ジャパンオープン2021(50m)
2021年6月3日〜6日
千葉県国際水泳場
ジャパンオープンの3日目と4日目もB決勝や決勝に進出した選手が複数現れた。その中で今大会を「練習試合」として位置付けた柏崎清花は200m個人メドレーで積極的な泳ぎを見せ、インカレ優勝に向けて手応えを掴んだ。
※写真提供・日本水泳連盟
3日目・最終日 結果
予選結果(女子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
100m自由形 | 32位 | 柏崎清花 (営4) | 57秒89 | |
35位 | 柴田夏海 (スポ4) | 58秒30 | ||
200m背泳ぎ | 17位 | 関口真穂 (スポ3) | 2分16秒78 | |
23位 | 石田瑠海 (スポ1) | 2分17秒39 | ||
27位 | 小川真菜 (経4) | 2分18秒42 | ||
200m平泳ぎ | 18位 | 庄司朋世 (スポ2) | 2分30秒96 | |
27位 | 齊藤涼夏 (社3) | 2分32秒82 | ||
100mバタフライ | 24位 | 柏崎清花 (営4) | 1分01秒03 | |
35位 | 山川唯巴 (法3) | 1分02秒03 | ||
200mバタフライ | 17位 | 森柄花菜 (法2) | 2分14秒46 | 自己新 |
23位 | 船木里菜(経4) | 2分15秒32 | ||
27位 | 中島千咲代(現2) | 2分16秒49 | ||
37位 | 山川唯巴 | 2分18秒65 | ||
200m個人メドレー | 11位 | 柏崎清花 | 2分16秒33 | B決勝進出 |
19位 | 庄司朋世 | 2分17秒74 | 自己新 | |
25位 | 田中瑞姫 (現3) | 2分18秒74 |
予選結果(男子)
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
400m自由形 | 29位 | 小野吏久人 (経3) | 3分59秒75 | |
50m背泳ぎ | 22位 | 由良柾貴 (社2) | 26秒50 | |
200m背泳ぎ | 27位 | 竹鼻幹太(社4) | 2分03秒96 | |
200m平泳ぎ | 4位 | 宮本一平(人4) | 2分11秒94 | 決勝進出 |
7位 | 山尾隼人(経2) | 2分12秒73 | 決勝進出 | |
200mバタフライ | 32位 | 石橋怜悟(経3) | 2分02秒55 | |
38位 | 神偉雄(経1) | 2分04秒13 | ||
200m個人メドレー | 8位 | 宮本一平 | 2分00秒77 | 決勝進出 |
38位 | 神偉雄 | 2分05秒69 |
B決勝結果
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
女子200m個人メドレー | 3位 | 柏崎清花 | 2分15秒83 |
決勝結果
種目 | 順位 | 選手名 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
男子200m平泳ぎ | 4位 | 宮本一平 | 2分11秒24 | |
5位 | 山尾隼人 | 2分11秒51 | ||
男子400m個人メドレー | 5位 | 宮本一平 | 2分00秒14 |
クローズ アップ
柏崎清花
「前半をとにかく頑張ろう」と心に決めていた。女子200m個人メドレーB決勝。この種目でインカレ優勝を狙う柏崎清花がバタフライから快調に飛ばした。
入りの50mを28秒61の2番手でターンすると、そこからさらにスピードに乗った。「背泳ぎは苦手種目」とここ最近はタイムロスの原因になっていたが、この日は背泳ぎでトップに立った。「練習でも背泳ぎは安定してきています」と、状態は上向き。前半の100mの通過1分03秒20は2年前にベストを出した時よりも速いタイムだった。
