【ボクシング】第70回関東大学2部リーグ戦 対平国大 好調法大が最終戦でまさかの悲劇・・・ 全勝対決に惜敗し1部昇格の夢断たれる
第70回関東大学2部リーグ戦
第5戦 対平国大
2017年7月8日(土)
後楽園ホール
開幕から4戦全勝で波に乗る法大。最終戦の相手はともに全勝の平国大。この試合に勝ったチームが1部昇格を懸けて入れ替え戦に臨むという「天王山」。お互い勝ち星を取り合う死闘となったが、法大が一歩及ばず敗戦。降格から1年での最短復帰とはならなかった。
試合結果
トータル試合結果
3 法政大学 |
4 平成国際大学 |
試合結果
階級 | 勝敗 | 選手名 | スコア | 対戦相手 |
---|---|---|---|---|
LF | ○ | 渡辺大希(法3) | 3-2(28-29,30-27,27-30,30-27,30-27) | 籠谷龍志 |
F | ● | 大橋洸(文2) | 0-5(27-30,27-30,27-30,27-30,28-29) | 堤聖也 |
B | ● | 鈴木魁人(キャ2) | 0-5(27-30,28-29,27-30,28-29,28-29) | 矢代博斗 |
L | ● | 佐藤眞男(法2) | 2-3(27-30,29-28,29-28,27-30,28-29) | 千田亮 |
LW | ○ | 中原隆太朗(文4) | 3-2(30-27,28-29,30-27,30-27,27-30) | 横内龍也 |
W | ● | 河津光貴(文2) | 0-5(28-29,28-29,27-30,27-30,28-29) | 落合佑季也 |
M | ○ | 森脇唯人(法3) | 5-0(30-27,30-27,30-27,30-27,30-27) | 西邑蓮 |
戦評
今季リーグ戦最終戦にして最大の山場がやって来た。勝てば入れ替え戦出場、負ければ2部残留というシンプルな図式だが、相手はここまで法大同様全勝の平国大。4つの白星を巡る戦いが始まった。
LF級には渡辺大希(法3)が登場。1R開始のゴングと同時に前に出て積極性を見せる。2Rになるとその積極性と相手の疲労がうまく組みあい、離れぎわ、懐へ潜り込んで来たところへのカウンターがヒット。3Rこそ相手の猛攻にあうも逃げ切って判定勝ち。F級の大橋洸(文2)は強打を持ち味にここまで全勝と勢いにのり、2部の最優秀選手も狙える位置にいる。しかし、パンチを止めどなく放つ相手にガードで防ぐ時間が続き大橋は自分のボクシングさせてもらえない。3Rに反撃を見せるも巻き返すまでには至らず判定で敗れた。
出入りの激しいボクシングを披露したのはB級・鈴木魁人(キャ2)。ロープに追い込まれてもボディーを打ち込み応戦。2Rに互いの右が同時にヒットしふらつく場面もあったが、何とか切り抜ける。最終ラウンドは両選手ともにこれまでのボクシングとは異なり止まっての打ち合いが続く激しい試合となった。善戦した鈴木だったが0-5で敗れた。連敗で迎えたL級。この試合は今季初出場となった佐藤眞男(法2)が聖地を沸かせた。リングの中央に位置した佐藤はボディーから顔面などコンビネーションを駆使して相手を翻弄。昨年同様、打ち終わりには笑顔を見せ堂々かつ愉しげなボクシング展開した。しかし、判定は2-3という結果に。3敗となりいよいよ後がなくなる。
負けが許されない状況となったLW級は主将の中原隆太郎(文4)が登場。1Rから右フック3連発を打ち込む気迫のこもった様子の中原。2Rも相手をコーナーに追いつめ、中原のペースで最終ラウンドへ。後のない相手は開始から前に出て右ストレートを放つ。劣勢の中原だったが起死回生のダウンを奪い突き放して判定勝ち。W級の河津光貴(文2)は「最悪だった」と語るように大一番のプレッシャーで体が硬くなり、1Rにダウンを奪われてしまう。反撃したい河津だったが相手も全勝の平国大。河津の追撃をかわし逃げ切った。ここで法大の敗戦が決定した。M級は不動のエース森脇唯人(法3)。チームの勝敗が決した後でも自身のボクシングを見失わなかった。1Rに大振りする相手選手を見極めると、以降はパンチをもらわず左ジャブから右ストレートのワンツーを打ち込んでいった。判定も5-0の圧勝。
1部昇格の夢はここで潰えた法大。しかし、大橋をはじめとした2年生の活躍。山川宗一郎(文1)、田中佳斗(営1)らルーキーの活躍など収穫も多い。来季こそは1部へ。主力となる彼らの活躍に期待したい。(山崎志馬)
監督・選手コメント
頴川徳夫 監督
ー試合全体を振り返って
LF級の渡辺が勝って勢いをつけてくれましたが、F級はうちの大橋と平国大の堤君との全勝対決になって、大橋が敗れてしまいました。彼自身のリードパンチと距離を貫ききれなかったのが敗因だと思います。相手の絡みつくボクシングに巻き込まれてしまったかなという印象です。B級は1ラウンド目はかみ合っていましたが2ラウンド目から相手に鈴木のボクシングを見切られてしまいました。そこへの対応力がうちにはありませんでした。全体的に相手は積極性で上回っていたかなと思います。
—平国大の印象は
いい選手がそろっているので手強いなとは思っていました。ただうちも見た目以上に今までワンサイドな状況で勝ち上がれた訳ではないので、そこも敗因かなと思います。
