2021年5月24日(月)~6月7日(月)
2021年度関東学生テニストーナメント大会(春関)本戦
大宮けんぽグラウンド他
ついに本戦が始まる2021年度関東学生テニストーナメント大会(春関)。予選免除の選手を含め、法大からは男女合わせてシングルスに14名、ダブルスに8ペアが出場する。インカレ出場権をかけ、関東の猛者がしのぎを削るこの大会。昨年度は中川舜佑・大田空ペア、そして佐野有佑・高清水研人ペアがそろってベスト4と快進撃を見せたが、果たしてこの成績を超える選手は現れるのか。今回は本戦直前取材として、男女それぞれの注目選手にお話しを伺った。
出場選手
男子シングルス
選手名 | 学部学年 | 出身高校 |
---|---|---|
中川舜佑 | 社会4 | 光泉 |
矢島淳揮 | スポ3 | 東京学館浦安 |
大田空 | スポ2 | 四日市工 |
高清水研人 | 経済4 | 日大三 |
田中諒弥 | 経済4 | 静岡市立 |
米田圭佑 | 経済3 | 法政二 |
村田雄飛 | 社会3 | 清風 |
森田凌矢 | 社会2 | 鳳凰 |
佐藤太耀 | 現福2 | 法政二 |
新井翼 | スポⅠ | 足利大附属 |
青木一晟 | 現福1 | 湘南工科大附属 |
男子ダブルス
選手名 | 学部学年 | 出身高校 |
---|---|---|
中川舜祐・大田空 | 社会4・スポ2 | 光泉・四日市工 |
佐野有佑・高清水研人 | 経済4・経済4 | 法政二・日大三 |
守屋達貴・加藤木塁 | 人環3・経済2 | 法政二・埼玉平成 |
田中諒弥・矢島淳揮 | 経済4・スポ3 | 静岡市立・東京学館浦安 |
大野文也・森田凌矢 | スポ4・社会2 | 大分舞鶴・鳳凰 |
佐藤太耀・平井健太郎 | 現福2・経済1 | 法政二・法政二 |
女子シングルス
選手名 | 学部学年 | 出身高校 |
---|---|---|
蛸井涼華 | スポ4 | 帝京大学可児 |
猪川結花 | 社会3 | 岡山学芸館 |
山崎京花 | 経済3 | 浦和学院 |
女子ダブルス
選手名 | 学部学年 | 出身高校 |
---|---|---|
蛸井涼華・山﨑京花 | スポ4・経済3 | 帝京大可児・浦和学院 |
猪川結花・上伊倉理子 | 社会3・社会Ⅰ | 岡山学芸館・浦和麗明 |
展望
中川舜佑・大田空ペア
―今季ここまでの調子は
中川:私は…正直順調ではございません笑。就活があって練習時間が短くなっているのもあるし、そこまで思うように練習はできていないので、今はテニスに関しては普段通りではないです。ただ、まだ2週間あるので、しっかり準備をして春関で良いプレーができるように頑張っていきたいと思っています。
大田:去年は大会の時期もいつなるか、やるのかどうかも分からない状況で準備が難しかったんですが、今年は日程が決まっていたり、去年の経験もあるので、準備はしやすいです。ただ、プレーについては仕上がっているわけではないので、去年の経験を生かしながらあと2週間で上げていければと思っています。
―昨年度を振り返って
中川:去年コロナの影響で自粛期間があった時に、絶対ここはチャンスだと、自分の中で今までしてこなかったことに挑戦する期間だなと思っていて。その期間を上手く使ってトレーニングをやったら周りとの差がつくかなと思っていました。そうしたら実際、すごく上手くいった。正直ここまで安定して結果が出るとは思っていなかったですし、1年生の時に比べると安定して結果を残せるようになりました。ただほとんどベスト8なので、ラスト1年は優勝できるように頑張っていきたいなと思います。ダブルスに関しては、ほんまに(大田)空のおかげとしか言いようがないくらい、僕自身、空と組むまではダブルスは本戦1回戦勝てないくらいだったので、空に全国大会3位まで連れていってもらえて嬉しいですね。あそこまでいったら優勝したかったです。空もおれのおかげっていつも言ってくれるけど、2人とも頑張ったからここまでくることができたと思うので、ラストは優勝して引退したいなと。
―新しいことというのは具体的に
中川:トレーニングもトレーナーも人に言われてやっていたんですけど、言われたことをやるだけでは他の人と一緒だから自分自身も成長できないなと思っていました。プラスして自分に必要だと思ったところを重点的にやりました。自粛期間は誰よりも努力したと思っています。なんか就活みたいになってるな笑。
―大田選手はいかがですか
