、昔から1人で背負いすぎるところがありますね。1年生の時からずっと試合に出ていて、1年生のときは結構勝てていたのもあって、2個上の先輩とか皆、ずっと彼が主将って思ってたところがありました。ポイントゲッターだと自分で思っていて、周りからも思われていたので、自分に負荷をかけ続けていて。(鎌田が)主将になってみて、同期が3人っていうのもあってやっぱりなかなか上手く行かなかったんですよ。その中で自分なりに考えて、やってくれていました。温厚なんですよ、あの顔に見えて(笑)。3人の中で1番優しいと思います。気が弱いって訳では無いんですけど、自分からグイグイいくタイプでもないので。優しくて、見守ってくれる人みたいな感じでしたね。ガツガツ怖いっていうよりも、みんなを尊重して。引っ張っていくっていうよりも、後ろから押してあげるみたいな。
全体に伝えたいことってなると、すごく感動させてくれた代だったなって。試合に出ていたっていうのもそうなんですけど、1年生の時からずっと3人は良く面倒を見てくれていて。試合中は怒鳴ったりとかイラッとすることもあるんですけど、その分感動も大きくて。4年間振り返っても、同期の試合を見ている時が1番楽しかったから、感動を与えてもらってありがとうございましたって感じですね(笑)。もうちょっと頑張ってほしかったですけど、それはもうしょうがないですね。
ーこれからのチームに向けて
このチームで勝てなかったのは慢心が多かったからかなってすごく思っています。中大戦に臨む前に、駒大戦に4-5で競っていて、うちらは1部でもこれだけ通用するんだから、2部から上がってくる中大に負ける訳がないって、単純にそう思っていたんですよ。それは個人的には危ないなってずっと思っていて。1週間前から全員がずっと調整で、メリハリも全然なくて、死ぬ気で練習したかって言われたら全くそんなことはありませんでした。それが実際25-30とか、26-30とかつけられた原因かなって。今までそんなこと無かったのに、ここにきてそうなるのは結果慢心していたからだと思います。
私がこんなことを言ったらいけないかもしれないけど、正直2部に落ちて良かったんじゃないかなって思ってるんですよね。前に2部に落ちた時に、チーム全体がやばいってなったんですよ。主将もやばいって思っていたからこそ頑張ってやって、6-3で中大に圧勝だったんです。その前の年は2-7で負けていたんですけど。ほとんど同じメンバーだったんですけど、そういう風に勝てたのは、慢心がなかったからだと思うんですよ。1部にいた人間からしたら、2部の平国大とか日体大とか絶対格下なのに、危ないかもしれないみたいな。ピリピリしたムードで臨めていて、結果それで勝てていた訳だから、慢心がうちの部の1番の敵だと思います。自分たちはできるだろうっていう自信を持ってもらうのはすごく大切なことだと思うし、自信がなければリングの上で負けてしまうかもしれない原因にもなってしまうと思うんですけど、そのもうひとつ上に行って「まあ大丈夫だろう」っていう慢心をなくしていただけたらいいんじゃないかなと思っています。
試合中はいつも声を張り上げ選手たちを励ましていた
高山涼深
―今日の試合を振り返って
名前の知らない選手だったので、やる前からいつも以上に緊張していました。でも始まった途端に自分のボクシングができて緊張がほぐれて、良い試合ができたのかなと思います。
―ご自身の調子は良かったでしょうか
そうですね。ただ会場が暑かったので途中でばててしまったっていうのはあります。
―相手選手の印象は
スタミナがあって打たれ強かったです。自分も何回か「これはダウンが取れる」と思ったんですけど、全然ぶっ倒れてくれなかったので、逆に自分がメンタルやられそうになりました。
―入替戦に向けてどんな練習をされていましたか
腰を痛めていたんですけど、今週1週間はもう関係なく。勝ちたいって気持ちが強かったので、疲労を溜めないように、ひたすら練習しました。
―チーム全体の雰囲気は
だんだん上がってきて、入替戦は本当に良い雰囲気で迎えられたと思います。
―今回で4年生が引退となりますが
本当に良くしてもらっていて、今回は本当にチームとして勝てなかったのがとても悔しいです。
―4年生はどんな存在でしたか
4年生が自ら練習をして、ついてこい!って感じで、体で表現してくれて。なので自然とやる気も出てきて、やらないとダメだなって。
―平岩マネージャーについて
鎌田主将が強引に連れてきたって感じなんですけど、ボクシング部のために一生懸命やってくれて本当にありがたいです。最後に勝利をあげたかったです。
―今年のリーグ戦を振り返って
自分自身は勝ち越しで、3勝1敗のいい成績を残せたんですけど。チームとしてはあんまりだったので、来年はもっともっと全員一丸となって1部に上がって、1部優勝に向けて頑張りたいです。
―来年でのリーグ戦の目標は昇格でしょうか
はい。1部上がって、その翌年に(1部で)優勝します。同期の森脇くんと約束もしました。
―今後の目標は
今週の土曜日は個人戦があるので、まずはそれに向けて頑張っていきたいです。
今後ますますの活躍が期待される
フォトギャラリー
- 降格が決まり、うなだれる鎌田主将
- 連続白星とはならなかった榊原
- 山内は2度ダウンを奪われ敗戦
- 自身の力を発揮し圧勝を飾った高山
- 闘志をむき出しに挑むも敗れた黒田
- 鎌田主将は無念の惜敗となった
- 中原はあと一歩というところで勝利を逃した
- 1年生ながら最後まで戦い抜いた河津