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【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 対東洋大 期待の2年生コンビが白星をあげるも、強豪相手に連敗

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【ボクシング】第69回関東大学ボクシングリーグ戦 対東洋大 期待の2年生コンビが白星をあげるも、強豪相手に連敗

第69回関東大学ボクシングリーグ戦
第2戦 対東洋大
2016年5月28日(土)
後楽園ホール

初戦を敗戦で終えた法大。2戦目の相手は昨年度2位の東洋大だ。初戦と同様、強豪相手の試合となるが、選手たちは闘志を十分に挑んだ。日本トップレベルの選手らを相手に、各選手が奮闘。活躍が期待されていたバンタム級の黒田虎之介(キャ2)、ミドル級の森脇唯人(法2)ら2年生コンビが見事白星をあげた。初戦に引き続き2-7で敗戦となったものの、それぞれが次戦への収穫を得た。

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森脇は開幕連勝!

試合結果

トータル試合結果

2

法政大学

7

東洋大学

 

試合結果

 階級 勝敗 選手名 スコア 対戦相手
LF  ● 齋藤優雅(法4)   0-3(28-29,28-29,28-29) 村地翼 

F

 ● 榊原達也(営2)  0-2(28-28,28-29,28-29)   福井勝也
B1  ● 竹原毅(文3)  0-3(27-30,27-30,27-30)   木原蓮太朗
B2  ● 田中風雅(営4)  0-3(27-30,27-30,28-29)   馬場龍成
L1 鎌田稔生(文4) 0-3(9-10,9-10,9-10)※  秋山佑汰
L2 黒田虎之介(キャ2) 3-0(29-28,29-28,29-28)   久野将太郎
LW 水口悠太郎(法3)  0-3(27-30,27-30,27-30)   中川晃洋
W 石田智裕(文3) 0-3(28-29,27-30,27-30)  原田健太
M  ○ 森脇唯人(法2) 3-0(30-27,30-27,29-28)  宮内良
 ※偶然のバッティングにより試合続行不可能なため、それまでのポイントにより勝敗を決定

戦評

 初戦の日大戦では破れたものの、昨年王者相手に堂々の2勝をあげた法大。リーグ戦、2戦目。今回は強豪東洋大と対戦した。

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試合前、整列する選手たち

 はじめに出場したのはLF級の齋藤優雅(法4)。序盤から相手のパンチを見極め、的確にジャブを決めていく。3R目が終わり、チームへ向け笑顔をみせた齋藤。確かな手応えがうかがえたが、わずかに及ばず0-3。無念の敗戦となった。
 流れを取り戻したい場面で出場したのは、F級の榊原達也(営2)。1R目、左フックでダウンをとると、2R目以降から相手の動きを見てカウンターを仕掛ける。しかし終盤の相手の猛攻に打ち負け、0-2と結果は奮わなかった。
 続く試合に出場したのは、B1級の竹原毅(文3)とB2級の田中風雅(営4)。しかし序盤から共に攻めあぐね、後手に回ったボクシングで敗戦した。
 後がない法大。期待がかかる場面でリングに上がったのは、L1級主将の鎌田稔生(文4)。スタートから激しい体のぶつかり合いを見せるものの、ここでハプニングが。開始早々バッティングにより、相手の秋山が右目を負傷。1R目半ばで試合は中断し、そのまま判定へ。結果は0-3の判定負け。主将同士の熱戦が期待された試合だけに、両者不完全燃焼となった。

 この時点でチームとしての勝利がなくなってしまった法大。そんな重い空気を変えたのはL2級の黒田虎之介(キャ2)だった。1R目は相手のペースにのまれるものの、攻めの姿勢を崩さない。今日は黒田の父が故郷から応援に駆け付けていた。「1R目が終わり父の目を見て、頑張らなくてはと思った」と語るように、2R目からは得意の足を使ったボクシングスタイルに持ち込むと、流れは一気に法大に傾いた。結果、闘志あふれるプレーで相手を上回り3-0。沈んでいた法大にチーム初勝利をもたらした。

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今季初勝利を飾った黒田

 この勝利で波に乗りたいところだが、続くLW級の水口悠太郎(法3)、W級の石田智裕(文3)は本来の実力を発揮できず、試合を落としてしまう。

 もう1勝あげたい法大。最後に出場したM級の森脇唯人(法2)が魅せた。序盤から激しい打ち合いを展開すると、フックにボディと的確にパンチを決める。3R目、相手の守りが固くなった場面でも手を緩めずパンチをたたみかけ、会場を沸かせた。試合後、本人も満足げに頷いた結果は3-0で判定勝ち。誰もが納得のいく結果となった。