大田:去年はコロナの影響で、予定通りに試合がなく、どうしたらいいのか分からないという中で、シングルスに関しては全然結果を残せなかったので、ダブルスでは中川さんと組んで、春関とインカレでベスト4という結果を残せたということが、今のモチベーションになっています。中川さんと組んでなかったら、今の僕は精神的に腐ってしまってテニスをするモチベーションが無くなってしまっていたと思います。ダブルスでは僕がボールを触るのは3割くらいで、いいところだけもらっているんですけど、そういった僕の良さを生かしてくれているのは中川さんのストロークやサーブの力があるからだと思うので、自分もプレーもですけど、僕がその力をもっと生かせるようになれば、優勝という結果が見えてくると思うので、去年の経験も生かして頑張りたいと思います。
―春関に向けて目標、意気込みをお願いします
中川:単複優勝!シングルスは第4シードだし、実際メンバーを見ても絶対に勝てないなという相手は去年からいなくなっているので、優勝圏内に入っていると思います。就活もあって体力もないけど、自分がどれだけできるか、1つ1つ勝って優勝したいと思います。ダブルスは、僕の大学最後のペアが大田くんなので、優勝させてあげないといけません。春関に関しては、ダブルスの方が優勝したいです。シングルスが戻るか分からないから、ダブルスだけでも優勝したいです。インカレはほんまにどっちも優勝したいですね。
大田:シングルスは学生大会で勝てていないので、まずは学生大会初勝利っていうのを目標にして、インカレに繋げたいなと思います。ダブルスは優勝っていうのが大きな目標になってきます。中川さんも就活でそんなに練習ができていないですし、去年より僕が貢献する割合っていうのを増やさないと春関の段階でも苦しいと思います。それができるようになれば、中川さんも練習が十分にできるインカレでまた強くなれると思うので、まずは自分のやれることをして、優勝して、インカレに繋げていければいいなと思います。
―課題や意識して練習している部分は
中川:去年からボレーが上手くなりましたね。攻めの幅がすごく広がって、みんなを虜にするプレーができると思っています。そうですね、ボレーを生かした新しい中川舜佑のプレーが生まれます!
大田:去年負けた試合の中で多かったのが、自分のサービスゲームをブレイクされて、勝った試合でも僕のサービスゲームをキープできなくて苦しい展開にしてしまったことがあったので、サーブを意識して練習しています。中川さんのサーブは基本キープできると思うので、僕のサービスゲームもキープできればタイブレークに持ち込むことができて、僕たちはタイブレークに強い自信はあるので、そこに持ち込めるようにしたいと思います。
中川:もうまじで記事にするときは、「めちゃめちゃサーブ強くなってるからほんまに」って書いておいて笑。こいつプレッシャー感じないと練習しないから、そう書いてくれれば練習するかもしれないから。『大田のサーブ!中川のボレー!』って書いといて笑。
―新入生はいかがですか
中川:1年生も春関の予選で見ていて、すごく良いテニスする人が多いなと思いました。シングルスでも2人、ダブルスは1人か、上がってきて、二次ファイナルまでいける人も多かったので、戦力になる人も出てきそうでいいんじゃないかなと思っています。雰囲気はどうなんだ、空?
大田:いいんじゃないですかね。試合前で。
中川:僕がキャプテンになってから言っているのは、試合を意識して練習をしようということ。そこに1年生も加わって、いい雰囲気で練習ができているんじゃないかなと思います。
―昨年度はコートに多くは入れるダブルスの練習が多くなったと聞きましたが
中川:シングルスが弱いと感じているし、実際に勝てていないということもあるので、できるだけシングルスの練習をメインでするようにしています。その結果、かなり多くの選手がシングルスで本戦に上がることができた。みんなダブルスが楽しくてやってしまうんですけど、そこは押し殺してシングルスに力を入れています。現実を見て、それに文句を言う人もいないので、すごく良いチームじゃないかなと思います。
―大田選手は後輩が入ってきていかがですか
大田:去年は一番下で、そこまでプレッシャーとか責任は感じることなく自由にやらせてもらいました。後輩が入ってきても、自分はもっと去年みたいに自由に思い切りやれるのかなと思っていたんですけど、意外と2年生としての自覚が出てきたというか。やらないなと思うようになりました。それはさっき中川さんも言っていましたけど、1年生が本戦に上がってきたりとか、良いテニスをしていて、うかうかしていると抜かれてしまうんじゃないかみたいな、いい意味で刺激を受けながらできているんじゃないかなと思います。
(取材:宮川昇)
佐野有佑・高清水研人ペア
―今季ここまでの調子は
佐野:コンディション自体は就職活動の最中ということもあって、あまり練習できてないなというのが正直なところではありますけど、練習に行った時には、今中々練習できてないからこそ、しっかりと一球一球を大切にして、自分なりには良い準備をしてるのかなとは思います。
高清水:就活があってほとんど練習はできてないんですけど、一応僕は今回初めてシングルに上がれたということで、状態としてはそんなに悪くないと思うので、勢いに乗ってダブルスはもっと上に行けるように頑張ります。