「あまり調整などはしていなかった」と話すように今回は「練習試合」の位置付け。それでもトータルタイムはベスト+2秒程度に抑え、強化に向けての手応えを掴んだ。「ベストを出したときは平泳ぎも自由形もハマっていた感じがしますが、まだその状態には届いていない」。悲願達成のために、残りの期間は後半の泳ぎにより一層の磨きをかけるつもりだ。
400m個人メドレーと合わせ「インカレでは2種目で優勝したい」と柏崎。1年次から華々しい活躍を続けてきた実力者は、競技人生の集大成の舞台で最高の輝きを見せるためにしっかりと前を向いた。
庄司朋世
「悔しい思いをしたことが収穫」と切り出した庄司から、更なる高みを目指す向上心が感じられた。200m個人メドレーで2分17秒74の自己記録を更新。だが「悔しいベストになりました」。目指していたのは日本選手権の参加標準記録2分16秒25の突破。「最後の自由形で疲れてしまいました」と失速したレースにやや不満そうだった。
苦手意識のある背泳ぎを克服したことで、ベストを出した3月のレースより前半の100mを1秒以上速く入った。得意の平泳ぎも38秒台の好ラップ。150mの折り返しでは目標タイムは射程圏内だった。だが、ラスト50mのラップは32秒台後半。「自由形で30秒から31秒あたりで帰ってくる」という抱いていた理想からは遅れる形となった。
庄司の記録は予選で全体19番目。「今まではジャパンオープンなどの大きな大会に出ると順位が下から数えた方が早かったのですが、今回初めてB決勝が見えるラインまで来ました」。B決勝進出ラインにあと0.5秒のところまで迫っていただけに悔しさが大きかった。
ただ、誇れる収穫もあった。最終日の200m平泳ぎでは高校2年次以来となる2分30秒台をマーク。「戻ってきて嬉しい気持ちです」と上昇気流に乗るきっかけを掴んだようだ。こちらの種目もB決勝進出まであと少しだった。今後の目標を尋ねると「次はB決勝とは言わず、A決勝進出を目標に頑張りたい」ときっぱり。一言一言の受け答えにチャレンジ精神が宿る庄司ならやってくれそうな予感がある。
(記事:根本 成)
インタビュー
柏崎清花
ー ジャパンオープンはどういった位置付で臨みましたか
4月の日本選手権が終わってから一度、練習回数や練習強度を落としてやっていて、ジャパンオープン自体は練習試合として捉えていました。
ー 練習状況としては、4月、5月と順調に来ていましたか
就活が終わったこともあって心の荷が降りた感じがして、選手権前よりもいい練習ができていると感じています。
ー今取り組んでいる練習は
7月からまた本格的にインカレに向けてやっていくので、それまでに持久力であったり、スピードを付けていけるように練習をしています。
ー今回は4種目に出ていましたが、メインに考えていた種目は
200m自由形と200m個人メドレーは今後の試合でも泳ぐので、ある程度のタイムで泳ぎたいなと考えていました。
ー どれくらいのタイムを狙っていましたか
あまり調整などはしていなかったので、200m自由形に関しては思ったよりも泳げたなという印象です。200m個人メドレーは前半のバタフライと背泳ぎの通過タイムを課題としてレースに臨みました。後半は特に考えなくていいから前半をとにかく頑張ろうとレース前にコーチと話をしていました。
ー 200m個人メドレーの前半は上手く泳ぐことができましたか
ベストラップと同じくらいで泳ぐことができたので良かったと思います。
ー 200m自由形と200m個人メドレーの今後の課題や目標は
200m自由形は、どちらかというと200m個人メドレーと400m個人メドレーで最後まで泳ぎ切れるようにするための種目として捉えています。200m個人メドレーはインカレでできれば優勝したいなとコーチと話をしているので、できなかったとしてもメダルを獲れるようにしたいです。
ー ベストを出した時と比べて足りないと感じる部分は
練習でもバタフライと背泳ぎは安定してきていますが、後半の平泳ぎと自由形があまり安定していなくて、良い時と悪い時の差が大きいです。ベストを出したときは平泳ぎも自由形もハマっていた感じがしますが、まだその状態には届いていなくて今回のレースも悪い泳ぎだったのかなと思います。