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黒田(写真㊥)は勝利した森脇㊨を笑顔で迎えた

 最終的に全体の結果を見れば、2-7。敗れはしたが見えてきたものはある。負けてしまった試合も惜敗と呼べるものが多く、1つでも多く勝利をあげるという思いから、チームとして勝つための決意がうかがえた。また、強豪相手に2年生の若い力で2勝をあげ、将来が楽しみな結果となった。チームでの勝利を目指す法大の成長は、これからも続いていく。(大野眞由紀)

監督・選手コメント

頴川德夫 監督

―今日の試合を振り返って
去年の東洋大戦は1-8だったんですけど、今年は2-7で数としては1つだけ前進しました。去年も思ったことなんですけど、あとちょっとの差で勝てた試合もあったかなと。今年も何名かの選手はこうすれば勝てた、あとちょっと先に手を出すことを意識すれば勝てたという、負けてしまった原因が見えたのでそこを拓大戦に向けて改善して勝ちに行きたいです。これは今日の試合でうちのチームが感じたことですね。逆に言うと、前回の試合のときの拓大は、これならうちが勝つなっていうようなチームだったんですが、今日の拓大は日大を圧倒していて、この1戦から2戦にかける間に拓大は変化したと感じました。次は我々がさらに変化するときだと思うので、強くなって拓大戦に臨んで、勝ちに行きます。

―今日のオーダーについて
昼間の練習を見て、彼らのコンディションと一番強くて勝利をもたらしてくれるであろう選手を使いました。例えばA君とB君がいて、日頃の練習とか戦い方で勝つ可能性が違わなかったとすると、万が一負けてしまった場合でも、彼の戦いだったら次に負の連鎖を起こさない方を使います。今日だと竹原君は負けはしましたけど、闘志むき出しで、打たれようが何しようが前に前にいっていました。下がってしまうボクシングより、打たれても前に前にっていう、気持ちむき出しのボクシングの方が、次の選手へのバトンが強い気持ちで渡るので、そういうところも選手を選ぶ一つの要素にしています。
ボクシングって引き分けがなくて、必ずどちらかが勝つもので、直接相手を潰しにいくじゃないですか。やっぱり体のダメージだけではなく心のダメージも大きいんですね。だからそういったところを次に前向きにつなげられるような選手を使っていくというのは、今の法政大学の中では少し意識をしています。

―対戦校の東洋大チームについて
それぞれの選手の良い点がしっかり出ていたと思います。1名、残念なアクシデントでお互いのバッティングをしてしまったんですが、あれはどちらが悪いということではなくて、本当に不可抗力で起きてしまった事故した。そういう意味では本当に数秒の戦いの中でジャッジが下されたと思うんですね。こういうことでケガをさせてしまったということは気の毒だと思うんですけど、事故ですので、早く治して活躍してほしいなと思います。
あと他の若い選手も良い動きができていました。去年東洋大は2位で、(今年も)優勝を争うようなチームなので、しっかり戦ってきたなと思います。

―勝利した2名の選手について
勝ち星をあげた黒田虎之介は、正直前回の日大戦で中々厳しいポイントの差が出たので、今日の戦いで次の試合が決まる…使うか使わないかに関わる非常に大切な戦いだということを、彼自身に言いました。あと彼自身も少し自分の良さを忘れかけていたところがあったので、今日はちょっと厳しめな声かけをしてリングに上がらせました。そこが彼の行動に出たんじゃないかなと思います。
もう1人、森脇唯人ですね。彼も良い所がたくさんある選手です。ただ今日の試合は勝ちはしましたけど、ハラハラするシーンが多かったですね。というのは、相手が出てくるところを、後ろ手で止めに行ったんですけど、それを大きく振るので、逆に相打ちになったり、相手の頭が顔面に当たったりして大けがをする危険がありました。そうならないようにジャブ、前の手をしっかり使わなきゃいけないんですね。今日はその前の手をあまり使っていませんでした。どちらかというとぶっ倒してやるってくらい強い気持ちが出てしまったので、ついつい後ろの手を強く振ってしまっていて、それが少し心配な所でした。そういうところがちょっとハラハラしましたね。結果として勝ちましたけど、やり方によってはもっと彼の良さを出せたんじゃないかなと思いますので、次の課題にしたいと思います。