ー昨年を振り返って
佐野:昨年の春関は前々回がベスト16だったんですけど、それを超えるベスト4に残ることができて、自分達としても今までで一番良い結果を残せたので、ものすごく自信になりました。ですが、全国で結果を思うように出せていないっていうのが自分たちの中で正直なところだと思うので、今回最後の年でもありますし、しっかりと今まで以上の結果を出せるように頑張りたいなと思っています。
高清水:去年は良くも悪くも中途半端なところで終わってしまったので、ある意味では早い段階で負けることはなく、ある程度ここまでできるっていうのはわかっていて…。逆に全国の上位になる向けて足りない課題が明確になった年であり、そこを踏まえて今年は調整してきたので、その上でこれまで積み上げてきたものを使って勝って行けたら良いなと思います。
ー自身の武器やペアの強み
佐野:自分自身の強みは一言で言えばパワフルなのかなというのがあります。まわりからもよく筋肉ショットとか筋肉ボレーとかいじりがてら言われてるんですけど、パワー負けしないのは自分自身の強みなのかなと思います。特にサーブとストロークを軸に、ダブルスは課題でもある前衛の動きやボレーとかも数をこなして良くなってきてるとは思うので、なるべく欠点とか相手にとってここは穴だなというところをないようにしていきたいなというのはあります。ペアの強みとしては、僕とは真逆で研人は前衛の動きであるボレーとかネットプレーが冴えてるところが強みだと思うので、お互いの強みを活かしてペアを機能させるのはもちろん、逆に自分たちが苦手なところをできるだけ練習することで克服し、どうしても埋められない穴というのがないようにしていきたいなと思います。
高清水:自身の強みとしてはボレーとネットプレーの動き、あとコースとかバックリターンとか、細かいところにはなるんですけどその辺が得意にはなるんですけど、一番得意なのはダブルスの予測の動きです。相手の打つところを予測して、試合では全力で走って相手にプレッシャーを与えられるのが一番強みではないかと思います。あと、パワーある有佑の一発っていうのが一番相手へのプレッシャーになると思います。そういった面で僕らのペアはお互い違うプレッシャーを相手に与えることができるので、相手に思ったプレーをさせないっていうのが武器になっているかなと思います。
ー自身もしくはペアの課題
佐野:今、週末はなるべく練習に行くようにしてるんですけど、ブランクって言っちゃうのかな…。やっぱりボレーの反応とかが練習していないと少し遅くなってしまうのかなというのはあって、ボレーに限らず感覚が全体的に失われつつあるのかなというのが正直なところです。そのため、自分自身の課題は相手の速い球に対しての反応ですとか、ボレーの精度かなというふうに思います。ペアの課題は研人は僕とは反対でサービスゲームが課題になってるのかなというのはあります。もちろん僕が前衛で機能しきれてないからキープできていないんじゃないかと思うところもあるんですけど、試合や練習試合をやってて、一旦入らなくなると連続してダブルフォルトだとか、ファーストの確率が低くなったりとかそういうところがあると思います。
高清水:有佑も言った通り、サーブがまず一番の課題ではあるので、そこは家で動画を見ながら、素振りして確認して一応対策はしています。それから僕はストロークフォアハンドが苦手という大きな課題がありまして、一応その理由に関しても色々動画を調べたり、昔のコーチをあたって色々試してはいます。あと、一応体の歪みがあって、そういうところも大きく影響しているようなので、病院に行ったりして良くなるようにやっていますが、すぐに修正できるものでもないので、春関は正直インカレに行って、インカレで頑張ろうと思っています。僕自身はそういう感じですね。有佑はボレーが苦手という意識がすごいあって、ボレーをどうにかしなきゃというところもあると思うんですけど、僕の中で結果を出す試合と負ける試合の大きな違いっていうのは安定性だと思っていて…。僕も有佑も最近安定性がないので、お互いリターンからストロークラリーの安定性があれば、有佑が後ろ、僕が前をやるっていうパターンに持っていけるので、自分の軸を伸ばすのが一番で、その辺が課題かなと思っています。
ー1年生からペアを組み、成長を感じた部分
佐野:一年生の最後の方から研人とは組むようになって、そこからずっと組んできたからこそ、試合の経験ですとか、普段の練習での先輩や監督からいただいたアドバイスが自分たちの成長につながっているのは確かだと思います。そして一年生の時は僕が後ろ、研人が前で、これで絶対ポイントがとれるなっていうのがはっきりしていたんですけど、段々攻略されてしまうというか、やっぱりそういうのはありました。その上で、僕は前を練習したりですとか、研人はストロークやサーブを練習したり、そう言ったそれぞれの課題を各自練習していったことで、段々僕後ろ、研人前以外のパターンでもポイントを取れるようにはなってきているのかなというところだと思います。
