【フェンシング】第67回関東学生選手権~男子エペ・女子サーブル団体~女子サーブル団体は専大に屈し連覇ならず 男子エペ団体は慶大に惜敗も3位へ入賞
第67回関東学生選手権
2015年10月27日(火)
駒沢オリンピック公園体育館
最終日は男子エペと女子サーブルの団体戦。連覇を狙った女子サーブル団体だったが、決勝で専大に敗れ準優勝。男子エペ団体は準決勝で慶大に惜敗するも、3位決定戦で日大を下した。
試合結果
種目 | 出場選手 | 試合詳細 | 順位 |
---|---|---|---|
男子エペ | 藤倉陸、村越優希、中村豪 | 1回戦○45-21青学大
準々決勝○45-44中大 準決勝●37-45慶大 3位決定戦○45-38日大 |
3位 |
女子サーブル | 栗本ひかる、福島史帆実、奥田彩野 | 準々決勝○45-31日体大
準決勝○45-32日大 決勝●41-45専大 |
準優勝 |
男子エペ戦評
昨年同大会でベスト4入賞を決めた男子エペ団体。フルーレ、サーブルに続き男子団体で3冠を目指す。
1回戦の青学大では終始リードを奪い45-21で快勝すると、準々決勝で中大と激突。第2セットで藤倉陸(社2)が足を負傷しながらも6点連取し10-7と上々の立ち上がりを見せるが、第5セットで村越がまさかの9連続失点。一気に追いつかれ勝負は40-40で迎えた最終セットの藤倉に託された。先制点は取られるもののドゥブル(同時突きで互いに点が入る)などで並び44-44の一本勝負へ。緊迫した空気の中、突かれた剣は互いの上半身にヒットし再びドゥルブ。しかし最後は藤倉の剣が相手に勝り激戦を制した。
準決勝の相手は 昨年同大会の準決勝で敗れた慶大。連戦の疲れからか中々プラスで回せない藤倉、村越優希(文4)に対し中村豪(人2)が躍動する。軽い身のこなしで相手を翻弄し第6セットの5点連取などでチームにリズムを作り出す。しかし先ほど見事な一本勝負を見せた藤倉が36-36で迎えた最終セットで9連続失点。昨年のリベンジは叶わず、3位決定戦に回る。
3位決定戦は準決勝で専大に敗れた日大と対戦。序盤では互角の戦いを演じるが、第5セットで調子を取り戻した藤倉が2点リードする。この後もリードを保ったまま40-35で最終セットを迎え、今回初めて最後回りを任された中村が落ち着いた試合運びで最後のランプを灯した。
男子エペ主将の藤倉
準決勝の慶大戦は痛恨の最後回りとなってしまった
最終結果は3位と昨年より 一つ順位を上げたが、準決勝でも決して勝てない試合ではなかった。春リーグ、王座からまだ優勝を経験できていない男子エペ団体。次のインカレではさらなる飛躍を誓う。(竹内大将)
女子サーブル戦評
準々決勝の日体大戦を45-31で勝利し、続く準決勝の相手は春リーグで敗れている日大。成長が試される一戦だ。
第1セット、個人戦チャンピオン福島史帆実(法2)が5-3と先手を奪うと、第3セットの栗本ひかる(社4)、続く奥田彩野(文1)も大きくプラスで回し、20-11とリードを広げる。第6セットの栗本が昨日、3位決定戦で敗れた小栗(日大)に対して苦しむ場面もあったが、流れを渡すことはなかった。最後は福島が締め45-32で勝利。日大に対し10ポイント以上の差を付けた快勝で、決勝へと進む。
決勝では専大との顔合わせに。春リーグでは45-43と接戦の末に勝利を収めている相手だ。
第1セット福島が5-1とリードし快心のスタートを切る。しかし続く奥田、「自分のフェンシングができなかった」と苦戦、一気に逆転を許してしまう。それでも上級生がカバー、栗本が6連取を奪うなど15-14と捲り、再びリードを奪う。きっ抗した試合となった決勝。第5セットの福島がエースの働きを見せる。鋭く前に出て4ポイントのプラスで回し、25-21と法大に流れが傾く。しかし第7セット、奥田がまたも厳しい戦いを強いられた。7連取を奪われるなど32-35と逆転を許してしまう。第8セット、主将の栗本は「こういう時こそ焦らずに」と慎重にポイントを重ねた。39-40と1ポイント差でエースに託す。だが専大の勢いが勝ったか。個人戦を制した福島でも跳ね返すことができず、41-45で敗戦。準優勝に終わった。
インカレでは「自分のプレーをしてチームに貢献したい」と語った1年奥田
関カレ連覇はならず準優勝。「ロースコアで抑えなければいけないところで、抑えられなかった」と栗本主将は敗因を語った。個人戦で結果を残した2人の先輩とともに出場した1年奥田。調子自体は悪くなかったが「重要な場面になると、どうしても緊張してしまう」と苦戦の要因を口にした。勝負の分かれ目となる場面で、相手を流れに乗せず、それぞれが役割を果たせるかが鍵を握りそうだ。
今大会で女子フルーレが専大にリベンジを果たしたように、女子サーブルも雪辱となるか。その次なる舞台は、同じく連覇のかかるインカレだ。(高津勇佑)
選手のコメント
藤倉陸 男子エペ主将
―団体戦を振り返って
準々決勝の中大戦はずっと序盤からリードしていたにも関わらず、最後に40-40という展開になってしまって、そういったところでチーム力が問われてきているのかなと思いました。結果としては勝って良かったんですけど、そんなに危ない状況になってはいけないと思うので、これから練習を組み立てていきたいと思いますね。準決勝は(中村)豪に頼りすぎたり、最後は僕が締めれば良かったところでボコボコにされてしまいました。そういうことがないように、みんなが自分の役割を果たせるようにやっていきたいと思いますね。3決は普通に勝てたので良かったです。
