東京六大学準硬式野球秋季リーグ戦
対立大戦
2022年10月2日(日)
早大東伏見グラウンド
初戦に勝利し挑んだ立大との2回戦は、両先発の投手戦の様相を呈した。前日の藤中壮太(社2)の完封に続き、先発・伏見颯真(営4)は初回から凡打の山を築いていく。7回に両者が1点を取り、そのまま延長10回に入るも投手陣の力投で互いに得点ならず。11回から無死一、二塁で攻撃を開始するタイブレークに。先攻の法大が2番・古屋一輝(経4)の適時二塁打、さらに4番・堀尾浩誠(社4)の適時打でこの回計4点を奪う。その裏を全員で無失点に守り抜き、5-1で勝利。連勝で勝ち点を獲得した。
試合結果
トータル試合結果
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 計 | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
法大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 5 | 7 | 1 |
立大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 3 |
(法大) 伏見、○古川端-澤野
(立大) 三輪、●上岡、川瀬-小松
二塁打:堀尾(7回)、古屋(11回)
盗塁:唐橋(1回)、鈴木(11回)
打撃成績
打順 | 位置 | 選手名 | 出身校 | 打数 | 安打 | 打点 | 四死球 | 打率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (6) | 唐橋悠太(経3) | 桐光学園 | 4 | 1 | 0 | 1 | .067 |
2 | (8) | 古屋一輝(経4) | 健大高崎 | 5 | 2 | 2 | 0 | .320 |
3 | (9) | 鈴木歩夢(社3) | 明星 | 4 | 0 | 0 | 0 | .238 |
4 | (3) | 堀尾浩誠(社4) | 報徳学園 | 5 | 2 | 3 | 0 | .240 |
5 | (4) | 高橋凌(社3) | 花巻東 | 3 | 0 | 0 | 1 | .350 |
6 | (7) | 森涼太(経1) | 三重 | 3 | 0 | 0 | 1 | .000 |
PH | 和泉直人(文3) | 札幌第一 | 1 | 0 | 0 | 0 | .167 | |
R | 井岡皇雅(現2) | 健大高崎 | 0 | 0 | 0 | 0 | – | |
7 | 関宮楓馬(社2) | 静岡 | 0 | 0 | 0 | 0 | .231 | |
7 | (5) | 須賀椋也(現2) | 新田 | 4 | 1 | 0 | 0 | .263 |
8 | (2) | 澤野智哉(社3) | 国士館 | 3 | 1 | 0 | 0 | .294 |
9 | (1) | 伏見颯真(営4) | 帯広緑陽 | 2 | 0 | 0 | 0 | .143 |
PH | 福本陽生(経3) | 星稜 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 | |
1 | 古川端晴輝(社2) | 花巻東 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 |
投手成績
回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 自責点 | 防御率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
伏見 | 7 | 5 | 4 | 3 | 0 | 3.10 |
古川端 | 4 | 0 | 2 | 5 | 0 | 2.79 |
戦評
前日行われた立大1回戦では2-0と完封勝利を果たし、勢いに乗る法大。連勝を決め、勝ち点を獲得したいところだ。
1回表、法大は1番・唐橋悠太(経3)が四球で出塁するも、後が繋がらず無得点。2回には同じく四球で出塁した5番・高橋凌(社3)が相手投手の悪送球の間に一気に本塁を狙うも、得点には至らなかった。
この日先発を任された伏見颯真(営4)は、5回裏まで安定した投球を見せる。しかし、味方打線も調子が上がらず、6回表まで三者凡退を繰り返していた。
味方の援護がない中で、伏見は6回裏に連続安打を許し、無死満塁とこの日最大の危機を招く。すると、ベンチからは法大ナインの緊張をほぐそうとする仲間の声が。声援を力に変えた伏見は打者をゴロや飛球で次々と打ち取り、この場面を切り抜けた。
7回表、法大は2番・古屋一輝(経4)がこの日チーム初安打。続く3番・鈴木歩夢(社3)が犠打を決め1死二塁とすると、4番・堀尾浩誠(社4)が左方向に適時二塁打を決め1-0と試合を動かした。
好守備が生み出した流れをものにし先制点を挙げた法大だったが、その裏に四球で出した相手走者を本塁に返してしまう。試合は振り出しに戻り、再び両校の緊張が高まった。
追加点を得て相手を突き放したい法大だったが打線が奮わず、試合は9回表時点で1-1と平行線。
8回裏からは伏見に代わって古川端晴輝(社2)が起用され、気持ちのこもった投球を披露する。失点すればサヨナラ負けが決まる9回裏には1球ごとに声を出しながら相手打者を抑え、望みを延長戦へつないだ。