高清水:初めて組んだ試合は僕は怪我してましたし、有佑もそれまであんまりダブルスの結果が出てなくて、お互い一発いければ良いかなっていう気持ちだったので、予選もほとんどノーシードから一気に本戦のベスト4まで勢いでいった感じでした。そしてその次の大会はいきなりインカレ優勝者と当たってしまって、そういったところから自信というものが少しずつ減っている感じはあったんですけど、そこを乗り越えたことでペアとしての安定性や信頼度とか、任せて良いところ、カバーするところ、そういったお互いの助け合いみたいな所は他のペアと違いあるのかなというふうに思います。
―ラストイヤーにかける思い
佐野:今まで真面目すぎる性格もあって、中々試合を楽しむことが今までできてなかったと思うので、1ポイント1ポイントを状況がどうであれ楽しくやることをまず目標としていきたいです。また、試合を楽しむことでさっき研人も言った勢いづいて勝っていくことにもつながるのかなと思うので、楽しみながら悔いなくやっていけたら良いかなと思っています。
高清水:最後楽しんで終わりたいっていう気持ちと、絶対負けたくないっていう気持ちと、何か混ざり合ったような何とも言い表し難い感情ではあるんですけど…。どんな状況でも楽しくやるのはもちろん、緊張する場面でも後悔しないような選択というのをしっかりしていきたいです。あと、最後仲悪くならないようにお互いをしっかり鼓舞し、インカレに向けてできるだけ調整して、優勝できればいいと思います。
ー副将として心がけているところ
佐野:練習に行ってる、行ってない関係なく、行った時には副将らしく振る舞うというか、思ったことはしっかり言わなきゃいけないとは思っています。行った時は責任を果たすという意味でもしっかりやっています。
高清水:チームを引っ張るということは主将が中心となりますが、主将だけに任せるのではなく、僕としては主将とはちょっと違う一歩離れた視点から見るようにしています。主将が怒っている時は僕が逆に後輩側に立って考えてフォローするということをやって、何か主将だけで問題が起きないように裏で手を回すことを心がけています。
ーシングルスの状態や課題など
高清水:ダブルスとはあまり変わりはしないんですけど、ダブルスよりは自分の得意なボレーが生かしづらいので、今改善している体のバランスだったり、ストロークに直結する部分を早急に何とかしないといけないと思っています。また、シングルスに関してはすぐに負けてしまうとインカレに出ることもできないので、インカレの予選には何とかかかることができるように、春関に向けて練習に行けないながらも走ったりして、体力を戻したいと思います。
ー今年の新入生について
佐野:一言で言えばみんな強いなと思っています。一人一人武器というものがあるなと感じているので、その武器をこれからの学生テニスっていう高校の時とはまた違い、世界が変わる中で、それにどう対応していくかというのと、自分の武器をどう活かしていくのかというのが成長においてはポイントになるのかなと思います。僕は最上級生でもあるので力になっていきたいと思っていますし、今回の大会に限らず、一年生はずっと大事な大会が続くと思うので全員に期待をしています。
高清水:法政のテニス部らしく、曲者がかなり揃っているなと思って…。性格的にももちろんそうですし、綺麗なテニスではないので。曲者な感じなので、実際の試合になって強い武器のところはもちろん強いですし、逆に弱いところは弱い、そこをどう克服していくかっていうのは自分自身の努力とかメンタルだと思うので、なるべく前向きに取り組んでいけるようなチーム作りっていうのを僕らがやっていきたいと思います。最後はそこで追い込まれた状況になった時にそこを乗り越えられることを期待していますし、それができる一年生だとは思いましたね。
ー春関に向けての意気込み
佐野:目標は優勝とかベスト4以上だとかそういう綺麗事は言わずに、一戦一戦集中していくことを目標にしたいと思っています。今の自分たちの練習状況やコンディションとかもそうですし、先日のドローもタフだったので、まずは一戦一戦集中して楽しくやっていきたいと思います。
高清水:ダブルスに関しては去年ベスト4ということもあって、自分のシードは守れるようにしっかり今年も同じベスト4までに入りたいというのが目標です。シングルスに関しては正直体力も厳しいとは思いますし、中々勝ち上がっていくことは客観視して厳しいと思うので、何とか一回戦に勝ってインカレの予選には確定で入れるように、それを目標にしたいなと思います。
(取材:溝口真央)