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【陸上競技】第53回全日本大学駅伝 監督&選手事後インタビュー①坪田智夫駅伝監督・内田隼太・鎌田航生

2021年11月9日(火)
オンライン取材

2年ぶりとなる全日本大学駅伝に出場した法大。惜しくもシードには届かなかったものの、全体9位でフィニッシュし、存在感を見せた。今回は、坪田智夫駅伝監督、内田隼太選手(1区)、鎌田航生選手(2区)のインタビューの様子をお届けする。

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監督、選手インタビュー

坪田智夫 駅伝監督

—総合9位という結果を振り返っていかがですか
一歩シードに届かなかったのは、非常に悔しいです。その反面、非常に大きな収穫もあり、箱根につながる走りができたと思います。

—1区内田隼太選手は、区間5位でした
スターターの役割を果たしてくれました。出遅れると厳しいという点で、1区はプレッシャーもかかる区間ではありますが、それをはねのけての5位ということで、非常に素晴らしかったと思います。

—2区鎌田航生選手は先頭集団を引っ張る場面も見られました
彼には、エースとして良い流れを引き寄せる走りを、という話はしていました。たすきを受け取ってすぐに先頭集団においつき、仕掛けて、振り切る場面もありました。数字だけでなく、走り方という面で、チームに勢いをもたらす走りでした。

—3区小泉樹選手は、1年生ながら粘りの走りを見せました
箱根予選会であれだけ走れていましたので、どの区間で使ってもいいかなと思っていました。今回は、疲労の度合いを考えて、前半の重要な区間に配置しました。鎌田のいい流れを加速する走りをしてくれました。「攻めの走りを見せてくれ」と事前に言っていましたが、それを見事に体現してくれました。

—4区松本康汰選手は非常に混戦の中レースを進めました
体調としては難しい部分もありましたが、箱根を見据えて、きっかけとなる走りをしてほしいと思っていました。3区の小泉が良い位置で持ってきてくれて、周囲の選手を使ってレースを進めて、最後は得意のスパートで粘ってくれました。区間順位としてもまずまずですし、いい形で5区の川上(有生)につなげてくれたと思います。

—5区の川上選手については
非常に力のある選手たちがそろっていて、ハイスピードなレース展開になりました。3km付近までは並走してくれましたが、その後は冷静に戦況と残りの距離を見極めて、ペース配分をし、単独走で粘ってくれました。最後はスパートをかけて、いい形でつないでくれました。

—6区宗像直輝選手は、三大駅伝のデビュー戦となりました
予選会とは違った、たすきをつなぐというプレッシャーの中、いい走りをしてくれました。短い距離が得意な選手ではありますが、箱根を見据えて、どのような走りをしてくれるか楽しみではありました。
たすきをもらった位置も非常によく、粘って走ってくれました。初駅伝ではありましたが、良い走りだったと思います。

—7区中園慎太朗選手については
なかなか厳しい戦いになりました。プレッシャーがある中で走るということで、メンタル的な準備で、厳しい部分があったのかなと思います。箱根5位を目指すうえでは、誰がどこに行っても走れるようにしておくことが必要です。中園の練習を見ていても、区間15位という力ではないですし、箱根でも、準エース区間に配置して、力を発揮してくれる選手です。前の選手たちが良い流れでつなげてきてくれたからこそ、心の準備は重要になっていたのだと思います。力がないという評価ではなく、準備次第で、箱根でいい走りをしてくれるよう、期待しています。

—最長区間・8区を走った河田太一平選手については
箱根予選会から復調して、走ってくれました。他の選手の疲労度の兼ね合いを見ても、アンカーは河田と決めていました。7区が終わった地点で、シードまで約30秒差、後ろからも力がある大学が追ってくるという状況で、難しい走りを強いられたと思います。その中でも、まとめる走りをしてくれました。もう少し前半から積極的な走りをさせてあげればよかったなと思っていますが、他の上位校と差を詰めてゴールしてくれたため、彼自身の走りもとてもよかったと思います。

—箱根に向けての強化ポイントは
ここから走力を引き上げることはできません。ただ、流れによっては箱根の上位校としっかり戦えることが、この全日本大学で確信に変わりました。チームとしても、自信をもって箱根に臨めると思います。
あとは、体調不良やケガといった細かなミスをなくし、それぞれが箱根総合5位というイメージを持ち、心の準備をすることが重要になってきます。残り2か月弱、基本的なことをしっかりとやっていき、最高の結果を出したいと思っています。

内田隼太(1区)

—レースを振り返っていかがですか
練習通りの力をやっと大舞台で出せたというのが、一番です。行こうと思えば、区間賞争いまで行けるかなと思ったんですけど、2週間前に足の痛みがあったなかでのレースだったので、そういったことを考えると今回は100点のレースができたと思います。

—チーム全体を見ていかがですか
この全日本駅伝で一喜一憂している暇はないというか、箱根まで2ヶ月しかないので、周りを見て課題解決に努めることは大事だと思います。ただそれ以上に箱根総合5位に向けて、自分がどうやったらその目標に貢献できるかということの方が大事だと思っています。

