【硬式野球】東京六大学野球2022春季リーグ戦 第5週 明大1回戦 蘇った齊藤大！今季初本塁打含む2打点の活躍で、天王山第1ラウンドを白星で飾った！

東京六大学野球2022春季リーグ戦 第5週 明大1回戦
2022年5月7日（土）
神宮球場

首位明大との1回戦。先発は、今季6試合目の登板の篠木健太郎（営2=木更津総合）。初回に犠飛で先制を許したが、以降は走者を出しながらも要所を締める好投を見せる。打線はそれに応えるように齊藤大輝（人4=横浜）の今季初本塁打で追いつくと、8回にも齊藤大が適時打を放ち、勝ち越し。9回も海﨑雄太（文4=埼玉栄）の適時打で追加点をあげる。篠木のあとは、今季の勝利の方程式である塙雄裕（法3=常総学院）、武冨陸（営3=日大藤沢）とつなぎ、いずれも無失点。相手に押されながらも、粘り強さを見せ、『血の法明戦』の初戦で勝利を飾った。

前半戦は不振にあえいだ主将のバットに快音が戻ってきた

戦評

ここまでの試合で順調に勝ち点を重ねる法大。優勝に向けて大事な1回戦のマウンドには、この日が誕生日の篠木健太郎（営2＝木更津総合）が上がる。その立ち上がり、先頭の宗山塁に二塁打を打たれる。いきなり迎えた危機の場面。犠打で一つアウトを取るも、続く上田希由翔に犠飛を放たれ、先制を許す。

しかし以降は粘りの投球。2回には2死ながら一、三塁、4回にも1死二塁と危機を招いたが、無失点で切り抜けた。

篠木は要所を締め6回を1点に抑えた

反撃に打って出たい打線だが、明大先発の蒔田稔から反撃の糸口を見出すことができず、5回まで1安打に抑え込まれる。6回表の攻撃も2者連続三振を奪われる重苦しい展開。この場面で打席には先日の慶大3回戦でサヨナラ適時打を放った齊藤大輝（人4＝横浜）が入る。3球目の変化球をすくい上げると、打球はそのままフェンスを越える同点の本塁打となった。重苦しい雰囲気を一振りで振り払ってみせた。

しかし、日が顔をのぞかせていた空には黒く分厚い雲が。大粒の雨も降りだし、試合は一時中断となる。

雨が上がり、試合が再開されると、8回に再び試合が動く。先頭の宮﨑秀太（営4＝天理）が四球を選び、出塁すると、2番・高田桐利（営4＝広陵）が犠打でクリーンナップへとつなげる役割を全う。先ほど同点本塁打を放った齊藤大に打席を回す。「絶対逆転しようという気持ちで」と齊藤大。前進守備の外野手の頭上を越す勝ち越しの適時打を放った。

本格的に齊藤大のバットから当たりが戻ってきた

その裏の守備では、前の回から登板している塙雄裕(法3＝常総学院)が三者凡退に抑え、明大打線に付け入る隙を与えない。

土壇場で逆転2ランを打たれた前回登板の悔しさを晴らす投球の塙

9回表に海﨑雄太（文4＝埼玉栄）のダメ押しの適時打で1点を加えて、9回裏の守備に入る。ここで法大は武冨陸（営3＝日大藤沢）を送り込む。「プレッシャーがかかる場面でしたが、いい球が投げられてよかったです」と振り返る武冨。代打攻勢を仕掛ける明大を振り切った。最後は代打・横山陽樹を得意のスライダーで空振り三振に打ち取り、試合終了。『血の法明戦』の1回戦は逆転勝ちを収めた。

貴重な追加点となる適時打を放った海﨑

ここまで逆転勝ちの回数は8試合で4回。先制されてもそのまま負けない強さがある。優勝に向け、目の前の一戦一戦をがむしゃらに進んでいく。

（記事：皆川真輝　写真：大井涼平）

クローズアップ：武冨陸『前回のリベンジ！魔の9回を完璧に締める好リリーフ！』

慶大2回戦では、本塁打を打たれ、サヨナラ負け。同3回戦では、勝利を収めたものの9回2死から逆転2ランを浴びた。さらに昨季の明大戦では、1、2回戦ともに9回に追いつかれ、まさに法大にとっては『魔の9回』だった。

武冨陸（営3=日大藤沢）はその慶大2回戦で、サヨナラの一発を浴び、大粒の悔し涙を流した。そして迎えた今日の登板は、2点リードで迎えた前回と同じ9回だった。「開き直って」という言葉通り、堂々とした投球で、先頭を打ち取ると、後続二人に力強い球を投げ込み、連続三振。まさに前回の鬱憤（うっぷん）を晴らす投球で、あっさりと『魔の9回』を切り抜けた。

前回サヨナラ負けを喫しマウンドを降りた際は、涙を流しながら降板し、顔をあげることができなかったが、今日は試合後に仲間にもみくちゃにされた。背番号17に笑顔が戻った瞬間だった。

今季6試合目の登板となった今日のマウンド。疲れはあるはずだが、チームは今季5勝目。4季ぶりの優勝に向けて、もうここまで来た。『優勝』の二文字をつかむための鍵を握るのは、最終回を締めるこの左腕だ。

（記事・大井涼平）

選手インタビュー

齊藤大輝 主将