延長10回では両者共に走者を出すものの得点できず、試合は11回タイブレークへ。無死一、二塁から始まる場面で、続投された9番・古川端が犠打を成功。続く1番・唐橋が内野安打を放ち、1死満塁とする。大きな好機の中、打席には先制点に貢献した2番・古屋の姿が。初球で適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功した。さらに、4番・堀尾が右方向への適時打でダメ押しの2点を追加し、5-1と立大を突き放した。
その後は守備陣が一体となり、タイブレークで出た走者を1人も本塁に返すことなく試合は終了。最後まで集中力を切らすことなく、見事勝利を収めた。
次回の対戦相手・慶大は日比谷元樹を筆頭に完成度の高い投手が控えており、春季リーグでは4回戦までもつれ込むなど法大が最も苦手とする相手。長所である粘り強いプレーを生かして、春秋連覇に王手をかけて欲しい。
(記事:熊谷芽歩季/写真:山中麻祐子・熊谷芽歩季)
古川端は終盤4回を無失点に抑える活躍
選手インタビュー
古屋一輝
―試合を振り返って
とにかく守って勝つというのは昨日試合をしていてもチームのテーマでしたし、やっぱりエラーをしたら自分たちは負けると思ったので、そこは本当に守って今日は粘って、それでああいう形で点を取れたので。秋のうち(法大)らしいというか、春は攻撃で点を取ってきたんですけど秋はこうやって守りで勝てたので、次につながる良い試合だったかなと思います。
―守りで勝つために練習に取り入れていることは
特段春と何か練習を変えているわけじゃないんですけど、いつも普段通りやっているようなことを、(例えば)声だったり、1つのミスに対して厳しく言ったりとか。練習メニューを変えてるわけじゃないんですけど、チームとしての意識の持ち方とかは変えるようにしています。
―11回タイブレークで決勝点を決めた時の感触、心境は
あのピッチャー(上岡凛太郎、立大)と前の打席で対戦してミスショットをしてしまったので、次の打席は絶対行けるなっていう風に思っていたので。あのような(チャンスの)場面で返すのは自分の仕事だと思っていますし、キャプテンらしくチームを勝ちに導くっていう気持ちを持って打席に立ったので、それが結果になって良かったかなと思います。
―立大戦での自身の打撃の調子は
あんまりまだ自分の中で良くないかなっていうのが正直(な気持ち)で、もっと自分としての仕事をしなきゃいけないですし、打ってチームを引っ張っていくというのは春リーグでやっていたことなので。本調子ではないんですけど、塁に出た時は走るとか今日みたいにチャンスで1本打つとか、そういったところはもっと調子を上げていって、チャンスで打つっていうのもそうですし。チャンスメイクするっていう観点で、もうちょっと調子を上げていきたいなという風に思っています。
―自身にとってラストシーズンになるが、特別な意識や変化は
やっぱりラスト(シーズンだということ)は常に思うことなので、自分自身の中で楽しんでやろうという気持ちはあります。春は全日がかかっていましたし、そういった勝たなきゃいけないというプレッシャーがあったのかなと思うんですけど、秋は自分たちがもう1、2か月で引退になるので。そういった意味で自分が頑張るというよりかは後輩に対して4年生が何か残していければなっていう風に考えながら、プレーでもそうですし、プレー以外のミーティングなどの準備の段階でも、次の代が少しでも楽にできるように自分たちの良い形を後輩たちに残したいなという思いでラストシーズンはやってます。
―次の試合に向けて
やっても残り2カード、とにかく自分たちは4連勝するしかないと思っているので、1戦1戦トーナメントだと思ってやっていきたいです。(次に戦う)慶大さんは良いピッチャーがいると思うので、そのピッチャーへの対策は空き週を使えると思うので。その空き週を使ってチームで練習して、ここまでピッチャーに助けられているので、野手がもうちょっと頑張って打線がつながるチームになっていければ間違いなく春みたいに勝てると思うので、そこをチームとして頑張っていきたいなと思います。
堀尾浩誠
―試合を振り返って
全然ヒットが出なくて、両チームとも緊迫した試合が続いていたんですけど、集中力で粘り勝てたかなっていう感じです。
―7回の適時打の感触は
詰まってたんですけど外野手が前に来てたので、抜けたかなっていうのは打った瞬間にわかりました。
―昨日の試合では調子が上がらない部分があったように見えましたが、それまでの打席と何か意識を変えたところは
結構力んで打ちたい打ちたい(という気持ち)になっていたので、力を抜いて全力で振るっていうよりかは当てに行くような感じで意識しました。
―11回タイブレークでの追加点を決めた時の心境は
タイブレークで2点だと結構きついので、最低でも3点4点は欲しいなと思っていて。ピッチャーもそこまで(状態の)良いピッチャーじゃなかったので、追い込まれるまでに打ちたいなっていう感じで、たまたま外のボールがうまく芯に当たって飛んでくれたかなって言う感じです。
―自身にとってラストシーズンになるが、特別な意識は
ずっと2年から出させていただいてベストナインをまだ1回も取れてないので取りたかったんですけど、結構今の状態だと厳しいので、残り4戦しっかり1試合2本以上打つようなイメージで結果を出していけたらいいかなと思います。
―次の試合に向けて
慶應の日比谷(元樹)くんがすごく良いピッチャーで、春も自分はことごとく抑えられているので。多分僅差の試合になると思うので、何とかチャンスで1本打てるように頑張ります。