—予選会で痛めた足の状態は
走る面では大丈夫です。ただ再発したらどうしようという不安のなかでのレースだったので、完全に気持ちの面では取り切れていないです。

—1区の起用が決まったのはいつですか
3日前に知らされました。

—1区への想いは
高校から大体の駅伝は1区を走ってきたので、今回も発表されたのは3日前だったんですけど、自分の中で1区かなという予想は大体していたので、気持ちは作れていましたし、1区の役割や走り方は分かっている方ではあるので、しっかり走ろうと思いました。

—1区を走る上で、心掛けたことなどは
僕は1区は駅伝の流れを作る上で、一番大事な区間だと思っています。そして最後の10秒、20秒の差は2区の選手に影響を与えるので、1秒でも早く鎌田先輩にたすきをつなごうと思いました。

—今回1区を走る上で、監督からはどのような言葉がありましたか
「練習は1番詰めているから自信持って走れ」とだけ言われました。1区は流れで決まるので、タイム設定はなかったです。

—タイツで走っている姿が印象的でしたが、走りやすさは
夏合宿からミズノさんに新しいタイツをいただいていてい、それまで履いたことはなかったんですけど、練習のときからタイツの方が走りやすいと感じていました。予選会のときもいただいたタイツを履いていたんですけど、大きい舞台でも履いてみようと思いました。

—これから箱根へ向けて強化したいポイントは
ラスト5kmですね。20kmのレースで勝つというのは、全日本駅伝とは全く違ったレースになると思うので、どういうレース展開で行ったらとか、どういう調整をすれば勝てるかというところを突き詰めていきたいです。あと2ヶ月、本当にそこだけをやっていきたいです。

—法大ファンへ向けて一言お願いします
僕はファンの皆様が見てて楽しいレースをしたいなと思っています。応援よろしくお願いします。

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内田隼太(うちだ・しゅんた)
3年
出身校:法政二(神奈川)
(取材・大井涼平)

鎌田航生(2区)

—チームとしては9位という結果でした
あともう少しでシードを獲得できたということで悔しさが残る結果でした。ただ、昨年度の駅伝はシード争いに絡むことができませんでしたが、今回はシード争いに絡むことができたので、箱根に向けて意味のある駅伝になったと思います。

—後輩の走りはどのように感じましたか
自分がたすきを渡した小泉(樹)くんだったり、宗像(直輝)くんといった下級生が長い距離でもしっかり粘ってくれた印象です。今回の9位という成績はみんながベストを尽くした結果だと感じています。

—チームの戦略は
内田(隼太)、自分、小泉で行けるところまで前に行って、そこからは流れに乗って走るという戦略でした。抑えにも河田(太一平)を置いていたので、シードを狙いにいくオーダーでした。

—鎌田選手が後半区間に回るプランはなかったですか
ないですね。自分が後ろに回ると前半走る選手がいなくなってしまうので。現在のチームは、短い距離を得意とする選手が多くなくて、流れを作るという意味でも自分が前半区間を走るしかなかったです。

—この2週間のコンディションは
2週間あったので、ある程度万全な状態で臨むことができました。全日本はハーフの距離から大幅に距離が短くなったので、そこの部分の調整は難しかったです。この2週間の練習としては疲労を抜いて、強めの刺激を入れるという感じでした。

—レースでは内田選手が先頭と秒差でたすきを運んできました
大体あれくらいの差でくることは想定していました。そこから自分がもっと前に持っていくことが仕事だとレース前は思っていました。

—集団でレースが進みましたが、走りながら考えていたことは
序盤は結構、牽制し合っている状況でした。その中でどのあたりで抜け出そうかということを考えてレースをしていました。力のある順大の三浦龍司選手もいたので、意識して走っていました。

—後半にかけて集団のペースが上がりました
8kmあたりで急にペースが上がったときは、反応が追いつかなかった感じでした。

— スパート勝負で2位争いに勝ちました
後半の粘りでスピードのある選手たちとの勝負に勝てたので、箱根に繋がる走りができたと思います。箱根の2区も前半から攻めていく展開になると思うので、今回粘り切れたという点は自信になりました。

—区間順位、タイムについての感想は
牽制(けんせい)し合った分、タイムに関しては若干不利な部分もありましたが、もうちょっと欲しかったというのが正直な感想です。

—点数を付けるならば
70点くらいです。残りの30点は、後続にもっと差を付けられなかった部分と前との差が付いてしまった部分です。

—箱根に向けて課題は見つかりましたか
レースの中盤あたりで、状況によっては一人で抜け出すような走りが箱根ではできればいいと思います。早くスパートを仕掛けても最後まで持つように準備していきたいです。

—今後のレースの出場予定は
まだ分からなくて、監督と相談しているところです。

—ファンの方へ一言お願いします
これからチームは最終戦の箱根に向かって取り組んでいきます。今年度こそは、目標を達成して終われるように頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いいたします。

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鎌田航生(かまた・こうき)
出身校:法政二(神奈川)

(取材・根本成)

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