ベスト8をかけ、大西洋平は3回戦に臨んだ。ファーストセット。序盤から相手選手の前に出て左右に振る戦略を前に、得点を奪えず0-2に。しかし第3ゲームではネット際の巧みなボレーなどで4連続得点を決め、ブレイクする。勢いに乗りたかったが、その後は本人も試合後に語ったようにスライスでのミスが目立つ。ミスを修正できないまま、つけ込まれて1-6でセットを落とした。続くセカンドセットも苦しい展開に。サービスゲームでは、サービスエースなどで先制するも、ゲームポイントで粘りきれず落としてしまう。またファーストセット同様に簡単なミスが目立ち、ラリー戦に持ち込めない。今セットも終始ミスに苦しみ、1-6で敗戦となった。試合後に大西は試合内容に対し、悔しさを顕にした。一方で、自身初出場となる夏関でベスト16と大きな成長を見せた。今後のさらなる飛躍に期待がかかる。
猪川結花
女子シングルス3回戦に登場したのは猪川結花。3回戦の相手は昨年の夏関で敗れた鈴木渚左。リベンジを果たしたいところであったが、試合の主導権を握ることができず、敗戦となった。ファーストセットでは持ち前のストロークで果敢に攻め、何とか食らいつく。しかし大事なところでのミスが目立ち、なかなか自分のペースに持ち込めない。4-6でこのセットを奪われる。セカンドセットでも苦しい展開が続く。スライスのミスが目立ち、勢いに乗れない猪川。積極的に攻めるも、相手の粘りに屈し、4-6で敗戦となった。
選手コメント
大西洋平
―今日の試合を振り返って
全体を通して、満足のいかなかった試合でした。最初の入りは悪くなかったのですが、1セット目の途中から簡単なミスが多くなってしまいました。それで自分が攻めてリズムに乗ることができず、相手にとても楽な気持ちでプレーをさせてしまったと思います。それを終盤まで変えられなかったので、このような結果になってしまったと思います。
―相手の返球が良く、ミスが出てしまったのですか
自分が原因です。いつもなら返せるところを今日はネットとか、サイドアウトとかが多かったです。自分でも「あれ?おかしいな?」という感じのまま、そして精一杯のまま、最後までいってしまいました。
―強者相手でしたが感想は
もちろん相手は強かったですが、ラリー自体はやり合えないこともなかったです。相手に仕掛けられてポイントを落としたというよりは、自分のミスが多かったので、また次回リベンジしたい気持ちがあります。
―雨天により延期となっていましたがコンディションは
一昨日はインドアコートを借りて練習ができたのですが、昨日は全くできなかったです。自分で少し体を動かしたりはしたんですが、雨の影響も多少はあったと思います。
―ベスト16という結果について
1年生の時は全部2次予選のセミファイナルで負けてしまい、本戦というか2次予選のファイナルすら行けなかったです。でも今年の春関は本戦に出て、1つ勝って2回戦まで行けました。夏関は2つ勝って3回戦まで来れたので、徐々に成績は上がって良くなってきてると思います。ただ、今日の試合はちょっとダメでしたね。
―今後に向けての意気込みをお願いします
サーブとそこからのボレーやフォアハンドもまだ中途半端なので、そこを強化して、自分の武器にできたらと思います。
猪川結花
―今日の試合を振り返って
昨年も3回戦で負けている相手だったので、何とかリベンジしたいと思っていました。積極的に打つ自分と相性の悪い相手だったので、スライスを多く入れてみましたが、ミスが目立ってしまいましたね。
―何か対策はしていましたか
いつもはオープンスタンスで打っていますが、しっかりと踏み込んで打つようにしました。
―サーブで意識したことや手応えを教えてください
確実に入れることを意識しました。いつも通りやれたと思います。
―今大会を振り返って
リーグが終わって引退しているため、勝敗関係なく試合ができる環境に感謝してプレーができたので良かったです。
―この後の大会の意気込みをお願いします
楽しんで試合に臨んでいきたいです。
(取材・東夏紀/盛岡惟吹)
男子ダブルス準々決勝
勝敗 |
選手名 |
スコア |
対戦相手 |
● |
大田空・加藤木塁 |
1-2(4-6,7-6(3),8-10) |
末尾拓翔・三角理旺(駒大) |
大田空・加藤木塁ペア