ー 100mの自由形とバタフライについてはどのような感想ですか
選手権が終わってからは、どちらかと言うとスピードを重視した練習を多くしてきたのですが、スピード練習をやってきたのに全く100m種目に生かせなかったので何でだろうなという感じです。100m種目はもう少し努力が必要かなと思います。
ー 上手くいかなかった部分は
泳ぎのテンポの部分かなと思います。どうしても200m以上を泳ぐようなテンポになってしまうので50mや100mに特化した動きができなかったのがダメだった原因だと考えています。
ー 大会を通しての感想は
5月の上旬あたりに就活が終わりまして、それまで水泳の悩みの他に、就活という大きな悩みを抱えていましたが、それが無くなり楽しんで大会に臨めた感じがしています。
ー インカレの出場予定の種目は
200m個人メドレーと400m個人メドレーという風にコーチと話をしています。
ー 次に向けての意気込みをお願いします
次の大きな大会が国体とインカレになります。インカレでは、できれば2種目で優勝をしたいと思います。
竹鼻幹太
―大会を振り返って
最初で最後のジャパンオープンだったので、楽しもうと意識しました。ジャパンオープンならではの周りのレベルが高い中で楽しめたと思います。
―緊張感は
今回は日本選手権で五輪代表が決まった後で、ピリピリしている感じもあってそれを味わえて楽しかったです。
―自身の泳ぎを振り返って
結果だけ見ると、良くもなく悪くもなくという感じです。大学のプールがまだ使えないので今の環境は周りよりも劣っているので、そういうのを加味するとぼちぼちだなという思いもあります。
―今年に入って自己記録を立て続けに更新している要因は
今の環境の中でできることとまだやれてないこともありますが、学校練キャプテンとして、自分が結果を出してみんなに自信や元気を与えたいという気持ちは大きいです。環境の悪い中で、自分を奮い立たせてできているというのもあると思います。
―大学のプールについて
まだ正式には決まっていないですけど、10月の引退までは使えないのが決まってしまいました。
―1年生とのコミュニケーションは
普段の環境ではキャプテンが練習前や後にみんなの前で話すんですけど、今までの小さな伝統から大きなものまで1つ1つが今はなくなってしまって、チーム作りは難しいと感じます。1年生には練習中に毎日声をかけるようにと心がけているけどなかなか難しいです。
―学校練キャプテンとして
決まった仕事はなくて、コーチや選手たちとコミュニケーションをとったり、試合でベストを出して結果で示すポジションだと思うので、全うしたいと思ってやっています。意外とやることは多いですけど、楽しめてもいます。
―チーム状況は
学年ごとにという感じですが、学校練の同期でインカレに出れそうなのが7人中2人くらいで、今週でレギュラーが確定するんですけど、もうあきらめてしまう選手や、気持ちが切れてる人もいたりするのも現状です。就職活動や現在の練習環境、コロナ禍というのが重なってしまって難しい面もあります。1、2、3年生は精力的で、3年生の中で学校練の今のチームでインカレで点を取りたいと言ってくれる選手もいてうれしかったです。いろいろな選手がいる中で、何とかうまくやっているという感じです。
―インカレへの思い
今まで3回出ていて、やっぱり大学で1番大きな大会で、大学を背負って行われるお祭りのような大会です。1番重きを置いていて、どの大学も強い選手はたくさんいるけど、それだけじゃ勝てなくてチーム力も問われるからおもしろいと思います。そこで結果出したいと思ってやってきましたし、競泳人生最後に悔いのないように泳ぎたいです。練習環境の言い訳はせず、やれることはやって思い残すことないようにしたいです。水泳は5歳からやっているので感慨深いものはあります。本当は同期全員で出て笑って終わりたいけど、なかなか厳しいというのもあります。
―目標は