―3位という結果については
男子は3冠がかかっていたので、やっぱり優勝したかったですね。他の部員にも申し訳ないです。
―準決勝の敗因は
勝っていたときにキープして8回り目でまた差を付けたかったんですけど、豪が昨日の疲労もあって失速しちゃった部分があったと思います。そういった面で、もうちょっと違うやり方があったのかな、とは思いますね。豪をのびのびとさせ過ぎたり、村越が不調だったり、そういうのが相まったことが原因かなと。僕がもっとリーダーシップをとれていれば良かったんですけど。
―個人戦について
関カレ男の弘貴(小野・早大)には敵わなかったですね(笑)。インカレは2年連続ベスト4なので今年は優勝できるように頑張ります。
―今大会で見つけた課題
個人としては相手に合わせて試合展開が早くなってしまったので、我慢してロースコアで展開していけるように、ということですね。団体としてはもっと各々の役割は何なのかということを明確にして、取る人は取る、守る人は守る、繋げる人は繋げる、という役割分担をこれからの練習で徹底していきたいと思います。
―インカレに向けて
関カレはあまり奮わなかったですけど、これはインカレの予選だと思ってるので切り替えて、個人、団体ともに決勝の舞台に立ちたいと思います。
栗本ひかる 女子サーブル主将
ー団体戦を振り返って
調子が良かったとはいえなかったのですが、ロースコアで抑えなければいけないところで、抑えられなかったことが決勝で勝てなかった敗因だと思います。
ー悔しさの残る大会になってしまったと思いますが
リーグでは優勝できたので、関カレ、インカレと続きたかったんですけど。優勝できなくて悔しいですね。
ー第8セットはビハインドで回ってきました
いつも自分が捲らなきゃという思いで焦ってしまうんですけど、今日はこういう時こそ焦らずに実力を出し切ろうと思っていました。
ー個人戦を振り返って
去年3位に入ることができて、今年は優勝を狙ってたんですが。4位という結果は悔しいですけど、インカレで取り返したいと思います。
ー準決勝は際どい勝負でした
そうですね。今思い返しても、あの勝負には勝ちたかったですね。
ーインカレにむけて
個人も団体も両方とも優勝したいです。いや、優勝します!
奥田彩野
―団体戦を振り返って
今日は調子が良かったんですけど、決勝では自分のフェンシングができませんでした。先輩たちに迷惑をかけてしまう形になってしまってので、もう一回ビデオを見直して、また頑張りたいです。
―試合前はチームメートからどんな言葉をかけられていましたか
点数とかをあまり気にせずに、思い切りやってきていいよ、という風に言われていました。縛られずに思い切りプレーするということはできたと思います。
―今の具体的な課題というのはありますか
重要な場面になると、どうしても緊張してしまって自分のフェンシングというものができなくなってしまうことです。いざという時に自分のプレーをしてチームに貢献していきたいです。
―春から試合に出場して成長できたところは
春はサーブルという種目に慣れていなくて大変だったということがあるんですけど、少し慣れてきたと思います。目の前の勝利というものを意識して試合に臨めるようになってきていると思います。
―二人の強い先輩がチームにいますが、インカレではどんな試合をしたいですか
強い先輩が二人いるということで自分は1年生という立場なんですけど、楽しんで思い切りやりたいです。(このチームでやれるのは)あとちょっとしかないので、後悔しないようにやれたらいいなと思います。
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大会総評
団体戦は6種目中3種目(男子フルーレ団体、男子サーブル団体、女子フルーレ団体)を制覇。今春に関東リーグ1部に昇格を決めた女子エペ団体は3位という好成績を収めた。一方、連覇を狙った女子サーブル団体は惜しくも準優勝。男子エペ団体は3位に入ったものの、悲願のタイトル獲得はならなかった。インカレでの雪辱に期待したい。
個人戦では男子フルーレの長島徳幸(文4)が連覇を達成。そして女子サーブル福島史帆実(法2)、女子エペ富永恵美マリー(法1)が優勝、男子エペ中村豪(人2)が準優勝と下級生が大活躍を見せた。3連覇を狙った男子サーブル安藤光平(法4)はけがの影響もあり、記録達成ならず。他4年とともに最後のインカレで優勝を狙う。
団体総合結果
種目 | 成績 |
---|---|
男子フルーレ | 優勝 |
男子サーブル | 優勝 |
男子エペ | 3位 |
女子フルーレ | 優勝 |
女子サーブル | 準優勝 |
女子エペ | 3位 |
個人総合結果
種目 | 選手名 | 成績 |
---|---|---|
男子フルーレ | 長島徳幸(文4) | 優勝 |
男子サーブル | 大崎葵一(営3) | 3位 |
男子エペ | 中村豪(人2) | 準優勝 |
女子サーブル | 福島史帆実(法2) | 優勝 |
女子エペ | 富永恵美マリー(法1) | 優勝 |