大田空・加藤木塁ペアは男子ダブルス準々決勝に登場。迎えるは春関優勝ペアである末尾拓翔・三角理旺ペア(駒大)。今大会1番の山場に臨んだ。ファーストセット。第1ゲームでは相手のダブルフォルトが続き、いきなりブレイクを奪う。第2ゲームでもデュースの末にキープし、2-0に。勢いそのまま進むと思われたが、相手の左利き特有のリターンに苦しむ2人。なかなかキープが取れず、4-5と逆転を許す。第10ゲームもファーストサーブに苦しむところにつけこまれ、ブレイクを許して4-6でセットを落とした。セカンドセットでは白熱したキープ合戦に。相手のサーブ精度が上がり、返球に苦しみブレイクできない。しかし大田・加藤木もサーブでポイントを重ね、ついていく。両者一度もブレイクを許さず、タイブレークへ。タイブレークではサーブでポイントを落とさず勢いに乗り、7-6(3)でファイナルにつなげた。迎えたファイナルセットでは前に詰めるプレーで攻められ、4連続失点を許してしまう。その後はお互いサーブポイントを取り合い、粘りを見せた。しかし最後は末尾のサーブに返球できず、8-10とあと一歩及ばなかった。
選手コメント
大田空・加藤木塁ペア
―試合を振り返って
大田:試合展開を見ると、どちらが勝ってもおかしくないものだったと思います。なので、コンディションが良くない中でのスコアにしては良かったですかね。この試合は相手がどうこうというよりも、自分が退いて勝利を逃してしまった部分が大きいので、もったいない試合でした。
―もったいないと感じた部分は
大田:ファーストセットのブレイクされたところやセカンドセットでブレイクしきれなかったところですね。ファイナルセットの出だしなど、全体的にふわふわした状態でいってしまったと思います。
―加藤木選手は今日の試合を振り返ってみていかがですか
加藤木:今日は非常にスリリングな試合でした。内容的にも競っていて、ひとつのチャンスをどちらがつかむかの試合だったので、悔しかったですね。
―春関優勝ペアとの一戦でしたが、戦い方や作戦は
大田:相手は2人とも左利きなので、リターンが苦しかったです。片方はサーブがものすごく良いわけではないですが、左利きというだけでやりにくかったですね。「最低キープをしよう、タイブレークになればチャンスがある」ということを話していました。
加藤木:キープをしないと始まらないと思っていました。あと末尾選手の方はガンガン攻めてくるので、それに注意しながらいかに自分のプレーをできるかということを意識していました。
―ファーストセットで取り切れなかった原因は
大田:こちらも2回ブレイクしましたが、相手はそれ以上の3回ブレイクをしてきたところです。ブレイクを1回に抑えておけばファーストセットが取れて、セカンドも同じ展開なら、そのまま勝てたと思います。反対にセカンドセットはブレイクを1回もできませんでしたが、キープを続けられたので、ファーストセットがもったいないと思いました。
―セカンドセットはタイブレークの末、取りました
大田:序盤は相手のペースだったのでとても苦しかったですね。ですが、なんとかブレイクされずに進めました。そしてキープを続けているうちに段々こちらの流れになり、4-4でブレイクチャンスがありましたが、そこでブレイクできませんでした。ですがそこで諦めるのではなく、キープしてついていったら最後はタイブレークを取って流れを持ってこれたので、セカンドセットは良かったと思います。
加藤木:セカンドは良かったと思いますね。セカンドは自分たちでキープができて流れが向こうに行かず、最後はきっちりタイブレークを取れました。流れ的にはダブルスの理想的な形だったと思います。
―見つかった課題点は
大田:まずはコンディション調整ですね。ペアにも迷惑をかけてしまうし、自分も苦しいのでそこは課題です。あとは左利きのサーブへの対応も課題です。相手が右利きと左利きで組んでくれたら、右利きのサーブでリズムを作れます。ですが両方左利きだと合わせられないのが今の僕の実力なので、そこを練習します。
加藤木:リターンですね。左利きの相手に対してのリターンがあまり上手く対応できませんでした。今大会はリターンが良かったですが、やはり左利きというだけで違いました。今後は左利きへのリターンやまだまだサービスも甘いので、サービスゲームをキープできるようにしたいです。全部課題ですね。
―今後に向けての意気込みをお願いします
大田:インカレインドアが年内にあるので、それに向けて1つずつ頑張っていきます。あとは就職活動にも力を入れたいと思います。
藤木:就活も始まるので、自分で走って体力を落とさないようにして、元気に過ごしたいです!
(取材・東夏紀)