学校練キャプテンとして、シードを取るというのはもちろんですが、やっぱり個人競技なので最後は個人の結果を出して終わりたいというのもあります。元々大学に入った時はインターハイの経験が無くて、周りより下からスタートしました。最初はなんとかインカレに出たいと思って練習していて、今まわりにメダルを取りたいって言っていますが、目標を高く持つことで、A決勝に残って入賞したいというのも本心としてあります。
―残りの期間の取り組みについては
大会が一段落して落ち着いたら、外部のトレーナーにマンツーマンで指導してもらう予定です。藁にも縋る思いで練習して、そこから得たものをチームに還元してチームをいい形に持っていきたいです。そして個人でも入賞目指して頑張りたいです。
庄司朋世
ー 200m個人メドレーは2分17秒74の自己ベストでした
ベストが出たことは嬉しかったです。ですが目標にしていたのは日本選手権の参加標準である2分16秒2でした。ジャパンオープンの長水路の参加標準までも後0.1秒届かなかったので少し悔しいベストになりました。
ー プラン通りのレースをすることができましたか
背泳ぎが苦手なので、いつもは入りの100mで周りから置いていかれて平泳ぎで追い上げるレースをしていましたが、今回は前半から付いていくことができたのかなと思います。なのでレース展開はいつもより良かったと感じています。
ー 目標に届かなかった原因は
最後の自由形で疲れて、落ちてしまいました。体力的な部分をもう少し改善すれば目標タイムまで届くのかなと思います。
ー ジャパンオープンに向けてはどのような課題に取り組んできましたか
今、学校のプールが使えないので通常の1日2回の練習ができていない状況で体力的な部分の強化が難しい状況にあります。ですが、その分1回1回の練習で課題を持ってそれを改善できるように取り組んできました。個人メドレーに関しては、やはり背泳ぎの部分で離されないようにすることを課題としていたので、手と足のタイミングを意識して泳ぎを改善することに取り組んできました。
ー 練習の成果は発揮できたと感じていますか
まだ遅いのですが、背泳ぎのラップが1秒近く上がったので自分の課題を改善できつつあるのかなと感じています。
ー 個人メドレーの今後の課題は
バタフライを28秒台で入り、背泳ぎを35秒台でまとめれば、周りと競った状態で得意の平泳ぎに入れると思います。そして平泳ぎを37秒から38秒で泳ぎ、最後の自由形で30秒から31秒あたりで帰ってくるのが理想です。
ー 100m平泳ぎと200m平泳ぎにも出場しました
100mは大学に入ってからあまり泳いでいなかったので久しぶりでした。レース前の目標としては1分10秒台を考えていたのでそれには届きませんでしたが、思い描いていた通りに泳ぐことができましたし、今の練習状況からすれば納得のいくタイムだったと感じています。200mは高校2年のときに2分30秒1を出して以降、30秒台が出せたことはありませんでした。ずっと31秒、32秒あたりをさまよっていましたが、久しぶりに30秒台が出せたので戻ってきて嬉しい気持ちです。
ー 200mは150mまでベストに近いペースでした
泳いでいる感覚としては良かったです。ただ、200m個人メドレーと同じく最後疲れてしまったところがありました。また、周りと比べると前半の入りがまだまだ遅いなと感じたので今後は前半から行けるレースをしていきたいです。
ー 平泳ぎの課題としては
100mはもっとスピードを出せるようにして後半まで持たせるようにすること、200mは力を溜めずに前半から積極的な泳ぎをすることです。
ー 大会を通しての収穫というのはありますか
悔しい思いをしたことが収穫かなと思います。今まではジャパンオープンなどの大きな大会に出ると順位が下から数えた方が早かったのですが、今回初めてB決勝が見えるラインまで来ました。B決勝進出が目標だったので悔しいです。次はB決勝とは言わず、しっかりベストを出してA決勝進出を目標に頑張りたいです。
ー インカレに向けての目標は
インカレに関してはまだ種目を考えているところではありますが、2種目でA決勝に残って法政大学に貢献したいです。