—中原主将は気迫あふれるファイトで勝利をもぎとりました。監督の目にはどう映りましたか
彼は決して調子が良かった訳ではなかったと思いますが、気持ちでとった勝利だと思います。ただ彼の気持ちをチームとしての勝利につなげられなかったので、申し訳ないと思っています。
—河津選手は勝敗のかかる場面でリングに立ち、重圧もあったと思います
勝敗のかかるかからないに関係なく、本来ボクシングは1試合1試合に意味がある訳で、チームが勝ったからといって負けていい試合はないと思いますし、つらい減量に耐えてリングに立っている者もいるので、負けを容認している学生はいないと思います。そういう意味ではその前の段階で勝つべきでした。
—下級生の台頭が目立ったシーズンでした。彼らには1部で戦うチャンスが残されていますが、どういったことを期待しますか
まずは組織の一員として、感謝の気持ちを持ってやってほしいですね。この(入れ替え戦の)入り口で負けてしまうようでは、1部に行ってもあっという間に(2部に)戻ってくることになってしまうと思うので、練習や守るべきものをしっかり理解させたいと思います。
—1部昇格に向けての抱負
1部復帰を前提としてOBの方々には期待をしていただいてた部分もあると思います。しかし残念ながらそれを果たせなかったことは大変申し訳ないと思っています。何よりも来年の4年生の活躍の場が2部リーグとなってしまったことで、試合人数の部分(※2部は7人制、1部は9人制)だとか、日本代表選出の可能性を考えても、申し訳ないと思っています。それが学生に対する気持ちです。あとは学生として勉学にしっかり取り組んで、その上でボクシングをしてくれれば、意味のある強さがついてくると思います。あとは応援など他大のいいところを盗んで来季に生かしてほしいと思います。今後は国体や全日本選手権といった個人競技が続きますので、少しでも上に行けるようにがんばってもらって、来年度入ってくる新入生に少しでも明るいニュースを届けられるようにがんばっていきます。
渡辺大希(法3)
—試合を振り返って
リーグ戦では二試合目ということもあり、緊張しました。相手の選手も二部上位の平成国際大学のメインメンバーなだけあって実力はあったので、どれだけ噛みつけるかという気持ちでやった結果、何とか審判の皆さまにはこちらが優勢と見ていただけたという気持ちです。
—試合内容について
スタイルが噛み合わなくて、遠くから当てていこうと思ってたのですが、相手の選手が中に入ってくっついてプッシュとホールドを多用するやりづらい選手だったので、泥試合になってしまいました。
—試合に向けての練習
毎朝このリーグ戦のために朝練で皇居やボアソナードタワーを29階まで休憩なしで三往復するといったハードな練習をしました。
—来期に向けて
今年のリーグ戦はLF級のメインが田中佳人(営1)で、自分は裏方で支えるような感じではあったので次は自分がメインとして最高学年として引っ張っていきたいなと思います。
—これからについて
北海道全日本選手権予選と国体予選があるので、まずは勝って、全日本選手権、国体でどこまで上にいけるかを目標に据えてしっかり頑張っていきたいです。ここまで色んな方々に支えていただいたので、今日の試合は法政大学全体としては入れ換え戦には行けなかったですが、皆さまのお陰でここまで行けたと思うので、感謝を伝えたいです。
河津光貴(文2)
—今日の試合を振り返って
相手が強いということで緊張で体が硬くなっていました。1度ダウンを取られてからは緊張がほぐれてそこからはいつも通りの試合ができたかなと思います。
—河津選手が敗れるとチームも敗退という場面でしたが心境は
正直言って最悪でしたね。負ければ終わりだったので緊張して嫌な試合でした。1Rもそういう緊張感で硬くなってしまいました。
—1R以降は修正できたのでしょうか
ダウン取られたので本当はもっと自分から行って、取り返すぐらいの気持ちで行かなきゃいけなかったのですが、あと一つ足りなかったですね。そこの気持ちが勝負の決め手になってしまったと思います。
—今季リーグ戦を振り返って
去年は1試合しかでれませんでしたが、今年は2試合に出ることができました。スタイルも変わったのでそれに合わせて今後もやっていきたいと思います。
—2年生の活躍が光るリーグ戦になりましたが
そうですね。F級、B級の選手が活躍していて同期として自分も頑張らなきゃなという気持ちはありましたね。
—今後について
次は全日本(全日本アマチュア選手権)の予選になると思います。関東で当たった選手と当たると思うので次は負けないように練習したいと思います。
フォトギャラリー
- 自らの敗戦で負け越しが確定し、リングサイドでうなだれる河津
- トップバッターの重圧にも負けず、田中はチーム貴重な勝ち星を持ち帰った
- 判定で今季初の黒星を喫しぼう然とする大橋
- 鈴木も相手に押される場面が目立った
- 久々の実戦となった佐藤は惜敗。しかし、彼が来季以降の柱になることは間違いない
- 勝利後、支えられながらリングを降りる中原。死力を尽くし、主将としての責務を果たした。
- 森脇は貫禄の勝利。ラストイヤーの来季は自らの拳でチームを昇格へ導く