―先程も話題に出ましたが、鎌田選手の判定負けについて
バッティングでそれ以上ゲームの続行が不可能になった場合、反則だとか失格だとか、どちらかが原因だと明確に出て負けるケースもあります。
(今日の試合は)ジャッジの方からはどっちが悪いという判断ではなく、もう本当に事故だという判断が出ました。 なので(トラブルが起きる前の)僅かな時間で勝ち負けを決めました。
いつ何時ああいった事故が起きるか分かりませんから、はじめからしっかり良いボクシングをしなくてはいけないなと。スロースターターなんてアマチュアが言ってはいけないんだなと思いました。ゴングの直後にハイパフォーマンスで戦っていかないと、本当に強いボクサーにはなれないんだなっていうところが、反省として感じられた試合ですね。ただ(鎌田選手は)主将としてチームを引っ張ってくれていますので、その後に負の連鎖はなかったと思います。

―次の試合までに特に修正していきたい部分は
打った後の次の攻撃、攻撃と攻撃の間をできるだけ縮めていくっていうことです。
あと拓大は激しく前に出てくる選手が多いので、慌てない、しっかり自分のリズムでボクシングをやりきるっていうところを強く意識させたいと思います。

―第3戦に向けて
次の選手は来週の土日のスパーリングで最終決定するんですけど、全ての選手にチャンスがあります。是非このリングに立つために、全選手に頑張ってほしいと思います。この後楽園ホールという格闘技の聖地に立ち、ここで勝利したいと言う気持ちが強ければいい結果が出ると思いますので、そういう風にチームの中でも競わせて、しっかりとした実力を出せる選手を使って勝ちにいきたいと思います。

 黒田虎之介

―今日の試合を振り返って
最初は相手のペースになってしまって1R目をとられてしまったので、そこは反省点です。1R目が終わって、今日は父が観戦に来ていたので、父の顔を見てこのままじゃダメだと思い2、3R目から変われました。

―主将のバッティングによる判定負けを受けて、気持ちに変化は
負けたことは正直びっくりしました。大体バッティングになってしまった時は、怪我した側が負けるので、今日みたいな結果は見たことなかったです。なので気持ち的には昂って、絶対に勝ってやろうという気持ちで挑みました。

―今日の試合の勝因は
途中で足を使えたことですかね。最初は相手のペースに巻き込まれてしまって、足を動かさずに接近戦ばかりになってしまったのですが、2R目からは足を動かして距離をとってボクシングができたことが勝因だと思います。

―リーグ戦2戦目になりますが、ご自身のボクシングはできてきていますか
1戦目は全然できていなくて、今回も1R目はできていなかったです。2、3R目からは良かったですが完璧にできていた訳ではないので、まだまだ改善の余地があると思います。

―課題は
相手のペースに巻き込まれないということと、足を使って相手との距離をとり自分のボクシングをすることです。

―次の試合に向けて
次の試合の相手も強いのですが、もちろん勝ちにいきます!今日みたいに相手のペースに巻き込まれるような試合運びをしないように、カッコいい姿を見せていきたいです!

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今後の活躍も期待される

 森脇唯人

―今日の試合を振り返って
(対戦相手は)昔手合わせしたこともあったんですけど、その時もやりづらくて、今回も思っているイメージができなくて、噛み合わなかったなというのが今日の印象として残っています。

―「思っているイメージ」とは
僕の方がスピードがあるので、スピードについてこさせないようにするボクシングが今回のテーマでした。相手選手は前回1つ上の階級で試合されてたんですけど、今回僕と同じ階級に落として試合されてたので、そこが計算ミスだったというか、作戦ミスだったという感じです。

―序盤から強気に攻める姿が印象的でしたが
お互いに距離をとるボクサーなので、やっぱり距離をとりあってるより、先に出た方が印象に残るかなと思って、最初積極的に行こうかと思いました。リーグ戦の初戦は距離とって綺麗なボクシングができたんですけど、今回はお互い噛み合わなくて、ガチャガチャなシーンが多くありました。

―初戦に続いての勝ち星で、自信がついたのではないでしょうか
去年はリーグ戦に4戦出させていただいて、2勝2敗だったので、今回は全勝できるように頑張りたいと思います。

―次の試合に向けて
次は拓大戦で、次の選手も高校の時に1回試合してて負けてるので、今回は勝てるように頑張ります。

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次戦も勝利を飾れるか、要注目だ

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