• HOME
  • 記事
  • 水泳
  • 【水泳】インカレ事前特集① エース出陣!! 1年間 結果でチームを引っ張ってきたキャプテンが個人メドレーで学生日本一の座を狙う!

【水泳】インカレ事前特集① エース出陣!! 1年間 結果でチームを引っ張ってきたキャプテンが個人メドレーで学生日本一の座を狙う!

日本学生選手権
2021年9月28日
事前取材

宮本一平は400m個人メドレーで2年連続準優勝。最後のインカレに向けて「一番いい色のメダルを獲って終わりたい」と活躍を誓った。

 


この1年間、結果でチームを引っ張ってきたキャプテンはどんな泳ぎを見せるか

宮本 一平  200m・400m個人メドレー出場予定

ひのき舞台で『学生最速』の称号を狙う。インカレでは、これまでに3つの銀メダルを獲得しているが、金メダルは未だにゼロ。悲願達成へ向けた挑戦を前に、宮本は「最後のインカレでしっかりと勝って、3年後のパリ五輪に向けた足掛かりにできれば」と意気込む。

この夏、東京五輪の400m個人メドレーを泳ぐ日本代表選手の姿に、自分自身を重ね「ここで泳げていたら、きっと見る世界も違った」と思った。代表選考会では派遣標準記録を突破しながらも順位争いで敗退。その後、気持ちの切り替え方が分からず、コーチからは「やる気が全然感じられない」と叱られた。

それからもう一度、自分自身を見つめ直した。課題であった最後のクロールで競り勝つために、泳ぎのフォーム改良に着手。「今まではキャッチを意識していたところがあったが、脇を締めるような泳ぎ方にしてからは最後までバテずに持つようになった」と語る。過去2大会は、いずれもラスト50mでの逆転負け。この夏の成果を「レースで発揮できたらいい」と、宮本は虎視眈々と勝機を狙う。

チームで戦う対校戦にはめっぽう強く、全日本中学でもインターハイでも優勝してきた。今年はキャプテンの立場で「自分の結果でチームが動いてくれればいい」と覚悟は十分。「最後だからこそ、一番いい色のメダルを獲って終わりたい」。1年間、結果でチームを引っ張ってきた法大の主将が、学生の頂点に挑む。

(取材/記事:根本 成)

インタビュー

宮本一平

ー 最後のインカレを控える中で、今の心境は
個人の調子は徐々に上がってきているかなと感じています。僕自身のレースは後半の3日目、4日目になりますが、自分の結果でチームが動いてくれればいいなと思います。

ー 過去2大会は、優勝まであと一歩という成績でしたが、今年こそはという思いが強いですか
そうですね。学生での最後の全国大会になるので、最後だからこそ、一番いい色のメダルを獲って終わりたいです。

ー 対校戦への得意意識はありますか
中学生の頃からチームで戦う夏の全国大会で、結構本領発揮ができているなと感じています。今大会は秋にはなってしまいますが、チームで戦うという意味で、僕自身の力を最大限に発揮できると思うので、自分の結果でチームにいい影響を与えられたらいいなと思います。

ー 対校戦の醍醐味は
日本選手権やジャパンオープンは、周りからは応援されていますけど、結局は自分自身との戦いです。一方でチームで戦う対校戦は、自分の結果で歓声が上がったり、チームが勢いづいたりするのでそこが面白いところです。なので、結果にこだわるというよりは、大会自体を楽しむということが自分の結果にもチームの結果にも大きく影響すると思っています。

この夏は、充実したトレーニングを積むことはできましたか
はい、といえばそうなんですけど。やはり東京五輪に出たかったなという思いがあって…
選考会で敗れてから、自分自身では気持ちを切り替えてやっていたつもりでしたが、夏の練習の段階で1回コーチに怒られるという秘密の話がありまして。コーチからしてみれば、やる気が全然感じられなかったらしくて、そこからもう一度自分で考え直しました。ここ最近に関しては、最後のインカレだからこそ、いいレースをして、いいタイムを出して、キャプテンとしてチームにいい姿を見せようという思いで練習をやってきたので、今は非常に充実したトレーニングができていると思います。

ー 今の段階での手応えは
今日まで所属チームの合宿の関係で、準高地で練習をしていたのですが、しっかり心肺機能も向上させることができたと思います。今の段階では100%とまでいかないですけど、まだまだ上がると思っているので、最後の追い込みや体調管理といった調整をしっかり行って本番に備えていきたいです。

ー ジャパンオープン後には、最後の自由形の強化をしたいと仰っていました
2回ほどオープンウォーターに出場しました。最初、館山の海で10km泳いだときは、メンタルもやられてすごいきつかったのですが、普段は体感できないきつさを味わうことができたのでメンタル強化に繋がったと思います。また、この1ヶ月くらいで泳ぎも変えた部分があって、今まではキャッチを意識していたところがありましたが、脇を締めるような泳ぎ方にしてからはクロールが最後までバテずに持つようになったと実感しているので、それをレースで発揮できたらいいなと思います。

ー 平泳ぎなどの他の泳法についてはいかがですか
準高地で練習をしていても、平地と変わらないくらいのタイムで来れています。練習ではリラックスしていい泳ぎができているので、レース本番でも余計な力を入れず、普段の練習でできている泳ぎを再現できたらなと思います。

ー どのあたりのタイムを目標にしていますか
最初のレースとなる200mでは、未だに1分59秒を割れていないので、1分59秒を割りたいとは思いますけど、中京大の松本周也選手は58秒台、57秒台あたりを出すと思うので、平泳ぎで引き離して最後競り負けないようにしたいです。400mではベストタイムでは4番手なので、そこはチャレンジーという気持ちを持って臨みたいです。タイムで言うと4分10秒、11秒あたりを出せるトレーニングをしてきたので、最終日で疲れがある中でのレースになりますが、自分の力をしっかり発揮できればなと思います。

ー 東京五輪をご覧になってどういった気持ちになりましたか
400m個人メドレーは、日本代表の2人でさえも決勝に残れなかったので世界のレベルが上がっているなと感じました。ただその中で、自分がここで泳げていたら、きっと見る世界も違ったのかなと思うところもありました。東京五輪に出れなかったのはもう仕方ないことなので、このインカレでしっかり勝って3年後のパリ五輪に向けての足掛かりにできればいいなとは思います。

ー チームとしてシード権を獲得するために必要になってくることは
今のチームの皆ならできると思っています。出場人数に制限があって、そこから省かれてしまった選手が数人いますが、そういった選手とも一緒に戦っていきたいので、気持ちを切り替えて今年はチームのサポートとして支えて欲しいです。レギュラーとしてインカレに出場できる選手たちには、インカレが開催されることに感謝して、レースを楽しんで欲しいという思いが強いです。インカレでいい結果を出そうとして泳ぐと力みに繋がったり、過度に緊張してしまうことがあると思うので、もしプレッシャーを感じている選手がいるならば、キャプテンである僕が引き受けてあげる気持ちでいます。

ー 最後にインカレに向けた意気込みをお願いします
シード権争いは、8番から12番あたりまで僅差の勝負になってくると思うので、一人一人が最後の最後まで一喜一憂せずに、いいパフォーマンスを心がけてレースをしてもらって、目標であるシード死守を達成したいです。個人としては、最後のインカレになるので、金メダルを取って笑顔で皆のところに帰れたらいいなと思います。

関連記事一覧